関東大学リーグ1部 第11節 駒澤大学 4 - 1 国士舘大学(観戦27試合目)

日時:2005年6月3日18:30キックオフ
会場:江戸川区競技場
観衆:?
主審:飯田
得点:宮崎(駒大:8分、25分)、菅原(国士大:69分)、宮崎(駒大:78分)、鈴木亮(駒大:87分)
警告:巻(駒大:37分)、鈴木亮(駒大:48分)、半田(国士大:49分)、竹内(国士大:54分)、
   桑原(駒大:72分)、加藤(国士大:83分)、金子(国士大:89分)

メンバー表を貼りかえる暇もなく、第2試合が始まる。
国士舘のほうなんか、名前を書いた紙を貼るベニヤ板(当然使い回しだよね)に別の試合の選手名が貼ってあったり、「トイレ→」なんて紙が残っていたりと、全然手が回っていない。裏方さん、ご苦労様。
夕方になって冷たい風が吹き始め、霧雨模様となってくる。


駒大のスタメン。

    12巻   9赤嶺
     10鈴木亮
  7宮崎      19塚本
      2桑原
 3筑城 5廣井 28阿部 30小椋
       1牧野

選手交代:30小椋→6最上(74分)、12巻→26田谷(82分)、10鈴木亮→23柳崎(89分)
現在2位、先週引き分けた首位筑波と勝ち点で3・得失点でも3点差。ここは勝って、筑波にプレッシャーをかけておきたいところ。
フォーメーションはいつもの中盤ダイヤモンドの4-4-2。今日の2トップは赤嶺・巻のツインタワーである。


国士大のスタメン。

       36小林
  9蒲原        24菅原
   10土屋     15養父
       4竹内
 6片山 5杉森 17山崎 33久木原
      1鈴木智

選手交代:36小林→16金子(HT)、10土屋→23半田(HT)、9蒲原→8加藤(78分)
交代時間はちょっと自信ない。
迷える名門・国士大。現在5位だが、例の事件のせいで勝ち点7を剥奪されてしまう。
フォーメーションは、ちょっとわかりにくかったが、小林を頂点とする3トップ、その下に竹内がアンカーになる3ボランチという布陣に見えた。このチーム、見るたびにフォーメーションが変わってるような気がする。


駒澤の攻撃は、いつもの通り、まず2トップに正確なボールを入れてくることから始まる。このやり方、2トップがヘディングで競り勝てればチャンスに直結するし、負ければ単調な放り込みを続けているように見えてしまう。この試合、赤嶺・巻のコンビは制空権争いに勝つことができた。そして、落としたり頭で裏に流したボールを、FWの片割れ、トップ下、そして中に入ってきた両サイドMFが受けて直線的にゴールを狙っていく。


駒澤の先制点は8分。ゴール向かって左より、約20mの位置で得たFKを左MF宮崎大志郎がカーブをかけて狙う。5枚のカベをすり抜けたボールがゴール左隅に決まった。美技。
続いて25分、ゴール前、巻がヘディングで落としたボールに、宮崎が2列目から猛然と走り込み、DFと交錯しながら押し込んで2点目。すばらしいスピードだった。
その後も、駒澤は2トップに2列目が絡む攻撃を続け、試合の主導権を握り続ける。赤嶺のシュートがGK正面に飛んでしまったりと追加点を奪えなかったが、本来のサッカーを見せていた。とくに巻が切れていて、ヘディングの競り合いにほとんど勝利し、味方の攻撃を引き出していた。赤嶺はその陰で、DFのマークを引きつける地味な働きに徹していた(いつも対戦相手の最強DFをマークに付けられるんだよね)。


