(観戦23試合目)

日時:2006年4月23日(土)14:02キックオフ
会場:万博記念競技場
観衆:15103人
主審:岡田、副審:山口、中込、第4審:奥谷
得点:マグノアウベスG大阪、35分)
警告(全てG大阪):加地(41分)、シジクレイ(44分)、
          宮本(46分)、前田(56分)、播戸(82分)
退場:なし

はいはい、試合が終わった後、食い倒れ大会をやって、心斎橋のホテルからブログやってますだ。いやー、お好み焼きもトンカツもうまかった。やっぱり、爆発だね(意味不明)。

G大阪のスターディングラインナップおよびサブ。

    前田  マグノ
   フェルナンジーニョ
 家長        加地
    遠藤  橋本
  山口  宮本  シジクレイ
      藤ヶ谷

SUB:松代、入江、青木、寺田、松下、播戸、中山
選手交代:フェルナンジーニョ→播戸(70分)、前田→入江(70分)、家長→青木(85分)
本日は3バック。きみたちの加地さんが右サイドで出場。前節活躍した二川はケガらしい。ところで、あの寒いDJが言ってたG6ってなんですか(先進六カ国蔵相会議かっ?)。


東京のスターディングラインナップおよびサブ。

  ルーカス  川口
      栗澤
   宮沢     梶山
      今野
 規郎 茂庭 ジャーン 徳永
      土肥

SUB:塩田、増嶋、藤山、伊野波、ササ、赤嶺、小澤
選手交代:栗澤→赤嶺(HT)、宮沢→小澤(72分)
伊野波が控えに回り、代わりに宮沢がスタメン。FWには川口が入った。ベンチを見るとなんと小澤が入っている。高校選抜(今頃・・・)に選ばれて出場したベリンツォーナ国際で見事優勝したようだが、もう時差ボケは取れたのだろうか。ところで、ベリンツォーナって結局どこなの?


んで、試合。
立ち上がりは良かった。高い位置でボールを奪えていたし、ルーカス・川口が3バックのサイドのスペースに流れてボールを受け、起点になっていた。そして開始直後のセットプレーで炸裂するジャーンの必殺ヘッド・・・は不発に終わった。うーん、これが決まっていればなあ、と言っても詮無きことだけれど。
その後も、ガンバのプレスが緩いため、東京はそれなりにボールをキープしてガンバ陣内でプレーを続ける。しかし、次第に繋ぎのミスが目立ち始め、恐怖のカウンターにさらされる。


ガンバのカウンターは鋭かった。前の3人+1人(ボランチかWB)が加わって常に4人ぐらいでグループを作り動きながら正確なショートパスを交換して東京のゴール前まであっという間に到達する。ディレイをかけても、すぐにもう二人ぐらいが押し上げてきて二次攻撃。マグノアウベスフェルナンジーニョが切れ味のよいドリブルでマーカーを振り回し、前田がスペースに入り込んでくる。加えて家長や遠藤が押し上げてきてミドルを狙ってくる。おまけに10分すぎからは東京DFとボランチの間で回されるパスに狙いを定め、前の三人が積極的にプレッシャーをかけていき、東京陣内深い位置でボールを取られて危ない場面が何度もあった。ジャーン・茂庭・今野の頑張りと土肥の好守、そしてガンバのシュートミスがなかったらどうなっていたか(ただし、マグノアウベスにパスをプレゼントするのはやめてね→茂庭)。
とにかく、東京が良かったのは最初の10分だけ、その後は中途半端な攻めをカットされてカウンターを浴び続けた。そして35分、FKのクリアを拾って二次攻撃、右に回っていた家長がドリブルで中央へ切り込み、東京守備陣を引きつけてから中央でフリートなったマグノアウベスにパス、マグノは間髪入れず速いグラウンダーシュートをゴール右隅に流しこんでガンバが先制した。


その後、ガンバの鋭い攻めを怖がって東京のDFラインがじりじりと下がり、陣形が間延びしていく。サイドに開く川口・ルーカスもしっかりとマークに付かれ思うようにボールを収められなくなり、中央で孤立した栗澤が何も出来ずに潰され、梶山のパスも周囲と意図が合わず。それでも、ガンバがあまり高い位置からプレスをかけてこないため、なんとなくガンバ陣内までボールを運ぶことはできるが、フィニッシュに結びつける仕掛けはみられず、かえってガンバのカウンターを惹起することになってしまった。前半終了直前にセットプレーから今野のヘッドがゴールを強襲するが、藤ヶ谷の攻守に阻まれた。


ハーフタイムにガーロたんはゲームプランの修正を試みる。ゲーム開始のプランは、

  • ガンバWBの裏/3バック横のスペースを攻略するのが勝利の鍵
  • そのために、川口とルーカスをサイドに開かせ、ボールを引き出して起点を作る
  • そんときに役に立つのは宮沢の正確なロングフィード
  • サイド深くでポセッションしている間に全体を押し上げ、仕掛ける

