関東大学リーグ1部第8節 筑波大学 5 - 0 亜細亜大学(観戦71試合目)

首位を走る筑波大と最下位の亜細亜大学との試合。
実力差で押し切ってしまいたい筑波大に対し、なんとか守ってカウンターかセットプレーの一発に賭けたい亜大といったところか。
フォーメーションはどちらも4-4-2。
筑波はGK1来栖、DFは左から20中野-3高山-5秋葉-6植松、ボランチが10兵働と12今田、左MF8藤本、右が9秋田、FWが7鈴木達と17佐々木。平山はU19代表合宿に拉致され、おまけにケガで別メニューとのことで欠場。
亜細亜大は、GK1金崎、DFは6辻森-17塩沢-4若杉-2鈴木優、ボランチが7平田と18八木、左MF5宮地、右が24丁、FWが12風間と22稲見。中盤は18八木が上がり気味のポジションをとり、攻撃に絡む。


試合は序盤から筑波ペース。FWと攻撃的MFの4人がまるで暴走族のスラローム走行のような動きで右に左にポジションチェンジを繰り返す。例を上げれば、7鈴木達が右に開いてボールを受け、高速ドリブルで中へ切れ込んでいく。これに呼応して中よりにポジションを取っていた9秋田が鈴木達と交差するようにサイドへ流れ、マーカーを混乱させる。もちろん左サイドでも同じことが行われ、これにボランチ(主に10兵働)と両SBがサポートに入り、もうやりたい放題の攻撃を展開する。先制点は時間の問題かと思ったが、亜大が粘り強く守りなんとかしのいでいる。亜大のほうは攻撃の形を作れない。前線に放り込まれるボールに22稲見が精一杯のチェイシングを掛けるが、筑波DF陣に競り勝てない。
先制点が生まれたのは31分。右CKを8藤本が蹴り、これを7鈴木達がヘッドで流して中央に待ち構えていた10兵働が豪快なヘディングシュートを決める。続いて41分、うまくDFラインの裏で10兵働のボールを受けた17佐々木が、飛び出してくるGKをあざ笑うようなループシュート。亜大DFがクリアしたように見えたが既にゴールの中だったという判定で筑波2点目。
亜大は、失点直後の31分に22稲見を下げ9奥山を投入するが、まったく攻め手なし。とにかくFWが前を向かせてもらえない。結局、前半はシュート1本に押さえ込まれる。


後半も一方的な筑波ペース。58分には鮮やかな高速パスワークから3点目を上げる。これは左サイド8藤本→中央の7鈴木達→右サイドに出た10兵働→中央に走り込んで来た藤本と、ポンポンとボールが動き、最後は藤本がドリブルで持ち込んでから左足シュートを決めたもの。続いて68分にはCKの混戦から17佐々木が4点目。70分にはGKからのフィードを15高向(60分に秋田と交代でIN)がヘッドで裏へながし、これに反応した17佐々木がドリブルシュートを決めてハットトリック達成。これで5-0となる。
亜大は、後半開始からMFとDFが積極的にミドルシュートを狙いにいく。これで筑波ディフェンスを1枚でも引きはがしてFWが動ける余地をつくろうという意図なのだろうが、高い早いうまいと3拍子そろった筑波DF陣は全く動揺なし。ミドルシュート戦法が手詰まりになると55分には24丁に代えて19植田、続いて60分に12風間に代えて15館野と立て続けに攻撃の選手を送り込み打開を図るが、状況は動かず。結局、シュート5本(うちFWのシュート0)と完全に押さえ込まれての敗戦となった。


とにかく、筑波が圧倒的な実力差を見せつけた試合だった。攻撃パターンもパスをつないでの組み立て、サイドアタック、単独ドリブル突破、少ないパス数での速攻となんでもござれ。DF陣も集中力を切らさない守りを見せた。あとは相手が粘り強く守ってきて、なかなか得点が奪えない時にどうやって打開するか。前期の結果を見ると、上位校には快勝しているのに中下位とは接戦に持ち込まれ2引き分けを食らっている。取りこぼしをせず2位以下との勝ち点差をキープして12〜14節の上位校(だろう?)直接対決シリーズに持ち込めれば、といったところか。
亜細亜大は前半の2失点で完全にゲームプランが破綻してしまった。あれだけ選手の力量に差があると2点差をつけれたらかなり厳しい。今日は完全に押し込まれて本来の亜大サッカーがいかなるものかを見ることができなかった。