一方の国士舘は、3トップ・3ボランチの布陣が機能しない。左サイドでは蒲原・土屋が鋭いドリブル突破を見せていたが、他の選手との連携に乏しく、駒澤DF陣の張った網の中に突っ込んで潰されるか、やむなくその前でミドルシュートを「打たされる」かのいずれかで、ゴールの気配を感じさせないまま前半を終えた。3ボランチも機能しているとは言い難く、駒澤の2列目に好き放題に蹂躙された。養父なんて、本来は主軸にならなければならない選手なのに、まったく目立たなかった。


これではいかんと、国士舘は後半開始からフォーメーションを変える。

       16金子
  24菅原 23半田   9蒲原
       
    15養父   4竹内

 6片山 5杉森 17山崎 33久木原

      1鈴木智

養父を下げて2ボランチ、前線は選手を入れ替えて4-2-3-1フォーメーションになった。
これが当たった。
まず、DFが駒澤2トップにクサビが入るとき厳しく当たるようになった。次に2ボランチにしたことによって、駒澤2トップが落としたボールをケアできるようになった。これによって、駒澤のFWと2列目の連携を断ち切った。ボランチとDFで挟みこんで、赤嶺・巻の行動を制限することも容易になった。そして2列目3人も含めた中盤の選手たちの距離感も良くなって、中盤でプレスも効くようになった。
そしてマイボールになると2列目に並べたドリブラー3人+1トップが高速で走りながらポジションを変え、パス交換し、ゴールに迫っていく。駒澤は前半の勢いはどこへやら、国士大の流動的な攻めの前にひたすら耐える時間帯が続く。
69分、左サイドへの長いボールを、左MF菅原が駒澤右SB小椋と競走しながら、うまく体をいれて手中(足中?)に納める。そしてサボートに来た半田にオフサイドぎりぎりでパス、これをエリア内で受けた半田が中央へ動きながら中に切り込んできた菅原に戻す。そして菅原のシュートがネットを揺らし、スコアは2対1、国士大が1点差に追いついた。


国士大は同点に追いつこうとさらに攻め立てる。しかし、駒澤はCB二人を中心に守る。28番の阿部琢久哉は、とくと見るのは初めての選手だが、スピードがあってFWとの競走にも負けないし、上背はないが空中戦にも強い。また、右SBの小椋ともども正確なフィードで攻撃の起点としても機能していた。廣井・筑城もいつもどおり堅い守りを見せ、国士舘の圧力をかわしながら反撃の機会をうかがう。
そして78分、駒澤は右サイドのリスタートからこぼれたボールを宮崎がハットトリックとなるミドルシュートを決めて決定的な三点目を奪った。国士大の守備陣が一瞬ボールウォッチャーになったのを逃さなかった、見事なシュートだった。


その後は、無理攻めする国士大、カウンターを狙う駒澤、という状況で試合が進む。87分、中盤でボールを奪った鈴木亮平が一気にドリブル、DFをかわしてエリア内に侵入しGKとの一対一を制してシュートを決め、トドメを刺した。


終わってみれば、駒大がその実力を見せつけた試合だったと思う。宮崎のキレ具合は何なのだろう。なんか、大ブレイクの予感がただようのだが。国士舘も後半に見せたサッカーは良かった。あのサッカーなら筑波相手でも五分にやれると思う。それなのに順位が法大・順大の下とは、信じられない(両チームともまだ未見orz)。


第1試合とは違う席で見たのだが、ちょうど目の前に駒澤の林部長が座っていた。そして、教え子たちのプレーを、文字通り一喜一憂しながら見ていた。ほんと、無邪気にサッカーを楽しんでいる感じがが微笑ましかった。
そんな様子を目の前で見て、なんだか少し嬉しかった。


追記:
代表も勝ちましたね。とにかく、結果が出てよかった。加地は全自動つなぎパッサーでしたが、無難なプレーぶりだったと思う。
次はすでに本大会進出の可能性が無くなった北朝鮮。普通だったら安全パイなのだけれど、あの半島の方たちは日本の足を引っ張ることだけには一生懸命になるからなあ。