天皇杯5回戦 浦和レッズ 2 - 0 FC東京(観戦94試合目)

日時:2005年12月10日(土)13:00キックオフ
会場:愛媛県総合運動公園陸上競技場
観衆:8355人
主審:長田、副審:中原、犬飼
得点:マリッチ(浦和、30分)、山田(浦和、61分)
警告:梶山(東京、4分)、ポンテ(浦和、41分)、宮沢(東京、65分)、田中闘(浦和、89分)

9日の夜9時すぎ、新宿西口ターミナルから丸亀行きの高速バスに乗る。淡路島を抜け、高松経由で丸亀着。ここからJR特急で松山へ(JR四国の週末乗り放題切符を使うと10000円で1日乗り放題なのだ)。この特急、岡山から瀬戸大橋を越えて走ってくるのだが、ここではや赤軍派に遭遇。松山駅で降りると青赤数名赤サポ十数名が乗っていたようだった。赤サポさん、頭のてっぺんから足のつま先まで赤グッズでギンギンに固めている方、多いですなあ。ちょっとウチにはいないタイプ、むしろ鹿島に近いような(一緒にしたら怒るだろうけど)。


みなさんは、ここからタクシー、レンタカー、バスなどに乗って会場を目指すようだが、私は鈍行に乗って二駅先の北伊予駅まで行く。2両編成のワンマン列車で、バスと同じくみんな後ろのドアから乗って整理券を取り、降りるときは一番前で運転手に切符と整理券を渡す。もちろん、大半の駅は無人駅。各駅に切符の自販機がある。
松山の隣が市坪駅。あの「坊ちゃんスタジアム」があるところである。すごく、豪華。でも、プロ野球の公式戦、年に何回あるのだろう。


二駅目が目的の北伊予駅。まわりは住宅地。店などなにもない。ここが会場に一番近い駅なのだ。東に見える丘陵地の向こうに、陸上競技場がある。自転車を組み立て、丘の麓を走る。25分ほどで会場着。この陸上競技場、丘の上に立っているのでひいこら言って坂を登る。なんでも、松山駅からレンタサイクル組もいたそうだが、ちゃんと坂は上れたかなー?


愛媛県陸上競技場は、典型的な国体仕様の陸上競技場だった。椅子席はメインスタンドだけ、あとは全て芝生。もっとも鈴木チェアマンの恫喝が効いたのか、芝生席の前半分がベンチシートになっていた。ただしスタンドの位置が傾斜が緩すぎで、最後方の手すりによじ登っても見にくいことこの上ない。じっくり観戦したい向きはメインスタンドに限る。このほかにも、トイレが仮設だったり、売店が全部屋台だったりと(縁日風ですな)、とあれこれ急造感がただようが、この試合の運営経験も参考にして来年のJ2リーグ戦に向けて準備していくのだろう。


報道では観客1万人越えでチケット売り切れ間近なんてことも言われていたが、実際はバック自由こそ満員に近かったがメインの両はじはガラガラで、ゴール裏もそれなりに空きスペースがある。おまけにゲートのところではチケットが山積みで当日売りをしている。どうやら、県協会が大量に抑えたチケットが捌けきれず、余りが当日売りにまわったというよくあるパターンらしい。赤サポさんたちも、たしかにウチよりは多いけれど、思っていたほどの数は来ていない。なにしろ、あらゆる移動手段が押さえられた、みたいな感じだったのだが(首都圏-松山間の輸送力ってそんなにキャパが多くないのね)、さすがに愛媛まで来る人となるとそれなりに限られてくるのかな。といっても、十分多いですけどw。人気がないのも考え物だけど、連中みたいに交通インフラが麻痺するほど押し寄せてくるのもどうかと思う。


連中は、例によって「うぃあーうぃあー」と同調化圧力波をまき散らしつつ、いつものストロングスタイルで応援を開始。こっちは、コーヒールンバを歌いながら行進、じゃなくて散歩をして体を温め、準備完了。


浦和のスタメン。

    マリッチ
  ポンテ   山田
アレックス      永井
  鈴木啓   長谷部
 堀之内 田中闘 坪井
     都築

サブ:山岸、酒井、岡野、横山、細貝
選手交代:永井→岡野(HT)、都築→山岸(51分)、ポンテ→酒井(85分9
いちおう、3-6-1みたいなフォーメーション。ポンテの加入以降、前みたいなドリブル一辺倒ではなくなってきて、ちょっとやっかい。


東京のスタメン。

      ササ
  規郎  栗澤  阿部
   今野    梶山
 金沢 茂庭  藤山 加地
      土肥

サブ:遠藤、浅利、三浦、宮沢、近藤
選手交代:栗澤→宮沢(54分)、今野→三浦(63分)、金沢→近藤(68分)
ルーカスがケガで帰国、ジャーンと戸田もケガで欠場、馬場は結局間に合わずということで、こんなメンバーになった。満身創痍、怪我人ターンオーバーでやりくりするDF陣を藤山が支える。


試合内容は・・・ゴール裏に居たんでメモは取ってません。印象のみ。
ポゼッションは終始東京が浦和を上回っていた。序盤から今野、梶山を中心に中盤を押さえていたし、しっかりこぼれ球も拾っていた。ボールを奪うと、ボランチ二人に栗澤を交えたパス交換で浦和のプレスをかわし、サイドへ展開、ウイングがササをターゲットとしてクロス(あるいはササを囮につかって逆サイドのウイングがファーに突っ込む)、こぼれ球を狙って二列目以下が飛び込む、というのが基本パターンだったように思う。浦和のマークがササに集中する分、阿部がフリーになれるケースがあり、規郎の左クロスに合わせた場面と、セットプレーの流れから栗澤クロスに飛び込んだプレー、この二回ほど決定機があったが、いずれもシュートが枠を捉えられなかった。


