ガーロたん解任

えー、先週金曜からかなり重症のすじ違いをわずらい、いまだにまったく首が回りません。寝返りも打てません。当然、PCに向かうのもつらいです。こんな状態なのに明日は新潟まで代表戦・・・俺は大丈夫なのか? じゃなくて、こういう理由で浦和戦の観戦記をUPできないでいるうちに出ちゃいましたね、監督交代。


浦和戦では、戦術うんぬんというより選手たちが完全に士気阻喪かつ錯乱していたので(錯乱していたのはサポーターもだが)、人心一新の意味で監督交代は時間の問題だと思ってた。この後の日程を見ると、20日から中2日、3日で千葉・福岡・清水・C大阪と4連戦しなきゃならない。そして新監督のやり方を浸透させる時間を考えると、交代のタイミングとしては今週の頭か月末のセレッソ戦後しかなかった。二者択一のうち、早いほうのタイミングで動いたってこと。それだけ、クラブ首脳部にとって浦和戦の体たらくはショックだったのだろう。それに福岡・C大阪、それに来月の甲府・京都という残留のためには絶対に勝っておきたい相手との試合を控えて、倉又さんに時間を与えたいという判断があったのかもしれない。


結局、後任監督に倉又さん、ヘッドコーチに長澤さんと、去年のスタッフが出戻った形になった。この人選にあれこれ思うことがある人は多いだろう。安易じゃないのとか、ユースっ子たちのことを考えろとか。
しかし、噂にでた新しいブラジル人(ラマーリョだっけ?)は、例え引き抜きできたにせよ、ある程度チームを理解する時間が必要なだけにリスクが高い(効果が出るまでの時間が読めない)。一部が熱望する原さんの復帰は組織論的に見て問題外だし、ゴール裏の某有名人におもねる以外の効果は何もない、それこそもっとも安易な解決策。「まさかのときのリリーフ要員」だった大熊さんはオシム爺ちゃんのもとで修行中。他の日本人候補はと見れば、ろくなのが余ってない。
短期でチームを建て直すためには、チームと選手のことを熟知している人に任せるにこしたことはなく、この人選はやむを得ないと思う。まず、昨季の終了時まで戻ろう、ということかと。というか、もうそこまで戻るしか無いんですが。


この人事、クラブとしては痛手でしょう。ガーロたんを招聘して大熊・原ではなしえなかった(つまり倉又さんがコーチとしてはできなかった)部分の上積みを図ろうとした。加えて、トップでのコーチ経験者を深川の指導者に据えて、むさしの監督に就任した山口先生とあわせて下部組織の指導体制を強化、将来の黄金時代の礎を築こうとした。その図式が完全に崩れちゃったわけだからね。クラブの長期的な強化プランも白紙に戻っちゃったわけ。


ガーロたんについていえば、やっぱり試行錯誤がすぎたと思う。東京の選手たちは不器用で、新しいことを仕込むならそれこそ手取り足取り一つずつ教えなきゃならないってことを果たして理解していたかどうか。監督経験自体が浅く、日本も初めてということで、自分のやり方を選手にうまく伝えられなかったのだろう。ようやく形らしきものが見えてきたところで累積警告やケガで代えの効かない選手を失うという不運も重なった。時間がたつにつれ、迷いが深くなっていったように見える。
普通なら、腹心のコーチや子飼いの選手とセットで招聘するのに、身一つでポンとチームに放り込んでしまったフロントの不手際もあった。
さらに、一部サポーターが(最初から)あからさまに不信感を示したことで、焦ってしまったのかもしれない。「サポーターの態度」という面については、我々も反省しなきゃならない部分があるよ。だって、最初から意地の悪い態度を示していた人が多かったもの。ガーロが迷走を始めたら、それみたことかってネガティブな行動を始めちゃうしさ。そいつらに対して「ちょっと待て」というメッセージを示せなかった私のような自称擁護派w。あくまで可能性だけど、例えば中断期間までは、たとえ嘘でも「サポーターはお前を信じるぞ」って姿勢をガーロに見せていたら少しは違ったかもしれない。


