J1第28節 東京ヴェルディ1969 1 - 2 FC東京(観戦80試合目)

日時:2005年10月22日(土)15:00キックオフ
会場:味の素スタジアム
観衆:21033人
主審:山西
得点:森本(1969、19分)、梶山(東京、43分)、ササ サルセード(東京、89分)
警告:戸田(1969、7分)、平野(1969、77分)、相馬(1969、87分)

ダービーの朝、あいにくの曇天・・・どころか朝方から雨がぱらついてくる。その雨をついて出撃。バッグの中にはカップウィナーのマフラーと双眼鏡、メモ帳。スウェットの下にはデンソーカップ04のTシャツ。葛西駅で今年のラッキーアイテム?・長澤まさみ嬢の広告(ロッテの「のどさわやカリンコ」でした。祈日本シリーズ制覇)を拝んでからおもむろに東西線に乗り込む。
新宿ルミネでお茶漬けかっ込んでから京王線に乗り込む。iPod nanoでMidwest Vikingsをエンドレスリピートで聞きながら飛田給入り。何色来たって関係ねえ!勝つのは俺たちだ!(景気良くて超バモス!)。
つーわけで、試合開始2時間前にスタジアム着だったのだが、人大杉(笑)。待機列の長いこと、長いこと。頼もしい限りである。実は1969シートを買っていたのでバックゲートから入ったんだけどwww。
入場前に青赤マフラー装着。そうしないと緑の営業に「チアスティックいかがですか?」なんてスカウトされちゃうからね。
入場、そしていつもとは違い、左側へ歩みを進める。そう、今日はアウェイ扱いだっけ。実は味スタアウェイは初めてなのだ。去年は国立だったし、01〜03年は地球の裏側まで出稼ぎに出ていたので、エジムンドにいいようにされた過去は、ネットでしか知らない。
ビールを注入しつつ、キックオフを待つ。予想どおり、青赤のほうが多い。圧倒的じゃないか、わが軍は。


そして始まる試合前プログラム。なんと林健太郎が出てくる。そして他人事のように(そういう話し方をする人なのかもしれないが)緑の現状を語る。緑さんにライバル意識はあっても恨みつらみはない私だがこいつだけは別だ。殺意がこみ上げてくる。こいつが、毎試合、プレー毎にあと一歩余計に動くことを心がけていたら、いまのていたらくはなかったはずだ。有り余る才能にあぐらをかき、自分で自分の首を絞めていることになんの自覚も持たない愚か者め。才能では圧倒的にかなわないかもしれない、でも浅利のほうがはるかに優れた選手だ。本気でそう思った。そして、こんな奴が主力づらしているチームに負けるわけはない、そう思った。


ゴール裏は大脱走のテーマに乗せて新曲披露(歌詞がよくわからん)の後、「ヴェルディ川崎!」とまず一撃。緊張が高まってくる。気分が悪くなるほどに。


緑さんのスタメン。

    森本  華盛頓
      ジウ
  平野  戸田 小林慶   
 相馬  林  戸川 山田
      高木

SUB:水原、柳沢、弦巻、久場、町田
選手交代:戸田→久場(65分)、森本→町田(81分)、平野→弦巻(86分)
上村が前節退場、小林大が累積警告、平本まで理由不明(サテライトでなんかあったらしい)と主力を出場停止で欠き、おまけに米山と李もケガでセンターバックが足りないという窮状に陥っている。そのため、いつもの3バックから4バックに変更(東京のサイド攻撃対策も兼ねるのであろう)してきた。
中盤はダイヤモンド型と表現しようかと思ったが、平野・小林慶の左右MFが下がり気味でジウが前の方に孤立しているため、3ボランチ・1トップ下というほうが適当かと思う。
ベンチには久場とか弦巻とか、「あなた誰?」という選手が入っており、やりくり算段、苦心惨憺、苦しい台所事情がかいま見えるメンバーだった。


