2010年 プリンスリーグ関東 第9節 FC東京 0 - 0 東京ヴェルディユース


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※全て手元記録。


水戸でホーリーズとホーリーくんと水戸ちゃんのサッカーを堪能し、東京で投宿。


日曜は深川グランドにてプリンスリーグ第9節、東京ダービー
清澄白河から30分ほど運河沿いを歩いて猿江に向かう。


10時半に着いたが、すでにかなりの観客が集まっていた。バック側、一番ヴェルディサイド寄りの東京のダンマク前、ネットの支柱を支えるブロックの上で立って観戦。この位置だと、地球が丸いのが良くわかるな(嘘。グラウンドがカマボコ型になってるだけです)。


東京は前節欠場した前岡が戻って(腰を痛めてたらしい)、現時点のベストメンバーが揃った。


ヴェルディは、トップで出場している高木兄弟が不在。ただし、J2で出場経験を持つ小林祐希を筆頭に、Jのメンバーに登録されている選手を5人含む陣容である(小林、キローラン兄弟、高野、南)。ま、チーム事情もあるんでしょうけど。


バック側に青赤風船が揺れる中、試合開始。


試合開始から、両チームとも動きがいい。ファーストディフェンスは速く激しく、切り替えも素早い。


2分、GK三浦のパントキックから秋岡が反応するがシュート撃てず。


6分、左スローインを受けた武藤がドリブルで切れ込んでからクロスを入れるが、ヴェルディDFがカット。


中盤での奪い合いはヴェルディが優勢。奪ってからの切り替えが早く、パスコンビネーションでの速攻を見せる。やや緑さんペースで前半は進む。


8分、ヴェルディ左MF杉本がサイドで仕掛ける。廣木とのマッチアップになり、左コーナー近くでFKゲット。 小林のFKのクリアを拾った杉本がミドルで狙うがゴール左。


15分、ヴェルディは中盤での繋ぎから小林が鋭いミドルシュートを放つが枠を捉えられず。



お互い、やや当たりが激しく、16分にはヴェルディ南部が両チーム通じてこの試合最初の警告を受ける。



19分、ヴェルディは左サイドでFKゲット。小林のキックは壁に当たるが、跳ね返りを拾って放り込む。キローラン木鈴のフリックから舘野がサイドの裏に抜けて折り返すが、東京DFがカット。



20分、東京。秋岡がドリブルで中央突破を仕掛け、キローラン木鈴のファウルを誘う(キローラン木鈴は警告)。
22分、東京の右CK。佐々木がニアに低いボールをいれ、そこからゴール前の混戦になるがヴェルディDFに阻まれてシュート撃てず。


30分には、三浦のロングキックから秋岡が抜け出す。右サイドに流れた秋岡から中央に走り込んだ前岡にクロスが入るが、合わず。
35分、佐々木が左サイドに流れてキープ、一人を経由して中へ切れ込む動きを見せる武藤にパスがわたる。武藤はちょっとドリブルで突っ掛けてからシュートを放つが、ヴェルディDFにブロックされる。


38分、ヴェルディは右サイドでFKゲット。舘野が素晴らしい動きだしで東京DFを振り切り、ヘディングシュート。ボールは飛び出してきた三浦の頭上を抜けるが、クロスバー直撃。


これで勢いづいたか、前半の残り時間はヴェルディのペース。


39分、中盤での細かい繋ぎから大木のミドルシュート。ゴール左に外れる。
44分、右サイドから南部がカットイン、ダイアゴナルな動きで真ん中に入り込んできた杉本にパスが渡りシュート、しかし東京DFがブロック。
ロスタイム1分。


ボールを回される場面もあったが、東京は守備ブロックを保って、39分まではセットプレーのこぼれ球とミドルシュートの計2本のみに押さえ込んだ。39分のバー直撃弾以降はちょっとバタバタしたが、ディフェンスラインが最後のところを凌いで前半を乗り切った。


東京はヴェルディの速い潰しの前にピッチ中央では起点を作れず、サイドおよびロングボール中心の攻撃。江口、武藤が何度もサイドから切り込むが、前半のシュートらしいシュートは武藤がカットインして放った一本のみ。ペナルティエリアまで持ち込んだ場面は何度もあったが、ヴェルディDF陣が素早くゴール前を固めてシュートを撃たせなかった。ゴール前の密集で細かいパスが多いような気がしたが、それだけシュートコースが無かったんだろう。
三浦のロングキックから秋岡が何度も裏に抜け出そうとするが、これもキローラン木鈴、高野のCBコンビに阻まれてシュートに持ち込めない。


拮抗した前半だったが、レフェリーが神経質で、ユースの試合には珍しく前半だけで警告が3枚(東京:橋本、ヴェルディ:南部、キローラン木鈴)。判定が勝負の綾になっちゃうんじゃないかとといういやな予感がした・・・


