ちばぎんカップ ジェフユナイテッド市原千葉 0 - 1 柏レイソル(今季観戦1試合目)

今季初観戦がコレというのはFC東京ソシオとしては問題があるのかもしれないが、まあ太陽工務店社長様も「世界三大カップ」のひとつだとおっしゃっておられることもあるし(あとの2つは?)、小平とか稲城のユース新人戦とかの他の選択肢よりも近いし(居住地は東京とはいっても限りなく千葉に近い。稲城じゃなくて稲毛なら・・・)、途中まで定期も使えるし(仕事場はジェフプレスが配布される地域でござる)、というわけでやってきました市原臨海。今シーズンも小湊バスの小峯監督似のおっちゃんに導かれ、コンビナート地帯に足を踏み入れる。


あこがれの新設バックスタンドに行こうと思ったらすでに売り切れということで、いつものメインアウェイ側へ。ジェフのホームゲームは今年から席割りが少し変更された。アウェイ自由席がずいぶん狭くなっていて、かなり窮屈な感じになった。


チーム名の変更に伴ってハレルヤの応援コールがだいぶリニューアルされた。歌詞に「市原」とあるチャントが軒並み引退してしまっている。もうアッコちゃんが聞けないのはちょっと寂しい。

追記:Amazing Graceはよかったっす


まずジェフのスタメン。

  巻   要田
    工藤
坂本      水野
  中島 佐藤勇
 水本 阿部 斉藤
    櫛野

うーん、苦しい。村井と茶野が人間力に引っこ抜かれ(全く、きれいごとばっかり言ってる割にえげつないオッサンだ)、サンドロは更生中、新外国人はまだ来日せず、というわけで明らかに選手が足りません、というメンバー。オシム翁も3年目にして一番苦しいシーズンなのではないだろうか。
控えは、林、結城、羽生あたりが入っていた。


次に柏のスタメン。

   玉田   安永
 大野     クレーベル
   明神 リカルジーニョ
近藤  中澤  永田  土屋
       南

なんとバウルが右SB。ひょっとしてあれですか、オーバーラップしてクロス上げるんですか?!
サブには、平山、谷澤、山下といった面々。


日が射して少し暖かくなったところで、午後1時キックオフ。


序盤は千葉(違和感が・・・)のペース。要田が左右に動き回って起点を作り、水野・坂本の両WBあるいはトップ下の工藤あたりとのコンビネーションで崩しにかかる。そしてゴール近くまでボールは運べるのだが、柏のDF陣が集中を保ち、まともなシュートを打たせない。そのうちに柏の中盤プレスが機能し始め、次第に手詰まりになっていく。右WBの水野が阿部からのフィードを受けて突破を図るが、サポートが少ない。トルコ合宿からの帰国間もない時期とあってコンディションが整わないのか、チーム全体の運動量が上がらず、いつもの小気味よい攻撃が見られなかった。
守備の方は、柏の攻撃が低調なせいもあって各選手がしっかりマークをつかんでおり、最終ラインの阿部が的確なカバーリングを実行し、前半は柏をシュート2本ぐらいに押さえた。
千葉のDFラインは、阿部が中央かと思ったら、時々右DFに入ったり、左に流れたりする。なぜかと思ったら水本と斉藤が柏2トップにガチなマンマークで付き、空いたスペースを阿部が埋めるというシステムなのだった。当然、柏FWが二人とも(千葉から見て)左サイドに流れれば、阿部が右DFになるわけだ。
時には坂本が下がってきて、左から坂本-水本-斉藤-阿部の4バックなんてシュールな光景になった。


一方の柏。センターバックタイプを4人並べた(笑)4DFは結構堅い。中盤もしっかりとプレスを掛け、明神がいつもの的確なカバーリングを見せて、去年とはひと味違うところを見せつけた。
しかし、攻撃が・・・。新外国人のクレーベルがまだフィットしていないせいもあって、大野やリカルジーニョがボールを持っても孤立することが多く、中盤が作れない。サイド攻撃に活路を見いだそうにも、去年からSBやってる近藤はともかく、土屋に攻撃面を期待するのは酷だろう。それでも土屋は一回だけだが果敢なオーバーラップを見せ、どっかんクロスをかっ飛ばしていた。一人でウけている私の後ろで、頭を抱えている柏サポ。もちろん、土屋は守備面では貢献し、そしてがんばりすぎて接触プレーで足を痛めていた。
中盤に構成力がなく、サイド攻撃がこんな感じなので、自然と攻撃は玉ちゃん頼みになる。玉田はいつものようにキレの良い動きを見せ、ボールを受けては素早い身のこなしで前を向き(あの反転スピードの速さは何なのだ?)、そしてドリブルで突撃して潰されるというパターンを繰り返した。