決められないでいるうちに一瞬の隙を突かれ浦和に先制を許す。東京から見て右サイドでアレックスがクロス、中央で待ちかまえたマリッチが茂庭に競り勝って頭で合わせ、これが土肥の横をぬけて先制される。直前のプレーの判定にクレームをつけているうちにプレーを再開され、クロスを入れられる。マリッチもファールにならない程度に何度も体を当て、茂庭の体勢を崩してからヘッドと老獪なプレー。隙を見逃さずにきっちり決める、鹿島みたいな浦和の先制点だった。


この後、浦和は・・・ドン引きになりやがった(苦笑)。というのは半分イヤミだが(以前、東京の守備を引きこもりだの何だのと罵倒してくださった方がいらっしゃいましたな)、守りを固めてカウンターを狙ってきた。永井に右サイドを抜け出される場面があったが、藤山が矢のように走ってきてカバーリング、事なきを得る。終了間際にはCKからゴール前でマリッチをフリーにしてしまい(ボールに3人行くなって)、シュートを許すがササがライン上でクリア、助かった。


後半開始直後、規郎が左サイドを突破、中へ切り込みながらDFを引きつけて中央へパス、走り込んだ栗澤がキーパーと一対一になったが、この絶好機にちょっと躊躇したかorz、シュートは都築に止められた。その後も、宮沢を入れ(栗澤out)、梶山をトップ下に上げて攻撃を続けるが、浦和も守りを固め、カウンターを狙う。そして60分、今野が負傷してピッチ外に出た隙を見逃さず、山田が左サイドをドリブルで攻め上がり角度の無いところからシュート、これが右サイドネットに収まってしまった。そして、今野はいったんピッチに戻るも、動きが戻らずに三浦と交代。その後、金沢を下げて近藤投入。規郎を左SBに下げるのかな、と思っていたらなんとここで茂庭を中央にした3バック。ササ・近藤が中央に、阿部・規郎がサイドに張る4トップ。原さん、みずからのポリシーを曲げてまで勝負への執念を見せる。ササを狙って放り込み、ササがほとんど競り勝ってボールを落とすも、わずかに味方にあわず。


しかし、結局、浦和の守りを崩せず、試合終了。
浦和の決定機は、得点シーンとマリッチのシュートをササが止めた3回のみ。そのうちの2回を決めてきた。それも、こっちが判定に抗議して集中力を欠いた瞬間と、今野がピッチ外にでて人数が少なくなった瞬間を突いてきた。
対して、こちらは度重なる決定機を決められなかった。阿部のシュートは枠に飛ばず、ササはシュートよりもポストプレイを優先し(ただし、田中闘にヘディングで勝っていたのはすごいと思う)、栗澤は絶好機に固くなり、規郎のFKは力が入りすぎてホップ、とどこか空回り。単純な戦闘力では少なくとも互角だったはず。でも、完敗。
浦和は試合運びがずいぶん洗練というか、こすっからくなってきた。でも、優勝するなら、こういう試合運びで確実に勝ち点3を取っていくことも必要なはず。シーズン中は拙いゲームマネジメントで(田中闘の大暴走とか)、星を落とし、結局優勝できなかったわけだけど、その教訓を確実に生かしているよね。


ふりかえってこっちは・・・やる気はあるけど空回り(苦笑)。みんな正直すぎるって。まあ、ウチらしいといえばらしいし、そこが好きだからこそ毎試合通い詰めているわけだけど、でも悔しかった。これで浦和には去年の天皇杯から4連敗。優勝争いをしているチームと、終盤に復調したとはいえ、結局、座賑わしに終わってしまったチームとの差を見せつけられた。


そして別れ。試合後の挨拶。三浦に率いられた選手たちは、一礼すると気を利かせて去っていく。そして原さんは涙を浮かべながら、次々と投げ入れられるマフラーを全部拾って首に掛けながら、スタンドから差し出される手を一つ一つ握っていく。You'll never walk aloneの歌詞、はまりすぎだよ。しんみりしちゃうじゃないか。
最後の試合は、かつて石持て追われた浦和に敗戦。でも、今度は皆が別れを惜しみつつ、送り出すことができる。これでよかったのだ、と無理矢理自分を納得させる(←解任論者のくせしやがって)。結局、原さんがスタンド下に消えていくのを見届けてから、競技場を後にした。


帰りは、電車の時間が合わなかったので、市坪駅まで自転車で走り、坊ちゃんスタジアムを見物してから松山へ。松山駅でじゃこ天うどんをかきこみ、おみやげを物色してから、来た道と同じルートで帰京。
皆さん、会場からの帰りにはずいぶん苦戦していたようで、自転車作戦は大成功。


トップのシーズンはこれで終わり。3月・4月の長期出張期間を除くと、ホーム・アウェイともに皆勤。サラリーマン失格だな(笑)。


新宿に着いたのは朝の6時半。今日は一日、家でゆっくり、ではない。一休みしてから行くところがある。
ところで、甲府 6-2 柏ってなんですかあ〜?????!!!!!!