関東大学リーグ第4節 流通経済大学 4 - 1 早稲田大学(観戦20試合目)

日時:2006年4月15日(土)12:00キックオフ
会場:西が丘サッカー場
観衆:300人ぐらいでしょうか(部員込み)
主審:遅刻したのでわからん
得点:兵働(早稲田、5分)、武田(流経、32分)、西(流経、44分)、武田(流経、57分)、西(流経77分)
警告:兵働(早稲田、32分)、塗師(早稲田、35分)、武井(流経、80分)、武井(流経、83分)
退場:武井(流経、83分)*警告2枚

部屋の掃除が終わらず、家を出るのが遅れた。そのため5分ほど遅刻。桜は散り際、どこへ行っても花びらのシャワー。
いや、いろいろ忙しいんでホントは来る予定じゃなかったんです。でも、GK阿部ちゃんと鎌田の次郎ちゃんと難波のナンちゃんが入ったフルメンバーの中野戦隊流経ズを見たい!というわけで、ハシゴ観戦となった次第。


流通経済大学のスターティングラインナップおよび選手交代

     27武田 24難波   
  10船山        41西
    19平木    23武井  
 16宮崎 2鎌田  4飯田 6阿部嵩
       31林

SUB:阿部伸、染谷、西森、池田、金久保、鶴岡、徐
選手交代:武田→金久保(74分)、船山→鶴岡(80分)、難波→染谷(84分)
やや、流経柏卒の林が阿部伸、飯塚を押しのけてスタメンかい!身長192cm、でかい。


早稲田大学のスターティングラインナップおよび選手交代

    8山本   9渡邊
      10兵藤
 24松本       14首藤
    12横山  6金田
   3山口 4金守 2塗師
       1時久

SUB:わからん
選手交代:松本→中川(34分)、首藤→前田(65分)、兵働→島村(72分)
早稲田を見るのは去年の早慶戦以来。兵藤とか渡邊千真とか、選手は見たことあるんだけどね。


んで、遅刻して得点掲示板のほうのゴール裏を抜けてバックに行こうとしたら笛。見ると早稲田のボランチ横山がファウルを受けたのか、倒れていた。場所はちょうどペナルティアークのあたり。直接FKになりボールがセットされたので、その場で歩みを止めて手すりにもたれる。見ているまに、兵藤がきれいなFKを決めた。あれれれれ〜?

5分、早稲田:ペナルティアーク付近で横山が倒されFKゲット。兵藤が蹴ってゴール右隅に決まる。
12分、流経:武田が強引にシュート。DFが体でブロック、その跳ね返りを拾った宮崎がクロス。大外から難波が飛び込んでヘディングするが右にそれる
13分、流経:左サイド、宮崎、平木、船山とつないでクロス。武田が中央で待っていたがGKがキャッチ。
15分、早稲田:細かくつないで最後は首藤がシュート。バーの上。
16分、流経:船山のスルーパスに難波が飛び出しシュート。GKがはじく。
17分、流経:船山のミドルシュートをGKがブロック。こぼれに難波が詰めるがシュートは右。
20分、流経:西が右から切り込んでシュートするが、DFに当てる。
23分、早稲田:渡邊の強引なシュートはバーの上。
25分、早稲田:山本が右サイドへ侵入、マークについた宮崎を振り切って中へ切り込むがCBが対応、なんとかCKに逃れる。

