Jユースサハラカップ決勝T2回戦 FC東京U-18 4 - 1 湘南ユース(観戦95試合目)

日時:2005年12月11日13:00キックオフ
会場:江東区夢の島競技場
観衆:600人ぐらい
主審:西尾
得点:永露(東京、5分)、永露(東京、15分)、猪狩(湘南、34分)、常盤(東京、62分)、村田翔(東京、89分)

決勝Tに駒を進めたウチのにーちゃんたち、予選リーグ一位突破のため、2回戦から登場する。


この一戦を見るため、丸亀経由高速バスで早朝に帰京、帰宅して一服後(朝風呂&朝酒の極楽モード)、愛媛で大活躍の折りたたみチャリを再展開、夢の島を目指す。風が冷たい。


寒波到来にもかかわらず、それなりの入りだった。
特に、湘南は大人の声だし隊も来て気合いの入った応援をしていた。こっちは、主力が愛媛からの帰還途上(というか、あちこちのブログをのぞくと二日酔いの人が多いような)ということもあり、いつものように若衆と控え組で応援。といっても、試合開始10分前ぐらいからおもむろに弾幕を貼り始める微妙な力の抜き加減は相変わらずw。


東京のスタメン

    樋口  金森
   常盤 永露 大竹
      井澤
 森村 田中  伊藤 小川
      権田

エース村田はベンチスタート。温存したのか、他の理由(ケガ説あれど未確認)なのかは不明。本日のゲームキャプテンはCB伊藤。
フォーメーションは中盤ダイヤモンドの4-4-2。永露が攻撃的なセンターMFとしてプレーし、井澤は常にDFラインの前に位置してバランスをとる。


湘南のスタメン

     秋元
  林   9  猪狩
   関口  宮崎
 2 鈴木  3  4
     平川 

こちらは4-5-1フォーメーション。
右ウイングの猪狩が速いです。ちなみにスタメンCBである背番号5が鈴木タカユキくん(漢字不明)、控えに入っていたMF19番がアベユウキくんでした。


開始直後は両チームともに堅さが見られた。湘南はよく走ってプレスを掛けているものの、1トップがボールをキープできず、2列目以下もサポートの動きが鈍く、攻撃をビルドアップできない。東京も、キックオフから1分経たないうちにバックパスを奪われてピンチになりかけるなど動きがぎこちなく、湘南の寄せが早いにも関わらず足元でパスを回そうとしてカットされる。


チームにリズムを取り戻したのは永露のプレーだった。5分、ハーフウェイを越えたあたりでボールを持つと、意を決したかのように得意のドリブルで勝負、マークを引きつけておいて右に開いていた大竹にパスを送る。フリーで受けた大竹は左足でファーサイドへクロス、常盤がハイジャンプで頭一つ飛び出て折り返し、中央で金森と湘南DFが絡んでこぼれたところ、永露がすかさず詰めてダイレクトシュート、これがゴール前の密集を抜けてネットを揺らした。


先制点で、リズムが変わる。
東京はドリブル、ワンツーと個人技と即興的なコンビネーションで勝負を仕掛ける。トップチームはサイド攻撃をファーストチョイスとしているが、ユースはまずテクニックを生かして中央突破を狙い、止められてもルーズボールを拾ってサイドへ展開、中央突破を図った選手たちが今度はクロスに合わせてゴール前に飛び込んでいく。湘南は東京の波状攻撃に翻弄され、混乱しているうちに追加点を奪われる。15分、左SB森村のアーリークロスをGKがパンチングで弾くが、こぼれ球を狙っていた永露がすかさず詰めてシュート、これが決まって本日の2得点目を奪う。


若衆とベンチ入りしていない選手からなる応援も微妙な冴えをみせる。湘南とウチではチャントの元歌がかなり被っているため(ABBAのあれとか、ボカのあれとか)、向こうの歌に合わせて?の被せ応援という暴挙(笑)に出た。いいねー、君たち、わかってるじゃん。でも、いまからそんなことやってると、大人になったら僕たちみたいなスレッカラシになっちゃうぞ。


このあと、湘南が混乱から回復し東京の個人技勝負もなんとか止められるようになってきた。永露のミドルがGKの好セーブで阻まれるなど、チャンスを作れても決められない展開が続く。そして、湘南が反撃を開始する。


27分、ワントップの秋元に代わって岡を投入。これは秋元の動きが悪かったということではなく、中央にデンと構える(したがってマークしやすい)秋元から、ちょこまか動き回る岡へのスイッチによって東京の守りをかき回し、試合の流れを引き寄せようとする戦術的な狙いでの交代だったと思う。
この策が当たった。ちびっ子・岡(1年生だそうです)がチョコマカと動き回ってマークを振り回すことによって、徐々にスペースが出来てくる。


34分、ボランチから左ウィング林へ展開、林がゴール中央に入れたクロスに対し、岡が素早く走り込んで反転しマーカーをスクリーン、頭で落とす。これを猪狩がやや右寄りの位置から豪快ミドルをネットに突き刺す。