こんな感じで前半は両チームとも低調な感じで終始した。


この展開に業を煮やしたか、早野監督は後半開始から手を打ってくる。

   玉田  安永
   クレーベル
平山        谷澤
  明神   リカル
 近藤  永田  中澤
     南

谷澤・平山をWBに据えた3-5-2フォーメーションに変更し、サイドアタックの活性化を試みる。


対するオシム翁は・・・・後半開始時には何もしなかった。


そして試合の流れが一気に変わる。両WBの働きが引き金となって柏の動きが活性化されたのだ。右の谷澤は持ち前のドリブルでどんどん仕掛けていく。左の平山は正確なアーリークロスでチャンス(の芽)を演出する。千葉の意識が両サイドに行ったため、中央にスペースが生まれ始め、そこをリカルシーニョが攻め上がってミドルを放つ。そしてクレーベルは・・・あいかわらずフィットしていなかったけど。
前半は時折いい動きを見せていた安永が次第に消え始めたため(この選手は90分持たないねえ)、FWは山下に交代。その山下、平山からのロングアーリークロス(正確!)にタイミングよく抜け出てシュートを放つが、大外れ。当然柏サポはせめて枠へ飛ばせと大激怒である。


曲がりなりにも活気づいている柏とは対照的に、千葉は完全に中盤を制圧され、ほとんどチャンスが作れない状況になった。とにかく運動量が少ないのだ。オシム翁は切り札の林に加え、滝澤や羽生を投入してテコ入れを図るが形勢は変わらない。林がスピードを生かした突破を見せるが、いかんせん単発で、しだいにいいボールが入らなくなり、悪い流れの中に埋没していく。


この試合唯一となった得点は76分だった。右サイド、谷澤がドリブルで仕掛けてファールを誘う。場所は右サイド側のエリア境界すぐ外。リカルジーニョと玉田が位置に付く。蹴ったのは玉田だった。2枚の壁の横を速く低いボールが通り過ぎ、ゴール前に入る。真ん中に飛び込んだ柏の誰か(わからんかった)がスルーしてボールはファーサイドに抜ける。それに後ろから飛び込んできた永田がフリーで合わせ、櫛野の反応は間に合わずにネットが揺れた。大喜びで宇宙戦艦ヤマトを歌う柏サポ(歌詞は”オー柏ゴール、チャチャチャチャー、オー柏ゴール”です。カッコイイ)。永田のマークをミスったのはたぶん途中から入った結城だろう。


その後、千葉はあいかわらず流れを変えられず、といって柏も得点直後に玉田が直接FKを枠に飛ばした(櫛野がはじき出す)シーンを除いてこれといったチャンスをつくれず、いかにもプレシーズンマッチという感じの、見せ物としては物足りない展開が続いて試合が終わった。


といっても、シーズンを占う意味ではなかなか興味深い試合だった。
柏は後半、3-5-2に変更してからいいサッカーを見せた。去年はケガでほとんど出場できなかった平山が復活したのは大きい。谷澤はドリブルに磨きがかかったようだ。守備面は明らかに組織が整備された感じが見て取れる。近藤・永田・中澤というDF陣の経験の少なさがマイナスポイントだが、それは土屋が補えるだろう。薩川も控えているしね。あとは波戸(ケガ中らしい)が復帰すれば、4バックも3バックもこなせるチームになるのではないだろうか。
攻撃面では玉田の相方となる安永や山下がどのくらいやれるかと、クレーベルがチームにフィットするかどうかがポイントになると思う。


千葉は、守りの面はある程度計算ができるのではないか。今日は動きが悪かったが、元々運動量に定評のあるチームだし、コンディションが整いプレッシングが機能すれば一方的に攻撃を許すことはないだろう。水本が結構使えるDFに成長していた(玉田をよく止めていた)。ただし、熊さんに拉致される可能性が大きいけど。
攻撃は、はっきりいって苦しい。村井が居なくなった影響がかなり大きいのだ。村井がいれば、相手のマークを引きつけて、他の選手の動ける余地を作り出せるのだけれど。今日、左サイドを勤めた坂本は元々右の選手だし、単独突破を売り物にする選手ではないので、むしろ右サイドを勤める水野のブレークに期待したいところである。じつは去年から密かに注目しているのだった。もっとも、彼も熊さんに拉致される可能性が大きいが・・・
FWは新外国人しだいかなあ。巻も要田もよく頑張ってはいるけれど、個人能力がどうしても必要なポジションなので・・・。上位進出できるかどうかは総入れ替えとなる外国人にかかっていると思う。
でも、オシムじいさんならなんとかしそうに思わせてしまうのがすごいところだが。


ところでこの両チーム、3月12日のJ1第2節と26日のナビスコ予選第2戦、いずれも臨海で対戦するのであった。お仲のよろしいことで(緑と1ヶ月の間に3戦なんて、考えただけでゲップ・・・)。


(2005/2/20 市原臨海競技場 13:00キックオフ 観客数7148人)

次回観戦予定