いまごろ日本vsヨルダン

やっと録画を見られた。
とにかく内容が悪い。悪すぎる。気候を考えれば遅攻主体になるのはある程度仕方がないとしても、だからこそ時に速攻を行う必要があるわけだけど、このチームにはその形がない。ポゼッションからどうやってテンポを上げてゴールに迫るかというところが、選手のその場のアイデアまかせで、これでは高温多湿に加え疲労が蓄積した状態で攻撃の形ができるわけはない。2年間、なんにもしてこなかった監督がいまさらそれをするわけがない。得点の匂いはセットプレイからしかしなかった(後半終了間際に中村のクロスに鈴木が惜しいヘッド、という場面があったけれど)。
結局、ゲームの主導権を握れるかどうかは出場選手のコンディション次第、ということになるのだけれど、この監督、コンディションを考えないことには定評があるので、このように中3日、中2日で試合が行われる大会では負の予定調和にはまりこむ。
それにしても、ここまで明らかな欠点を修正せず、ただひたすら選手(とファン)に試練を与え続けるジーコさん、あんた、変な宗教やってない?


もちろん、アジアカップ優勝の目は十分にあると思うけど(韓国が消えたし)、仮に勝っても一将功成って万骨枯る、という言葉そのものになりそうで怖い(田中マコ、遠藤、玉田が負傷とのこと)。それでも、今の日本の選手層を考えれば代わりはいる。そうか、ジーコは日本の(アジアレベルでは)分厚い選手層(とそれを支える育成システム)に全幅の信頼を置いてるわけか。使い潰しても次がいると思っているのか。そうとでも考えなければ合理的に解釈できない。
なんか、殺意さえ湧いてきた。


試合中の宮本の悲壮な表情が印象的だった。
それと川口。PK戦のときの表情。ほんとに雑念なんて一切無い、というあの表情。本当の苦境で最高の力を発揮できる、その資質に感動すら覚えた。海外移籍後は満足の行くキャリアを歩んでいない彼ですが、今後のプレー環境が好転すること祈ってやみません。


試合は、あいかわらずの大ブーイング大会(笑)だったが、まあ勝手にやってくれ。どうせ好き放題ナショナリズムをまき散らすことができる季節は短いのだから。どんな国だって、いずれは経済成長が壁につきあたり、見たくない現実に直面しなければならないのだから。それまでの間、ストレスを発散するのも悪くないと思うよ。だから今は好きなだけおやりなさい(ムカつくけど)。


ところで、日本人サポーターは日の丸を掲げるの、を自粛していたそうだけど、賢明な判断だと思う。あちこちの報道を読む限り、重慶の大観衆のうち普段からサッカーを見てよそのサポーターと小競り合いなんかもやっちゃってる(笑)連中はごくごく少数、大多数はただ日頃の「反日気分」を発散したいだけの人たちらしい。この仮定が正しければ、こういうサッカー観戦における「お約束」のわからない人たちが試合で興奮しているところに、群集心理に火をつけるようなまねをすれば不測の事態がおこりかねないと思う。

まあ、もう一回来たいと思っている人はいないだろうな。でも、重慶はもしかしたら来る北京オリンピックのサッカー会場になる可能性があるんだそうで。やれやれ。


最後に一つ。エンドが替わった後のPK戦で、ゴール裏に人民解放軍の兵隊さんらしき一団がいたのが目についた。彼らは、日本がPKを決めた時はほとんど無反応だったのだが、ヨルダンのときは映してくれなかったw。どうしていたんだろう? やっぱり、立ち上がって喜んだのだろうか? それとも鉄の規律を遵守し、微動だにしなかったのだろうか? すごく気になる。誰か教えてくれ。
[追記]
迷彩服を着た一段が銅鑼や太鼓を打ち鳴らしていたらしく、この兵隊さんたちもその一味?