第86回天皇杯2回戦 流通経済大学 0 - 2 ロッソ熊本(観戦81試合目)

日時:2006年9月23日(土)13:00キックオフ
会場:ひたちなか市総合公園陸上競技場
観衆:3481人
主審:野口、副審:福田、小関、第4審:椎名
得点(全てロッソ熊本):27福嶋(18分)、27福嶋(40分)
警告:15市村(熊本、12分)、26船山貴(流経、48分)、31斉藤紀(熊本、73分)、10船山祐(流経、75分)
退場:なし

今年は東京の試合と日程がかち合わないため、皆勤できそうな天皇杯。その2回戦はひたちなか。明日は鹿島なんで、二日連続で茨城かい。


流通経済大学のスターティングラインナップおよびサブスティテューション。

GK:22林
DF:6阿部嵩、4飯田、5赤井、16宮崎
MF:14西、23武井、7糸数、10船山祐
FW:26船山貴、24難波(cap.)
SUB:1阿部伸、13山下、20三門、19平木、8西森
選手交代:26船山貴→8西森(76分)、6阿部嵩→13山下(81分)
鎌田が柏に貸し出し中のため、赤井がCB起用。平木もお休みで、船山貴が左MFに入り、FWは弟。



ロッソ熊本のスターティングラインナップおよびサブスティテューション。

GK:21飯倉
DF:6福王、26森川、29佐藤祐、30矢野
MF:5山口、15市村、17熊谷(cap.)、31斉藤紀
FW:11高橋、27福嶋
SUB:1太、4鈴木祐、23河野、28宮崎、13町田
選手交代:27福嶋→13町田(70分)、11高橋→28宮崎(89分)、5山口→4鈴木祐


台風の影響か、いつもに増して強い風が吹くひたちなか
前半、風上を取ったロッソは長いボールを多用して圧力をかける。
地上戦で対抗する流経は開始1分、糸数のスルーパスに船山祐が反応しエリア左に抜け出してシュートを放つがGKが阻止。13分にも阿部嵩アーリークロスに難波が飛び込むが、ヘディングシュートがおしくもゴール左、と2度の決定機を掴むがものに出来ず。あとはロッソのペース(結局、流経が前半に放ったシュートはこの2本だけ)。
正確なロングフィードと激しいプレスでボールを支配するロッソ。流経のビルドアップをカットするとすぐにFWヘ当て、手数をかけずにシュートまで持っていく。風上の利を生かした戦法が実を結んだのは18分。左サイドへ流れるFW高橋にCBから40m近いロングフィード。これが裏へ走る高橋にぴたりと合い、エリア横まで持ち込んでクロス。一直線にゴール前へ走り込んできた福嶋がDFを振り切って合わせ、ロッソがあっさりと先制した。その後も優勢にゲームを続けるロッソ。追加点は40分。CKが続き、その3本目でゴール前の混戦、こぼれたボールに詰めたFW福嶋が至近距離から今日2点目のゴールを決めた。付近には流経の守備陣が3人いたが、いずれも競り合いの中で一瞬ボールを見失ってしまい、対応できなかった。
流経は長いボールが使えず、得意のパスワークもロッソのプレスの前に寸断され、ペースを掴めないまま前半を追えた。


後半もあいかわらず強い風。
今度は流経が風上。サイドチェンジやFWへのクサビが通り始め、ようやくエンジンが掛かり始める。ただし長いボールの使い方がロッソと全く異なる。ロッソの場合はあくまでダイレクトプレー指向、パス2,3本でシュートまで持っていくために長いボールを使う。しかし、流経の場合、あくまで最後の仕上げは短い繋ぎを駆使した崩しから。パスワークの開始点を前やサイドのスペースへ推進するために長いボールを使っている。いつもなら、ここから華麗なパスサッカーでフィニッシュに持ち込むのだが、この日はほとんど有効なシュートが打てない(公式記録では、後半のシュートも2本きり)。大学リーグに比べると、ロッソの選手のほうが球際での強さ・巧みさ・しつこさで勝るため、少しずつパスのタイミングを遅らされたり精度を落とされたと、リズムに乗りきれない。結局、中盤で奪われカウンターを浴びる場面も多くなる。例えゴール前までボールを運べてもそこには人垣ができており、一対一に強いロッソのDFに対し正面から勝負をかけざるを得ず、シュートまで持っていけない。西がドリブル勝負をかけ、山下がヘッドバットでロッソの森川をやっつけ?、武井の弾丸FKでDF山口をKOし?と、それなりに見せ場を作ったものの、得点が奪えず。
ロッソのほうは、カウンターから何度もチャンスを迎えたものの、交代出場のFW町田がシュートをふかしまくり、追加点を奪えず。スコアは0-2のまま動かず、試合終了。


一人一人の強さと試合運びの巧みさを見せつけて3回戦に駒を進めたロッソ。ダイレクトプレーでFWの決定力を生かすというゲームプランをとり、前半に風上だった利を最大限に生かした。前線の動きに連動した正確なロングフィードが見事。1回戦(参照)で見られたような集中の落ちる時間帯もなく、最後までしっかり守って危なげない勝ち方をした。ツボを押さえた大人のサッカーを遂行。印象に残ったのはシュートへの意識。とくにFW陣はコースさえ空けばどんどん打っていくので、チームにリズムが生まれるしカウンターを浴びることも少ない。


反面、流経のほうは手数をかけ過ぎという印象を受ける。どこまで崩してからシュートを打つかは非常に難しい問題だけれど、スタンドから見ていると「一手(一足?)多い」という感じを受けるんだよね。ロッソみたいにそれなりのDFをそろえたチームになると、タイミングを逃せば確実にシュートコースが塞がれるだけに、ベストのシュート体勢じゃなくてもコースさえあればどんどん打っていっていいんじゃないだろうか。数打ちゃ当たるはある意味真理よ(あ、数打っても当たらないチームもありますね)。このあたりの調整、というか意識付けをどうやるのか。水曜の大学リーグ、そしてこの試合と、同じ問題が出てきているだけに、中野監督も頭を悩ましているのでは?


流経にとって、ロッソみたいにゴリゴリくる相手はタイプ的にも相性が悪かったと思う。J2の経験がある鎌田がいればねえ。せめて飯田みたいなクラッシュ系DFがもう一人いれば風下の前半は引いて守る、というやり方も出来たと思うんだけど。もっとも、中野監督(スーツ着てサングラスかけるとますます・・・)は素のままでどこまで通用するかを試していたふしもあるが。


帰りの高速バスまで1時間半ぐらいあったんで、隣で野球を見て時間を潰す。秋の北関東大会、締まった投手戦で延長まで行き、結構楽しめた。マクドナルドまで行こうかとも思ったが、相変わらず足が痛いし、ウィークデイにしょーもない仕事(&水曜午後のサボりの穴埋めのあったorz)で消耗した疲れも残ってて、姐さんに挨拶するのも歩くのも億劫だった。帰りはバスに乗るなり爆睡。1時間半ぐらい眠って起きたらまだ守谷付近。どうやらずーっと渋滞していたらしい。いつからそんなに車が増えたんだ常磐道。結局、1時間以上遅れて東京駅着。


明日も茨城。