インカレ Dグループ第2戦 福岡大学 0 - 0 仙台大学(観戦102試合目)

江戸川というのは冬季観戦向けスタジアムである(のっけから力入ってます)。なぜなら、メインスタンド(マイナーな試合の場合、たいていメインしか開けてくれない)が南向きで陽当たり良好、かつ北風をスタンドが遮るので、晴れてさえいればこの季節でも割とポカポカなのだ。ちなみにオイラがバックスタンドにこだわるのは、日向ぼっこをしたいから、という理由が大きい(チケット代浮かせてビール買うつもりだろう、などと突っ込む奴には誘導迫撃砲弾が降ってくるであろう)。


そんなことはともかく、グループリーグ第2戦です。
江戸川のスタンドはポカポカ、ピッチはボコボコorz。とくにセンターサークル付近とペナルティアーク近辺がひどい。ここはアメフトも開催するからなあ。


福岡のスタメン。

   山内  高橋
     衛藤
 樋口      西野
   吉木  片原
  山口 千原 登尾
     赤星

第1戦と全く同じスタメンです。


仙台のスタメン

   増嶋  仲谷
     金子
 柿沼      藤岡
   大橋  池上
  根本 阿部 細川
     中野

第1戦からFWを濱田→仲谷、右WBを工藤→藤岡に変更した(いずれも、第1戦は途中出場)。
3-5-2フォーメーションでのスタート。どうやら、後半から3-3-3-1に変更するのがパターンらしい。


前半の試合展開。

1分、福岡:GKが前へ出ているのをみて山内が挨拶代わりのロングシュート。仙台GK中野は意表をつかれてちょっと慌てたが、ファンブルしつつも押さえる。
4分、福岡:衛藤のミドルをDFがブロック、その跳ね返りをFW高橋が拾ってドリブルで仕掛け、仙台DFが蹴り出してCK。衛藤の左CKを登尾が頭で合わせるが、シュートが浮いてしまう。
5分、仙台:大橋が遠目からシュートを狙っていく。枠に行かなかったが、流れを仙台に取り戻そうという意図か?
8分、仙台:金子がドリブルで突っかけ、ゴールライン際までえぐってマイナスの折り返し。まっすう1号が受けて反転シュートを放つがGKが触ってバー上。左CKを得るが、クリアされる。
14分、福岡:ボランチ吉木が前線の高橋へクサビを入れる。高橋が右へ展開し、右サイドに流れていた山内が裏へ抜けクロス。高橋が反転してゴール前に飛び込んでいたがクロスはGKがキャッチ。
16分、福岡:左WB樋口がアーリークロス。これがファーに居た右WB西野にわたり、仙台DFが迎撃するもファウル判定。エリア右角5m付近から衛藤のFK。ニアを狙うが仙台守備陣がクリア。
20分、仙台:左CK。ゴール前の金子から大橋に渡り、角度のないところからシュートするが枠をそれる。
21分、仙台:金子がドリブルで仕掛けるが福岡DFが阻止。こぼれ球を大橋がダイレクトミドルで狙うがキーパー正面。
25分、福岡:右WB西野のクロス、これを受けたFW山内がさらにゴールラインまでえぐってマイナスの折り返し、しかし飛び込んでくる選手に合わない。
32分、仙台:金子がドリブルでエリアに侵入するが、福岡DFがコースを切りつつサイドに押し出す。金子は左WB柿沼に戻し、そこから速いグラウンダのクロスを入れていくがDFがカット。
34分、福岡:右CKから高橋がフリーでヘディングシュート。GKは反応できなかったが枠内で待ちかまえたDFがクリア。セカンドボールの争いのなか、それに勝った仙台大がカウンターからCKゲット。
35分、仙台:そのCKのクリアボールを拾って放り込み、ゴール前で混戦。ラックの中のボールはGKがなんとか押さえる。
38分、仙台:左ショートコーナーから柿沼が左足クロス。クリアボールを拾った池上が放り込むがクリア。
41分、仙台:左スローインから池上がクロス。これを受けたまっすう1号が反転してグラウンダのシュート。これは鋭かったがキーパー正面を突いてしまった。
44分、福岡:40m以上あろうかという距離からのFKをゴール前へ。クリアボールを拾って右WB西野がダイレクトで打っていくが枠外。