先制点の後、しばらくは早稲田優位かと思った。中盤が流経の攻撃をよく止め、兵藤を中心とする強力な攻撃陣が流経ゴール前まで攻め込む。
流れが流経に傾いてきたのは10分すぎからか。難波がスペースへのフリーランニングを繰り返して早稲田守備陣を攪乱し、それにつられるように武田の動きも活性化し、西の高速ドリブルや船山のパスセンスも生きはじめる。流経DF陣は兵藤・山本・渡邊の3人に苦労していたが、エリアまで持ち込まれても密着マークで振り向くことを許さず、人数をかけて潰していた。
しかしこの時間帯、流経はリズムを掴みつつも決定機をものにできず、まだまだ不安感がただよう展開。応援団も今ひとつ意気が上がらず、マネージャーのM嬢(だと思う)がわざわざバクスタまでやってきて「応援が向こう(メイン側)だと全然聞こえないよ!またなんか言われるよ!」と気合いを入れる始末。流経って、ちゃんと応援しないとやっぱり「シメ」とかあるんでしょうか?きゃあ怖い!そのとたん太鼓を叩いて大声を出した奴がいたのには笑った。周りは「(勢い余って)裸になるなよ!」とかすかさずつっこみ。

27分、流経:西がマークをものともせず30mをドリブル。PAに侵入しシュートを狙うがDFがブロック。得た右CKのクリアボールを平木がクロス、再びDFクリアで左CK。平木のキックは二アへ、これに難波が飛び込むが合わず。
32分、流経:船山が右コーナー付近でキープ、マークしてきた兵藤のファウルを受け、FKゲット(兵藤は警告)。これを平木が蹴って、武田が二アに飛び込んでヘディングシュート、ゴール。
34分、早稲田:松本→中川へ交代。
35分、早稲田:塗師が難波を蹴って警告。左足首を痛めた難波はしばらく治療。
39分、流経:武田が倒されて得たFK.。船山が直接狙うがわずかにバーの上。
41分、流経:カウンターから武田が持ち出し、PA右やや外でキープ。難波が中央でパスを受け、DFに付かれて戻す。そこから右へ展開して船山がクロス、難波が合わせてシュート、ゴール右へ外れるがDFに当たって右CK。CKのクリアを船山がミドル・・・のはずがミスキック。これを拾われて早稲田のカウンタ。3対3で危なかったが、宮崎がパスインターセプトで止める。
43分、早稲田:兵藤がファウルを受け、FK。右25mの位置から自分で狙うがGKキャッチ。
44分、流経:中盤自陣からのフィード一発で西がDFラインの裏に抜け出す。GKとの一対一を制してゴールに流し込み、流経勝ち越し。

前半半ば以降は完全に流経ペース。西のドリブルが冴え渡り、再三にわたって早稲田右サイドを切り裂く。二人三人に囲まれても抜けていくんだからすごい。これにたまりかねたのか?、大榎タンは左WBを松本から中川へ交代してしまう。
この時間帯から、早稲田の守りの甘さが目に付くようになる。ボランチは流経の組み立てを遮断できず、両WBはライン際に蓋をするのか中に絞るのかどっちつかずの中途半端。3バックもフリーランニングを繰り返す難波と武田を捕まえられず、中央を固めればサイドを崩され、サイドに対応すればDF間のギャップに入り込まれと大混乱。ラインコントロールも中途半端で裏への飛び出しへの対応が悪かった。流経が逆転したのはある意味、必然だった。GK時久の好守がなければ、もう2点ぐらい取られてもおかしくないぐらい、崩されていた。


ちょっと風が冷たかったので、カップラーメンをかきこむ。体が温まったところで後半開始(俺が暖まってどうするんだろーね)。

45分、早稲田:31番のクロスに兵藤がエリア内でキープ、シュートの機会をうかがうが、DFが密着マークで反転を許さず、クリア。
46分、流経:裏へのフィードに西?が抜け出し、クロス。ファーに飛び込む難波には合わなかったが、ルーズボールを拾った船山が行員に打つ。
47分、流経:武井のクロスに難波が飛び込むが、GKが先んじてキャッチ。
49分、早稲田:右から崩して、兵藤?がエリアの中でキープ、戻して31番がミドルシュートを狙うが浮いてしまう。
52分、流経:センターサークル付近でボールを奪い、裏スペースに抜ける武田にパスが出る。オフサイド
57分、流経:カウンター。ハーフウェイ少々自陣内で武井が奪うと左サイド裏へ一気にフィード。オフサイドラインをかいくぐった難波が抜け出し、ドリブルでペナルティエリアまで進出する。ファーへ西が入っていくが、難波は中央に飛び込んできた武田にマイナスの折り返し。武田がしっかり合わせて流経3点目。