東京のスタメン。

     ルーカス
  阿部  馬場  戸田
    今野  梶山
 金沢 茂庭 ジャーン 藤山
      土肥

SUB:遠藤、三浦、規郎、栗澤、ササ
選手交代:戸田→規郎(59分)、ルーカス→ササ(66分)、馬場→栗澤(87分)
金沢が復帰したら、こんどは加地の回復が間に合わず、1−1+藤山=攻撃力やや減、守備力そのまま、という図式である。戸田の有給明けに伴い、4-5-1フォーメーションが復活。守備を考えると、前節は3ボランチがうまくいっていなかったので、相手がサイド攻撃対策をしてきているとしても、いたしかたなしか。


そして、最初から「眠らない街」。

  • 0分、東京:阿部が縦に勝負。エリア近くまでドリブルで突破してファーの戸田(ウチの)へクロスを送るがDFがクリア。
  • 5分、東京:高い位置でボールを奪って速攻。ルーカスを経由して右の戸田(ウチの)へ展開、クロスを入れるがGKキャッチ。
  • 7分、東京:森本に右コーナー付近まで持ち込まれ、相馬もサポートにくるが今野が止める。馬場がパスを受けようと下がってくるが、トラップするときに向こうの(悪いほうのw)戸田が後ろからチャージ、当然ファウルをとられて警告。悪い戸田はこれで累積4枚となり、次節出場停止。挨拶代わりの一発が高くついた。
  • 8分、緑:小林慶が前線へフィード、鋭い動きだしを見せた森本がジャーンの裏を取ってエリアに侵入、ダイレクトボレーを試みるが惜しくも届かず。
  • 9分、東京:阿部がルーカスとのワンツーで左サイドを突破。ゴール前に折り返すが走り込んだ戸田に惜しくも合わず。
  • 11分、東京:右オープンへサイドチェンジ。藤山が速いタイミングで長いクロスを入れ、走り込んだルーカスが頭で合わせるがシュートは弱く、ゴールラインを割る。

東京はいつものとおり、ルーカスを使って組み立てる。馬場が左右に流れ、左右MFと連携してサイドからの崩しを試みる。ボランチ陣も前にでて高い位置から積極的にプレスをかける。前線の選手たちも守備意識が高く、緑DFラインに対してもプレッシャーをかけていく。こうして運動量で勝った東京はセカンドボールを拾いまくり、主導権を握る。梶山もいつになく運動量が多く、高めの位置取りで攻撃参加する。
一方、緑は前線のワシントンに長いボールを入れていくが東京DFがしっかりとマークして仕事をさせない。森本が鋭い動きを見せてボールを引き出そうとするが、サポートがなく2トップが孤立気味。これは後ろからの押し上げが乏しかったからで、東京にセカンドボールを支配される原因にもなっていた。反面、4バック3ボランチでしっかり自陣を固めているため、ボールを支配されつつも危なかったのは9分の阿部クロスが戸田に合わなかった場面ぐらい。前線にワシントンというワンチャンスをものにできる大駒がいることを考えれば、立ち上がりは急造守備組織の連携不足を人数をかけた守りで補おうというゲームプランは妥当なものである。

