サテライト ジェフユナイテッド市原・千葉 1 - 5 FC東京(観戦21試合目)

日時:2005年5月22日14:00キックオフ
会場:姉崎サッカー場
観衆:不明
主審:岡野、副審:坂田、右田
得点:馬場(34分)、中野(55分)、金森(70分、70分)、常磐(83分)

なんとユースっ子たちがジェフを粉砕!
あー、癒された(東京が勝つのを見たのっていつ以来だろう?)。


昨日は味スタに行けなかったので、その代わりとばかりに姉崎まで遠出した。


昨日の疲れ(パーティーだったので)のためか、姉ヶ崎で降りればいいところを寝過ごして木更津まで行ってしまい、仕方ないので下車して昼食。すると、聞こえてくる軍歌の響き・・・。何の日か良くわからないのだが、右翼の皆さんの街宣車10台以上が木更津駅前のロータリーをぐるぐる流しているのだった。


昼食をすませ、今度こそ姉ヶ崎で下車。工場群の中を15分ほど歩くとジェフの練習場・姉崎フットパークに着いた。フットサルコートとブール、それにサッカーグラウンドとクラブハウスが付いた施設で、サッカー場の周りはネットで囲まれている。ネットの周りの歩道ではちびっ子たちがボールをけっ飛ばしている。客席といってもグラウンドの周りにベンチが置いてあるだけなので、少しでも高いところで見ようと、隣のプールとの間を仕切っている高さ1mぐらいの土手の上に腰を下ろした。すぐ右横には姉崎名物?ジェフのオフィシャルショップ・通称「物置」があった。文字通り、ホームセンターで売っている物置にシャッターを付けただけの作りで、実にシンプル。しかしちゃんとエアコンが付いていたりして、店を切り回しているお姉さんの健康も考えてあるのだった。このお姉さんが何かの用でクラブハウスに戻るたびにシャッターを閉めカギをかけ、戻ってくるとまた店を開け、と結構忙しそうである。お客さんは結構多い。


姉崎のピッチってこんな感じ。


これが噂の物置。閉店中。


開店準備中。シャッターを開けてお姉さんが入るだけ!


営業中。結構、売れてるぞ。


さーて、メンバーは、とピッチを双眼鏡で眺めていると、おそらくジュニアユースの選手と覚しき少年たちがメンバー表を配って歩いていた(ありがとー)。


ジェフのスタメン

    高橋  要田
      工藤
 滝澤        藤田
    楽山  中島
   市原 瀬戸 結城
      岡本

サブは中牧、竹田、芳賀、中原、金。
こっちは一応、全員がプロらしい。


東京のスタメン。

   常磐  馬場
 鈴木健     中野
   宮沢   浅利
 尾亦 池上 迫井 前田
     遠藤

控えは近藤健、田中、佐伯、金森。
スタメンに常磐と中野の二人、サブもGK以外はユース選手という体制で臨んだ。


強い横殴りの風が吹く中、キックオフ。試合は最初からジェフのペース。
中盤でポンポンとダイレクトパスを交換し、東京ディフェンス陣を振り回す。パス交換に気を取られているうちに、どこからともなくワラワラと沸いて出た選手たちがゴール前に殺到する。中盤でボールを持てない東京は迫井・池上を中心に必死でゴール前を固めて耐える。しかし、要田の頑健さや高橋泰の鋭い飛び込みに危ない場面をしばしば作られ、11分には要田のクロスに合わせた高橋泰のシュートがバーに当たってほぼ真下に落ちるが、ゴールを割っていないという判定で命びろいした。


ここで、どこからともなく聞こえてくる軍歌の響き・・・
やっぱり、今日は右翼の記念日なのだろうか?
まさか、あの木更津にいた街宣車集団が市原までやってきたのでは?
閑話休題


東京は馬場にボールを集めるが厳しいマークに会って起点を作れない。序盤のチャンスは、10分に尾亦の鋭いミドル(わずかにバーの上)、14分にサイドチェンジを受けた樋口が左サイドでキープしてタメを作り、上がってきた尾亦がクロスを入れたがGKに阻まれた(中に3枚いたのだが・・)ことぐらい。
ボランチ・DFラインともボールを奪ったあとの判断が遅れがちで、苦し紛れのパスを奪われて攻撃を受けることを繰り返す。31分にはボール処理をもたついたところを要田にかっさらわれ(誰だかは柱の陰で分からず)、そのままシュートに持ち込まれる始末だった(遠藤がナイスセーブ)。


しかし32分、馬場がキープして左サイドに展開、鈴木健がスルーして尾亦がクロス、これは抜けてしまうがピッチを大きく使うことで東京は徐々にリズムをつかみ始める。宮沢・浅利から正確なサイドチェンジが出始める。ジェフの中盤の運動量が落ちて、東京のボランチ陣へのマークが甘くなってきたのだ。すると、ジェフの守備陣がサイドに振られ、中央で馬場の動けるスペースが出来てくる。


36分、馬場がキープから切り返しでマーカーを買わしてシュート。これはクリアされるがスローインを得る。鈴木健の左スローインを受けた尾亦がクロス、これを馬場がファーサイドで合わせ、GK岡本が飛び込むもヘディングシュートはゴールを割り、東京が先制した(いつ以来ですかあ?)。
前半の残り時間も少なくなると、思いっきりキープに徹して、無事に?ハーフタイムに持ち込んだ。


