2006年J1第10節 FC東京 2 - 1 名古屋グランパスエイト(観戦29試合目)

日時:2006年4月29日(土)19:00キックオフ
会場:味の素スタジアム
観衆:22188人
主審:高山、副審:木島、中原、第4審:長田
得点:ルーカス(東京、14分)、ルーカス(東京、17分)、吉村(名古屋、88分)
警告:梶山(東京、37分)
退場:なし

本日3試合目(よくやるよ)。駒沢大学駅界隈で買い物をしたあと、いったん三軒茶屋まで戻って世田谷線、下高井戸経由で飛田給を目指す。京王線普通列車って遅い・・・あーじれったい。しかし、特急・急行には追い抜かれるが、最終的には調布で今乗っている普通列車に乗るしかないことがわかって、我慢する。キックオフ1時間前に飛田給着。


東京のスターティングラインナップおよびサブスティチューション

    赤嶺  川口
     ルーカス
  宮沢      梶山
      今野
 規郎 茂庭 ジャーン 徳永
      土肥

SUB:塩田、増嶋、伊野波、池上、三浦、小澤、リチェーリ
選手交代:ルーカス→伊野波(74分)、川口→リチェーリ(75分)、宮沢→三浦(86分)
水曜は欠場した徳永が先発復帰。後は水曜ナビスコの面々と同じ。注目すべきは控えメンバーで、池上と三浦、ケガから復帰のリチェーリが入っている。あおりを食ったササがメンバー外になって、ちょっと心配。


名古屋のスターティングラインナップおよびサブスティチューション

     玉田  杉本
   本田      中村
     金    山口
 阿部翔 増川  古賀 大森
       楢崎

SUB:川島、角田、秋田、渡邊、吉村、片山、藤田
選手交代:阿部翔→吉村(HT)、中村→片山(76分)、杉本→藤田(84分)
今年は4-5-1(4-2-3-1)の並びが多かったように記憶しているのだが、本日は玉田・杉本の快速2トップを押し立てた4-4-2フォーメーションで来た。左SBは阿部翔なんですね。ふーん。


立ち上がり、CKから人間山脈増川のヘッドが炸裂。ついでカウンターから本田のクロス、これに玉田がスピードを生かして突っ込みシュート、土肥のスーパーセーブでかろうじて弾き出す。
しかし名古屋に決定機をつくられはしたものの、東京の出来は悪くなかった。いつもは前半グダグダ、後半は開き直って猛攻撃、というパターンばかりだったが、この日はMF陣が前から守ろうとする意識を強く持っていた。宮沢・梶山・今野の3ボランチが入れ替わり立ち替わりアタックをかけ、ルーカスも中盤まで引いてきてボールを追いかけ回していた。このような、前で潰すという意識がチームにリズムをつくり出していた。


また、最近になって徐々に改善されつつある点として、意図的なロングボールが増えたことがある。いままではDFとボランチの間でちんたら回すパスを狙われてカウンターの好餌になっていたが、この試合では自陣深いところでプレッシャーをかけられたら無理してポゼッションせずに長いボールを蹴っていた。川口・赤嶺というボールの引き出しに長けたFWが頑張ってくれたせいもあって、名古屋のDFラインを押し下げることができ、結果として空いた中盤のスペースを使って攻撃を組み立てることが出来ていた。


名古屋は試合開始から20分ぐらいの間、守り方がはっきりせずに東京の攻勢を許していた。
問題点は2つあって、一つはサイドの守り方。味方のSBがサイドに流れる東京FWに対応したとき、オーバーラップしてくる東京SBを誰がケアするのかはっきりしなかったこと。このため、東京のSBにボールを受けて加速するスペースを与え、サイドを蹂躙される結果となった。徳永・規郎にスペースを与えちゃうとねえ、そう簡単には止められんわ。
二つめの問題点は、2列目から前線に飛び出していくルーカスを捕まえきれなかったこと。CB二人はゴール前を固めている傾向があり、ボランチはといえば右サイドへ張り出してくる梶山への対応に追われ、ルーカスに対するマークがボケがちだった。


