2006年JFL第2節 流通経済大学 3 - 0 ソニー仙台(観戦9試合目)

日時:2006年3月25日(土)13:00キックオフ
会場:ひたちなか市総合運動公園陸上競技場
観衆:272人
主審:野口、副審:中村、大倉、第4審:杉山
得点:武田(RKU、23分)、徐(RKU、60分)、武田(RKU、83分)
警告:染谷(RKU、18分)、大谷(仙台、60分)
退場:千葉真(仙台、60分)

ひたちなか市総合運動公園陸上競技場勝田駅の東口からまっすぐ海方向に走り、国道に突き当たったら右折してしばらく行った、海岸林の手前にあるしょぼい陸上競技場だった。しばらく前までホーリーさんが公式戦をやっていたとはとても思えない施設である。もっとも、今でこそだいぶ改善されたとはいえ、もっとすごい競技場はいくつかあったよな。


勝田駅の反対側にある笠松(といってもかなり遠い)ではJ2「常磐線ダービー」もやっていたが、同時刻に2試合あったら下部リーグを選ぶというあまのじゃくな性格の私は迷わずひたちなかを目指す(つーか、16時キックオフにしてくれればハシゴできるのに)。勝田駅から自転車を飛ばして20分強で競技場に着いた。3月下旬とはいえ、やはり北関東の風は冷たい。流経のためなら火のなか雪のなかのamakuri姐さんが回避した訳が分かったような気がする(結局おいでになったらしい。筋金入りだ)。メインのなんちゃって屋根に邪魔されてお日様も当たらないし。


観客は、少なかった。キックオフ10分前に数えたら、一般客の数は50人程度。一般て言ったってどう見ても選手の家族親族が大半を占める。ソニ仙さんも、声出し隊が2名、その他合わせても十名程度といったところ。こりゃ、いったいどうなることかと思ったが、キックオフ直前にRKU部員と少年サッカーチームがどやどやと入ってきて、公式発表の人数に達した。


RKUのスタメンおよび選手交代。

    37徐  27武田
 33池田        32西
   19平木   13武井
16宮崎 18染谷 4飯田 6阿部嵩
      21飯塚

SUB:赤堀、山下、西森、田村、鶴岡
選手交代:32西→11鶴岡(77分)、33池田→28田村(77分)、27武田→8西森(88分)
中盤がボックス型の4-4-2フォーメーション。GK阿部ちゃん、鎌田の次郎ちゃん、難波のナンちゃんが明日の日韓戦@埼スタのため出張中。したがって、中野監督の考えるベストメンバーとは若干違っていると思う。大学リーグと並行開催の時期はチームを分けざるを得ないので、JFLメンバーはもっと変わるはず。
DFラインは次郎ちゃんが飯田に変わっただけで去年見たことのあるメンツ。ボランチが平木(去年は左SBやってたような)と武井のコンビ。平木が前に出ることが多く、武井は守備的。右MFがドリブラー?の西、左は池田。前線はでっかい徐とちっこい武田の凸凹コンビ。ちなみに徐はフルネームで「ソー ソクホ」と読むそうで(やっと分かったよ)、応援歌は「♪そ〜さん、そ〜さん、ヘ〜ディング強いのね〜」。あ、頭が・・・頭が割れるように痛い・・・・


次にソニー仙台のスタメンおよび選手交代。

    11石原    9村田
        8本多    
 6桐田           18木村
     24大谷  27花渕
  22千葉雅 14千葉真  2橋本
        32前川

SUB::未確認(後ほどオフィシャルで確認)
選手交代:8本多→10高野(58分)、11石原→7平間(58分)、6桐田→4石川(65分)
こちらは3-5-2フォーメーション。去年のインカレで活躍した関西大のキャプテン亀ヶ渕が加入しているが出番なし。それから、さすらいの自作自演系攻撃的MFの平間が移籍してきたというか、仙台に出戻ったというか、とにかく交代出場してきた(ソニ仙は元ベガルタが結構いるね)。


