J1第25節 FC東京 0 - 0 大分トリニータ(観戦73試合目)

日時:2005年9月25日15:00キックオフ
会場:味の素スタジアム
観衆:20717人
天候:曇りのち薄日、気温22.7℃、強風
主審;長田、副審:江角、中原、第4審:五十川
得点:なし
警告:加地(東京、34分)


東京のスタメン

       ササ
  戸田   栗澤    規郎
    今野     梶山
 藤山  茂庭  ジャーン 加地
       土肥

SUB:遠藤、三浦、宮沢、馬場、阿部吉
選手交代:規郎→阿部吉(62分)、梶山→三浦(80分)、栗澤→馬場(82分)


大分のスタメン

     高松  マグノ
       吉田
 根本          梅田
  トゥーリオ  エジミウソン
   福元  三木  深谷
       西川

SUB:高嵜、吉村、西山、山崎、木島
選手交代:吉田→山崎(80分)


終了のホイッスルが鳴った後、ため息をついてしまうような試合だった。
試合前に抱いていた根拠のない期待は裏切られたが、ここ一週間頭から離れなかった(ちょっとだけ)根拠のある予感は現実になってしまった。


シャムスカ監督が就任して登り調子の大分。
チームのキモはブラジル人ダブルボランチで、名前がどこかのチームのあれとかとまぎらわしいのはともかく、それなりのテクニックがあり、かつスピードと運動量を兼ね備えていた。この二人のおかげでずいぶんと中盤が機能的になり、もとから堅いDFラインと合わせてがっちりした守備ブロックを形成していた。
攻撃は高松のポストプレイが軸で、これにマグノアウベスのスピードと2列目から突然出てくる吉田の機動力を組み合わせていた。
わずか2週間ほどでしっかり形をととのえた新監督の手腕はなかなかとものだといえる。


それにくらべてわがチームは・・・あいかわらずの4-5-1フォーメーションでスタートした。それもポストプレーが不得手なササをあえてワントップに据えて。
案の定、ササへのクサビはことごとく迎撃されてしまった。栗澤のサポートが速い遅いという以前の問題で、まったくボールが収まらない。まあ、当たり前の話で、ただでさえ得意ではないプレーなのに(ヘディングが弱いのではなく、クサビを受けるポジション取りとか、DFを背負った時の体の使い方とか、要するに駆け引きがいまいち)3対1では、中にいようがサイドに流れようがDFが追ってくる。なにもできないのはあたりまえだった。


ならば、戸田・規郎のスピードを生かしてサイドを突こうとしても、そこは大分守備陣がしっかりケアしており、サイドの裏にスペースがない。でも、やるべきだった。藤山が素晴らしいインターセプトを見せながらパスの出しどころがが無くてブーイングを浴びていたが、ここはたとえ強い逆風が吹いていようとも、裏に放り込んで戸田に追わせるべきだったのだ(この時間帯に取ったメモに、「走れ、放り込め!」とある。たぶん何度か叫んでいたと思う)。例えば、戸田なら、10回放り込めば10回とも全力で追うし(断言します)、そのうち3回でもマイボールにしてサイドに起点をつくればもう少し流れは違ったと思う。少なくとも、大分のDFラインを押し下げることができたと思う。そうすれば、あそこまでセカンドボールを拾われて波状攻撃を浴びることも無かっただろう。


結局、東京は、ボールが収まらない1トップとサイドを攻略できないウイングというどうしようもない状況で前半を終えた。1トップは適材適所とはとてもいえず、もしかしたら武器になったかも知れないサイド攻撃(単騎突撃だけど)を活用するという意志が徹底せず、気象条件もあいまって、みずから封じ手にしてしまったような感じだった。つまり、4-5-1という器に無理矢理選手を押し込んだだけで、まったく機能していなかったのだ。
土肥の好セーブと吉田のシュートミスがなければ2,3点取られていても不思議はなかった。


ところが後半は様相が一変する。業を煮やしたというべきか、やっと手を打ったというべきか、後半開始からしばらくして、戸田をFWに上げ、栗澤を右に回した。これだけで、ずいぶんと状況が良くなった。
2トップになったことによってマークが分散する。3対1から3対2へ。単なる算数だ。
ササが引いてボールを受け、戸田が裏を狙うことによって、DFをさらに前後に分断する。スペースができる。ササにボールが収まるようになると梶山がボランチの位置から上がってくることができ、2トップをサポートできる。ササと梶山のところでタメができ、他の選手が連動しはじめる。後半、突然加地のオーバーラップが多くなったのは、別に気合いを入れられたからじゃない。ただ、歯車が回り始めただけなのだ。


で、あーなって、こーなって、阿部のあれは微妙だったなあ。まあ、オフサイド臭いほうの微妙だったけど。
ササのFKはすごかった。あの近距離で、壁ぎりぎりを越して、強いボールで枠を捉えることができる。あの場面は西川の読みをほめるしかないでしょう。戸田が倒されたのはエリアの中じゃないの、と指さしていたのは隣のおじさんといっしょに大笑いしてしまったが(次もFKゲットよろしく)。


だが、決められないうちに流れが変わり、30分以降はお互いカウンター合戦になる。こうなると、石川を欠く東京とマグノアウベスがいる大分では切れ味が違う。が、土肥の好守と再びの吉田シュートミス、そしてポストに救われた。
終盤に馬場を投入するが(遅いよ)、意図してなのか、単に足が止まったのか、東京は守備モードに入っており、結局ドローに終わった。最後の馬場のトリックプレーは惜しかったね。栗澤がいなかったし(戸田だったw)。


大分は内容では勝っていたが結果に結びつかず、でもアウェイで勝ち点1。東京はホームで勝てなかったが、とくに前半はお寒い出来にもかかわらず、守りきって勝ち点1。まあ、痛みわけというべきなのかもしれない。
ブーイングしていた人もいたけど、まあ、意見が分かれるよね。
私は拍手しました。土肥ちゃんにね。


これで東京は清水・大宮と勝ち点28で並び、得失点差で清水に次いで13位。雲は晴れないが、かといって土砂降りでもない、すっきりしない位置にいる。だが、慰めというわけではないが、得失点差は、とにかく守備だけは機能しているためこの順位にもかかわらず-2にとどまっている。それに比べ、神戸は-23、1969は-25、大分が-10、いつのまにか崖っぷちに参戦してきた大宮も-10、崖っぷちにつま先を突っ込んできた新潟が-10と軒並み二桁の借金を背負っているのだ。これは、終盤になり、お互い潰し合いを演じるようになると効いてくる。
だから、パニックに陥る必要はない。


とにかく、今やっている負けない戦い方を続けること。決して気持ちを切らないこと。守備陣が持ちこたえている間にササを生かす形を作り上げること。
原さん、もうこだわりは捨ててくれ。ここまで来たらあんたと心中するしかないけど、4-5-1と心中するのはごめんだ。すくなくとも、ルーカスがいないときに使える形じゃない。もう一度、選手の特徴をよく見てくれ。そして自分の頭で考えてくれ。スペインに理想を追うのではなく、小平で現実を見てくれ。そりゃまあ、一芸に秀でていると言うより、一芸しかできない連中の集まりではあるけれど、それゆえにできることもあるはずだ。


とにかく、俺はついていく。でも、もう一度同じことをしたらバスを囲むかもしれない。
だって、次は駒場だしね(笑)。
というわけで、おあとがよろしいようで。


細かい観戦記は気が滅入ってくるので書きません。メモだけは清書してアップするかもしれません。


それより、土曜の国士舘vs亜大をかかなくっちゃ。
ではでは。