そして、まさにこの問題点を突いてルーカスが噴火、立て続けに2点を奪い、東京が圧倒的優位に立った。
1点目はルーカスが奪ったボールを赤嶺経由で右サイドへ展開、右で川口がキープしている間に赤嶺がゴール前に入ってくる。当然、増川・古賀の両CBがマークするが、彼らの視線が右サイドで仕掛ける川口に向いた瞬間、赤嶺がバックステップして距離をとり、シュートを打てるスペースを確保した。そこに入ってくる右からのクロスボール。赤嶺打つかー!と思ったとき、名古屋ボランチのマークを振り切ったルーカスが赤嶺の目の前に飛び込んでヘディングシュートを放つ。意表を突かれた増川・古賀・楢崎(+赤嶺w)は反応できず、シュートがゴールネットを揺らした。
2点目もルーカスが起点となる。ドリブルで持ち出し、オーバーラップする規郎にパス、自分はそのまま前進。そして規郎からのクロスにそのまま飛び込んでヘディング、ゴール右に収まった。このときも、ルーカスのマークがぼけていた。
この2得点で、キョンキョン祭り(祝?若いツバメげっと)に突入するゴール裏(しかし、もう40ですか・・・どうりで俺も・・・)。


一見、好調な滑り出しのように見えた東京だが、良かった部分の裏返しともいえる欠点があった。MF陣が前から潰しに行く意識を非常に強く持っていた。それが序盤の好調を支えていたともいえるが、逆に高い位置に設定された中盤プレス網を突破されたとき、戻りが間に合わずにDFラインが丸裸のままカウンターにさらされてしまうというリスクがあった。これは、DFラインを押し上げてボランチ陣とDF陣の間のスペースを埋めてしまえばある程度は解決されるのだが、名古屋攻撃陣に速い選手がそろっていたこと、それに攻撃をシュートで終わらせられないせいもあって、怖くてラインが下がってしまっていた。
名古屋は前半半ばからボランチ(金?)をルーカスに、本田・中村のサイドMFを東京SBに、とマークの修正を行い、守備を立て直した。後半、名古屋が3-5-2にシフトチェンジして中盤を厚くしてきた。すると、東京は運動量が落ちてきたせいもあって中盤の競り合いで不利になり、ボールを奪われる場面が多くなって、しだいに押し込まれてしまった。何度も危ない場面をつくられたが、CB陣の踏ん張りと土肥の神セーブに助けられ、名古屋の反撃を1点に抑えて逃げ切った。


選手交代は妥当でしょう。運動量が落ち、かつ厳しくマークされて後半にはボールに絡めなくなっていたルーカスに代えて伊野波(この交代で梶山がトップ下に入り、伊野波は右MFになる)。川口から同じくスピードのあるフレッシュな選手ということでリチェーリ。最後に宮沢から三浦(これはサービスかな?)。追加点が入っていれば、池上とか小澤が出てきたのかもしれないけど。


選手で良かったのは、もちろんルーカスと、梶山、そして茂庭。梶山は変態プレーを連発して攻守にわたってチームを支えた。今日はいつもと違う気合いを注入されていたのか、FKのリスタートを邪魔して警告を食らったり(ほめられた事じゃないけど、あの場面で早いリスタートをさせなかったのは的確な判断)、終盤になっても運動量が落ちなかったりと、少々軽いプレーが混じったことをのぞけば素晴らしい出来だった。茂庭は、やや体が重そうに見えたジャーンの分まで大活躍した。それに素晴らしいスピードと煮え切らないプレーの両方を見せた攻め上がりも笑いをさそった。こんどは思い切って打ってみよう。100回に1回ぐらい、入るかもね。


後半は苦しかったけど、まあ、カウンターでの決定機(これは高い位置からボールを取りに行くという意識がもたらしたもの)を決めてりゃ、どうってことなかったのだが。梶山の2不発は楢崎にポイントを上げてもいいにせよ、リチェーリと赤嶺(+伊野波)打てよ!。東京の1失点はシュートを打てずに逆カウンターを食らい、その流れから吉村のミドルをぶち込まれたもので、宇宙開発でもなんでもいいから打っておけば失点せずにすんだと思うよ。


つーわけで、次の課題はFWがシュートで終わること。シュートで終わって流れを切れば、カウンターを食うこともなくDFラインを押し上げることができ、それが守備の強化→ボール奪取機会増→攻撃機会の増加、という好循環になっていくと思う。


つーわけで、おしまい。次は関東大学編