第54回全日本大学選手権 準々決勝 駒澤大学 3 - 2 中京大学(観戦116試合目)

日時:2006年1月6日(金)14:00頃キックオフ
会場:西が丘サッカー場
観衆:300人ぐらい
主審:辺見?
得点:11高橋(中京、21分)、9赤嶺(駒澤、47分)、14蒲谷(中京、84分)、
   7宮崎(駒澤、88分)、9赤嶺(駒澤、89分)

これもすんごい試合となった(1000円でこんだけ見せてくれるから、大学サッカーは面白い)。
結局は、エースがきっちり仕事した駒澤の勝利。


駒澤のスタメン。

    11原   9赤嶺
      10鈴木亮
   7宮崎     25田谷
      13菊池
 3築城 2桑原 5廣井 15阿部琢
      1牧野

選手交代:25田谷→8赤尾(28分)、10鈴木亮→12巻(75分)
フォーメーションはいつものように中盤ダイヤモンドの4-4-2。
前線は赤嶺と原一樹。巻弟はベンチスタート。ただし、このチームは中盤のコンビネーションに難を抱えている。
前線の才能たちが真に力を発揮できるかどうかは中盤しだい。ここがだめだと、縦に早いダイレクトプレーが単なる放り込みになってしまう。


中京大のスタメン。

    22田原  11高橋
  8野澤       16渡辺
    28藤井  13与那嶺
 29那須川 7松田 3大村 12望月
       1小田木

選手交代:8野澤→18好光(69分)、16渡辺→14蒲谷(78分)、3大村→10酒井(89分)
えーと、毎年一回ずつぐらいしか見られないんで良くわからないのだが、前の4人がポジションチェンジを行いつつ繰り出す、流動的な攻撃が印象的だった。とくにちびっ子FW田原(158cmだそうです)のすばしっこいプレー、右MF渡辺の警告すれすれの激しい突進が目に付いた。


天候は相変わらず曇り。酷寒(気温3℃ぐらいだったそうな)の中、午後2時キックオフ。
立ち上がりは駒澤が押していた。いつものように前線で赤嶺が起点となる。この時間帯は、赤嶺が裏へ流したボールに原一樹が走り込んだり、落としたボールに鈴木亮平が反応したり、宮崎がサイドを切り崩したりと、それなりに動きのある攻めを見せていた。14分にはペナルティアークのやや左でFKを得て、宮崎が蹴って壁に当たりコースが変わったところを誰かがシュートするが、中京大GK小田木が鋭い反応ではじき出す。


中京大も15分すぎから徐々にリズムが出てくる。
そして21分に事故発生(苦笑)。駒澤DFラインでのボールキープ、廣井がどこにパスを出そうかとのんびりとルックアップしていたら・・・中京FW高橋が強襲、ボールをかっさらうとそのまま突進、GKとの一対一を制して中京が先制した。えー、これは廣井のミス、野球でいうとボーンヘッドですね。廣井さんともあろうお方が・・・。MVPってのはリーグの看板なんだから、しっかりしてもらわなきゃ。


先制点以後は中京大のペース。2トップが左右に動き回ってボールを引き出し、それに左右MFやボランチがからんで崩しにかかる。29分にはサイドにこぼれたボールをクリアしようとした築城を中京右MF渡辺が強烈なチャージ、築城をぶっ倒してボールを奪いクロスを入れていく。渡辺はたびたび右サイドでパワフルな突進を見せていたが、かなりラフなプレーも目立ち、ゲーム序盤に早くも黄紙をもらっていた。これ以降も何度か築城を削っており、再三レフェリーの注意を受けていた。そのうち二枚目もらって退場するんじゃないかと心配していたが、後半に交代で下がるまでなんとか持ってなにより。でも、家本だったらきっと(以下略)。
中京は完全に試合の主導権を握り、30分にはちびっ子FW田原→高橋と繋いで、DFが迎撃してこぼれたボールを、左サイドから切り込んできた8野澤がフリーでシュートするが枠を外す。


駒澤が守勢に回ってしまった原因は、中盤の守備が甘かったことにある。中京の2トップは、駒澤のワンボランチ菊池の左右のスペースを使ってボールを受けていた。菊池は高さがあり対人プレーにも強いボランチなのだが、一人でDFラインの前をカバーすることはできない。菊池の左右に生じるスペースは、崎と田谷/赤尾(28分に負傷?交代)の両SHが下がって埋めるべきなのだが、中京のサイドMFを気にしてか、ポジショニングが中途半端で結局誰も捕まえていない状態が続いた。トップ下の鈴木亮もボランチの攻め上がりをケアしなければならず、中盤が全体にずるずる下がってしまい赤嶺と原が孤立してしまう。そこへ「赤嶺(原)、お願い!」とばかりロングボールを入れても、中盤のサポートを得られない状態では、甲府入りが内定した7松田を中心とする中京DF陣に囲まれて潰されるのは目に見えていた。
それでも原一樹がドリブル突破を仕掛けて何度かチャンスを作る。31分には原のクロスに鈴木亮平が飛び込むがGKが先んじてキャッチ、32分には原が倒されて得たFKを赤嶺が直接狙うが枠にいかず、40分にはようやく鈴木亮平がサイドに流れてクロスを入れ、赤嶺が飛び込むがわずかに合わず。
44分には中京CKからカウンターのチャンスを掴む。赤嶺が左サイドを突進、中京DFに進路を塞がれるといったん築城に預けて中央に流れ、築城のクロスを右サイドに上がってきた原にはたき、フリーでシュートを放つがバーに当ててしまい、結局同点に追いつけないまま前半を終えた。


