インカレ準々決勝 筑波大学 1 - 0 福岡大学(観戦111試合目)

栗澤がケガで出られない&忘年会後遺症のため爆睡、というわけで第1試合は遅刻。ゴール裏を売店に向かって(朝飯まだだし)いるところで、ちょうど難波の2点目が入った。


カップラーメンを買い、陽の当たるバックスタンドに移動して第2試合から観戦。

メモ帳を持ってこなかった(二日酔いで忘れた)ため、簡単な印象のみ。


フォーメーションはどちらも4-4-2。


メンバー表は後ほど(プログラムが本の山の中に埋まって見つからない)。


試合は序盤から筑波が中盤を制圧し、優位に立つ。


福岡大の攻撃は単発で、どちらかのサイドMFと2トップの3人ぐらいしか攻撃に参加できない。筑波の中盤プレスをかわすためにサイドにボールを出しても、筑波の両SB・植松と阿部翔によって前を塞がれ、サイドMFのサポートのためにツートップの片割れが寄ってくると中には田代一人しかいない、なんて状況が頻発した。完全に押し込まれているせいもあって、後方からの攻撃参加も乏しく、これではいくら田代が大学No.1FWといってもなにもできない。右MFの11番が何度かアーリークロスを上げる場面があったのだが、コントロールが悪く味方に合わない。福岡大はフィードの精度も低く、田代にいい形でボールが渡ることはあまりなかった。


しかし、福岡大は守備が良かった。とくに4バックの動きが良く、サイド攻撃に対しては素早く中央を固めて的確なポジショニングでクロスを迎撃し、中央突破に対しては中盤と連携し複数で対応する。
筑波は、鈴木に藤本・秋田の両攻撃的MFに兵藤が加わって攻め続けるがなかなかゴールが奪えない。このチーム、お膳立てする人はいっぱいいても、実はストライカーがいないので相手に引かれてしまう and/or 押し込んでしまうととたんに手詰まりに陥る。ストライカー候補たる平山は、U19代表合宿で鼻骨を骨折しフェイスガードを装着して強行?出場していたが、動きが鈍い。一応、トップに張っているがポストもキープもできず、かといってクロスに反応してゴール前に飛び込むでもなく、ただ突っ立っているだけだった。代わりに、鈴木が得意の高速ドリブルで福岡4バックの後方のスペースを狙い、チャンスを作り出していた。しかし、相方の動きが鈍すぎるため単発気味で、決定機に結び付けられない。頼みセットプレー・藤本のキックも福岡大DFの前に阻まれる。


というわけで、両チーム無得点のまま前半が終了した。
ハーフタイムに福岡大と筑波大の控え選手同士(高校のチームメートかな?)が会話を交わしているのを小耳にはさんだのだが、九州では田代に放り込めばほとんど競り合いに勝てるか、少なくとも起点にはなるそうだが、今日の試合は全く勝手が違ってリズムがつかめないとのことだった。福岡大のほうは太鼓を叩いていたにーちゃんなのだが、今回の関東遠征はほとんど自腹だそうで生活が困窮している部員も多く、年末はバイトに明け暮れるのだそうだ。うーん、大変だなあ。
この福岡大応援団、自チームの選手さえいじるというなかなかの凶悪ぶりで面白かった。


後半も似たような展開で、筑波が優位にたって試合を進める。
いいボールが来ない展開に焦れたのか、なんとかしようと思ったのかはわからないが、田代が下がってボールを受け始める。そうすると、非凡なセンスをもっていることがわかる。テクニック、ボディバランス、相手との駆け引きなどいずれも高レベル。こりゃ、鹿島が獲るわけだ。しかし、田代が下がってチャンスメークすると今度は前線に人がいなくなるため、決定機には結びつかなかった。


攻めあぐねていた筑波だが、エリア内で誰かがグラウンダーの強シュートを放ち、GKがはじいたところを詰めていた鈴木達也が決めて先制する。
逃げ切り体勢に入った筑波に対し、福岡大も必死の反撃に出る。追い詰められて吹っ切れたのか、攻撃の選手が勝負する場面が多くなり、特に左MFに入った20番が再三チャンスを作る。植松をぶち抜いてゴールライン際までえぐり、マイナスのクロスを入れたところに後ろから上がってきた13番がフリー、という決定的チャンスがあったものの、シュートは人垣に当たってしまった。このあともセットプレーからチャンスがあったが、結局ゴールを割れず。
筑波大が1-0で準決勝に駒を進めた。


なんか、筑波の強さと弱さの両方が垣間見えた試合だった。強さとは、もちろん質の高い中盤とディフェンスラインの硬さ。弱さとは決定力不足とメンタルな面、つまり妙に受けに回ってしまい相手に決定機を献上してしまう時間帯があること。リーグ戦で下位に取りこぼしている原因もそこにあると思うのだが。
それにしても平山の不調が気にかかる。今シーズンの過密日程で疲れがたまっているのだろうか。高校選手権の時の輝きはもはやない。「協会所属にして徹底的に鍛えるべきだ」なんていってた人間力おじさんがいなくなったことだし、しばらく大学で地道にトレーニングした方がいいんじゃないだろうか。実はフィジカルがあんまり強くないし、競り合いの時の体の使い方が悪くファウルを取られるクセが直っていない。このまま酷使されると、潰されそうな気がしてならない。
あと、後半から出てきた筑波の三澤が良かった。出てくるなりいきなり見せ場をつくっていたし、スピードあふれるプレーをしていた。


これで、日曜の準決勝は、

駒澤大学 vs 筑波大学
流通経済大学 vs 立命館大学

という組み合わせとなった。


トップからユースまでそろって終戦を迎えた今、稼働している唯一の青赤・栗澤はケガとのことで、この準決勝への出場もむずかしいらしい。
というわけで、ここは流経に勝ってもらって、来年1月16日の決勝で彼のプレーが見られることを祈ろう。