後半も流経のペース。相変わらず各選手の動きがいい。FWへクサビを当て、サポートに来たMFへ戻す。落としを受けたMFはダイレクトで裏へ送る。そこには落としたFWが即反転して絶妙のタイミングでボールを受け、裏へ抜ける。クサビ→落とし→フィード→裏、というパターンで早稲田の守りを揺さぶる。早稲田は相変わらず不安定。無理に前へ出ようとするが、かえって流経のカウンターの呼び水になってしまう。中盤では武井が活躍し、ルーズボールを拾いまくって攻撃に繋げていた。そして、スペースへのフリーランを続けていた難波が武井からのフィードをうけ、そこから武田が決定的な3点目を決める。

58分、早稲田:兵藤のFKを誰かがシュート、GKがブロックしたボールを山口がヘディングが合わせるがシュートは弱くGKが弾き出す。
60分、早稲田:右からのクロスに兵藤が飛び出しシュートするがオフサイド判定。

その後、早稲田も必死の反撃。前の3人を中心に縦への勝負を仕掛け、両サイドも上がって流経陣内に侵入する。そして兵藤にボールを集めて局面を打開しようとするが、流経DF陣がタイトなマークを絶やさず最後のところで止めていた。早稲田の攻勢は、流経3点目から10分ほどの間。そこをすぎると早稲田が急速にパワーダウン。攻撃を続けようとするものの、迫力が感じられなくなる。そして流経がカウンター気味の展開からチャンスの山を築き始める。

64分、流経:カウンター。左から武田がカットイン、ゴールエリアまで入っていってシュートするがGKが体でブロック。大きく跳ね返ったところを船山がミドルで狙うが決まらず。
68分、流経:西が中央をドリブルで持ち込み、ペナルティエリア内右角付近にいた難波へパス。その位置から難波が右足で逆サイドネットを狙うがポストに嫌われる。
69分、流経:右サイドのFK。平木がファーポストに入れていきCB飯田が合わせるがシュートはポスト左。
74分、流経:選手交代:武田→金久保。金久保が攻撃的MFに入り、船山がFWの位置へ上がる。
77分、流経:早稲田を完全に押し込み、右へ左へパスを回して揺さぶる。最後は西がエリア内でDFを背負ってキープ、反転シュートがゴール隅に決まって4点目。
80分、流経:船山→鶴岡へ交代。快足鶴岡を投入して完全にカウンター体勢。その鶴岡がファーストタッチで独走、ペナルティエリア近くまで持ち上がるが、追いすがるDFとの競り合いでファウルをおかす。直後、ボランチ武井が突破しようとする早稲田の選手をやや遅れ気味に足をかけて倒してしまい、警告。
83分、流経:中盤、ルーズボールの奪い合いで、武井が相手選手の目の前のボールを足を高く上げて蹴ってしまい、危険なプレイととられて警告。2枚目で退場。
84分、流経:難波を下げて染谷を投入。ボランチの位置に入れて守備を立て直す。
86分、早稲田:右クロスに山本が頭で合わせるがGKがキャッチ。