んでもって、前半の試合展開。

0分、流経:いきなりラインの裏に放り込んで徐と池田がなだれ込む。DFと併走するかたちになって、ボールを足元に収めた(というより転がってきた)池田がシュート。飛び出したキーパー前川が至近距離でブロック。前川がしばらく治療。
3分、ソニ仙:流経陣内で間接FK。早いリスタートからFW村田が裏へ抜け、エリア左サイドでシュート、キーパー飯塚がナイスブロックで左CK。CKのクリアボールをボランチ花渕がミドルで狙うが浮かせてしまう。
4分、流経:前線でロングフィードを受けた徐がドリブルでエリア内へ前進、スルーパス。相方の武田が飛び出してシュートするがGKが足一本でクリア。決定的。
7分、ソニ仙:40m近いFK。遠かったが再び早いリスタートから左WB桐田が飛び込んでヘディングシュート。クリアするも右CK。ニアに飛び込んだ選手が流して中央で待ちかまえた右WB木村がシュート体勢に入るが打ち切れず。
13分、流経:平木がドリブルで前進、ファウルされFK。自分で蹴って、ファーにいた徐が頭で折り返し。しかし、中の選手に合わず、クリア。拾った平木がちょいとドリブルで突っかけて右に持ち替えてクロス。クリアボールをセットプレイで上がっていた染谷が打っていくが宇宙開発。
16分、ソニ仙:左サイドからの戻しをボランチ大谷がミドルシュート。キーパーキャッチ。

立ち上がり、流経は長いボールを多用。相手DFの裏に放り込んだり、徐のポストプレーからチャンスをうかがったり、リズムを掴むまでは中盤を省略してリスク回避、といったところか。4分のビッグチャンスはソニ仙キーパー前川のファインセーブに阻まれる。
一方、ソニー仙台は流経DFラインの裏を狙う。FW石原・村田とも裏への動きだしが鋭く、染谷・飯田の流経CBコンビの対応が一歩遅れる場面が見られた。また、早いリスタートで前方の選手を裏へ飛び出させ、シュートを狙っていた。
この時間帯は互角。しかし、中盤の活動量が上がってきた流経に流れが傾いていく。

16分、流経:クサビ→戻し→クサビ、というパターンを3回繰り返して前進。最後はボランチ武井がシュート。バーの上。
18分、流経:右MF西がカットイン。鋭い切り返しでDFを翻弄し中央へ。左サイドから斜めに入ってきた平木にパス。平木はフリーでシュートを打つがポスト直撃。決定的。
23分、流経:ボランチ武井がボールを奪って右へ展開。右MF西が再び中央に切れ込んで寄ってきた池田にパス。1間髪入れず池田がスルーパス。これにFW武田が飛び出し、DFと交錯しながらつま先でボールを押しだす。これが飛び出したGKの脇を抜けてコロコロと転がり、ゴール。流経先制。

中盤を作れるようになった流経が優位に立つ。ボランチのところでボールを奪えるようになってきたのだ。武井が地味ながらも守備に貢献し、奪ったボールは平木の正確な左足で展開する。この時間帯は左右MFがソニー3バックの横のスペースでボールを受け、そこから勝負をかける場面が目立った。特に右の西がキレており、ソニー守備陣をキリキリ舞いさせる。その西の切り込みでつくったチャンスに、武田が決めた。

30分、流経:平木の左CK。ファーポストの徐が頭で折り返すが、ソニ仙DFがクリア。これを武井が拾って左の平木へ。平木がゴールライン際までドリブルしてマイナスのクロスを入れるがキーパーキャッチ。
32分、ソニ仙:ボランチ大谷が右へ流れてドリブルで仕掛ける。ゴールライン際までえぐってクロス。素早い動き出しでトップ下の本多が中央に飛び込むが、流経CB飯田が間一髪クリア。
36分、流経:平木が中盤でボールを奪い、そのまま前進。ソニ仙の注意を引きつけておいて右サイドへ大きく展開。オーバーラップした右SB阿部嵩アーリークロスを上げるがどっかん。そのままラインを割ってしまう。
37分、ソニ仙:カウンター。FW石原が左に流れ、クロス。ゴール前に飛び込んだ本多が落とし、ボランチ花渕がミドルを打つが枠に行かず。
39分、流経:左サイドで得たFK。キッカー平木が緩いグラウンダーで転がして後方から阿部嵩が突っ込み、シュート。DFがブロック。
40分、流経:平木が大きく右へ展開。受けた西がサイドを突破しようとするがDFがしっかり対応。詰まった西は少し戻って左へサイドチェンジ。平木が受けてクロス。中央で徐がソニ仙DFと競り合いながらヘディングシュート。ゴール右へそれる。
43分、ソニ仙:左CK。流経DFがクリアするが、それを拾って右からFW石原がクロス。これに桐田が飛び込んでヘッドするがバーを越える。

攻撃のビルドアップに、セットプレーにと平木が大活躍。左右への大きな展開でソニー仙台守備陣を振り回し、セットプレーを得れば正確なボールを蹴って脅威をあたえる。流経は優勢にゲームを進めるがシュートもしくはシュート一つ前のプレーに正確さを欠き、追加点を奪えない。
ソニー仙台もカウンターからチャンスを迎える。相変わらずチャンスボールに対する動き出しが鋭く、何度も決定機を迎えかけるが、流経CB陣も慣れてきたのか、ぎりぎりながらも対応できるようになっていた。