  • 11分、緑:山田からのフィードを森本がジャーンのマークをかわしてヘッドで前線のワシントンに流す。ワシントンが反応して動き出すが茂庭が競り勝って短くクリア、さらに戻ってきたジャーンがヘッドでクリアを試みるが、これがジウに渡ってしまいドリブルで左サイドへ侵入、藤山がタックルして止めるがサポートに来た相馬がこぼれ球を拾ってクロス、これはジャーンがクリア。
  • 12分、緑:高めの位置で囲い込み、ボールを奪って高めのポジションを取っていた相馬へ展開、相馬がクロスを入れるがジャーンが読みで迎撃。クリア。
  • 13分、緑:右SB山卓から大きなサイドチェンジ。相馬が受けて一気に持ち上がるがウチの戸田が対応、コーナー近くまでドリブルしてからクロスを試みるが、ウチの戸田がブロック。左CK。
  • 14分、緑:その左CKを相馬が蹴る。ニアに入れたボールはクリアされるが、これを拾ってさらにクロス。中央のワシントンがジャーンに競り勝ってヘッドするがバーの上(危ない、危ない)。CKがクリアされた時点でワシントンはいったんジャーンの後ろに流れて視界から消え、クロスに合わせて再びゴール前に入り込んできた。ジャーンはワシントンへの意識はあったが、うまい動きで主導権を取られた。
  • 16分、東京:金沢がオーバーラップ、裏へ動くルーカスにパス。ルーカスは山卓の裏を取って左サイドへ侵入、エリアに切れ込もうとするが林がドリブルのコースを読んで阻止。
  • 17分、緑:ジャーンのロングフィードを戸川がクリア、これがセンターサークル付近でフリーになっていたジウに直接渡る。ジウはターンして中央をドリブルで前進、止めに来た金沢をかわしてエリア近くまで持ち込み、右サイドでフリーになっていた森本へ。森本がダイレクトでシュートするが、ミスキック。このときは今野が前で小林慶をケア、中央は梶山の受け持ちだったが、平野を気にしたのか、ジウのマークをはずしてしまっていた。
  • 18分、東京:左CKがクリアされ、右でスローイン。ルーカスがキープして寄ってきた梶山へちょこんとパス、梶山が間髪入れずにファーのジャーン(セットプレーで上がっていた)へ向けて速いボールを入れていくが合わない。
  • 19分、緑:DFラインでのパス回し、林がルックアップして左サイドでフリーになっていた相馬へ正確なサイドチェンジを送る。相馬は走りながらワントラップでボールを落ち着かせ、キーパーとDFの間へ速いクロスを送る(鋭い動きだしにウチの戸田は振り切られ、藤山の対応は間に合わず)。土肥は飛び出すが、反応が一瞬遅れたようにみえた。そしてパンチしたボールは走り込んで来た森本に当たってゴールイン。緑先制。

4バックの守備が安定してきた緑は、次第に前へでてプレスをかけ始める。東京が中盤で左右に振ろうとしても、緑の3ボランチが素早くスライドして囲い込む。ボールを奪ったら右で起点を作って東京守備網を引きつけてから左の相馬へ展開する形ができはじめる。この時間帯、ボール支配が拮抗し、相馬が上がり目の位置取りをしていた。これに対して、東京は戸田が相馬をケアしきれず、たびたび左サイドの突破を許してしまう。相馬のスピード豊かな突破の前には、藤山も苦戦する。
失点場面、相馬は誰かが飛び込むことを信じてGK-DF間のスペースだけを狙って蹴ってきた。そして森本もクロスがくることを信じて飛び込んできた。クリアが森本に当たってゴールしたのは不運ともいえるし、土肥のミスといえばミスかもしれないが、ここは藤山が寄せてくる前にスペースへクロスを入れていった相馬の判断と技術、そして迷わず飛び込んでいった森本の思いきりの良さが生んだゴール、ということにしたい。シンプルかつ早い攻撃に、正確な技術と思い切り、そしてコンビネーションが加わるといかに止めにくいかということを示す好例だろう。

  • 20分、東京:裏へ抜けたウチの戸田がクロスを入れるがカットされ右CK。
  • 同20分、緑:馬場のCKはクリア、ファーにこぼれたボールを梶山が追うが、スローイン。このスローインを受けた金沢がエリアでキープして中へ切れ込もうとするが奪われカウンターになる。ジウがドリブルで持ち上がる。右サイドにワシントンが流れてマークを引きつけ、左サイドでは森本がフリー、さらに中央には向こうの戸田が入ってくるが、ジウが持ちすぎで東京守備陣が帰陣。ジウはディフェンスの枚数がそろったところようやく森本にパス。森本に対して茂庭が対応、森本はフェイントを入れてコースをつくり、やや遠目から打っていくが土肥がキャッチ。
  • 22分、東京:今野が右サイド深いところへ大きな展開、走ってゴールラインぎりぎりでウチの戸田が折り返すがクリアされる。これを拾った藤山がチャージを受けながらも今野に繋ぎ、今野がミドルシュートを狙うがDFに当たり、こぼれ球をウチの戸田がダイレクトで打っていくが枠をとらえられず(戸田のシュートはオフサイド)。
  • 24分、東京:梶山が中盤から飛び出してこぼれ球を拾い、そのままエリア手前まで前進、向こうの戸田のタックルをかわし、DFの間を抜いてシュートを狙っていくが枠をはずす。
  • 26分、東京:森本へのフィードを茂庭が奪う。森本のチェイスを余裕でかわして前線へ大きくけり出す。森本が勢い余って茂庭を倒す。「ガキ?」「小僧、なにすんだ?!」とヤジが飛ぶ。言っとけ、言っとけ(笑)。どうせあと2,3年しかその表現は使えない。