個人的には、ガーロのサッカーは面白かった。悩んで迷走している様も含めてね(苦笑)。ま、私が変わり者なんでしょうけど。ガーロたんには、いろいろ考えさせてくれてありがとうといいたい。少なくとも、東京の選手たちの駆け引きの下手さ、状況判断の悪さを白日のもとにさらしたことは、逆説的だけど彼の功績でしょう。


さて、今後のチーム再建なんだが、常識的に、まず守備の手直しから始めると思う。東京の選手たちは明らかに3バックのやり方をわかってないんで、まずは4バックに戻すでしょう。問題は左SBなんだけど、私的ファーストチョイスは伊野波。4バックの右は大学でやってたし、器用なんで問題ないでしょう。ただし次節は出場停止なんで、ここは藤山にがんばってもらうしかない。
ボランチは、去年と同じく今野・梶山で。ただし今野が回復するまでは梶山と浅利で行くしかない。あと、途中出場という形で池上の試運転が必要。
いずれにせよ、4バック2ボランチに戻せば、遠からず守備は安定すると思う。ただし次節から結果が出るとは期待しないほうがいいけど(相手が相手だしw)。

問題は前をどうするかなんだよね。ガーロたんの数少ない、目に見える功績というのがルーカスを2列目つーかセカンドストライカー的なポジションで起用して得点能力を引き出したこと。このルーカスの使いどころが難しいんだよね。去年と同じ4-5-1の1トップで起用したらまた元にもどりそうな気がするし。ワシントンを1トップに据えたら、右MFは石川で決まりとして、ルーカスはトップ下? それじゃ馬場との兼ね合いは? まさか左サイドかよ? それとも4-4-2にしてワシントンと2トップを組ませるのか。うーん、よくわからん。新潟に行きながら考えよう(なんじゃそりゃ)。


でも、もっとも重要なことはそういう現場レベルの問題ではなく、クラブの目指すべき目標や長期的な強化プランをできるだけ早い内に設定しなおし、それをサポーターに明瞭に示すことだろう。はっきりいって、ナビスコ優勝以降、このクラブは迷走しているんだよね。営業サイドは「優勝、優勝」っていうけど、肝心の補強はいままでと同じ若手の伸びしろを見込んでいるような態度に終始し、かといえばアモローゾみたいないちおう大物wに色眼鏡を使ったりして、場当たり的にしか見えないことをやってる。オフィシャルでもいいし、ファンクラブ通信でもマッチデイでも構わない。それこそトウチュウ紙上で「きょーかぶちょーに聞く」みたいな連載をやってもらってもいい。少なくとも今年のうちに、何らかの形ではっきりとした説明をしたほうがいい。ただでさえ、みんな疑心暗鬼になってるんだから。


最後に、われわれファン・サポーターの心構えですが、とにかく落ち着け(笑)。浦和戦後、東京系ブログを首の痛いの我慢して覗いて回ったけど、どこもマーラーの後期交響曲というか、ブラックホールというか、イデオンの最終話というか、みんなこの世の終わりみたいにどよーんとしてやがる。よせばいいのに赤い野蛮人のブログを覗いて回って勝手に落ち込んでる人もいるし。あんな、とってつけたようなそもそも論をさも偉そうに語って悦にいる連中なんか放っておきなさいって。
思えば、このチームは多少の振幅はあるにせよ、ここまで基本的に右肩上がりで来ることができたんだよね。これって、ほとんど奇跡的なことで、他所様はこれまで何度も危機に陥ったり、煮え切らないフラストレーションだけがたまるシーズンを何年も続けていたりしてる。今、私らが直面していることは、なにも特別なことじゃない。誰もが通る道なんだから。まず、落ち着いてクラブの現状を見つめようや。どうせ、今さら離れられないんだしさ。


まだ首が痛いんで今日はこの辺で失礼。え、なんでタイトルがスペイン語なのかって? おいらはポルトガル語がわかんないからです。ガーロに通じないかもって? うるさい!


追伸:関東大学リーグを含む9月の観戦予定はあとでアップします。ものすごい試合数になりそうで怖い。