これで流れが変わる。
ラインを押し上げ東京陣内でボールを奪い、中央では岡とトップ下9番に加えてボランチが攻撃参加、両ウィングもサイドをえぐり、次々とクロスを入れてくる。特に右ウィング猪狩のスピードが冴え渡る。対応する東京の左SB・森村も決して足が遅いわけではないのだが、一対一ではついて行けずに振り切られる。この時間帯だけで4、5本、クロスを入れられていたように記憶している。
東京は中盤で全くボールを持てなくなる。ワンボランチ井澤だけではとうてい対抗できないため、永露も両サイドも戻ってきてボールを追いかけるが後手後手にまわる。この時間帯、東京の中盤守備はボールも取れなきゃ2列目以下の飛び出しもマークできない状況でいいところなし。中盤のスクリーンが効かないため、DF陣も前へ出られず、湘南がドリブルで仕掛けてくるとずるずるとラインを下げてしまう。クリアしてもFW陣が孤立無援でキープできず、という悪循環で完全に押し込まれる。しかし、このつらい時間帯をCB伊藤に率いられたDF陣が体をはって耐え、なんとかハーフタイムに持ち込んだ(逃げ込んだ、といったほうが適切かも)。


ハーフタイム、東京・長島監督は手を打ってきた。本日いまいち切れていなかったFW金森を下げ、これも温存?していたボランチ中野を投入、2ボランチにして中盤守備を強化したのだ。トップ下でプレーしていた永露がFWに上がる。
一方、湘南も先発した左SB(名前わからん)を下げ、攻撃的な選手を左MFに据え、逆転を狙う(先発左ウィング林がSBの位置に下がった)。


交代策の軍配は東京に上がった。
中野・井澤のダブルボランチが湘南の攻撃を寸断、前半途中投入で活躍した岡やトップ下9番も伊藤・田中の両CBがしっかりケア。前半に猛威をふるった湘南右ウィング猪狩もいいかたちでボールがもらえないため、サイドを突破する場面がほとんどみられなくなる。
中野は夏のT1リーグをプレーしていた頃に比べて一回り大きくなった感じで(首太い!)、一対一でほとんど負けず、展開力も見せつけていた。


こうして東京は守備を立て直したが、攻撃では決め手を欠く。湘南守備陣は、東京がドリブル・ワンツーによる中央突破で勝負を掛けるのを読んでいて、ボール周りに思い切って人を集中させるため、永露や常盤が二人三人と抜いていっても、四人目がやってきて止められる、という状況が続く。


停滞状況を打破したのは、やはりエースだった。57分、東京は温存していた?村田を投入する(大竹out)。
右MFに入った村田はさっそくそのテクニックを発揮して起点となる。村田のところでボールが収まるため、右SB小川も積極的にオーバーラップを行いはじめる。


試合を決定づける3点目が入ったのは62分。村田が右サイドからカットイン、巧みなフェイントで二人をかわしてからフワリとしたクロスを入れると、これを常盤が高い打点のヘディングで決める。決めた常盤はバック転のパフォーマンスを見せる。いや、どうりで、すごいジャンプ力だ。


以後、お互いに決め手を欠く展開が続くが、湘南の反撃はCB伊藤龍を中心とした東京守備陣が阻止、ほとんどシュートを打たせず(後半はせいぜい2、3本じゃないかな)。


そして、最後は村田がテクニックを見せつける。89分、エリアに侵入し巧みなフェイントでDFを翻弄、最後は至近距離でGKの頭上を抜く芸術的ループを決めてトドメの4点目、スタンドの喝采を浴びる。本人にとっても会心のプレーだったようで、喜びのあまりスタンドの控え選手のところまで走ってきてガッツポーズ(よく見えなかったけど、イエローもらっていたような)。


というわけで、試合を決めるのはやっぱりエース、村田が決定的な働きを見せて見事に決勝T初戦突破ですだ。
もっとも、この日のMOMを選ぶとしたらCBでキャプテンマークを付けた伊藤龍を上げたい。前半失点後の苦しい時間帯に体を張って守りきったし、後半もタイミングのいいインターセプトや高さを生かしたクサビ迎撃で湘南の反撃をことごとく阻止、セットプレーでも強烈なヘディングシュートを披露し、観客からは「ジャーンみたい」との声も上がるほどの活躍ぶりだった。


緊張する初戦、序盤にたたみかけ、苦しい時間帯も一失点で抑えて前半を終え、後半に突き放す、というしっかりした試合運びを見せてくれた。客観的にみれば、エースとレギュラーのボランチを勝負どころで投入して力で押しきった、ということなのだろうけど、とにかくうれしい。
選手たちも嬉しかったようで、最後はスタンドの控え選手&イケイケ若衆に乗せられて「ウィ!ア!東京」までやっちゃったりして。


次戦は12月18日、フクアリ。相手は清水ユース。なんだか、強そうな相手だけれど、この勢いを持ち込んでイキのいいプレーを見せて欲しい。そして、一試合でも多くプレーして欲しいよ。


トップはオフ入りしちゃったけど、このようにユースッ子たちはまだ奮闘中ですぜ。
だから、志あるものは(つーか、暇を持て余してる人とか、物好きな人とかはw)、フクアリに集結せよ。


青赤マフラーをクリーニングに出すのは、まだ早いですぜ。


ところで、サマナラは営業してくれるかなあ(結局、食い物かい!?)