J1第21節 ジュビロ磐田 1 - 1 FC東京(観戦56試合目)

日時:2005年8月27日(土) 19:00キックオフ
会場:ヤマハスタジアム
観衆:15735人
主審:片山、副審:金子、平野、第4審:田尻、MC:福村
得点:崔(磐田、35分)、栗澤(東京、36分)


夏休み最後の週末、東京的には鬼門の田舎スタジアムに向かうべく、朝の東京駅に向かう(鈍行で交通費節約だっちゃ)。朝9時の東海道線快速アクティ(熱海行き)を待つ列には、点々と見える青赤な人に混じって赤組の人があっちこっちに見える(つーかいつものことだが数だけは多い)。
どうやら向こうは瑞穂行きらしい。文字通りの呉越同舟だが、とくに乱闘騒ぎもなく(笑)、無事に熱海到着。
ここで浜松行きに乗り換える。車両数が減って、混雑度は上昇。熱海では座れず、途中でも席は空かない。
結局、清水を過ぎたあたりでようやく座れた。東海は広い。磐田は遠い。


とりあえず、掛川で下車。ここで、天竜浜名湖鉄道に乗り換える。ワンマン運転、2両編成のローカル線だが、新しくてきれいな車両で、エアコン完備(窓は開かない)。
列車は田んぼと茶畑が広がるのどかな田園地帯を走る。途中下車してサイクリングしたら気持ちいいだろうなあ、という駅がいくつかあった。沿線の田んぼでは、すでに稲刈りが始まっているところあり。さすが静岡、生育が早いのね(台風シーズン前に刈り取ってしまう戦術?か)。


天竜二俣でいったん車両を乗り換え、天竜川を渡り、西鹿島という微妙な名前の駅で下車する。ここから遠州鉄道に乗り換えて浜松を目指す。こちらは車両こそ少々古いが4両編成、かつ休日の昼間も一時間4本運行と完全に郊外型通勤電車という風情だった。浜松ってけっこう都会だ。


改札はICカードと切符の併用だが、紙の切符にはなんといまどき鋏を入れてくれる(残念ながら硬券ではない)。
乗客は結構多い。その中には出稼ぎ組のブラジル人がちらほら。日系のはずなのだが、そうは見えない人も多い。見ていると、日本語があまり上手じゃない人も多いみたい。


30分ほど、列車は適度に田舎な浜松市郊外を通って、浜松駅に着いた。そうしたらまあ、この暑いのにダークスーツを着込んだ人相の悪い人たちが多数、駅前をうろついている。耳にはイヤフォン、スーツの左胸はふくらんでいる。そっとのぞき込むと、なんと拳銃を吊っているではないか。
おお、これは親愛なるSPさんたちだ。よく見れば制服警官もぞーろぞろ。さらに選挙カーと運動員の大群。なんと、小泉さんが来るのであった。

せっかくだから、演説を見物したかったのだが、なかなか登場しないうちに、浜松発スタジアム行きバスの発車時刻になってしまった。料金は550円、所用時間は40分とガイドブックにあったが、実際は1時間近くかかった。ぐっすり寝入っていたのでよくわからなかったが、渋滞していたらしい。


自宅発8時半、現地到着17時。長い道のりだった。崖のような急傾斜(つーか元は崖なんですね、ここ)のバックスタンドをよじ登り、フリーゾーンアウェイ寄りに席を確保、夕日を眺めつつ、キックオフを待つ。風が強い。


磐田のスタメン。

    カレン  崔
      成岡
 村井        太田
    名波  河村
  茶野  田中  金
      佐藤

SUB:松井、大井、船谷、川口信、中山
選手交代:名波→船谷(26分)、成岡→中山(39分)、金→大井(83分)
僕らの友達・川口ヨシカツ、福西、服部がケガ、前田が累積警告で欠場、藤田が去り、菊池は新潟に出向中(なんで川口信じゃないんだw)、ということでこんなスタメンになった。層の厚い磐田といえど、ここまで選手を欠くとちょっときついかな。
それにしても、急速に世代交代が進んでいるなあ。古き良き磐田の選手は、名波と田中(+佐藤洋平)ぐらいしか残っていないじゃないか。ところで鈴木秀人や西はどうしたのだろう(やっぱりケガらしい)。



東京のスタメン。

    ルーカス
 規郎  栗澤  石川
   三浦  梶山
今野 茂庭  ジャーン 加地
     土肥

SUB:遠藤、藤山、宮沢、馬場、ササ
選手交代:三浦→ササ(52分)、石川→馬場(77分)、梶山→宮沢(86分)
金沢が1ヶ月ぐらいダメらしいので、左SBをどうするのかな、と思っていたが(バックアップがいないし)、そうですか、そう来ましたか。
この選択だと、左サイドの守備力という面では一番計算できるけれど、代わりに中盤のボール奪取力が下がる。文丈の運動量がどこまでもつか、ということも含めて、難しいトレードオフだな。
それにしても、もう藤山じゃないのか。こちらも世代交代だなあ。
もっとも、一番驚いたのは左サイドの人選じゃなくてルーカスの青々とした頭だった。


