紙吹雪禁止

ブログの更新もせず、本ばっかり読んでいる今日このごろだが、ちょっとばかし面白い話題なので、久しぶりの更新。


結局、警察サイドが航空法をタテに首を縦に振らなかった、ということのようだ。


なぜ、航空法が紙吹雪を禁止しているかというと(いや、条文は知らないので推測ですが)、FODを恐れてのことだと思う。


FOD(Foreign Object Damage)とは、異物によって航空機がダメージを受けること。
ジェットエンジンは大量の空気を吸い込み、タービン(あのクルクル回るやつね)で圧縮し、それに燃料を吹き込んで燃やすエネルギーで推力を得る。特に離陸時は出力が高いので、エンジンは大量の空気を吸い込みます。このとき滑走路上にごみ、小石などの異物があると、それらを吸い込んでしまいエンジン内部の機構が損傷をうける(時にエンジンが壊れて、墜落してしまう)。これがFOD。
ヒコーキを扱った映画やドキュメンタリーで、整備員やパイロットが総出で滑走路上のごみを拾っているシーンが時々あるでしょ。これはFODを防止するために行っていることです。


このほか、鳥が機体にぶつかったり、エンジンに吸い込んでしまうことをBird Strikeと言うそうですが、これはFODの概念に含まれるのかしらん。


とにかく、紙吹雪で飛行機の視界が遮られるとか、レーダーが妨害されるとか(アルミホイルを撒けば可能かもw)ではなく、FODを懸念してのダメ出しだと思います。調布にはプロペラ機しかいませんが、そのエンジンの多くはタービンエンジンだと思います(タービンの回転力でプロペラを回す。ターボプロップともいう。ピストンの上下運動でプロペラを回すのがレシプロエンジン)。タービンを回す原理はジェットエンジンと同じなのでやはり大量の空気を吸い込むことが必要で、FODは大きな問題です。


ただし、風向きのいい時を選んで、バックスタンド2階の窓から大規模に撒かないと滑走路上に紙吹雪を到達させられないと思うけど・・・。一枚二枚が紛れ込んでも、事故の原因になる可能性あり、ということなのだろう。