後半の試合展開。

45分、流経:徐がいきなりオーバーヘッドシュートを試みるが、不発。
47分、流経:池田が左サイドをドリブルで前進、アーリークロスを入れる。武田が鋭い動き出してソニ仙DFの間から飛び出すが、わずかに合わず。
48分、流経:ソニ仙がFWヘクサビ。ボールをスクリーンするFWを染谷が後ろから足引っかけて倒してしまい、警告。
51分、ソニ仙:後半から右WBにポジションを上げた橋本がオーバーラップし、クロス。FW石原が反応するが、流経GK飯田が前に出てキャッチ。
53分、ソニ仙:石原がドリブルで前進、エリア左サイドに入ったところで思い切ってシュート。フリーだったが、ゴール右へそれる。
55分、ソニ仙:橋本が右サイドを駆け上がり、フィードを受けてポイントを作る。パスを回して最後は中央の村田がシュートを打つが流経DFがブロック。跳ね返りを拾った花渕がミドルで狙うがキーパーがキャッチ。
57分、流経:カウンター。長いボールを受けた徐がポストプレー。これを受けたボランチ武井がじわじわと前進し、味方の上がりを待つ。ソニ仙DFに潰されるが、ファウル判定でFK。距離はゴール正面約30m。平木が直接狙うがキーパーがキャッチ。
58分、ソニ仙:選手交代。本多→平間、石原→高野。
60分、流経:FW武田がドリブルで突っかけるが、ソニ仙ボランチ大谷が対応。武井が後ろを向いてキープに入ったところで大谷が足を引っかけて倒し、警告。流経はFKゲット。この判定をめぐって、ソニ仙CB千葉真がレフェリーになんか言ったらしく、暴言と取られたのか?赤紙を出される。
61分、流経:そのFK、左サイドから阿部嵩がインスイングのボールを入れていく。これがファーポスト側を直接襲う形となり、意表をつかれたのか?キーパー前川がキャッチしきれず、こぼれたところを徐が押し込んで流経2点目

後半はソニー仙台が盛り返す。前半、ほとんど攻撃に絡めなかった木村を右ストッパーに下げ、入れ替わりに橋本が右WBの位置に入る。その橋本が果敢なオーバーラップを仕掛け、右サイドを起点に何回かチャンスをつくってソニー仙台の攻撃にリズムを作り出す。さらにトップ下とFWにフレッシュな選手を投入してたたみ掛けようとした矢先、DFリーダー(でしょ?)千葉真の退場劇が起こった。そして、直後の失点。失点自体は、CB退場の影響ではないにせよ、あまりにもタイミングが悪すぎた。この流経の追加点が、実質的にゲームを決めてしまった。

63分、流経:ボランチ武井がパスインタセプト、そのまま自分でドリブルし持ち上がる。一気にエリア左サイドゴールライン際まで侵入しマイナスの折り返し。中に誰か(武田?)が入っていくが、ソニ仙DFがコースに入ってクリア。セカンドボールを拾った阿部嵩がシュートを狙っていくが外れ。
66分、流経:カウンターから西が右ハイクロス。中央で徐が高い打点のヘディングで合わせるが、シュートはポスト左。
72分、ソニ仙:左サイドで前進。中央の選手を経由して素早く右へチェンジ。上がってきた平間がエリア右に入ってシュートするがバーを越える。
73分、流経:カウンター。再び西が右クロス。武田が触ってこぼれたところを徐が詰める。ソニ仙DFがかろうじてクリアするが、それを拾った池田が左からクロス。これはソニーがクリア。

この時間帯、ソニー仙台が捨て身の反撃を試みる。全体を押し上げ、高い位置から激しくボールを追い立てるため球際の攻防が激しくなり、ファウルも多発、両チームとも選手がエキサイトする場面が目立つ。中野監督も自分の選手がファウルを受けるとコーチングボックスから飛び出さんばかりの勢いで「警告だろう!」と猛アピール、第4審にたしなめられる。
このソニ仙の激しいプレッシングに流経は当惑気味でやや消極的なプレーも出始める。しかし、DFラインがややばたつきながらも、決定的なピンチを平間のシュート1本に押さえ、機会を捉えては鋭いカウンターを仕掛け、追加点を狙う。


ターニングポイントとなったのは75分前後のプレー。ソニ仙に激しく追い立てられながらも流経が自陣内でパスを回し、ボールキープ。ときに危なっかしい場面もあったが、1分以上の間、パスを回し続けてソニー仙台を消耗させた。この間、ソニーはボールに近い選手こそ激しく追うが、全体が連動してのプレッシングがもはや見られなくなっていた。限界だった。
この時を境に、流れは完全に流経に傾き、彼らのやりたい放題が始まる。

