関東大学リーグ1部第8節 流通経済大 3 - 2 中央大学(観戦72試合目)

本日の第2試合。
阿部・塩田・栗澤と三年連続で流経大からFC東京入りしており、もはや指定校(笑)と化している。一部昇格一年目の今季、勢い余って?2位をキープ。昇格即優勝という快挙も現実味を帯びている。どうでもいいことだが応援団の持ってきた太鼓に「Kashiwa Reysol」と書いてある。どうやら部員の中に柏サポがいるらしい。どうりで横断幕のセンスがアレなわけだ(笑)。もっとも流経大は竜ヶ崎の他にも柏にキャンパスがあったり、付属校があったり(近藤祐介の出身校)と柏とはなにかと縁が深い。かくいう私は高校生まで茨城県南部で育ったが、当時の流経大の印象って「スーパー・デパート幹部候補(!)養成校(やっぱり流通業界?)」みたいな感じだった。今はどうなんだろう?


流経大は4-4-2フォーメーション。GK1阿部伸行、DFが4小沼-25赤井-26飯田-5阿部嵩、中盤の底に6中島、左に8船山、右に12西森、トップ下10栗澤(祝就職内定)、FWが9岡本と24難波。
中央は3-5-2をとる。GK1貝尻、DFが19天羽-5田村-12平松、ボランチが8小笠原と14田村、左WBが6小林、右が7頼母木、トップ下20加藤、2トップが9辻尾と15小倉。


試合は中大のペースで始まった。中盤で積極的なプレスを仕掛け、できるだけ高い位置でボールを奪い、そこから素早い攻撃を繰り出す。このやり方がはまった。とくに、サイドに素早くボールを展開できた場合、両WBがドリブルで持ち上がってクロスを上げるだけの余裕があり、現にいくつかのチャンスを作り出していた。25分には15小倉がDFと競り合いながらシュートまで持ち込むがこれはバーを越してしまう。
一方、流経大はこのプレスに引っかかって思うようにパスがつなげず、なかなかペースをつかめない。ボールのないところで動いてパスコースをつくる動きが無い訳でないが、中大ディフェンスがしっかり付いているため、パスをカットされ、そこからカウンターを食ってしまう。


しかし、先制点を上げたのは流経大だった。31分、右サイドに流れた10栗澤が中の8船山にパス。これを中大DFが触るがクリアボールは船山に渡ってしまう。船山は右サイドよりにボールを持ちだし、クロスを入れる体勢に。これに反応してニアサイドに2枚(おそらく2トップ)が突進する。しかし、船山がクロスをいれた先はファーサイドに飛び込んだ12西森だった。このとき中大DFはニアサイドに引きつけられており、西森がフリーで放ったシュートがネットを揺らす。


中大も後半早々に追いつく。51分、右サイドでパスをつなぎ、7頼母木が深い位置からクロス、これをDFを背負った体勢で受けた15小倉がうまく反転して右足でシュートを決める。このとき、流経大DFはボールサイドに引きつけられており、ファーサイドにいた小倉に対応できるのは右SBの5阿部だけで、小倉がうまく外側に反転してシュートコースをつくった時点で勝負ありだった。


その後は地力の差が出てきて徐々に流経大ペースとなっていく。20分には9岡本をはずし11杉本を入れ、スピードでかき回しにでるが、しだいに中大を押し込んだせいもあってあまり活躍の場がない。流経大の勝ち越し点はパスによる揺さぶりから生まれた。79分、中大ゴール前で短いパスを回す。後半に入ってやや足が止まってきた中大ディフェンスが一瞬の隙をつくる。そこへ8船山が狙いすましたシュートを決めた。その直後、流経大がたたみかける攻撃を行う。右サイドをオーバーラップしてきた5阿部が中央にグラウンダーのクロスを入れる。これを24難波がスルーして11杉本に渡り、杉本がワンタッチで裏へ流す。スルーした瞬間にゴールに向かうダッシュを開始していた難波がこれに反応、中大はDF1枚がやや遅れ気味で付いていく。DFだけでは防ぎきれないとみたGKも飛び込む。ゴールエリア(流経大から見た)右サイドで3人が交錯する。しかし一瞬早くボールに追いついた難波が右足でふわりと浮かせ、これがゴールイン。流経大3点目。これが結局は決勝点となった。


終了間際の89分に中大はコーナーキックからの混戦で19天羽がヘッドで押し込み、最後まで抵抗する。しかしロスタイムの攻撃はあせりのためか連携を欠き、そのまま試合終了。


終わってみれば、決定力の差を反映した結果になった。流経大は、FW・トップ下・両SHが絡んだ崩し方が、速攻にしろ遅攻にしろ、いくつかのパターンが確立されていることを感じさせ、おまけにこの5人がそれなりの決定力を持っている。このため中盤での組み立てを許してしまうとある程度の失点は免れないだろう。そのかわりDFがなんというか、ときどき隙を見せるのが玉にきずだが、このチームにとって打ち合いの展開は望むところかもしれない。ただし、筑波大相手にディフェンスで隙を見せることは許されず、直接対決までにいかに守備を整備できるかが優勝への鍵となるだろう。


一方の中大だが、とにかく中盤でのディフェンスがしっかりできている。今日も前半は流経大に中盤での組み立てを許していなかった。終盤に息切れしたのはある程度仕方のないことだが、このサッカーをしていれば上位進出も狙えるのではないだろうか。中盤でパスをつなぐタイプのチームに対しては厳しいプレスでペースを握らせないことができていたが、次節は高速ドリブラーを擁する筑波と対戦、こんどはどのような手で封じにかかるかが見所(見に行けないけど・・・)。


追記
後半途中より噂の?ブラジル人留学生ポテンザ登場。浦沢直樹の描くイエスキリストというか、マリノスの坂田というか、ちょっと微妙な風貌をしている。しかし、なかなかゲームに溶け込めないうちに、諸先輩たちにダメだしをされたのか、ちっともパスをもらえなくなった。したがって実力不明のままである。