向かいの学校のチャイムが鳴り響いた後、後半開始。相変わらずの曇り空。ハーフタイムの選手交代は両チームともに無し。


後半開始直後、ロングフィードから村松が左スペースへ抜けて折り返すが、ゴール前に走り込んだ武藤に合わない。


47分、前岡のポストから秋岡がペナルティエリアへ侵入。対応したCB高野と競り合い、バランスを崩して両者転倒。ところが、レフェリーの判定はなんとPK。おまけに高野にはイエローカードが呈示された。俺の位置からは全くファウルには見えなかったが・・・(こちらの方はファウルではないと断言しています)。
観客の誰かが、これで勝っちゃったら後味悪いよな、とつぶやいているのが聞こえた。


しっくりした気分じゃなかったのはサッカーの神様も同様だったようで・・・秋岡のPKは別に悪いキックでは無かったが、ヴェルディGKキローラン菜入にコースを読まれ、止められた。


49分、ヴェルディDFと競り合った前岡がファウルを取られ、警告。


前半と違って、東京はボランチの位置でボールが持て、中央で引きつけてサイドに展開、という形ができている。橋本が効いていた。球際の競り合いで、足がニュッと伸びてくるところが、ちょっと米本チック。


52分、右サイドでの攻防。江口が競り合いに勝ってタッチライン沿いを駆け上がり、折り返す。ゴール前に飛び込んだ秋岡がフリーでヘディングシュートを放つが、バーを越えた。


56分、ヴェルディの右CK。ニアへ飛び込んだ相馬が頭でそらすが、ポストの左クロスバー直撃(訂正)。


60分、ヴェルディの選手交代。南部に替わって山浦。ポジションは同じ右MF。


しばらく膠着状態が続いていたが、65分にヴェルディが決定的チャンスを得る。
東京DFのパスをカットしてアタッキングサードへ持ち込むと、繋いで東京の守備ブロックを崩し、最後は相馬が裏へ抜け、GKとの1対1。決定的だったが、飛び出した三浦が触ってシュートはゴール左に外れた。続くCKからキローラン木鈴が放ったヘッダーも三浦がファインセーブ。


67分の東京はロングフィードからチャンスを迎える。右サイドで佐々木がキープしてからクロスを入れる。鋭い動きでゴール前に飛び込んできた秋岡がアクロバチックなボレーで合わせるが、シュートは無情にもクロスバーを叩く。


直後、東京は前岡に代えて前節の殊勲者・岩木を投入。岩木が左MFに入って、武藤がトップに上がる。


69分、その岩木がさっそくFKを直接狙うが、枠を捉えられず。


70分、ヴェルディ2人目の交代。相馬に代えて前田を投入。ポジションは同じくFW。


72分、江口と廣木のコンビネーションで右サイドからボックスへ切り込むが、ヴェルディDFに阻まれてシュートに持ち込めない。中盤に戻して佐々木がミドルで狙うが、これもDFにブロックされる。こぼれ球を拾った武藤がエリア内で強引に仕掛けるが、ヴェルディDFに止められる。


試合はヒートアップしていくが、それと反比例して判定が怪しくなってくる(あくまで観客目線ですが)。判定をめぐってベンチも熱くなり、倉又さんがシャウトしてコーチに止められる場面もあった。退席を喰らうんじゃないかとヒヤヒヤした(深川で退席になったら、どこへ行くのだろう?)。


そして、75分、退場者発生・・・
東京DFのクリアボールを秋岡が追って、ヴェルディの選手と体をぶつけ合う。私の位置からは単なるショルダーチャージに見えた(今思えば、若干、秋岡の体が斜め後方から入ってたかな)。ところが笛が鳴り、秋岡がファウルを取られて2枚目の警告。主審のジェスチャーから見て、繰り返しの違反を取られたらしい。「え"〜」という観客が叫ぶが、判定が覆るわけもなく、秋岡は苦笑とともに肩をすくめてピッチを去った。ああ、not his day...観客から「レフェリー、試合壊すなー」という声が飛ぶ。


10人になった東京。しかし、そこから勝負への執念を見せた。ヴェルディのDFラインがリスタートのボールをサイドへ回していったのだが、これを佐々木が猛烈な勢いで追いかけた。


私、これを見ただけで、いいもの見せてもらった、今日来た甲斐があったな、と思いましたね。


東京はこれで火が付いた。実際、ここから5分ぐらいは一人少ない東京のペース。ボールを支配して、ヴェルディを押し込んだ。ヴェルディはバタバタして、パスミスも目立った。東京の布陣は、武藤のワントップ、2列目に右から江口、佐々木、岩木、1ボランチ橋本、という形だったかな。


80分をすぎると、東京はさすがにペースダウン。そして、ヴェルディが最後の攻勢に出る。
ここからは恐怖の時間帯w。ヴェルディが個人技を織り交ぜたコンビネーションで攻め込む。この攻撃の前に東京の守備ブロックは振り回されるが、最後のところでなんとかはね返す展開が続く。