前半の試合経過。

3分、東京:茶野のミスパスをかっさらって右サイドへ展開、石川がクロス。クリアされるが、二次攻撃で再び石川がシュート、DFがブロック。こぼれ球を磐田DFラインの裏に送り、ルーカスが反応してループシュートを打つがオフサイド(シュート自体も外れ)。
7分、磐田:カレンロバートが崔とのワンツーで裏に抜ける。カレンの高速ドリブルはDFがブロックするが、ルーズボールを拾って村井がクロス、東京DFがクリアするが、こぼれ球の競り合いで太田と今野が衝突。今野が一時外に出る(このとき脳しんとうを起こしたらしい)。
11分、東京:梶山→右サイド加地→石川と渡って、クロス。栗澤がニアに飛び込むがフィニッシュまでいたらず。しかしスローインを得る。ここからの展開で加地がゴールライン際までえぐって折り返すが、GKが押さえる。
14分、東京:梶山が中盤でボール奪取、前線へパスを送る。これを受けたルーカスがドリブルからグラウンダのシュート、しかしゴール左へそれる。

序盤はお互いにボールホルダーに対し早いプレッシャーをかけ合う展開だった。周囲の選手も連動してパスインターセプトを狙い、奪ったボールをスピードのあるパスで展開、手数をかけずにゴールを目指す。
磐田は崔が前線に張ってターゲットとなり、カレンがその周りを豊富な運動量でかき回す。全体に押し上げが効いていて、セカンドボールを拾うと素早く両WBに展開、そこから個人能力で突破を狙う。
東京は、今野はもちろん加地も引き気味で太田・村井の突破に対応、両CBも集中力を保ち、シュートを許さない。中央では三浦がツボを押さえた動きを見せ、梶山は持ち前の展開力を見せつける。右では石川がサイドチェンジを受け、左では今野とのコンビで規郎が攻め上がる。

15分、東京:ボールの奪い合いで三浦と茶野が交錯。三浦がファウルをとられ、警告。
18分、東京:規郎の左クロスをDFがブロック、左CKを得る。栗澤のCKをファーにいたジャーンがヘッドで狙うがブロックされる。ルーズボールを拾って攻撃を続けるが、シュートを打てず。
21分、東京:梶山が中央でキープしつつ、ドリブルで前進するがファウルで止められる。リスタートの流れから今野がクロスを入れるが磐田DFがクリア。カウンターから太田がアーリークロスを入れるが、急いで戻ったジャーンがクリア。
26分、磐田:なんとこの時間帯で名波を下げ、船谷投入。体調が悪いのかなと思っていたら太ももを痛めていたらしい。
27分、磐田:カレンが左に流れてクロスを入れ、中央に入ってきた太田がフリーでシュートを放つが土肥が左手一本ではねかえす。クリアボールを拾って今度は村井がクロス、これを中央にいた太田が右へ流し、金のクロスから崔がシュートを放つが枠を捉えられず。以後、2分間ほど波状攻撃が続く。

三浦・梶山の散らしが効いて、最近の東京にしては上手くサイドを使えている。磐田は地味ながら攻守に効いていた名波がケガ(太ももを痛めたらしい)で早くも交代。代わった船谷がトップ下に入り、成岡がボランチの位置まで下がる。
この交代で磐田が一気に活性化する。カレンを筆頭にして激しく動き回りながら高速パスを交換するため、東京はプレスが後手後手に回り、マークが混乱し、非常に危ない時間帯を迎えたが、土肥のスーパーセーブもあってなんとかしのぐ。
翻弄されているとはいえ、磐田のシュート数、決して多くはない。もっとやれる。

31分、東京:磐田の右サイド突破を栗澤が止め、東京ボールのスローイン。栗澤が素早くフリーの今野にスローするが、今野はてくてく歩いていて無反応、ボールはタッチを割る。らしくないプレーにブーイング(脳しんとうの影響らしい)。
32分、磐田:前線へのロングフィードを崔が落とし、後ろから走り込んだ船谷がフリーでシュート、しかし押さえきれず。
36分、東京:今野が左サイドを上がってクロス、裏に石川が飛び出すがオフサイド
37分、磐田:左スローイン、中盤を経由して右サイドへチェンジ。受けた太田がクロスを入れると、後方から飛び出したカレンが頭で合わせ、枠を捉えるが土肥がキャッチ。