緑さんは先制後、引き気味になる。このため再び東京がボールを拾えるようになるが、東京の攻撃は手詰まり気味。緑はサイドをMFとSBでしっかりとケアする。東京はルーカスや馬場が流れてサイドに起点を作ろうとするが、そうなると今度は中央の枚数が足りなくなり、サイドを破ってクロスを入れても容易にコースを読まれ、カットされてしまう。

  • 28分、東京:梶山が高めの位置でタックルをかわしながらキープ、阿部へパス。阿部からルーカス、ルーカスが頭で裏へ流してウチの戸田が飛び込むが高木が一瞬先にキャッチ。
  • 30分、東京:梶山が中盤でボールを奪い、サイドに流れながらキープ。相馬が後ろから競りかけ、ファウルと思った梶山がプレーを切ってしまうが山西主審はあっさり流す。やすやすとボールを奪った相馬がライン際を突破しようとするが藤山が止める。梶山はスタンドを埋めたサポーターから一斉に叱られるw。
  • 34分、東京:ルーカスが戻したボールを金沢から中央やや左の馬場へ、馬場がターンして左裏のスペースにスルーパス、阿部が反応してペナルティエリア左、ゴールラインの真横ぐらいの位置まで持ち込んでクロスを入れる。得意のスピードでマーカーを振り切ったウチの戸田がゴール前に入ってくるが惜しくも合わない。
  • 36分、東京:サイドチェンジから藤山がアーリークロス。阿部が走り込むが高木がキャッチ。
  • 37分、東京:金沢がオーバーラップ、ファウルを誘ってFKゲット。左45度の位置から馬場がニアへ速いボールを入れるがクリア、スローイン。馬場が金沢に戻し、金沢がゴール前にフィード、マークをはずした阿部がバックステップで高木の前に入り込んでヘディングシュート、しかし浮かせてしまいバーの上。
  • 39分、東京:今野が金沢の支援を受けて左サイドを突破、中へ折り返すがカットされ、左CK。このとき、中に3,4枚居ただけに惜しかった。馬場のCKはクリアされる。
  • 40分、東京:馬場が右サイドで粘ってスルーパス。ウチの戸田が中央のルーカスへマイナスのグラウンダーで折り返すが、林が足を伸ばしてカット。
  • 42分、東京:横パスを受けた梶山がミドルを狙うが「ウチの」戸田がブロック(トホホ)。おまえは茂庭かっ!
  • 43分、東京:金沢が中央のルーカスへ預け、ルーカスは横にいた梶山へワンタッチパスを送る。梶山が胸で落としてペナルティアーク手前で緑CBの間を抜いて右足アウトでシュート、高木が飛びつくも届かず、右ポストに当たってゴールイン。東京、同点。
  • ロスタイム1分は何事もなく過ぎ去る。前半終了。

東京はボランチ陣がよく走ってボールを拾いまくり、あいかわらずポゼッションで上回る。今野はもちろんのこと、梶山までもが走りまわる。梶山は積極的に前へでて攻撃の起点となるだけでなく、ミドルシュートを狙っていく。左サイドでは金沢が何度もオーバーラップして攻撃をサポート、そのかいあって何度か左サイドでチャンスを作るが、最後の詰めが甘く得点を奪えない。緑のほうは押し込まれながらもゴール前をしっかりと固め、私の大嫌いな林も的確なポジショニング・カバーリングで守りを支える。しだいに膠着状態になり、前半はこのままかな、と思い始めたところで変態プレーが炸裂した。
いかにも梶山らしい、訳のわからん体勢から緑CBの間を狙って唐突にシュートを放つ。右足アウトにかかったシュートがゴール右へ飛んでいく。あれ、ちょっと微妙なコースだな、あ、高木が飛びついた、でも届かない、え?入るの、ありゃポストに当たったよ、こりゃだめだ、あれ、跳ね返りが入っちゃったの?、うそだよね、でもネットが揺れているよ、同点?
あの位置でシュートを試みる選手はあまたあれど、あの打ち方をする選手はいない。梶山の謎のシュートで東京が同点に追いつく。


