関西大学サッカー春季リーグ第5節第2日 阪南大学 0 - 1 関西学院大学(観戦24試合目)

日時:2006年4月23日(日)12:00キックオフ
会場:長居第2陸上競技場
観衆:300人ぐらいはいたと思う(部員込み)
主審:田中、副審:向井、國守、第4審:宮本
得点:稲田(関学、54分)
警告:小関(関学、17分)、松岡(阪南、41分)、寄居(阪南、41分)、池島(関学、44分)、
   李彰剛(阪南、44分)、池島(関学、71分)、小関(関学、86分)、大森(関学、89分)
退場:池島(関学、71分)、小関(関学、86分) *いずれも警告2枚

せっかく関西まで来たのだから、たった1試合観ただけで帰っちゃもったいないよ、というわけでやってきました長居第二。去年のあの日、桜さんにイケズなことしちゃった長居陸上の隣です。ここ、以前はセレッソが時々使ってたよね。J2に落ちてたときもそうだけど、J1でも観客動員が見込めない試合はここでやってた。たしか、東京がJ1に上がった年、ここで試合があったような(私はいかなかったけど)。
ただし、バックはベンチシート、ゴール裏は芝生で、高さもない。観戦に適するのはメインだけだが、トラック+ウォームアップスペースの幅が広いのでピッチが遠い。芝の状態は悪い。江戸川よりまし、夢の島以下という感じ。芝に足を取られたり、滑ったりする選手が続出していた。もっとも、関西方面ではまだましなほうみたい。聞いた話じゃ、鶴見緑地なんて「ダートに腐った芝の破片がへばりついている」状態で、危険を感じるほどらしい。開き直って土にしちゃえばいいのに。


関西大学リーグは入場無料。入り口の机に学連の人が一人いて、プログラムを売っていたので即購入。ついでにメンバー表もゲット。プログラムは関東の半額、500円なり。版型は小さいが、内容は充実。1部のチームは登録メンバー一覧(写真付き)とチームプロフィールの紹介に加えて、チーム解説に見開き二ページを費やしている。このへん、関東も見習って欲しいな。ふーむ、関西は2部がA・B2ブロック、3部がA〜D4ブロックに分かれてるのね。府県レベルのリーグはないみたい。


本日の長居第2は、優勝した立命館を除き、昨年のリーグ戦2〜5位が対戦するというお得な日。


まず、第一試合。
阪南大学のメンバーおよび選手交代。

    13西田  10釜田
  7山下        9伊藤
    12長谷川   8松岡
 3李彰剛 29吉川 4寄居 34古谷
      1李ソンヒョン

SUB:41東野、5久野、33楠本、14小寺、24中島、15柏木、18村上
選手交代:10釜田→15柏木(69分)、12長谷川→24中島(81分)、7山下→18村上(89分)
昨季三位。しかしここ二年間は無冠。ということで気合いが入っている今シーズンだが、主力がだいぶ卒業してしまったらしい。それに、伊野波を頂いちゃったし。春季のテーマはチーム再編ということでいいのだろうか。それにしちゃ、4年生主体のスタメンなんですが。初見の選手ばかりということでまずは品定め。


関西学院大学のメンバーおよび選手交代。

       24北野
    15稲田   20町田
 31出口         32村上
    14小関   26池島
  4小野原  5山本  3金子
       21原田

SUB:36東、2今村、6大野、17桑原、33上村、30箱根、18大森
選手交代:15稲田→17桑原(74分)、24北野→18大森(83分)、20町田→2今原(87分)
昨季四位。こっちも初見。阪南とは違ってスタメンに4年はキャプテン山本だけ、2・3年主体のチーム。フォーメーションは長身FW北野を1トップ・稲田と町田を2シャドーとした3-6-1に見えた。こっちも初見の選手ばかり。