前半は拮抗した展開が続いた。高い位置でボールを奪い速攻、それがだめならボランチからの球出しでサイドあるいは裏を狙うという二段構えの仙台大。対する福岡大は衛藤を中心とした攻撃を見せる。
立ち上がり5分ほどは福岡のペース。仙台大の速攻をDF陣がしっかりと押さえ、ボールを奪い返して衛藤を経由して組み立てていく。しかし、仙台大も次第にリズムを取り戻し、大橋・池上両ボランチを中心とするパス回しで崩していこうと試みる。
しかし、5分すぎぐらいから、両者拮抗、というかお互いに決め手を欠く展開になっていく。
仙台は、FWの裏への飛び出しが福岡DF陣に止められ、WBを使ったサイド攻撃も、福岡のWBに迎撃されてほとんど止められる。池上がお膳立てをしてもちゃぶ台返しでやり直し、って感じで。唯一、金子が1.5列目から仕掛けていくドリブル勝負が効果を発揮していたが、最後のところでどうしてもマーカーを外せない。決定機と呼べるのは、まっすう1号が放った反転シュート2本のみ。
一方の福岡大もなんとなく手詰まり感が漂っていた。衛藤や2トップは奮闘していたし、右WB西野は再三右サイドを突破してクロスを上げていたが、他の選手がね・・・仙台大の攻撃をしっかり押さえている反面、どうしても守備に意識が行ってしまい、攻撃をサポートする意識に乏しかった。そのうちに、全体にポジション固守安全サッカーというか、流動性を欠く状況になっていき、仙台大の対処を容易にしてしまった。衛藤にあずけて、なんとかしてくれるのを他のみんなが待っている、FWもデンと構えてクロスが来るのを待っている、という姿勢じゃね、崩せないよ。
というわけで、まったりした雰囲気が漂いかけたところで前半終了。


後半開始から、両チームともフォーメーションを変更してきた。
福岡は3-5-2から4-4-2へ。

    衛藤  高橋
  山内      西野
   吉木    片原
 樋口 山口  千原 登尾
      赤星

衛藤をトップに上げ、左サイドが玉突きのように下がった。仙台3バックのサイドを突こうという意図か。
加えて、フォーメーションを変えることによってリズムを変え、攻撃に流動性を取り戻そうという考えもあったと思われる。


仙台大は第1戦と同じく、3-3-3-1にシフトチェンジ

     増嶋
  金子    仲谷
     池上
 柿沼      藤岡
     大橋
  根本 阿部 細川
     中野

とりあえず、選手交代なしで陣形変更。このやり方のほうがボールが回るので、最初からやればいいと思うのだが、実質一人で中盤の底を担う大橋をはじめとした各選手の運動量が持たないのかもしれない。


以下、後半の試合展開。

6分、仙台:福岡のパスミスを拾って速攻。金子が右サイドに流れクロスを入れるが、中央で受けた柿沼がトラップミス、早い戻りを見せた福岡DFがすかさず囲んでシュートを打てず。
8分、福岡:左MFに回った山内がライン裏にすり抜け、GKとの一対一からシュート、しかし仙台GK中野が飛び出してブロック。
13分、福岡:ふたたび山内が左サイドを突破、クロスを入れていくが誰にも合わず。
14分、仙台:金子がドリブルで中央突破。マークを引きつけてから右サイドへパス。右ウィングに回った仲谷がクロスを入れるがこれも合わず。
15分、仙台:続いて池上が左クロス。クリアボールを大橋がミドルで狙うがゴール左。
15分、福岡:山内から富岡に交代。長身の富岡がFWに入り、衛藤が左MFにまわる。
17分、仙台:池上から右サイドへ展開パス。右ウィング仲谷が今度は左サイドに大きくサイドチェンジして福岡DFを振り回す。これを受けた金子がすばらしい弾道のミドルシュート。しかし右ポスト直撃!惜しい。
21分、福岡:カウンター。ロングフィードに高橋、富岡の2トップが突進するが、GKが出てきてパンチング。これが中途半端で、高橋が無人のゴールをループシュートで狙うが、ボールが足につかず外れ。
26分、福岡:カウンターから衛藤が左クロス。これに飛び込むFW高橋とGKが交錯し、高橋のファウル判定。
28分、福岡:衛藤のクロスを高橋が落とし、上がってきた吉木がシュート。しかしGK正面。
28分、仙台:まっすう1号から佐藤に交代。そのままFW。
31分、仙台:仲谷から角田に交代。そのまま右ウィング。
34分、福岡:吉木から角に交代。そのままボランチ。ただし上がり目のポジショニング。
38分、仙台:角田が右サイドからDFを振り切ってエリア内にカットイン。一瞬シュートコースが空いたが、選択は交差するように動いたFW佐藤へのパス。パスを受けた佐藤は右サイドへ流れ、角度がなくなったところで潰される。ちょっと?な判断です。
39分、福岡:右スローインから衛藤がミドルを放つがGK正面。
40分、仙台:福岡CKのクリアからカウンター。角田が右サイドを疾走するが、素早く戻ったDFがドリブルをカット、スローインに逃れる。右スローインから藤岡がクロスを入れ、クリアボールを金子がシュート、DFがブロックした跳ね返りがゴール前の密集からやや離れてフリーでいた佐藤のところにこぼれ、シュート。決定的だったがゴール左にそれる。
44分、福岡:左サイドからの崩しでチャンスを作る。ゴール前中央に入り込んだボランチ角がシュート。GK反応でいずも再び枠内でDFがはじき返す。しかし、跳ね返りを拾った誰かがシュート、これが左ポストにあたって右ポスト方向に跳ね返る。あわやと思ったがキーパーが右ポストすぐ脇で押さえる。ノーゴール判定。
44分、福岡:角がゴール正面でシュートを放つが宇宙開発。