ハーフタイムにはアメーバチャレンジなんぞというイベントあり。ピッチサイドからボールを蹴ってセンターサークルシートに書かれたアメーバの中に止まれば20万円ゲット、というルールらしいのだが、けっこう難しいぞ、これ。中学生?らしき少年が見事20万ゲット。オメ。


選手交代なしで後半突入。

  • 46分、緑:ウチの戸田を止めるときに林と平野が頭をごっちんこ、平野が倒れ、一時外に出る。先日のルーカスの一件が頭をよぎり、ヒヤリとする。
  • 48分、東京:ルーカスが下がってボールを受けターン、左サイドをドリブルで前進して中央の馬場へパス、そのままゴール前に入っていく。馬場は左に流れたウチの戸田へ送り、戸田は頭でルーカスへ折り返すが、オフサイド判定。
  • 49分、緑:右サイドから山卓が中央の森本へ。森本が裏へ抜けようとするワシントンへワンタッチでパスを出すが茂庭がしっかりスクリーンし、パスはそのままゴールラインを割る。
  • 51分、東京:阿部のパスを受けた馬場がミドルを狙うがゴール左。
  • 54分、緑:早いパス交換から右サイドに流れたジウが中央のワシントンにクロスを送るが、東京DFがカット。
  • 58分、緑:前線のワシントンにパスを送るが、茂庭がカット。こぼれを拾った森本がエリアに入っていくが茂庭が阻止、ボールを奪う。森本が奪回を狙うもファウル判定。1969シート組からは「ふざけるな!小僧!」とやじが飛ぶ。今のうち、言っとけ(笑)。
  • 59分、東京:戸田→規郎へ交代。規郎が左サイドに張る。阿部が右にまわる

緑さんは中盤をボックス型に変更、ジウが左へ回り、右へは小林慶が張り出す。森本がやや引き気味の位置でトップ下に位置し、ワシントンが1トップ気味。
東京は頑固一徹、高い位置からのプレスでボール奪取、そこから速いサイド攻撃を狙う。しかし、相変わらず引いて自陣を固める緑の前に手詰まり気味。原さんは特に戸田の動きがお気に召さなかったようで、早めに規郎へスイッチする。どうも右サイドでは勝手が違うらしく、いつものようにスピードを生かして裏を突くプレーが少なかった。また、守りでも相馬のマークを外してしまうことが多かった。

  • 61分、緑:相馬が左サイドをえぐってクロスを入れていくが、ファーに抜ける。
  • 62分、東京:カウンターから規郎がミドルを狙うが枠に行かない。この前に、あっちの戸田が勝手に倒れ、負傷退場。
  • 64分、東京:阿部のクロス転じてサイドチェンジを受けた規郎がクロスを入れるが、DFがブロック。
  • 65分、東京:ルーカスのポストから馬場がミドルシュートを打つが、枠に行かない。
  • 65分、緑:負傷退場の戸田にかわって久場が入る。あなた、誰?(20歳だそうです)。久場が右MFに入り、小林慶がボランチへ下がる。
  • 66分、東京:ルーカス→ササへ交代。ササ・阿部の2トップ、中盤は今野を底、梶山が右、左に規郎が入ったなんとなくダイヤモンド(笑)型になる。
  • 67分、東京:今野が中央のササへクロス。DFが跳ね返し、こぼれ球を馬場が狙っていくが枠に行かない。芝を叩いて悔しがる馬場。

規郎がパワー全開、左サイドで突破を狙うが空回り気味。力任せの突破を狙いすぎ、周囲の選手との連携が乏しく、単騎突撃は玉砕に終わる。前半に阿部がやっていたように、金沢や馬場のサポートを受けて裏を狙うことも考えて欲しかった。規郎らしいといえばらしいのだが。
不調のルーカス(シュートわずか1本)に代わってササ投入。馬場はこの試合も闘志満々、豊富な運動量で好守にわたってチームを引っ張ろうとするが、このあたりから疲れのためかプレーの精度が落ち始める。

