第54回全日本大学選手権 準々決勝 関西大学 2 - 2 筑波大学(PK7-6で関西大の勝ち)(観戦115試合目)

日時:2006年1月6日(金)11:00キックオフ
会場:西が丘サッカー場
観衆:300人弱
主審:名前聞き取れず
得点:30阪本(関西、29分)、8木本(関西、79分)、19木島(筑波、84分)、
   7阿部翔(筑波、85分)

平日。薄曇り。酷寒。風が弱いことだけが救い。
で、マニアなおにーさんは(おじさんと呼んだら遊んであげないことにしている)有給をとって西が丘に向かう。
ホントは多摩へ行って普段見ることのできない大学をチェックしようと思ったのだが、自宅から30分で行けるという利便性には勝てなかった。


観客は300人弱(部員込み)。この人数にもかかわらず、売店のおばちゃんは大張り切りで、メイン側コーナーにも出店を出している。単に高校選手権用に用意したテントや机をそのままにしてあるだけかもしれないが。


関西大のスタメン。

     9櫻田 30阪本
  8木本       7古橋
    17北橋   10安藤
 31大屋 4門田 19松田 2野村
       1輿石

選手交代:17北橋→11吉村(85分)、8木本→6吉村(延9分)、1輿石→41片岡(延17分)
夏の総理大臣杯優勝チーム。初めて見るのでどういう特徴を持っているのかわからないが、グループリーグをすべて2-1で3勝しているので、ゲーム運びが上手で接戦に強いチームなのかなあ、というのが先入観。


筑波大のスタメン。

    19木島 34富岡
  10藤本      11三澤
    6岡田    8今田
 7阿部翔 9中野 5秋葉 20野本
      30山田

選手交代:11三澤→13麻生(HT)、34富岡→22出口(延開始)、19木島→15田中雅(延9分)
グループリーグ第3戦と同じスタメン。


試合開始から筑波ペース。しかし、少々強引な攻めが目立つ。ゴール前で工夫がなく、関西大の守備組織を崩せない。なんつーか、コースがないのに強引に打っていってブロックされたり、しっかりマークに付かれているのに強引なクロスを入れてはじき返されたり、という感じで、変化がないんだよな。崩せないからさらに無理攻め、という悪循環に陥った隙に、関西大が先制する。


15分すぎだったかなあ(カップラーメン食ってたんでよくわからないんだよね)(←追記:29分だそうです!!!全然ダメじゃん)、30阪本がロングフィードに合わせて筑波CB秋葉とSB野本の間にあったギャップに走り込み、ラインの裏に抜ける。筑波のDFはちょうどラインを上げようとしていたところで、あっさり裏をとられた上に逆をつかれたためカバーリングも遅れる。スピードに乗った阪本がエリア左サイドに侵入、秋葉が追いついてくる直前に左足シュート、これがGK山田の手を弾いてゴールイン。


その後は、裏を取られるの警戒したのか、筑波のDFラインがズルズルと下がり、関西大が前からのプレッシャーを強める。ボランチやDFラインへ激しいチェックを掛け、次々と高い位置でボールを奪って速攻を行うが、追加点を奪えず。


左膝をテーピングでぐるぐる巻きにしていた三澤が前半のみで退く。
前半、筑波の攻撃が行き詰まっていたのは、単独で局面打開ができる三澤の不調もあったと思う。

後半は筑波がリズムを取り戻す。DFラインを押し上げ、コンパクトな陣形をつくって中盤を制圧、波状攻撃をかける。しかし、焦りがあるせいなのか、ラストパス、ラストクロスというところでアイデアに乏しく、崩し切れない。関西大がしっかりマークを掴んでいるところに、強引にクロスを放り込んでもねえ。ドリブル突破も直線的でマークを外せず、囲まれて潰される。
ただし守備、特にDFラインのコントロールは上手く行っていて、カウンターで裏への抜けだしを狙う関西大攻撃陣を次々とオフサイドに仕留めていた(7,8回やっていたんじゃないのかな)。


関西大の粘り強い守りの前に、筑波はいくら攻めても決定機をつくれない。試合がやや膠着状態に陥ったところで、関西大が追加点を奪う。80分、左CKからゴール前で混戦となり、こぼれ球をCB松田が押し込んだ。
これでダメ押しかと思ったのだが・・・

