2006年J1第27節 サンフレッチェ広島 5 - 2 FC東京(観戦87試合目)

2点を先制したときのアウェイ側スタンドの雰囲気。

「まっかせなさ〜い!」
このときは明るい未来が待っていると思ったのに。


同点にされたときはこんな顔。


試合が終わったときはこんな人が大量発生。


試合後、中筋バスターミナルには空港行きのバスを待つ青赤サポが推定三百人近く詰めかけ、大行列(一般客のみなさんごめんなさい)。臨時便まで出る騒ぎとなった。当然、雰囲気はこんな感じ。

俺の前に並んだ兄ちゃんは、列に付くなりチェーンスモーキング(気持ちは分かる)。そのうち「ここ、トイレありますか?(しばらくバスに乗れそうにない)」、俺「あるよ、行ってきなよ」。彼がトイレに行ってる間、俺が旗を持っててあげて、それがきっかけでもう一人巻き込んでお通夜のような会話を開始。
俺「どうしよう、大分と岡山の飛行機もう押さえちゃったよ」
もう一人の兄ちゃん「温泉には入れますよ」
タバコの兄ちゃん「大分で残留が決まる瞬間を見られるかも知れませんよ」
俺「そうか、歴史の生き証人になれるかもね!」
全員「アハハハハハハ・・・・」(乾いた笑い)。
こんな感じだったかな。あんまりよく覚えてない。それにしても、浦和の勝ちを喜ぶなんて(福岡が負けたんで16位との勝ち点差は10のまま)、俺も落ちたもんだ。


旅は良かったよ。前日の愛媛vs仙台も愛媛の頑張りで面白い試合になったし、温泉も効いた。朝、広島に渡るフェリーでは爽やかな瀬戸内海を堪能したし、広島じゃフードフェスティバルに行って焼き牡蠣やら和牛串焼きやら地ビールやらを味わえたし(青赤な人が何人もウロチョロしてたなw)。東京の試合以外はね。


試合、試合ね。何が敗因かってこりゃはっきり言って倉又さんの采配ミスですよ。


立ち上がりの東京は悪くなかった(というより広島が悪すぎたんだが)。果敢なプレスでボールを奪い、シンプルな繋ぎで前へ進む(難しいことをするのは梶山だけ)。右の石川は完全に警戒されていたが、代わりに左サイドの裏へ戸田を走らせて起点を作り、そこからセットプレーに持ち込む。そして梶山のFKからジャーンが久しぶりの得点。このFK、ほぼ似たような位置で三回目だったんだよね。一度目は高すぎ、二度目は低すぎて壁、三度目に弾着修正が終わってファーサイドへ届いた。じつに分かりやすいw。
続いて梶山が見事なミドルで二点目。


立ち上がり15分間の広島は、寄せが甘いわパスが繋がらないわでいいところがなかった。さすがに二点を取られて目が覚めたのか、前半残りはゲームの主導権を奪い返した。こうなると東京は引いちゃうんだよな。確かに、積極的にプレスを掛けにいったとき、局面に絡まない選手たちのポジショニングが悪い。具体的に言うと、前からプレスをかけたときはDFラインの押し上げが遅いし、サイドに追い込んだ時は逆サイド側選手が中に絞ってこない。だからいったん囲みを破られるとバイタルがポカーンと空いちゃう訳。その辺が心配でリトリート気味になっちゃうと思うんだけど。
ただ、押し込まれたとはいえ、というか押し込まれたからこそコンパクトな陣形をつくって、中盤のラインとDFラインで挟み込むような守り方でしのいでいた。寿人にやられたのは、まあ彼に一点やられるのは仕方がないでしょ(それにオフサイド気味だった)。
広島にボールを回されていたものの、ちゃんと対抗できていたんだよ、ここまでは。


ところが、それを監督がぶっ壊した。
まず、後半開始から平山に代えてルーカス。これが采配ミスその1。そりゃ、平山の運動量は多くないよ。前線からの守備って観点じゃまだ物足りない。今日はクサビの収まりも悪かったし。それでもボールを持つと必ず相手に脅威を与える仕事をしていた。
ところがなぜか後半頭からルーカスに交代。もちろんキープ力と前線からの守備を期待した、ぐらいは想像がつく。しかし、ルーカスは絶不調だった。運動量は無いし、ボールキープも出来ないし、だいだいボールが足に付いてない。まだコンディションが戻ってないんだよ。結局、ルーカスは前線に立ってるだけ、キープもできなきゃボールも追えない。広島にとって全然怖くない。
采配ミスその2は、石川と戸田のポジションを中途半端に上げたこと。その結果、広島のWB・李(後半途中出場)と服部に対するマークが甘くなった。なんでこんなことしたのかなあ。二点取った後にだいぶ押し込まれてたんで攻撃的に行きたかったのかな。
ところが、マークがぼけた広島のWBがガンガン攻め上がり始め、そこに広島のDFラインから素晴らしいフィードが出る(ルーカスが動けないんでDFにプレスがかからないんだよ〜涙)。とくに右の李ハンジェのところで起点を作られ、そこから左右に振られてシュートまで持ち込まれる。東京の守りはしょせん付け焼き刃なんで、こうして揺さぶられると一気に決壊。後半に4失点したのは必然だった。


なんていうかさあ、倉又さんって自分の頭の中の理想を追いかけてるだけで、相手が何をいやがっているかを考えてないんじゃないの? 広島は平山をすごくいやがっていた。平山にボールが入ると3人がかりで必死に潰してたんだからさ。それを引っ込めちゃうなんて。おまけにルーカスのコンディションを把握できていないし。石川と戸田だって、前半の押し込まれていた時間帯には広島のWBをしっかりケアしてサイド攻撃を制限していた。広島は攻撃をスローダウンさせられたあげく、不正確なクロスを上げざるを得なかった。サイドにフタをされて、苦労していたんだよ。何でそれをわざわざフリーにしちゃうのかね。
加えて悪いところが明らかになったあとも修正が出来なかった。ルーカスが動けないんなら阿部にでも代えてロングフィードの供給源にプレッシャーをかけるべきだった(初監督の試合で、たった10分で小澤を交代させた果断な人物はどこに行ってしまったのだろう)。サイドをガンガン破られているのだから、こっちも石川と戸田を下げてスペースを消すべきだった。
今はね、なにもいいサッカーを要求されてるんじゃない。それに今日の相手は広島。同じ残留を争う相手。つまり、今日のミッションは勝ち点を一つでもいいから積み重ねて残留を決定的なものにすることが第一だったの。それなのに、妙なことしやがって。いいサッカーができるチーム状態でもないだろうに。


その後は、もうだめね。選手たちは完全にパニックになっちゃって、何をしていいのかわからなくなってた。それに反撃のための選手交代も遅すぎたと思うんだけど・・・もうやめよう。
試合終了後に挨拶に来たとき、選手たちの表情がもう、なんちゅうか虚ろなパニック状態って感じで、ブーイングしてやろうと思ったんだけど、その表情を見てやめた。サポーターのほうも、大半は拍手も罵声もなく、ただ沈黙しているだけの人が多かった。どういう行動をしたらいいのか、わからないんだよな。とりあえず、俺は、

倉又さんにカカト落としを喰らわせてやりたかったんだが。帰りは空港でも機内でも飲みました。帰宅してもまだ飲んでます。


えー、それで次はガンバ戦ですか。ホームですか、そうですか。私の記憶によれば、ジャーンが本日でめでたく4枚目の警告をゲットし、次節出場停止なんですけど。さてはてどうしたものか。