後半の立ち上がり、フォーメーション変更が功を奏してか、左MFに回った山内がサイド突破を見せ、福岡大がリズムを取り戻したかに思えた。しかし、いかんせん単発勝負にとどまり、チーム全体としてはあいかわらず動きが鈍く、リズムが停滞していた。なんとかしてチームを活性化させようと、乾さんは選手交代にでる。まず、山内に代えて長身FW富岡(1年生、広島Y出身)を投入、前線に据えてターゲットとする(衛藤が左MF)。しかし、仙台DF陣が踏ん張ってクサビのパスを迎撃、ポイントを作らせない。
仙台大は中盤の底で闘犬のようにボールを追いかけ回すキャプテン大橋に象徴されるように、プレッシングを維持してボール支配でやや上回り、福岡DF陣をこじ開けようとする。まっすう1号が前線で体を張り、金子・仲谷の左右ウィングが内へ外へと動き回る。池上は両ウィングと交差するようにサイドへ流れ、ボールを引き出す。これら前線の選手が動いて出来たスペースに柿沼・藤岡が入り込んでくる。金子の切れ味鋭いドリブルはこの試合でも効果的だった。そして、17分のミドルシュート。いやー、惜しかったねえ。しかし、福岡大の屈強なバックラインがクリーンなシュートを許さず、ゴールを割れない。


その後は、ボールを支配して組織的に崩そうとするが福岡守備陣を突破できない仙台大と、カウンターにしか可能性を感じない福岡大という、両チームとも手詰まり気味の展開が続く。
流れを変えようと先に動いたのは仙台大だった。28分、疲れが見えた増嶋から佐藤に交代、続いて31分には仲谷からホスト系?スピードドリブラー角田を投入する。その角田、38分にはDFをぶっちぎって切り込み、シュートコースが空いているにもかかわらずパスを選択しやがった(あそこは強引にでも打つべきだよな)。
福岡大はボランチ吉木から角に交代。上がり目のボランチ風なポジションを取る(衛藤が下がってきてバランスを取っていた)。
しかし、いずれの選手交代も決定打にならず。あいかわらずお互いに決め手を欠く状況は変わらない。


ラスト5分ぐらいで仙台大の足が止まってくると、やっとのことで福岡大がかさにかかって攻め始める。そしてそしてあのポストへの一撃・・・。これも惜しかったねえ。ロスタイムは2分、最後の一撃として角が放ったシュートも浮いてしまい、試合終了。スコアレスドローに終わった。


この引き分けで仙台大はグループリーグ敗退決定。試合終了時はまだ確定していなかったが、厳しい状況は仙台イレブンみんなが分かっていただろう。しかし、覚悟していたのか、やるだけはやったと感じていたのか、みんなサバサバした表情だった。池上は衛藤と二言三言会話を交わしてから下がっていった。


強引にまとめれば、どちらにとっても、惜しくも勝てなかったとも言えるし、負けなくて良かったともいえる試合だった。強いてMVPをあげるならゴールポストですな。特に、ホーム側のゴールポストは続く第2試合でも大活躍するのであったwwww。