  • 70分、緑:相馬がマークする梶山を振り切って左タッチライン際を突破、クロスを入れる。これに合わせてニアへジウが飛び込むが東京DFがカット、相馬はクリアボールを拾って二次攻撃を試みるが藤山に止められる。
  • 72分、緑:梶山が中盤でキープ、左の規郎に送るがインターセプトされカウンターを招く。ジウが森本とのワンツーで中央突破を狙うが東京DFが阻止。
  • 73分、緑:森本がドリブルで持ち込むが茂庭がカット、このルーズボールを茂庭が自分でハーフウェイ近くまで追っていく。久場も奪いにいくが、茂庭の勢いの前にたまらずファウル。このとき、馬場も走ってきていた。茂庭コール。
  • 74分、東京:左に流れた馬場がクロスを入れるが緑DFがブロック。クリアを拾った平野がカウンターにつなげようと中央を駆け上がるジウへパスを送るが梶山がインターセプト、逆カウンターを開始する。梶山からエリア中央の規郎へ、このパスはカットされるがクリアを拾った梶山が今度はエリア右へ流れフリーになっていた阿部へ、阿部がファーポスト際を狙って速いグラウンダーでシュートするがGK高木が横っ飛び、右手ではじき出す。これにササが詰めるがわずかに合わない。このボールを馬場が拾って折り返すが、ニアで誰かに当たり中央で緑DFがクリア、クリアを拾った今野が強引にミドルシュートを狙っていくがDFにあたってスローイン
  • 同74分、緑:東京のスローインを奪った緑がセンターライン付近のワシントンめがけて大きなクリア。背後にジャーンを背負いながらもワシントンが落とし、ジウがワンタッチで裏へ、これを茂庭がカットするが、そのボールは右サイドを駆け上がってきた久場へのパスになってしまう。久場が間髪入れずに出したスルーパスにワシントンが走るが、飛び出した土肥が大きくクリア。

ササ投入後、中盤をダイヤモンド型に変更した東京だが、このために中盤守備が混乱する。左MF規郎はウインガーとしての意識が大きく左に張りがち、梶山はボランチの癖で内に絞りがち、というわけで中盤にスペースが出来はじめる。
戸田(向こうの)を失った緑も、中盤で攻撃を止める選手がいなくなる。
お互い、しだいに運動量が落ち始める。そしてノーガードの打ち合いが始まる。

