高円宮杯U-15 FC東京深川U-15 0 - 2 浦和レッズJY(観戦106試合目)

この試合の結果については、すでに多くの人が書いているので、ここで細かく書く必要はないと思う。だいたい、立って声出してたのでメモとってないし。


そんなわけで、印象のみ。


実力差は、試合をみたすべての人が等しく認めるところだろうと思う。
まず、個々の能力において浦和のほうが上だった。まあ、球際は強いは、スピードはあるは、持久力もあるわ(後半ちょっとダレたけど)、かろうじて互角といえるのは足元のテクニックぐらいだったと思う。


こんなチームが戦術面でも完全に統制がとれているのだからたまらない。前線がボールホルダーを追い、連動して中盤が囲い込み、DFラインが押し上げる。これが途切れずに続く。いつまで運動量が持つかなー、と思ったが持ってしまった・・・
攻撃もパターンが練られていて、高い位置でボールを奪った後、ドリブルでつっかけてDFをひきつけてからサポートの選手にボールを預け、その間に消える動きでスペースへ抜けてパスをもらう、こんなふうに第2第3とアクションが連動する。ある程度オートマチックに仕掛けていく約束事があり、かつコンビネーションの良さも感じられた。つーわけで、シュートの嵐、東京のGK井上君は大忙し。結構シュートをはずしてくれたので助かったけど、2点で済んだのが不思議なくらいだった。


一言でいうなら、浦和は、中学生年代のチームとは思えない、大人びたチームだった。大人顔負けっていえば・・・こいつら、平気でバックチャージとかするのな!カウンターになりかかった場面で後ろから押し倒して止めた(当然黄紙)のにはあきれた。要は、中学生のくせに勝利至上主義とまではいかないが、この年代で勝つためにつくったチームなのだな、と感じた。最初からそういうコンセプトだったのか、たまたまいい素材そろったので結果的にそうなったのかはわからないけどね。
もひとつ、気になったのがあっちのゴール裏に群れてた人たち。中学生にフルボリュームでブーイングするかあ?!いろんな意味で大人顔負けの選手と、大人気ない大人の人たち。まあ、よそさまの流儀だけど、共感はできないな。


一方、うちのU-15なんですが・・・「育成段階」というシールが貼ってあった(笑)。火曜の激戦で、心身ともに消耗してしまったのかもしれないし、浦和の強烈なプレスで出鼻をくじかれたということもあったのだろうが、やっぱりナイーブだったね。まだまだ、線も細いし。
ひとつ印象に残ったのが、誰もが安易に蹴らずに意図のあるパスを出そうとしていたこと。足元にしっかりボールを収めて、ルックアップして、味方の動き、敵の対応を確認し、状況を判断してパスを出す。常に、この過程を踏んでプレーしようとしてた。彼らがボールを持ったとき、一瞬躊躇しているように見えるのはこのためだと思う(もう一つ言えば、常に考えてプレーするよう、育てられている)。スタンドからは、「迷うな、早く出せ」なんて声も出ていたけど(気持ちはわかる)、彼らは迷っていたんじゃない、考えていたんだ。ただ、こちらの判断スピードより相手の寄せの速さ・球際の強さが上回ってしまった。
でも、いいじゃない。まだ15だ。サッカーは続く。しっかり食べて、しっかり練習して、常に考え続けていけば、もっと強く、賢くなれるさ。今日、いくら囲まれて潰されても、自分たちのスタイルを貫いていた。


「VIVA東京。たとえ囲まれようとも(相手は赤いとこだしw)」


明らかな実力差を見せつけられたけど、スタンドの雰囲気は悪くなかったと思う。正直いってこんなに集まっているとは思わなかった(物好きが多いねえw)。ゴール裏の主な面々も来ていたし、U-18の面々もそろってた。後半からは彼らが前にでて楽しそうにやってた。これに、密集の後方には13歳・14歳年代なのか、それともU-15加入が決まった小学生なのか、ずいぶんと幼く見える一団がいて、後半、試合展開が思わしくなくてみんな意気消沈しかけたときに、彼らがリードしてコールを始めようとしていた。でも、最初は声が小さくて伝わらず(だいたい、まだボーイソプラノのやつがいるよお!!!!)。まわりの大人が「がんばれ!」って励まして、気合を入れ直して「闘え〜俺の東京!」、今度はみんなが唱和。太鼓も合わせてくれた。このシーン、ちょっと良かったな。ベタないい方だけど、みんな、家族みたいで。


最後の挨拶、泣いてるやつがいたけど、誇っていいよ。君たちはファイナリストなのだから。