直後の81分、筑波は右クロスに木島が飛び込んでヘディングシュート、これはバーに当たってしまうがセカンドボールを拾って、グラウンダーのクロスをゴール前に入れると、これがDFに当たってエリア中央でどフリーの木島(この時点でちょっとおかしい)の前に転がり、シュートするがポスト左・・・。こりゃ、筑波はツキもないよねー、と思ったのだが・・・


勝ちを意識したのか、関西大の守りがバタバタし始める。あれほどマーク・カバーリングをしっかりやっていたのが、捨て身の攻撃に出た筑波に翻弄され、マークを捕まえきれなくなる。筑波はこの土壇場にきて攻撃のコンビネーションが復活。少ないタッチでボールが回り、第三の選手もからんでパスを回し、関西大守備陣を翻弄しはじめる。そして84分、左サイドで、阿部翔・淳吾タンの二段アタックが炸裂。最後は藤本がゴールラインギリギリから折り返し、GKが触ってこぼれたボールを木島がこんどこそ押し込んで1点差。
続いて84分には、阿部翔が左サイドで囲まれるもドリブルでカットイン、ヘロヘロの関西大守備3人をかわしてシュートし同点に追いついた。


そして20分間の延長戦に突入。奇跡の同点劇で波にのる筑波大が攻めるが、関西大も必死の守り。両者得点を奪えないまま時間が過ぎる。
延長17分過ぎには関西大がなんとGKを交代。41片岡がゴールマウスを守る。これって、ひょっとして、PK戦専用GKですかあ?


そして、関西大の思惑どおり?、PK戦に突入。


PK戦の結果は以下。

筑波 秋葉○ 中野× 岡田○ 阿部翔○ 藤本○ 麻生○ 今田× 田中雅○ 野本×
関西 櫻田○ 古橋× 安藤○ 門田○  阪本○ 吉村○ 大屋× 松田○  野村○

まず、しょっぱなから関西大のPK戦専用ザク(違)片岡の読みがドンピシャリ。秋葉のキックをストップするが、早く動きすぎたとしてレフェリーがやり直しを命じる。命拾いした秋葉は、二度目をしっかり決める。
筑波二人目のキッカーは中野。これもGK片岡の読みが的中し阻止。関西二人目の古橋はど真ん中に蹴りこむが、右へ動いていた筑波GK山田が残した左足一本でファインセーブ。
以後、お互い4人ずつ危なげなく決める。
筑波7人目のキッカー今田のところで再び片岡発動(笑)、読み的中でPK阻止。関西大7人目の大屋が決めれば勝ち、という場面だったが大屋はスポットへ走っていくところからおかしかった。他の選手は助走距離をとったら一回深呼吸して集中してから蹴る、というプロセスを踏んでいたが、大屋は助走距離をとるとすぐにフラフラと動き出す。ロボコップのような動作から放ったシュートは、ボテボテのグラウンダー(ダフってたかも)。これは山田が押さえる。
筑波8人目田中雅は難なく、関西8人目松田はコースを読まれつつも何とか決めて命拾い。
そして筑波9人目は野本。またも片岡発動・・・ではなく、ポスト左に外してしまう。そして関西9人目・野村が、落ち着いてゴール右隅へ蹴りこみ、勝負は決した。


筑波は、まったく流れに乗れなかったリーグ戦そのままの試合をやってしまった。ボールを支配しても決められず。強引に工夫のない攻めを続けて攻め疲れたところをカウンターもしくはセットプレーでやられる、というパターンを。
淳吾タン(4年間お疲れ)も、今日は精彩を欠いていた。プレーに意外性を欠いていたというか、工夫がなかった。単独突破が出来る三澤が前半で退いてしまったのが痛かったね。


対する関西大は終盤にバタバタして同点に追いつかれてしまったが、これは本来のキャプテンが累積警告で出場停止だったためにチームを引き締めるべき存在がいなかったせいなのかもしれない。試合の流れを良く読んで、守るべきところをしっかりと守り、攻めるべきところでは勝負に出てきっちり決める、試合巧者という印象をもった。勢いで勝負していた去年の立命館とはタイプが違うが、どんなチーム相手でも接戦に持ち込めるだけの力を持っており、どこまでいくか楽しみになった。


そして、PK戦専用GKか・・・関西から、また変なのが1チーム・・・