つー感じじゃなかったかと勝手に思ってる。
しかし、このプランが機能したのは最初の10分ぐらい。ガンバが川口・ルーカスをケアし始めたのでサイドで起点をつくりにくくなり、宮沢のロングフィードも効果が期待できなくなった。かえって、中盤守備では穴になっていた(今野・梶山・伊野波に比べると身体能力が・・・)。ガンバのカウンターにさらされ陣形が間延び、押し上げにも時間がかかるようになった。このため、中央ではサポートの得られない栗澤が孤立気味(2トップもサイドに開いたままだし)。栗澤はクレバーでテクニックのある選手だが、自分で状況をひっくり返せる"必殺技"をもっているわけではない。あくまで他者と連携し、お互いに生かし合う関係を築くのが本分。この状態では持ち味を出せない。ガーロたんは梶山あたりのサポートを期待していたのかもしれないが、奴は前半寝ぼけていた(ほんと、スロースターターなんだから)。


ガーロたんが施した修正は、

  • 栗澤→赤嶺。川口と2トップを組ませる。
  • ほとんど機能していなかった栗澤に代わってルーカスをトップ下へ

というもの。ルーカスをボールの預け所とすることによって後方が押し上げる時間が稼げるし、ポジション取りのうまい赤嶺が入ることによってマークが分散し、前線も活性化する。うまい手だ。


おかげで、状況が一変した。ルーカスがキープ力を発揮し、2トップも豊富な運動量でガンバ守備陣を攪乱、こんどはガンバのほうがズルズル下がってしまって前の3人との間にスペースができ、そこを梶山が存分につかって暴れ回った。72分には小澤を投入(宮沢OUT)。前線を3トップ+ルーカスにして攻勢を強める。もちろんガンバのカウンターを浴びるが、茂庭・ジャーンが全力を挙げて阻止し続ける。それにガンバ3トップも疲れが見え始めていた。
それにしても、小澤はガッツあるよね。ちっこくても体を張るし、ボールをどこまでも追いかける。運動量も多いし、そもそも動きの質がすごくいい。つーか、川口・赤嶺・小澤って異様なまでに(注:東京基準だよ)、意気が合っていると思いません?全員新加入なのでイケイケに染まってないっつーか、前からいる選手が忘れ去った(としか思えない)サッカーの常識(個人戦術とかグループ戦術といったもの)を保っていた。大器の片鱗を感じさせた小澤だが、ゲームも終盤になるにつれ次第に強引な攻めが多くなり、フィジカル合戦の中に埋没してしまったのが残念だった。丁寧に組み立てをしている時間帯なら十分に機能するんじゃないかな。


それにしても、ガンバの守りは堅かった。東京もコースが空けば遠目からでも打っていったし、エリア内に人数をかけて規郎・徳永がクロスを放り込み、得意のゴチャゴチャ大作戦@ペナルティボックスにもっていった。これまでのガンバならどこかで崩れたと思うんだけど、今日は違った。本当の意味で脅威を与えた東京のシュートは全てセットプレーから。流れの中で有効なシュートはほとんど無かった。
ガンバは、ガンバとしてはグダグダの出来だったにもかかわらず、交代でDFを2枚投入してまで1点を守りきった。警告覚悟のプレーをしてまでも。これがチャンピオンチームなんだ。


で、負けちまったんですが、私個人は悲観してません。茂庭の言いぐさじゃないけど、いまやってることの方向性は間違ってない。そう思えた試合だった。ポゼッションの中で後列が押し上げ、SBがオーバーラップし、前線が動き直して決定的スペース(湯浅風)を作り出す。まだ相手プレスの緩い時にしかできないけど、徐々にコンビネーションを高めていけば、きついプレスをかわしながらポゼッションを行い、能動的に相手を崩していくことができるのではないか。今日の後半なんかは十分に可能性を感じた。戦術と選手の両方にね。赤嶺、小澤あたりはこれからやろうとしているサッカーに適性をもっていると思うし、梶山なんかはある意味だらだらしたサッカーに向いてるでしょ(笑)。


ガーロたんに関しても、今日の的確な修正をみると状況分析力と決断力を持った監督だと思う。ジェフ戦みたいに大ばくちを打ってくる度胸もあるしね。ただし、修正が遅いんだよね。理由はいくつか考えられるけど、経験不足と要約できる。なにせサッカー文化の異なる国で指揮するのは初めて、自分の意図を的確に伝達するスキルを覚えている最中だし(あのマンマークについての誤解とか)、選手たちの能力を把握するのも遅れ気味(おそらく、コンビネーションというものを手取り足取り教えなきゃならない選手がいると思う。ブラジル人なら適当にやっちゃうんだろうが・・・)。前半がダメダメで後半盛り返すのは相手チームの特徴を理解していないから。スカウティング情報は入っているんだろうけど、見るとやるとは大違いなのだろう。この辺は対戦が一回りするまで苦労するかも。


とにかく、少なくとも中断期間に入るまでは、こんな感じで一進一退が続くんでしょう。ガーロの真価が問われるのは、中断明けになる。約2ヶ月の中断期間、代表にとられるのはせいぜい二人、それもGKとDFだ。中盤のコンビネーションを築き上げるのに支障はない。深まり始めた日本への理解をもとに、東京をどんなチームに仕立てあげてくるんだろう。それが今から楽しみだ。え、ファンはそれまで何しろって? やることはひとつ、「M」になればいいんですよ!


明日ですが、長居第二に出没します。関西大学リーグを2試合みて、夕方の新幹線で帰京するつもり。観戦記は車中で書くつもりだけど、酒飲んじゃったらわかんないよ(可能性高し^^;)。長居に青赤さんは・・・たぶん居ないよね。