天候は薄曇り。時々陽が差し、生暖かい長居第2。正午キックオフ

0分、関学:いきなり誰かがミドルシュート
6分、関学:右サイドでFKゲット。35mほどの距離を稲田が蹴っていく。低く速いボールに反応して二人ほどゴール前に走り出すが、合わずにGKがキャッチ。
8分、関学:町田がドリブルで右サイドへ流れ、クロスを上げようとするがDFがカット、右CK。左WB出口が左足でインスイングのボールを入れていく。DFのはじき返したボールを拾って出口がクロス、中央のFW北野が頭一つ抜け出てヘッドするがゴール左に外れ。
10分、関学:左コーナー方向に走り込む出口に大きなサイドチェンジが渡る。出口がキープしてDFを引きつけ、オーバーラップしてきた左DF小野原がフリーでクロスを上げていくがどっかん。
11分、阪南:関学ボランチがDF小野原へのバックパスをミス。味方に逆をつかれた小野原も芝に足を取られてボールを追えず、阪南のカウンターになる。ボランチ松岡がドリブルで右オープンスペースを突進、必死に戻る関学DFの間を抜いて速いグラウンダーを斜めに入れていく。FW釜田がシュート体勢に入るが関学GK原田が飛び出し、体を張って阻止。
18分、関学:北野がファウルを受け、右サイドでGKゲット。出口がインスイングのボールをニアに入れるが、誰も触れずGKが直接キャッチ。

立ち上がりはお互いに中盤で激しくプレスを掛ける。とにかくチェックが厳しくて完全に潰し合いとなり、どちらもなかなかボールを繋げない。関学がサイドでドリブル勝負を仕掛けるが阪南DFも厳しく対応する。こりゃ(運動量が落ちてくるであろう)20分すぎまでセットプレーか事故がないと見せ場はないな、と思った矢先の11分、関学のミスから阪南が決定機を迎えるが決められず。ピッチ状態が悪く、足を滑らせる選手が続出していた。


そして20分すぎ、両チームとも次第に運動量が落ちはじめ、パスを繋ぐ時間とスペースが生まれ始める。ペースを掴んだのは関学だった。

21分、関学:パスワークで緩くなり始めたプレスをかいくぐり、稲田がドリブルシュート。ふかす。
23分、関学:パスを繋いでじわじわと前進、阪南を押し込んで波状攻撃。セカンドボールを拾ったDF金子がそのまま前進してシュート。ゴール右に外れ。
26分、関学:稲田が右サイドへ流れ、ドリブルで仕掛ける。阪南DFに止められるが、こぼれ球を拾って二次攻撃。ゴール前への放り込みをFW北野がDFと競るが、触れず。ジャンプを降りるときに阪南DFと絡んで頭から落下、しばらくピッチ外に出る。
31分、阪南:FW西田が左サイド深い位置から切れ込みエリアの手前まで突進、関学WB出口が振り切られそうになって倒し、エリア左ラインすぐ外でFKゲット(出口は警告)。右MF伊藤が角度の無い位置から逆サイドネットを直接狙うが、GKがパンチングで弾き出す。
34分、阪南:右へ大きなサイドチェンジが通り、これを受けたMF伊藤がキープ、DFを引きつけてからオーバーラップしてきた右SB古谷にパス。古谷が右サイドをフリーで駆け上がりペナルティエリア右に侵入、中央へ入っていくFWにパスを送るがDFがカットしてCKに逃れる(思い切って自分で打っても良かったのでは)。その右CKから関学のカウンターになり、右サイドを町田が突進するがDFが対応、なんとかスローインに逃れる。
41分、関学:右WB村上がドリブルで仕掛け、阪南ボランチ松岡がオブストラクションで止めてしまい警告。このFKをゴール前に入れるが阪南DFがはじき返し、セカンドボールの争いで阪南がファウル、再びFK。このとき早いリスタートを妨害したとして阪南DF寄居が警告。ゴール正面20mのFKを稲田が直に狙っていくがGK李ソンヒョン(漢字が出ません)がキャッチ。
44分、阪南:左CK。伊藤が蹴ったボールはクリアされるが右スローイン。古谷のロングスローからゴール前の混戦、こぼれたボールを左MF山下が狙っていくが、シュートはDFに当たってサイドネット。