後半は駒澤が主導権を取り戻した。それもパワープレーによって・・・
開始直後から、アタッキングサードで得たスローインは全て原一樹がロングスローでゴール前に入れていき、混戦のなかでそのこぼれ球を狙っていく。この力攻めに中京が混乱しているうちに同点に追いついた。47分、左クロスに対し、赤嶺が中京CBの間に上手く入りこんでシュート、これがGKの手を弾いてコロコロとゴールイン。中京DFはポジションが甘く、クロスを迎撃することができなかった。


以後も駒澤の力攻が続く。ポジショニングを修正したMF陣が少なくとも守備面では機能するようになり、中盤が互角に渡り合えるようになると、前線も機能し始める。原一樹がドリブルで突っ込んでスローインゲット、それを自分でロングスローという自作自演で活躍、75分には中京CKのカウンターからシュートまで持って行く。その直後には鈴木亮平から巻にスイッチ、さらにパワープレーの度を強める(巻と原が2トップ、赤嶺はやや下がった位置から前線への飛び込みを狙う)。
中京もサイドMFを入れ替え、中京大中京高サッカー部員の声援を得て反撃を狙うが、流れは駒澤。交代で入ってきた巻は中京DFをなぎ倒さんばかりの勢いでゴール前の制空権を握り、落としたボールを狙って原や赤嶺が飛び込む。中京守備陣がいつまで圧力に対抗できるかな、と思った矢先、また展開が変わる。


84分、なぜか駒澤DFの間がスカーっと開いており、そこにスルーパスを通されて14蒲谷(78分IN)があっさりと裏へ抜け、GKの動きをよく見て流し込み、中京大が勝ち越す。駒澤の意識が完全に攻撃にいっており、誰も蒲谷をマークしていなかった。


リードされた駒澤は捨て身の攻撃に出る。DFラインを押し上げてボールを拾いまくり、前線に張る巻を狙ってボールを入れる。スローインはもちろん原がロングスロー。88分、原が右からロングスローをゴール前に入れ、赤嶺と巻が中京DFと競ってボールがファーにこぼれ、それを待ってましたとばかりに宮崎がボレーシュート、これが決まって駒澤が同点に追いつく。


また、延長戦かい。この寒いのに楽しませてくれるよねえ、なんてちらっと考えたが(時間帯が時間帯だし)、とんでもなかった。
同点ゴールの興奮冷めやらぬ89分、右サイドのオープンスペースに放り込まれたボールに原一樹が快足を飛ばして追いつき、ゴールライン際からクロスを入れる。完全に足が止まっていた中京DFのチェックは遅れ、事実上フリーの状態から原がクロスを入れる。それに反応して人間魚雷のようにとびこんでいったのは・・・ウチの新人じゃないですか、奥さん!
赤嶺渾身のダイビングヘッドがネットを揺らし、駒澤が逆転する。このとき、手元時計は90分をちょうど過ぎたところだった。


ロスタイム、中京大は10酒井を投入し反撃を試みるが時すでに遅し。駒澤が圧巻の逆転劇で準決勝に駒を進めた。


駒澤は、懸念されていたとおり中盤がいまいちぱっとしなかったり、自慢のDFラインのミスから失点したりと苦しい流れだったが、自慢のFW陣にモノを言わせて力でねじ伏せた。
中京は、組織の完成度では駒澤より上で、コンビネーションプレーからたびたびチャンスをつくったが、得点自体は駒澤のミスから得たものだった。つまり、決定的な仕事ができるタレントがいなかったのだ。


準決勝の対戦は、静産大vs順天堂、関西大vs駒澤大
短期決戦を制するのは、決定力と堅い守り、そして勢い。それらを一番多く持っているのは、どこだろう?



まとめとして、本日遭遇した有名人を挙げる(それがまとめかい!)
まず柱谷(兄)。誰にツバつけに来たのかなー(激しく興味あり)。
次に後藤健生さん。百戦ならぬ3400戦錬磨のベテランも、さすがにこの寒さは辛いらしく(3℃ぐらいだったそうな)、ハーフタイムに体操?して体を温めていた。
最後に、昨年末、多摩陸で出会った「ポテンザ」お嬢さんたち(売店のところで目があっちゃったよ。やだなー)。今日は筑波のところで飛び跳ねてましただ。誰狙いだったんだろうね。女は怖い・・・。