J2 第38節 横浜FC 3 - 2 サガン鳥栖(観戦81試合目)

泣きながら行く江戸川。空を見上げれば曇天。寒い。
バックスタンド裏に自転車を止め、チケットを求めてメインスタンドへ。
メイン上段、アウェイ側の記者席脇に陣取る。なんだか気合いが入らない。チケット獲得の失敗が重く心にのしかかる。


東京開催のホームゲームでは勝ったことの無いらしい横浜は4-4-2フォーメーション。GK菅野、DF中島-山尾(お久しぶり)-トゥイード-早川、中盤が小野-内田-マシュー-臼井、FWが北村、久保田。
鳥栖は3-5-2フォーメーション。GKシュナイダー、3DFは山道-佐藤陽-朝比奈、ボランチが本橋と落合、左WB高橋、右が中村、トップ下が竹村、2トップが佐藤大と小井出。


序盤はお互いにカウンターの応酬。それも多くはパスミスが発端というお寒い展開。でも一度もボールが外へ出ずにカウンターが2往復!するのはある意味すごい。こんな忙しい展開にたまりかねたのか?15分すぎには早くもCBのトゥイードが前線に上がるパワープレーを開始。そのトゥイード鳥栖DFがボールを持つと激しくプレッシャーをかけ、FK、CKをゲットする。さすがディフェンダーだ(笑)。


もっとも流れは鳥栖のほうにあった。鳥栖はボールを奪うといったん本橋に預けて攻撃を組み立てる。本橋のパスのターゲットとなるのは前線では竹村、右サイドは中村。とくに竹村はトップ下の位置から裏への抜け出しを図ったり、サイドに流れてボールを引き出したりと精力的な働きを見せる。しかし2位グループ(もうばらけたけど)をことごとく引き分け地獄に引きずり込んだ横浜のディフェンスはそれなりに堅く、なかなかいい体勢でシュートが打てない。攻めあぐねているうちに前半が終了する。


後半開始時のメンバー交代はなし。横浜は4バックに戻す。そして試合が動き出す。
開始直後の48分に久保田が鳥栖DFと競り合いながらシュートまで持ち込むがGKがキャッチ。
52分には鳥栖のチャンス。右サイドの中村がFWに当て、戻したボールを走り込んだ竹村がシュートするがこれは枠をはずれる。
そして55分、横浜10番の内田がカウンターに入り、約40mをドリブルで持ち込んでからシュート、シュナイダー横っ飛びもボールは手の先をかすめゴール、横浜FCが先制点を上げる。
鳥栖は反撃に出ようと58分にFW小井出に代えて同じくFWの下司を投入する。チーム全体も前がかりになる。前半は守備に追われることが多かった左WB高橋も積極的に前へ出始める。60分にはその高橋の左CKをファーサイドにいた佐藤陽が折り返して朝比奈がヘディングシュートを放つがバーを越える。
逆に横浜が65分、カウンターから臼井が、対面の鳥栖DF山道が芝に足を取られて転んだ隙をついてドリブルで攻め上がりシュート、これが決まって横浜が2点目を上げる。
これで勢いづいた横浜は攻勢にでるが好事魔多し、69分に横浜PA内へのロングフィードに飛び込んだ竹村と菅野が接触しこれがPK判定。判定に抗議した菅野は警告。PKを佐藤大が落ち着いて決めて鳥栖が一点を返す。


このあと73分に鳥栖は中村と竹村を下げ、伊藤彰・矢部次郎と切り札を投入し勝負にでる。流れは再び変わって鳥栖ペース。FWにくさびのパスが入るようになり、落としたボールをMFが拾って展開するなり、FWが反転して勝負に出るなりできるようになる。反面、お互いエキサイトして荒っぽいプレーも出始める。そして81分、横浜陣内左サイドのエンドライン付近で矢部が後ろから押されて倒され、FKとなる。北村out大友inという横浜の選手交代を挟み、高橋の蹴ったFKはファーサイドへ。これを誰かがヘディングで折り返し、朝比奈?がヘディング、このボールが横浜の選手に当たってサイドネットへ向かって転がる。菅野が追うが一歩及ばずにゴールイン。鳥栖、同点。


この後は両チームとも勝ち点3を狙ってノーガードの打ち合い。横浜は84分に久保田out大久保in、87分に小野と小野を(つまり智吉を下げ信義を入れた)交代し、トゥイードを再び前線に上げてあくまで勝負にでる(そういえば控えには攻撃的な選手しかいないような)。3分のロスタイムに入った直後、大友が快足を飛ばし右サイド、エンドライン際までえぐって浮き球のクロスを入れる。これに飛び込んできた大久保が頭で合わせ勝ち越しゴールを奪う。劇的な展開に湧くスタジアム。そしてタイムアップ。どうやら横浜FCは東京開催ホームゲームでの初勝利らしい。よかったね。


とはいえ、横浜は勝ったものの、カウンターとトゥイードの高さ以外はあまり印象がない。自分で主導権を握ってゲームをつくるという形が見えてこない。例えば大友のスピードを生かす形がつくれれば(トラップがあれだけど)、もう少し何かできそうな気がするけど。
どちらかといえば鳥栖のほうに未来を感じる。佐藤陽-本橋-竹村というセンターラインがしっかりしている。佐藤陽はトゥイードに勝っていたし、本橋は今日の出場選手の中では明らかに一枚上、竹村は後半さすがに疲れて交代したものの、豊富な運動量で攻撃の主軸になっていた。組織的守備でボールを奪い、本橋に預けて展開、という形が機能していたし、攻撃もFWまかせではなく中盤が積極的に参加していた。それだけにプラスアルファ、とくに竹村に加えて攻撃にもう一枚力のある選手がいれば、と思った。左サイドの高橋あたりが最有力候補かと思う。前半は守備に追われていたが後半は積極的に攻撃にからみ、持ち前のテクニックを生かして活躍した。キープ力、パスセンスもあり。彼がトップ下あたりでプレーできるようになればシュート力のある竹村を前で使えるようになるのだが。


今日の試合、天気は寒かったが内容は熱かった。それも両チームの選手たちがあくまで勝ち点3を狙い、最後の最後まで攻め合いを続けたおかげだろう。


そして帰ったらいいことが・・・