関東大学リーグ第3節 駒澤大学 1 - 1 明治大学(観戦18試合目)

日時:2006年4月9日(日)14:10キックオフ
会場:夢の島競技場
観衆:これもけっこういたよ
主審:BGMがうるさくてアナウンスが聞こえませんでした何とかしてください。
得点:杉本(明治、50分)、菊池(駒澤、81分)
警告:菊池(駒澤、33分)、福田(明治、44分)、小林竜(駒澤、51分)、柳崎?(駒澤、51分)、福田(明治、85分)
退場:福田(明治、85分)*警告2枚

続いて第2試合。


駒澤サイドは例によって部員で一杯。空いていると思って明治サイドに座ったが、こっちも気合いの入った父兄と部員とマネージャーの皆様がミニフラッグを飾り付けたりして臨戦態勢。最初に座った席を譲って少しコーナーよりに陣取った。


駒澤大学のスターティングラインナップおよび選手交代

      9巻
24小林竜 10原  15田谷
  7柳崎    3筑城
      4菊池
 13塚本 5廣井 2阿部琢
      1三栗

SUB:21山内、35伊藤龍、39山崎、23榊原、16島田、14竹内、25高崎
選手交代:原→島田(60分)、柳崎→高崎(73分)、小林竜→竹内(73分)
えーと、えーと、ちょっと自信ないんだけど、こんな風に見えたんですけどどんなもんでしょ?
駒澤といえば中盤ダイヤモンドの4-4-2ってのが伝統だったんだけど、今年の開幕戦ではこんな感じの3バックを試みてうまく行かなかったらしい。なんでこうなっちゃったんだろ。サイドの活用に問題を抱えていたチームなんだが、そこをどうにかしようとしたのかな?「if」を読むと3ボランチの3-5-2とも読めるんだけど、実際は3バック、アンカー菊池の両脇に筑城と柳崎が並ぶ中盤、前は巻と原が縦の関係の2トップで田谷と小林竜がサイドに張る。数字表記にすれば、3-3-3-1つーか3-3-4!!?。第1節でもやったそうなので、付け焼き刃ではないようだが、とにかく違和感があるんですけど。


明治大学のスターティングラインナップおよび選手交代

   28杉本  20橋本
     19根本
 7斎藤雅     10小川
    5金  6藤田
  4上川 3石井 2福田
      1関

SUB:BGMがうるさくて全然聞こえませんでしたスピッツもいいですがなんとかしてください。
選手交代:根本→9田中(64分)、橋本→山本(73分)
明治は、第1節で機能していた4-4-2から3-5-2にチェンジ。意図は不明。原巻コンビをDF3枚で見ようとしたのか、駒澤のトップ下をボランチ2枚で潰そうとしたのか、それとも選手がそろわなかったのか(左MF森がいませんね)、そんなところだろうか。このチームの取り柄はかわいい女子マネが5人もいる・・・じゃなくてサイド攻撃ですね。


試合開始から、駒澤の不調は明らかだった。選手の動きがぎこちないし、パス繋ぎもスムーズじゃない。なんというか、油が切れてキーキー音が出ている感じで攻守に連動性が見られない。
一方、明治のほうはフォーメーションが変わっても狙いは変わらない。サイドへ素早く展開して縦に崩していこうとする。しかし、チーム戦術が機能していなくても個人能力の高い駒澤守備陣による早い寄せ、厳しいマークで潰されてしまい、ボールを前に運べない。


必然的に、試合は陰々滅々とした潰し合いの様相を呈する。


うーん、今日の駒澤はダメダメだなあ。チャンスを作れるのは、

  • 明治3バックのサイドへ流れる選手へパスが通り、そこから巻をターゲットにクロス。
  • 巻に長いボールを当て、落としに原や田谷が走り込む。
  • セットプレーからゴール前の肉弾戦に持ち込む。特に原のロングスロー。

この3パターンしかないんだよね。
いずれも決め手になるのは巻のパフォーマンス。ところが頼みの巻がボールをもらいに下がったりして前線でターゲットになりきれない。原のドリブルもキレがなく、そもそもいい状態でボールを受けられない。唯一、田谷だけが右サイドで存在感を示していたが、所詮は孤軍奮闘。時間が経つにつれ、攻め手が原のロングスローだけになっていく。


前半の見せ場は・・・・あったかなあ。
16分、明治の攻撃でFW橋本の強烈ミドルをGK三栗がかろうじて弾いた場面とか、19分に原のロングスローからニアで誰かが頭で流しファーの田谷が頭で叩きつけてゴール右に逸れた場面とか。38分に明治右WB小川のクロスにボランチ藤田が飛び込んで、こぼれ球をGKが押さえた場面とか、そのぐらいかな。


後半も駒澤の不調は改善されず。明治は粘り強く守り、一途にサイドを崩そうと試みる。
その努力が実を結んだのは50分。右サイドに流れた橋本がアーリークロスを入れる。中央は杉本だけだったが、クロスを上手く足元に収め、マークに来た駒澤DFと競り合う。しかし、球際が駒澤DFにしては甘かった。ちょっとぬるめのショルダーチャージ合戦の中、一瞬シュートコースが空いたときに杉本が迷わず打っていく。小さなモーション(トーキック?)で放たれたグラウンダーのシュート、タイミングを外されたGK三栗がこれをファンブル(トンネル?)、コロコロを転がるボールを三栗が反転して追うが間に合わずにゴールイン。まるで事故のような形で明治が先制点を上げた。