85分、右サイドから渋谷が切り込む。東京のディフェンス3人をかわして強烈なシュートを放つ。三浦はキャッチしきれなかったが、こぼれ球を素早く押さえて事なきを得た。


88分にもゴール前の攻防。密集の中、東京DFのクリアが選手の背中(味方?)に当たって跳ね返るが、ボールはゴールをそれた。


東京は前線に一人残る武藤ががんばってFKを取る場面もあったが、得点には至らず。


ヴェルディも消耗しており、キローラン木鈴が足を痛めて89分にモービーと交代した。


ロスタイムは3分。
東京は山口、湯浅を投入して最後の守り。


そしてタイムアップ。
白熱の攻防はドローに終わった。


うまい感想が思いつかないんだが、とにかくいいもの見せてもらいました。


FC東京U-18は勝ち点1を得て、23ポイントで首位。ベルマーレユースを破った流経柏が勝ち点20で2位を追走。得失点差は同じ+12で、総得点は流経柏のほうがまさってるのか。
浦和は八千代と引き分けて、16ポイントで3位。というわけで、優勝は東京と流経柏との間で争われるわけだ。


他の試合はというと、マリノスと養和が引き分け。スコアは5-5。なにやってんすか・・・・?
そして、ジェフユースはまたもウノセロ。9試合を消化して、得点4失点2って、冗談抜きにすごいと思う。


残る2節の相手は、東京がマリノス、養和という強豪との対戦。一方、流経柏は、八千代、およびジェフユースの千葉県勢同士の対戦。


優勝争いのカギを握っているのは、ジェフユースのような気がしてきた。


(加筆)
両チームのシュートまで持ち込んだパターンをメモから整理してみる(シュート数、パターンは全部手元記録です)。


まず、前半の東京。
シュートらしいシュートは、35分に武藤が放ったモノだけ。左サイドからコンビネーションでシュートまで持っていったものだった(ゴール前の混戦でシュートにカウントされたものがあるかもしれないが・・・)。
中盤戦で劣勢だったため、攻撃パターンはサイド突破か、ロングボールから秋岡が裏を狙うか、のどちらかだった。他に前岡のポストを使おうとしていたが、セカンドボールを拾えなかった。
サイドからペナルティエリアへ持ち込んだ場面が数回あったが、そこはヴェルディも警戒していて、サイドで持たれると素早く帰陣して守備ブロックを形成したため、東京はシュートまで持ち込めなかった。


一方、前半のヴェルディはシュート5本。ボールを奪うと、まずは速攻を狙い、それがダメなら回して崩すそうとしていた。しかし、東京も守備ブロックの形成が早く、ペナルティエリア内でのシュートを許さなかった。流れの中でのシュートは、15分に小林が遠目から狙っていったものだけで、他に8分のセットプレーのクリアからミドルシュートがあったたけ。


つまり、東京がしっかり守りきっていたのだ。


ただし、38分にセットプレーから完全にマークを振り切られてのバー直撃弾を浴びると、明らかに動揺が走っていた。残り6分間に、流れの中から2本のシュートを浴びる。一つは細かい繋ぎからの意表をついたミドルシュート、もう一つは南部のサイド突破から中央に入り込んだ杉本が放ったもの。この時間帯は最終ライン(とくに両CB)の踏ん張りでなんとか凌いだ感じだった。



後半になると、東京は中盤戦で橋本が力を発揮し始め、真ん中、ある程度高い位置から両サイドに効果的な配球できるようになる。前半のサイド攻撃は力づくだったが、今度はいったん中へヴェルディディフェンスの注意を引きつけておいてからサイドへパスを出せるため、サイドプレーヤーがいい形でボールを持てる回数が増えてくる。


52分の秋岡のヘッド、67分のこれも秋岡のボレー、いずれもサイドを崩してからのクロスによるものだった。72分の佐々木のミドルも、江口と廣木が右サイドを攻略してからのもの。
サイド攻撃からのシュートはこの3本。いずれも得点の匂いを感じさせるものだった。
チームの武器であるサイド攻撃は機能していたのだ。
このほかにあのPKと岩木の直接FKがあるので、東京のシュートは計5本。
退場者が出た後の猛攻では、実はシュートらしいシュートはなかった。やはり、前線の枚数が減っていたことが痛かったかな。


一方、退場者が出るまでのヴェルディのシュートは3本だけ。もっとも、56分の小林のバー直撃ヘッダー、69分には完全に崩されての相馬の一撃、直後のCKからキローラン木鈴のヘディングシュート、といずれも決定的なものばかり。ここはGK三浦のゴールセービングとクロスバーに感謝するしかない。


終盤は、東京が粘り強く守って、あれだけ回されながらも、危ないシュートは渋谷の個人技から打たれた1本にとどめた。


要するに、両チームの才気溢れる攻撃陣が、両チームの堅守をこじ開けようとあらゆる手を尽くしたが、結果的に守備陣の力が勝ったという試合だったのだな。