関学がリズムよくパスを回してプレスをかいくぐり、2シャドーとWBが連携してサイドを崩す。最後は中央で張る北野を狙ってクロスを入れる。しかし阪南DFラインが最後のところで踏ん張り、クリーンな形でのシュートを許さない。30分すぎからは関学のペースも落ち始める。阪南のほうも31分・34分のチャンスを除けば見せ場に乏しく、試合はダレ気味。お日様が差してきて少々蒸し暑くなってきたのと、昨夜の暴飲暴食がたたってか、少々眠くなってきた。あくび連発。前半終わり頃に三枚ぐらい警告が出てややエキサイト。しかし、全般にまったりした展開だった。前半はお互いにシュート3本・枠内なし、だったし。ただし、関学はサイドを崩して最後は北野の頭というパターンが出来ていたが、阪南のほうはこれといった形を作れず、ちょっと心配な出来だった。


眠かったのでハーフタイムに公園内の自販機までひとっ走り。炭酸系飲料で目覚まし(木戸銭無料なのでいつでも出られるのだ)。

50分、関学:左WB出口が抜けだし、遠い距離から思い切って狙っていくがどっかん。
52分、阪南:右MF伊藤がエリアに切り込んでいこうとするが止められる。
53分、関学:稲田が左サイド深いところで粘ってCKゲット。ショートコーナーからクロス、これに村上が頭から飛び込むがDFと接触、ファウル判定。
54分、関学:FW北野が前からボールを追いかけ、阪南CB吉川に迫る。吉川は北野の突進をいったん交わしてボランチにパスを送るが、体勢を崩していたためかコースがぶれる。関学MFがこれをカットして北野にパス、北野がドリブルで前進、エリア右に侵入して阪南DFを引きつける。そこで中央に入ってきた稲田にマイナスの折り返し。稲田がちょうどエリアに入ったところで放ったシュートが左ポストに当たってゴールイン。関学先制。
56分、関学:村上が右コーナー付近でDF二枚に囲まれるが、かわしてクロス。中央、北野が頭一つ抜けてヘディングシュートを放つがGK李が右手一本でセーブ。
59分、関学:北野がドリブルで突っかけて倒され、FK。左サイド30m地点から小野原が直接狙うがGKキャッチ。
68分、阪南:セカンドボールの競り合いでファウルを受け、FKゲット。ゴール正面やや左20m。伊藤と山下が蹴る体勢。伊藤が左足で壁の間を抜こうとするが、DFに当たってゴール左に逸れる。
71分、関学:中盤での奪い合いの中、ボランチ池島がファウルを犯し、警告。これが二枚目となり退場処分になる。

後半も関学ペース。FW北野の動きが良かった。前半はクサビを受けたり中央で張ってクロスを待ったりとターゲットとしての役割を果たしていたが、後半は自分からドリブルで仕掛けていく場面が目立った。先制点は北野のフォアチェックがDFのパスミスを誘発したのがきっかけ。稲田・町田のシャドー役とWBとの連携もよく、何度もサイドのスペースへ侵入してチャンスをつくっていた。小関・池島の両ボランチがセカンドボールを支配し、阪南が主導権を握れない原因の一つになっていたと思うのだが、その片割れの池島が二枚目の警告で退場。レフェリーの判定がやや神経質な感あり。


数的優位になった阪南が攻め立てると思いきや、あれ?

75分、阪南:古谷のロングスローからゴール前の混戦。山下がシュートするが弱く、GKが難なくキャッチ。
80分、阪南:ロングフィードに反応したFW西田が果敢にラインを上げていた関学DFの裏を取り、独走。GKと一対一になるが、関学GK原田が落ち着いてシュートコースを消し、最後はシュートをブロック、跳ね返ったボールも押さえる。
82分、阪南:波状攻撃。セカンドボールを拾って攻めるが、自分のファウルで流れを切ってしまう。
85分、阪南:ゴール前の混戦に持ち込むがシュートを打てず。

