あれこれ

さてさて、いろいろな思惑が絡まり合いながら、オシム翁との交渉がはじまったみたいですな。
あれこれ、報道やネット情報を当たったり、個人的な知り合いに聞いてみたところ、お爺ちゃんは技術委員会が推している監督候補のようで、キャプテン閣下は次も有名人(例えばだよ、例えば)にやってもらいたいらしいですが。


いい加減にしろ、と言いたいところですが、どう見てもジーコ路線じゃない日の丸先生が五輪代表監督に内定したり、お爺ちゃんとは前から水面下で交渉していたらしいことを考えると、協会のどこかには戦後を見据えて早めに動いていた人がいたみたいですな、さすがに。


オシム翁に代表監督を引き受けてもらうなんて、これに勝る光栄はないのだけれど、犬サポさんたちのことを考えるとかなり複雑ですな。例えば、東京は、基本的に右肩上がりで来たチーム。愛すべき監督と選手たち、ファンのお遊びにも根気よく付き合ってくれるフロント(笑)と一緒に、未来に希望を抱きながらワッショイワッショイとサッカーを楽しむことができた。
でも、彼らは違う。低迷する成績、流出する選手、わけのわからない監督、煮え切らないフロントという負の連鎖のなかで、ずっと苦しみ続けてきて、今やっと、心から信じられる人とともに未来を目指すことができる。やっと、そういう位置に立てた。


だからさ、「あっ、言っちゃった」なんて軽薄な言葉で始めちゃいかんでしょう。フクアリに行って、「御国のためにお宅のお爺ちゃんの力を貸してください」って土下座して頼まなきゃならんでしょう。あんたには、今の状況を招いた、すくなくとも結果責任があるのだから。あの方、たまには大学サッカーなんて下々の試合にもいらっしゃいますよね。おいら、全力でブーイングしちゃうぞ。大学サッカーって客が少なくて、そのぶんお偉いさんとの距離も近いからさ、酔っぱらいがわめくとうるさいと思うよ。


もっとも、私はキャプテン閣下の専横になんらかのブレーキがかかる可能性は高いと考えます。「川淵の首なんざいつでも取れる」って以前かいたのは、酔った勢いがあるにせよw、根拠のないことではない。他ならぬ、奴の権力の源泉となっている代表利権そのものによってね。
確か、W杯開会前に、代表の巨額スポンサー契約が更新されたはず。某大手広告代理店や某スポーツ用品メーカーとの、複数年でン百億円つーやつだよ。当たり前のことながら、企業は投資に見合う利益をあげねばならない。ところが、彼らが投資した「日本代表」という商品の質がどんなものだったか、先日明らかになった。惨敗という形でね。そして、その原因が何なのかも。「日本代表」は4年に一度、その本当の品質が白日のもとにさらされる商品。いくら広告代理店がロケットブースターを付けてやっても、本体の品質が劣化すれば、利益は伸びない。ましてや、投資した者たちが商売のターゲットとしているライト層は表面的な結果に非常に敏感だし。


そして、コアな連中はこの4年間、沸々とマグマをたぎらせてきた。その一部が暴発して、矛先がスポンサー企業に向き、なんちゃって不買運動なんて始めちゃったらどうなるんだろね。不買運動に実効性があるかないかはあまり問題じゃない。サッカーに投資した者たちは、それぞれ競争が激烈な業界の中で生きている。それぞれのライバルを少しでも利するようなことは、極力さけたいと思うはずだ(広告代理店のマーケティングがうまくいかなかったり、ビールの販売シェアが下がったり、シューズの売れ行きが下がったりしたら、大問題だよね)。不買運動そのものはうまい手ではない(やりすぎると、サッカーに金が集まらなくなる)けど、とりあえず、ビールはアサヒにして、新聞は読売にして、シューズはナイキにしようかな(笑)。


とにかく、今の状況が続くと商売の面から見ても非常にまずいということは、よほどのバカか信者でない限り明らかなわけで、利益確保のためなんらかの影響力を行使するのではないか、そう思えてならない。首を切られるまでは行かないかもしれないが、すくなくとも鈴が付けられるだろうね。
キャプテン閣下、実は真綿で首を絞められているような気分だったりして。ま、因果応報だ。畜生め。


毒が勝手に毒を制し始めるという感じで、根本的な問題(サッカーとお金の関わり方)の解決になっとらんところが内心忸怩たるところですが。