この失点でさすがに目が覚めた・・・というか開き直った駒澤は、なりふり構わず力づくで反撃を開始する。
ボールを持ったらとにかく縦に仕掛け、前線に人がいれば迷わず放り込む。60分に足を痛めた?エース原から島田に交代するが勢いは変わらず、というよりますます加速。
明治のほうは押し込まれつつも集中を保って駒澤の圧力をはじき返し続ける。ただ、まだ30分近く残っているし、このままゴール前を固めるだけでは苦しいな、と思っていたら手を打ってきた。64分、攻撃的MFに入っていた根本からFW登録の田中に交代。この田中、筋肉質ガッチリ体型でスキンヘッド、渾名が「ペプシマン」らしく、応援歌も「ペプシマ〜ン、シュワシュワシュワwwww」で大いにウケる。これはともかく、田中が前からボールを追う。


しかし、駒澤の攻撃が続く。完全に放り込み&肉弾戦を挑んできた駒澤に対し、明治も体を張って対抗するが、フィジカル勝負では分が悪くアップアップ。しかし、集中力とGKの好守で、ゴールを割らせない。


以下、駒澤の攻撃。
66分、右スローインのクリアを誰かが強烈ミドル。明治GK関が左手一本で止めるが、こぼれ球に田谷が突っ込み、明治DFが何とか掻き出して右CK。ここから廣井がヘディングシュートを放つがゴール左。
70分にはFKをゴール前に入れ、巻が落として小林竜がシュート(バー上)。



当然、カウンターを狙う明治。72分にはペプシマン田中が抜け出してクロス、CKゲット。小川の左CKをファーのCB石井が頭で折り返し、同じくDF上川が頭で合わせるが惜しくもポスト右に外れるという場面があった。


駒澤は、カウンターの危険も顧みず前掛かりになる。73分には攻撃的な選手交代を行い、前への圧力をますます強めていく。ここまで来ると完全に明治を押し込んで、セカンドボールを拾ってはゴール前に放り込みを繰り替えず。そして81分、左スローインからの展開でエリアに放り込み、ヘディング合戦の中でこぼれたボールを菊池がシュート、これが密集を抜けてゴールイン。駒澤がついに同点に追いついた。


その後、85分には明治DF福田(応援歌が「ジンギスカン」でしたね)が2枚目の警告で退場。


明治も時折カウンターをかけるが不発、駒澤がパワープレーを続けるが追加点をあげられず、試合終了。


いやー、明治は惜しかった。しっかり守って、早いサイド攻撃から活路を見いだす、という狙い(だったと思うよw)通りの試合運びだった。惜しむらくは、先制点を奪ったあとのしのぎ方。押し込まれたために中盤がDFラインに吸収されて前線との距離が空きすぎ、セカンドボールを拾われて波状攻撃を受けてしまった。カウンター狙いもいいが、FW陣を使ってロングボールの出所にもっとプレッシャーをかけるべきだった。駒澤のボランチあたりがフリーで放り込む場面が目に付いただけに、「ペプシ」でも杉本でもいいから、一枚は駒澤ボランチを追わせるべきだったのではないか。放り込まれる回数を減らさないと、どうしようもないよね。DFやボランチが体を張っていただけに残念。まあ、結果論に近いけど。あと、勝負の綾なんだけど、先制点を取るのがあと10分遅かったらと思わないでもない(笑)。応援は「ペプシマン」とか「春の小川」とか「ジンギスカン」とか楽しませて貰いました。でもさ、なんでセットプレーでもないのに(DFの)福田ゴールなのよ。


辛くも同点に追いついた駒澤だけど、こんなんで大丈夫なのか?
明治には失礼だが、中位〜下位クラスのチームに対しては個人能力でなんとかなる。でも、こんな状態で筑波や早稲田あたりをどうするよ?
ここ2年ぐらい、駒澤は勝っているけれど内容的にはどうかな、という試合を多々見せてきた。FWの決定力にものを言わせて得点をあげ、強力な守備陣が守り抜く、そういう堅い試合をしてきた。しかし、中盤を構成して相手の守備組織を崩せたかというとそうではなく、縦のボールを多用したダイレクトプレー指向がますます強まってきて、時に放り込みの連続としか見えない試合もあった。だからインカレ決勝でその辺の文脈がわからないカピタンにイヤミをいわれてしまったわけだが。なんでこうなっちゃったのか、ずーっと考えていたんだけど、この試合を見てとうとう問題点に気が付いた。
このチーム、パサーがいないよの(それだけかい!!!!)
いや、それだけなんです。何で気が付かなかったんだろorz。堅実なGK、強力なDF、球際に強いボランチ、スピードのあるサイドMF、リーグ屈指のドリブラー、無敵のフィジカルを誇るFW。一見隙がないんだけど、これら能力の高い選手たちを生かす、パサーというか中盤のオーガナイザーがいない。中盤で起点になる選手がいないんだわ。中後みたいに展開力のあるボランチでもいいし、いわゆる10番タイプの選手でもいいんだけど、とにかくボールが収まってタメをつくり、周りの選手を動かせる、そういう役目をこなせる選手がいない。栗澤、欲しくない?(貸してあげないけど)。


控えにそういう潜在能力を持つ選手がいれば抜擢してもよし、あるいはチーム戦術を浸透させることで補ってもいいけれど、とにかくこのままじゃきついと思うよ、というところで、春うららの夢の島観戦記はおしまい。


では、また。