  • 75分、緑:ジウがドリブルで突っかけてファウルを誘う。緑は素早くリスタート、一瞬フリーになった平野が中央やや左から強烈なミドルシュートを放つが右ポストを直撃し、ラインを割る。
  • 76分、緑:右サイドでボールを持った小林慶がいったんワシントンに預けてカットインし、左をフリーで上がってきたジウへパス。ジウがエリアに入るかはいらないかの位置まで持ち込んで、藤山がカバーに入る前にシュートするが、大きく枠をはずす。
  • 77分、東京:ルーズボールの競り合いを制した今野が藤山へパス、藤山が右サイドを駆け上がってふわりとしたクロスを入れる。これは明らかなミスキック。しかしふらふらと上がったボールがファーポスト際に落ちていく。これが入っていたら後々まで語り草になる大爆笑劇になったのだが、ラッキーヒットならず。わずかに枠を外れる。この直前のプレーでファウルがあったとして平野が警告。
  • 78分、東京:阿部が前線のササへグラウンダーで送るが、相馬がカット。
  • 79分、緑:平野が前線のワシントンへ速いボールを入れていく。これを受けたワシントンがターンしようとするが、茂庭が阻止。
  • 80分、緑:山卓が右サイドからドリブルで中央に入ってくる。マークを引きつけたところで左の相馬へ送る。前進した相馬がファーのワシントンめがけてクロスを送るが、マークについた茂庭が競り勝ってクリア。
  • 81分、緑:マークを一枚かわした平野が前進、ワシントン前方のスペースへフィードを送るが、ワシントンが反応できず。ここで森本→町田に交代。
  • 82分、緑:ジウが藤山のマークを振り切って左からクロスを入れていくが、東京DFがヘディングではじき返す。クリアボールを拾った相馬がさらにクロスを入れるが茂庭がカット、土肥がキャッチ。
  • 83分、東京:中央の梶山から左の規郎へ、規郎は中央の阿部へクロスを送るが緑DFがクリア、これを馬場が胸で落とし、ひょいと浮かせてマークをはずし、左足で狙っていくが枠をとらえられず。頭を抱える馬場。このとき、ササが右サイドでフリー。
  • 85分、緑:ジウがドリブルで攻め上がるが持ちすぎ。東京守備陣が戻り、横パスをカットされる。
  • 86分、東京:その横パスカットから馬場がドリブルで持ち込む→左の規郎→中央のササ、とパスを繋いで、ササが遠目から強シュートを放つが、高木がきわどいところではじき出す。左CK。
  • 86分、東京:その左CK、馬場がボールをセット。東京サポーターのボルテージが上がる。1969シート組も大拍手で後押し。馬場のCKをニアで山卓が頭に当てるが、そのままゴール前に流れ、これをファーの茂庭が少々無理な体勢からダイレクトで狙う。しかしシュートは浮いてしまいバーを越える。このプレーで、茂庭が足をつり、筋肉を伸ばす運動。
  • 86分、緑:茂庭が体操している間に、疲労の色濃い平野から弦巻へ交代。あなた、誰?(ユースっ子だそうです)。
  • 87分、東京:トップデビューを果たした弦巻だが、入ってきた状況が悪かった。中盤で囲まれてあっさりボールを奪われ、そこからカウンター。右サイドで阿部が縦に勝負、相馬のファウルを誘ってFKゲット。相馬は警告で次節出場停止。このFKを規郎キャノンが直接狙うが、超高速スライス回転で枠からそれていく。当然、誰も合わせられず。次は本家ロベカルよろしく、スライス回転で壁を巻くようにニアポスト際を狙おう。このあと、馬場→栗澤へ交代。お疲れ、憂太。
  • 88分、東京:右に流れた規郎がクロスのようなシュートのような強烈なボールをゴール前に入れていくが、誰も触れず。直後、再び右を突破した規郎が中央のササへ速いグラウンダーを入れていくが、わずかに合わない。

ここまで書いて疲れた(苦笑)←なら書くなよ。スカスカの中盤をお互いのカウンターパンチが往復する。
あいかわらず連携に問題を抱える東京より、前線にワシントンという大駒を持つ緑のアタックのほうがどちらかといえば怖かったのだが、そこに茂庭が立ちはだかる。高さ勝負だろうが、駆け引き勝負だろうが、完全に阻止。太ももに不安を抱える同僚ジャーンの不調を補う大活躍だった。もちろんスピード勝負では完全に上回り、まったく仕事をさせない。結局、ワシントンはシュート1本(手元集計)に押さえ込まれた。この茂庭の壁の前に、森本は文字通りの小僧扱いされ、あえなく町田と交代。
東京も、疲労と戦いつつチームを引っ張ろうとしてた馬場がついに交代、栗澤が入る。結果的には、これが決定打となった。

  • 89分、東京:RKUラインによるカウンター。栗澤が中央をドリブルで持ち上がり、左を駆け上がってきた阿部へ。栗澤は阿部からの折り返しを期待してそのままゴール前に入っていくが、クロスを緑DFがカット。このあと、第4審がロスタイム2分の表示を掲げる。
  • ロスタイム入り直後、東京:バイタルエリアで浮き球の競り合い。ササが梶山へ戻し、梶山は緑ボランチ陣が寄せてくる前に頭で栗澤へ送る。これを受けた栗澤が素早くターン、丸裸のバイタルエリアをじわりと持ち上がりながらキープ、緑DFを引きつける。これを見て左ポストへ阿部が突っ込み、右サイドにササが流れる。栗澤が緑DF2枚が寄ってきたところで右のササへ絶妙のラストパス、余裕でオフサイドラインをかいくぐったササが角度の無いところから強烈シュートでニアをぶち抜く。東京、逆転。
  • ロスタイム残り:土肥がボールキープで焦らし芸。切れたワシントンがチャージ、土肥が倒れる。ワシントンはおとがめなしで土肥のゴールキック。これを拾った緑がゴール前に放り込むがジャーンが大きくクリア、こぼれ球を競り合おうとしたところで長い笛、試合終了。