最後の25分ほどは一方的な流経ペース。早稲田は形だけ攻撃的で前掛かりになるが、中身が伴わない。流経がいいように浅いDFラインの裏を蹂躙する。77分の4点目は早稲田守備陣の足が完全に止まっていて、好き勝手にパスを回されて振り回され、最後は消耗してさして鋭くもない反転シュートを決められてしまった。
その後、流経はカウンター要員?で鶴岡を投入。その鶴岡がファーストタッチからゴール前に迫り、バクスタを大いに湧かせる。ちょっともったいなかったのは武井の退場。2つのプレーともに警告を受ける可能性が大いにあるものだった。すでに3点差あったことを考えれば、軽率と言われても仕方のないプレーだと思う。中盤守備で大活躍していただけあって、残念。武井が退場したため守備の再構成が必要となり、キャプテン難波が染谷と交代する。このとき、キャプテンマークを鶴岡に手渡すと、応援団がすかさず「かっこいーぞー!」「すげーぞー」と腕章を巻いた鶴岡を囃す。
このあとは、流経が無難にゲームを締めくくった。


2節・3節と思うように点が奪えず引き分けた流経はこれで上昇気流に乗れるのでは?早稲田の出来が悪かったことを割り引いても、ひとつのきっかけになる勝利だと思う。私的MOMは攻守に、とくに守りに活躍した武井・・・にしようと思ったけど、しなくてもいい退場をしたため選外。難波にします。
スペースに走ってよし、下がってボールを受けてよし、突破を仕掛けてよしと豊富な運動量でチームを牽引した。特筆すべきはスペースへ入り込む動きの鋭さと、まわりが難波の走りを信じてパスを出すこと。やっぱりキャプテンはこうでなくちゃ。ただしシュートだけは決まらなかったが。まあ、武田が代わりに決めたからいいか。
その他、ドリブラーの本領を発揮した西(筑波の三澤とどっちがいいだろ)、パスセンスを見せつけた船山、強力な早稲田攻撃陣をセットプレーの1点だけに押さえ込んだDF陣の集中力など、チーム全体が良かったです。ただし、平木はセットプレーでこそ活躍したが、流れの中での動きはいまいち。次節は武井が出場停止なので代わって中盤を引っ張ってね。交代で出てきた金久保(1年)は中野監督期待の逸材らしいが、あまり目立たなかった。
とにかく、後は好調のチーム相手にどこまでできるかだね。


一方、早稲田はかなり深刻。一部の強豪校のレベルに適応できていない。今日の出来じゃ、「おまえら二部で力任せのサッカーやってたろ」といわれても仕方の無いぐらい、組織も個人もだめだった。守りの面では、大半の時間でマークが甘いままだった。そして、厳しくマークに行ったときに限ってラフなプレイでファウルを取られ、いらついた?ところで警告を貰い、完全にリズムを崩してしまったように思う。
攻撃面も問題おおあり。兵藤・山本・渡邊の3人とも、テクニック・スピード・フィジカルを兼ね備えた強力な選手であり、スペースさえ有れば独力でボールをエリア付近まで持ち込めるし、キープ力があるのでなかなか失わない。しかし、それだけに個人勝負に走りすぎたきらいがある。今日の流経DF陣のように粘り強く対応されると、どうしてもスローダウンさせられてエリアに入ってもDFを背負う状態になり、振り向かせて貰えず、そのうち囲まれて潰される。コンビネーションにしてもその場限りの小手先のものに限られ、決定機の演出は兵藤のイマジネーション頼りになってしまう。その兵藤がマークされたとき、チームとして打開する術をもたなかった。
もちろん、早稲田は、個の力の総和では十分上位に食い込む力を持っている。しかし、個の力で局面を打開できた二部とは違い、一部のそれも上位校は早稲田の個の力に十分対抗できるだけの戦力を持っている。力任せは通用しない。渡邊がいくら強くても駒澤の廣井を突破できる? 兵藤は筑波の岡田・今田コンビのマークを受けて自由にプレーできるのか? 金守は高さで巻に勝てるの?
二部から昇格して旋風を巻き起こした流経と法政は、どちらも自分たちのスタイルを、一部でも通用するだけの組織をもっていた。今日の早稲田からは、それが感じられなかった。
早稲田は、自分たちのサッカースタイルを再構築しなければ、中位止まりになってしまうのではないか、そんな危惧を感じさせる試合だった。