このあたりで規郎が左SBに下がり、今野がボランチへ、梶山がトップ下、栗澤が左MFと玉突き移動。意外にも規郎が太田によく対応し、左サイドが安定する。中盤はもちろん今野の移動でボール奪取力が上がった。

38分、東京:左サイド下がり目にいた栗澤から大陸横断サイドチェンジが石川へ。茶野が対応するが、石川は中へ切れ込んでフェイントでコースを開けシュート、枠を捉えていたがGKが弾いて右CK。CKは石川がニアに入れるがクリアされる。
39分、磐田:成岡を下げ、中山投入(北朝鮮代表並みに早い仕掛けだな、と思っていたら成岡は腰を打っていたそうな)。
43分、磐田:カレンが右サイドをえぐり、折り返しに崔が合わせるが、ジャーンが必死で足をのばしてシュートをブロック、こぼれたボールは土肥が押さえる。
43分、東京:直後、ルーカスが中盤でパスをかっさらい、カウンターに移行。梶山とのパス交換でエリア近くまで攻め上がり、最後はルーカス
のマイナスのパスから梶山がミドルを放つがバー直撃。惜しい。
ロスタイム、東京:左サイドでFKゲット。栗澤がファーサイドを狙い、ジャーンが頭で触るがシュートは浮いてしまう。

お互い、速い展開で攻め合うスリリングな前半だった(ヤマハスタジアムはボールが走る!)。シュート数こそ少なかったものの、双方に決定機があった。ただしクロスの精度は磐田が上。


後半の試合経過。

2分、東京:規郎がオーバーラップしてクロス、中央でルーカスと茶野が競り合い、やや左サイドに落ちたボールを梶山が拾ってシュート、しかしゴール右に外れ。
3分、磐田:クサビから戻されたボールを太田がグラウンダのシュート、ゴール左。
4分、東京:栗澤がドリブルでじわじわと前進、シュートを打つが左上にはずれ。
7分、東京:磐田のバックパスを今野が追いかけ回し、GKのミスを誘って右CKゲット。CKはクリアされる。
8分、東京:三浦→ササへ交代。これでルーカス・ササの2トップ、梶山がボランチに下がる。
10分、東京:梶山のサイドチェンジを受けた栗澤が右サイドをドリブル、ゴールライン際まで持ち込んでDFをかわしつつエリアに切り込もうとしたところで倒されるがノーファウル。
13分、東京:規郎のクロス。これに合わせて栗澤がエリア内に詰めるがさわれない。
14分、東京:今野ミドルシュート、GKキャッチ。
18分、磐田:中盤下がり目でボールを持った河村が一気にドリブルで前進、マークを引きつけてから前線に張る中山にパス。中山がワンタッチで裏に出すがコントロールミスで土肥がキャッチ。
19分、磐田:カレンがキレの良い動きでディフェンス二人をかわしシュート、しかし茂庭がブロック。
21分、磐田:左に流れてボールを受けた中山がクロス、中でフリーだったカレンがシュート。しかし再び茂庭がブロック。
22分、東京:カウンターから石川がクロス、DFがクリアするが右CKを得る。CKのクリアボールを拾った石川が裏にぬけシュートを放つが佐藤洋平がキャッチ。
26分、東京:左サイド、ルーカスが規郎とのワンツーでマークをかわし少し中に切れ込んでミドルシュート。GKがはじき出して右CK。
28分、東京:ルーカスがクサビを落とし石川がシュート、ゴール左上に外れ。
30分、東京:梶山の絶妙のスルーパスからササがシュート、GKがキャッチしきれなかったところに梶山が詰めるがクリアされる。
32分、磐田:金がファウルを受け、エリア右角から10mほどのところでFK。これは東京DFがクリア。
35分、磐田:中盤でボールを受けた河村が高速ドリブルで前進。東京DFを引きつけたところで右サイドに股抜きパス。フリーで受けた崔がニアへ地をはうような強シュート。これが土肥の股間を抜けてゴール。磐田先制。
36分、東京:タックルをかわしドリブルで前進しようとしたルーカスが引っかけられ、FKゲット。位置はゴールやや右35m。規郎コールもあったが結局、馬場が蹴ることになった。壁3枚、その両側に密集が一つずつ。その中で駆け引きが行われているさなか、馬場がそっぽを向いたまま唐突に蹴る。山なりのボールは壁の後ろ、やや右サイド側でドフリーだった栗澤へ。栗澤がトラップ、反転してループシュートを放つ。磐田DFのブロックは間に合わず(録画を見ると触っている)、ボールは佐藤洋平の頭上を抜けてゴールイン。同点。
37分、磐田:足を痙った金が自分で×印を出して交代。代わりは大井。


つづきは(運が良ければ)明日。