そして生まれた、逆転ゴール。え、なんですって、先制されてひっくり返して勝ったってのは今シーズン初めて?うるさい!
この場面、ササがマーカーの相馬を引き連れて下がりながら、浮き球をヘッドで梶山へ戻した。ササは反転してがら空きの右サイドに流れ、相馬はササに競りかけた勢いがついていてすぐにはターンできない。
ボールを受けた梶山はほとんどフリー。緑の選手が一人マークに行く(状況からみて小林慶か弦巻)。しかし梶山はそのまま頭で前方、フリーの栗澤へ送る。栗澤をマークすべき選手はやや左寄りで突っ立っていた(この選手も小林慶か弦巻のどちらか)。フリーでボールを受けた栗澤はじわりと前進、手振りでDFを釘付けにし、ぎりぎりまで待って右裏に抜けるササへパス。栗澤に対しては林・戸川の二人がコースを塞いでいた。戸川はササを気にしていたが、ササをマークするために移動すればコースが開くため(すでにミドルシュートの射程内)、どうにもならない。そしてエリア右サイド、フリーでパスをもらったササが角度のないところからニアサイドをぶちぬいた。高木に全く反応するいとまを与えない、強烈なシュートさった(高木はファー側に突っ込む阿部を気にして、注意が分散したのかもしれない)。クロスの選択肢もあったはずだが(角度ないし)、ササはシュート以外の気配をまったく感じさせなかった。力みも気負いも、もちろん躊躇もない、ただ淡々とゴールを決める、リアルストライカーのシュートだった。


そして試合終了。


MVPは・・・ワシントン、森本ともに封じた茂庭かな。ジャーンが森本のスピードに手こずり、またワシントンにも決定的なヘディングシュートを許してしまった中にあって、高さでも早さでも駆け引きでもワシントンに勝り、森本を小僧扱いし、危うく?決勝点を決めるところだった。満身創痍のDF陣にあって、この安定感はもう、なんというか。絶対の信頼が置けるセンターバックを所有している、幸せを感じるよ。
先週、酷評した梶山ですが、今日はよく走っていたし、謎の軟体動物ぶりを見せつけてボール奪取に貢献していた。軽率なプレーで2回ほどカウンターを招いてしまう場面もあったが、今日は及第点でしょう。ま、我慢の時期はまだ続くだろうけどね。


緑のほうは・・・苦しいな。この試合、第三者が冷静に見るならば、東京が選手層の差で緑を押し切った試合と写るだろう。東京は戸田の後に規郎、ルーカスの後にササ、馬場の後に栗澤と、それぞれタイプが違うがいずれも実績のある選手たちが出てきた。一方、緑は、戸田の後に久場、森本の後に町田、平野の後に弦巻と、経験の少ない、ここまでほとんど使ってこなかった選手に頼らざるをえなかった(弦巻に至ってはユースだし)。しかも怪我人と出場停止の追い打ち付き。せめて平本でもいれば少し様相がことなったと思えるのだが。


さて、東京はまだ上位陣との対決を残しているが、自動降格圏17位の緑に9ポイント差をつける、貴重な勝利をあげた。これが何を意味するか。緑は、たとえ東京が残り試合を全敗しても、6試合で勝ち点9・つまり3勝を上げなければ追いつけず、さらに得失点差で上回らなければならないのだ。自動降格の恐怖からは、ほぼ逃れたと言ってもいいだろう。入れ替え戦となると、まだ油断はできないけどね。
この後は、どうするかって?まずは安全圏への脱出を図ることが大事だけれど、それだけじゃない。いまこそ、リーグをかき乱すのだ。この勝利が、優勝戦線おじゃま虫シリーズ開始の号砲となることを祈って、今日の観戦記はおしまい、おしまい。