77分、流経:西→鶴岡、池田→田村と両サイドMFを交代。トドメを刺しにかかる。
78分、流経:宮崎のアーリークロス、ファーに鶴岡が突っ込んでダイレクトシュート。これは宇宙開発。
79分、流経:鶴岡がスピードにものを言わせて右サイドを突破、折り返し。ソニ仙DFに跳ね返されるが、クリアを拾った武井がミドルシュート
80分、流経:徐がクサビのボールを落とし、武田が突進、DFと競り合いながらシュートするがGKがパンチングではじき出す。
81分、流経:再び鶴岡が右サイドを突破、クロス。ゴール前、もっさりした動きでマークを外した(変な言い方w)徐がシュートを放つがGKがファインセーブ。決定的。
82分、流経:またしても鶴岡がすっかすかの右サイドに侵入、クロス。ファーで徐が折り返し、武田がGKの脇の下を抜くシュートでゴール。流経3点目。
88分、ソニ仙:ボランチ大谷がミドルシュート、GK飯塚が弾き出して左CK。CKからゴール前で混戦となるがシュートを打てず。
89分(ロスタイム)、ソニ仙:右に流れた高野が流経左SB宮崎を振り切ってドリブルで切り込み、エリア右やや角度の無いところから打つがシュートは無情にもポストを叩く。跳ね返りから流経のカウンターとなり、鶴岡がドリブルで持ち込み、遠目から狙っていくがGKがセーブ。

完全に運動量が落ちたソニー仙台を流経が蹂躙。とくに右MFに入った鶴岡がスピードを生かしてスペースがら空きの右サイドを何度もえぐる。その鶴岡のクロスからトドメの3点目。最後の最後に危ない場面があったものの、幸運にも助けられて流経が無失点に抑え、JFL初戦を飾った。


スコアを見れば流経の圧勝、内容をみても、中盤の構成力では流経が勝っていたと思う。


しかし、ソニーにもチャンスはあった。まず、前半立ち上がりはソニーFWの鋭い動きに流経CBがついて行けなかった。そして、右WBにポジションを移した橋本のサイド攻撃が効いていた後半開始から15分の間もソニーのリズムだった。ここで得点が生まれそうな雰囲気が出始めていただけに、千葉真の退場でせっかくの流れを切ってしまったのはあまりにも痛すぎた。この時間帯に得点が奪えていればスコアが逆になってもおかしくなかったと思う。
ソニーは、前の3人の動き出しが鋭いしタイミングも良かった。ボランチ陣もタイミングの良い効果的な攻め上がりを見せていた。それだけに、前半に両WBが後手を踏んで押し込まれ、攻撃に絡めなかったのが反省点かな。あと、トップ下がパスセンスを発揮してFW陣の動きと連動すれば面白いチームになるんじゃないだろうか。


流経は、中盤の機能性が去年に比べるとはるかに良くなっていた。特に平木。もう平木平木平木!左足から長短自在のパスを繰り出して攻撃を組み立て、ゴール前への攻め上がりもいいし、守備もする。セットプレーの威力はいわずもがな。今後3年間(2年生なんで)、流経の中心選手になりそうな雰囲気を漂わせていた。確か流経柏の時は左SB、去年の前期も左SBだったように記憶しているけど、ボランチ(トップ下なのかな)へのコンバートは大成功と言っていいでしょう(去年既にやってたらスマン)。ボランチの相方、武井もなかなかのボール奪取力でした。
先発の西・交代で出てきた鶴岡の右MF陣も、タイプは違うけどそれぞれ突破力を見せつけた。
FWですが、武田(ちっこいほう)は2得点の大活躍。ちょこまか動き回っていいところに顔を出してました。いわゆる「嗅覚」のあるタイプなのかな?ぞーさん、じゃなくて徐さんのほうですが、あの高さはやっぱり脅威だと思う。ただしポストプレイから落とすボールが味方と合わない場面が目立った。この辺、もう少しコンビネーションの熟成が必要です。
DF陣ですが、全体に今ひとつだったかな。染谷・飯田のCBはソニ仙FWを捕まえるのに苦労していたし、阿部嵩・宮崎のSB陣もいまいちピリッとしなかった。特に阿部嵩は、得点場面にこそ絡んだけど、クロスの精度が悪くて何度もチャンスを潰していた。


こんなふうに、まだまだ修正点は多いけれど、去年よりも確実に良くなってる。大学リーグでどのくらい活躍するか、楽しみだ。


つーわけで、まだ風の冷たいひたちなかではあったが(凍えた)、それなりに楽しめた(モトとった)試合でした。
ではでは。