こうして書くと阪南が一方的に攻めているようだが、実際は全く迫力を欠いたものだった。69分と81分に攻撃的な選手交代を行うが効果無し。ボールを持ってもなぜか躊躇、判断が遅い。パスを繋いで揺さぶるでもなく、サイドに振ってクロスでもなく、放り込んでパワープレーに持ち込むでもなく、なぜかキープして回りを見回し、よっこらせという感じで出したパスをカットされ、かえって関学のカウンターになる場面も何度かあった。須佐監督がコーチングエリアに立ちっぱなしで指示、というより激を送るが効果なし。
関学は74分、ゴールを決めた稲田に代わってボランチ桑原を入れ中盤守備を再構成、83分には1トップとして奮闘した北野に代わってFW大森を入れ前からボールを追わせる。関学が逃げ切れるな、と思った矢先。


86分、関学にさらなる不幸発生。

86分、関学:もう一人の先発ボランチ小関がラフタックルで二枚目の警告、退場。これはいたしかたなし。
87分、関学:それにもめげずカウンター。交代出場のFW大森が突進してロングシュートを放つがGK正面。このあと?町田に代わってDF今原を投入、完全な守備固めに入る。
89分、阪南:右CK。9人が上がっていくが、関学DFがクリア。
89分(ロスタイム1分)、関学:それでもめげずにカウンターをかけるが足がもつれてボールを失う。さすがに疲れてきたか。
89分(ロスタイム2分)、阪南:古谷の高速ロングスローをゴール前へ。シュート打てず。
89分(ロスタイム3分)、阪南:なぜかこの期に及んで選手交代。左MF山下からちっこい(168cm)村上(DF登録だよ)へ。良くわからんが何か持ってる選手なのだろうか。この直後、右サイドのFKをゴール前に放り込んでいくが関学GK原田ががっちりキャッチ。ここで試合終了。ロスタイムは手元計時で4分20秒ほどあった。

さすがに、関学が二人少なくなってからは、阪南が猛攻をかけた。後方には2人ぐらいしか残さずのパワープレー。特に右SB古谷が高速ロングスローを嵐のように叩き込む。あんた、それは反則でっせ!(いちお、関西弁)。これ、原一樹も及ばないスピードです。たぶん、大学No.1じゃなかろうか。ただし、もう一人秘密兵器がいるらしいけど。これだから関西のチームってあなどれん。そんなことはともかく、ゴール前の混戦が続き、ちょっと運があれば、というところだったのだが、結局は何も起こらないまま試合終了。9人に減った関学が逃げ切った。苦しい展開の中、声援を続けた関学応援団は大喜び。ああそう、一般客にチアスティックを配って応援を頼んでいて、私も一本貰いました。ずっとメモ書いてたんで使わなかったけど(すまん)。


この試合はどちらも不調だったと思う。もちろん、内容は関学のほうが良かったが、お休みの時間も多かったし。暑かったのかな。印象に残ったのは、1トップを張った北野。彼がそれなりに強力な阪南CB陣を相手にターゲットとして機能したおかげで、2シャドーの動きを引き出せた。後は、好セーブを見せたGK原田ですかね。80分の一対一を止めた場面は圧巻だった。あと、2シャドーやWBはいいときは良かった(笑)。後は試合を通じて一定のパフォーマンスをキープすることですか。


かたや阪南は・・・絶不調のような気がするんですが。何が悪いって全部悪かったんだけど。なんていうか、休学して就職した人がいるどこかの青赤なチームと一緒で、迷いながらプレーしているという印象を強く持った。ただ、選手のポテンシャルは感じた。時々、少ないタッチ数でパスが繋がって目の覚めるような高速アタックを見ることができた。あくまで時々、だけど。序盤の強烈なプレッシングとあわせ、本来は堅い中盤守備から速い崩しに持って行けるチームなのかな、と思うのだが。腑に落ちないのは関学が一人退場になったあと、漫然とした、意図のはっきりしないサッカーを続けたこと。開き直って、あの時間帯からパワープレーを続けていたらもしかして、と思えるだけに残念だった。もっとも、身体能力の高い選手がそろっているし、このまま終わるチームじゃない。問題はメンタルな部分と見えるので、練習よりもまず全員がへべれけになるまで大宴会をやって、リフレッシュを図ったほうがいいかもしれない。


第2試合につづく