そして後半は、誰もが予想していなかった、若い衆たちのゴールショーになった。
あいかわらずジェフのプレスが甘く、東京のボランチあるいはDFラインから正確なフィードを送ることができる。後半、右MFの中野遼太郎はサイドチェンジを受けて突破、精度の高いクロスを上げていた。
50分、馬場がお役ご免。代わりにユースの金森がFWに入る。55分、前田からのクサビを右サイドで受けた樋口がキープし、ボールを戻す。これを受けた中野が中へ入っていき、コースを見定めて思い切り打ったミドルがゴール右に突き刺さる。このとき、中野はフリーだった(ジェフらしくないね)。


60分ぐらいに、気を取り直したジェフが攻め込み立て続けに右CKを得るが、東京DF陣が集中力を切らさずに耐える。
前がかりになるジェフに対し、東京はカウンター気味の攻撃で対抗。左では尾亦が鋭い走りを見せ、鈴木健も左足からいいボールを送る。右は前田が積極的なオーバーラップを見せる。74分、なんと池上がボールを奪った勢いのまま攻め上がり、ジェフDFに阻まれるもこぼれ球を樋口がシュート(浮いてしまう)。
70分、再びカウンターのチャンスになり、常磐のスルーパスを受けた左サイドを鈴木健が高速ドリブルで引き裂く。そしてマイナス気味にグラウンダーで中に入れると、これに金森が合わせて東京が3点目。
その直後、キックオフからの流れで再びカウンターとなり、金森・樋口のユース2トップのコンビネーションで突破を図る。金森のスルーパスを受けた樋口のシュートはブロックされるが、こぼれたボールを金森がDFに付かれながらも合わせて、ふわっとしたボールがゴールに吸い込まれて4点目。


一方のジェフは、左WBの滝澤がたびたび突破からクロスを入れるが、運動量の落ちたジェフにはいつもの連動性が見られず、ゴール前に待ちかまえる要田・高橋を狙ったクロスははじき返されてしまう。80分すぎには、左CKからの誰かのシュート(柱の陰で見えず)がポストを叩くなど、運にも恵まれなかった。


東京は83分、左ショートコーナーからベンチ前あたりまで戻したボールを中野がロングクロス。ファーサイドに飛び込んだ尾亦がスライディングしながら折り返すと、ここまでチャンスを得ながらもなかなかシュートが打てなかった樋口が今度こそクリーンなシュートを放ち、これが決まって東京が5点目。


このあと、東京はユースの88・89分にユースの田中、佐伯を御体験コース?で相次いで投入する。
ロスタイムにゴール前でショートパスを繋がれて途中出場の金に一矢報いられるがご愛敬。サテライトとはいえ、久しぶりにすっきりした試合内容だった。


この試合で感じたのは、タメを作ることの重要さ。書いたとおり、前半半ば以降はジェフの運動量が落ち、宮沢・浅利へのマークが甘くなった。時間にすればほんのコンマ何秒か余裕なのだけど、この間にボランチ二人はルックアップしてサイドへの展開パスを出せ、サイドの選手もタイミングを図って動き出すことができていた。特に浅利が正確なサイドチェンジを何本も送っていた。この日の出場メンバーの中では唯一の三十路(笑)なのだが、経験を生かしてツボを押さえたプレーはさすがの一言。宮沢は集中力の切れる瞬間もあったかな。
前田・迫井の両SBは、中盤でボールを持てるため積極的にオーバーラップを見せていた。ただ、前田は気合いが入りすぎているのか、オフサイドポジションにいることが多かったけど(笑)。
鈴木健は、だんだんうまくなっていくのがよくわかって楽しい。技術的になにがどうというわけではなく、自分の持ち味である正確な左足の生かし方を掴んできた。まだまだ、消える時間もあるけれど。
攻撃を担ったユース組は素晴らしかった。もちろん、まだ線が細いのでボディコンタクトを受けるとプレーの精度が落ちてしまうのだけれど、鋭い動きだしや高いテクニック、そしてなによりも迷い無くチャレンジしていく姿勢が素晴らしい。
同じように、DFラインもチャレンジしていく姿勢を見せていた。パスで振り回されると、自分のマーカーを捨ててでも一番危険な選手にアタックしていくし、抜かれても最後まで追いすがる。そして、こぼれ球に対しても集中力を保って体を張ってクリアしていた。カバーリングでは池上がかなり効いていて、ロッカールームに戻っていくときに原さんにほめられていた。
馬場は、あいかわらずムラのあるプレーぶり。もちろんテクニックは随一だし、はまった時には他の誰にもできないプレーを見せるのだが。


ジェフのほうは、なんだか体が重そうだった。得意の「ゴール前に選手がワラワラと沸いてくるサッカー」が見られたのは前半途中まで。東京に先取点を奪われてからは、前がかりになってはいるものの動きだしが鈍く(要はただ前にいるだけってことだ)、東京にカウンターを決められるという悪循環。滝澤・結城は一段レベルが上のプレーを見せていたけれど、工藤、高橋、楽山はパッとしなかった。ジェフがタイトルをとるためには、このあたりの奮起が必要だと思うのだが。オシム翁がたびたび嘆く層の薄さが如実に表れていた。


試合後、クーリングダウンを出口のすぐそばでやっていたので選手・スタッフの表情を見ることができたのだけれど、彼らが試合後に笑っているのを見るのはいいものだ。お手柄の金森君(実はハットトリックを決めるチャンスがあったのだ!)はみんなに頭をクシャクシャにされて、「ナイスシュート」と声をかけられていた。


そんな光景を見ているだけで癒されて、今日、ここへ来て良かった、と思った。
そして、シュートが枠に飛ぶって、素晴らしい。


え、日本代表? えっ、試合、してたんですかあ。録画もしてませんわ、アハハハハハ。


本日の殊勲者(たち):左が田中、中央が金森、その横が樋口。



ヒロミと握手。カメラ目線の男は誰だ?