2010年J1第34節 京都サンガ 2 - 0 FC東京


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ゲームが始まって、最初の10分ぐらいでまずいなと思った。


選手がガチガチになっている。


梶山は悪い時の梶山で、達也の動きには鋭さがなく、リカルジーニョは状況の読めないプレーを繰り返し、平山は京都DFの集中攻撃を受けている。


米本は前節同様の低調な出来で、中盤のフィルターとして機能していない。そのため、ディフェンスラインは、京都の速攻にさらされ続ける。


京都はファウル覚悟で激しく当たってくるし、カウンターでは柳沢・ディエゴ・ドゥトラのコンビネーションがいやらしかった。それでも、中盤守備の要だった角田が早い時間に負傷交代になったときは、流れが変わるかも、と観じた。交代選手が試合に入りきる前に一発決めちまえ、とにかくシュート打て、と思っていたのだが・・・・その直後に失点しちまったな。


最初の失点は、スローインからクロスを上げられて、逆サイドで北斗がドゥトラに競り負けてヘッドを決められたもの。スローインの直前、ちょっと試合が止まっていた。いやな予感がした。ピッチのこっち側でやっていたら、「集中!」と絶叫しただろう。案の定、マークに付ききれず、きれいにクロスを上げられた。ちょっとしたエアポケットをつかれての失点。こういう場面が今シーズン何度あったか。


後半、大黒と大竹を投入して流れが変わりかけるが得点を奪えず。今野・森重を前に上げてのパワープレー。放り込みになったことを批判的にいう人がいるけど(その気持ちはわかるが)、あの状況ではパワープレーしかなかったと思う。むしろ、早くやれって思ってたもの。


気持ちに焦りの出ている段階で、ペナルティエリアをがっちり固めた相手を崩す力は今の東京にはない。とにかくゴール近くにボールを入れる回数を増やして、ラッキーヒット一発を狙うしかない。一点取れれば流れは変わる。そう思っていた。実際、枠に行くシュートが打てたわけだし。でも、シュートが掻き出されちゃったのを見て、腹をくくりました。


最後のPKは仕方がない。ディエゴめ、うまくやりやがった。
しかし、こういう堅守速攻のお手本のようなサッカーができるチームがわずか4勝しかできていないとは。ま、お互い、降格したのは理由があるってことか。


結果論だけど、先発メンバーの選定も選手交代もちぐはぐだったね。前線が平山・梶山・リカルジーニョと足元で欲しがる選手ばかりでプレスの餌食になり、スペースに抜けられるはずの達也はキレを取り戻していなかった。俊敏な動きでDFを振り回せる大黒が先発だったら違っていたかも。もっとも、羽生さんも含めてコンディションの問題があったのかも知れない。
今さら言っても詮無いことだ。


社長の「エリート」うんぬんのコメントがあれこれ言われてますが、別にいいんじゃないかな。フットボールクラブの社長なんてヤクザ商売をしている人ならこのぐらい言い切らなきゃ。スポーツ紙の記事に対して、売り言葉に買い言葉的な文章を書いちゃうのはムラバーらしいが(苦笑)、役所みたいな文章を出してお茶を濁しているクラブに比べればよほどましだ。


またサポティスタあたりで揶揄されてるようだけど、気にしない、気にしない。確信犯なんでしょうけど、岡田氏に感じるのは毒というより底意地の悪さだ。


ただ、東京はエリート集団じゃない。エリートになりきれなかった、あるいはまだ
なっていない選手たちの集まりだ。年代別代表には大勢選ばれてるけど、A代表でレギュラーになった奴が何人いる? 今野は守備の便利屋扱い、レギュラーに定着したと言えるのは長友だけだ。
そんなクラブが、ムラバーの言い方を借りるなら「エリート」になろうとしてあがきつづけたのがこの11年。そして、見事に玉砕した。


確かにそれはとても残念なこと。だけど、今年はつらく悲しいだけの年だったのか?
すくなくとも、俺は違う。今年もすごく楽しい一年だった(憤激の数も多かったがw)。


試合前の決起集会でも、悲壮感をみなぎらせている奴なんか一人もいなかった。みんなでワイワイ騒いでフットボールを楽しんだ。降格したけど、青筋立てて絶叫する人も、泣き崩れる人も少なかった(のだめちゃんが号泣したけど、それはそれですごいと思った)。
最後は「ベルデーだけには負けられない」と歌って、みんな笑顔で帰った(ヤケクソだけどね)。


それでいいと思う。


このクラブと一緒に時を過ごすことが楽しいと思えれば、それでいいんじゃなかろうか。
J1?それがどうした、ここのほうが楽しいぜ。いま目の前にあるフットボールを楽しもう。少なくとも、俺がこのチームを見始めたころは、そういう雰囲気が横溢していた。
また、あの気持ちを抱いてフットボールを楽しめると思えばいい。


もう一度、上を見上げてやり直せばいい、そう思う。


来年は、たま姫ちゃんにも、一平君にも、ファジ丸にも会える。北海道の味覚を満喫できるし、こつこつ庵にだって行ける。栃木のマンUにだって会えるかも知れない。


来年もフットボールは続き、俺たちはそれを楽しむことができるのだ。
「♪J1なんてラララ・・・」と歌いながら・・・