関東大学リーグ1部第9節 中央大学 0 - 1 流通経済大学(観戦31試合目)

日時:2006年5月12日(金)18:10キックオフ
会場:江東区夢の島競技場
観衆:250人ぐらいなのでは?
主審:聞き取れなかった
得点:オウンゴール(流経、78分)←流経の得点です!
警告:阿部嵩(流経、17分)
退場:なし

朝11時、欧州より成田帰着。いやー、仕事で行ったのは初めてだけど、欧州って意外と良かった。某英国を除けば飯もうまいし。米国とは大違いですな。ただし、言葉が様々で大変。夕食に誘ってもらったのは良いけれど、フランス語とイタリア語の会話に挟まれちゃったときは、もう日本に帰ろうかと(苦笑)。中田ってすごいなあ(笑)。
ただし、成田に着いたのはいいのだが、スーツケースがロストバゲージ。さすがに経由地が2つあるとうまく届かないようだ。物はすでに見つかったが、到着が夜、宅配は明日になってしまうとのこと。身軽なのを幸い、昼飯を食ったあと新木場に直行する。昼食でのんびりしすぎたのと、京成の普通列車を使ったせいもあって、夢の島着は午後四時ちょっと前。スタンドに上がるとでちょうど第1試合・駒大vs順大の選手が入場してくるところだった。
ぼやーとしながら第1試合を見る(第1試合の観戦記はこの次のエントリ)。このころは陽が照って暑さを感じさせるほどだったが、第2試合の開始時には太陽が傾き、冷たい風が吹き始めていた。


中央大学のスターティングラインナップおよびサブスティチューション

       29小池
  11辻尾  10田村  15南木
     7大瀧  33渡邊康
 25梅野 16中村 4園田 13大根
       21山本

SUB:1上打田内?、31佐藤佑、35石川泰、38村田、9小倉、12森山、34岩田
選手交代:渡邊康→村田(72分)、南木→森山(79分)
いちおう、4-5-1に見えたよ。前節は駒澤相手に6失点しちゃったそうだが、立て直し出来たのかな?


流通経済大学のスターティングラインナップおよびサブスティチューション

    15高林  24難波
       7糸数
  19平木      41西
       23武井
 16宮崎 2鎌田 4飯田 6阿部嵩
       31林

SUB:1阿部伸、5赤井、11鶴岡、29楠瀬、27武田、10船山、30徐
選手交代:高林→船山(55分)、糸数→武田(78分)、西→赤井(89分)
GW中に駒澤、筑波を破って首位を走る流経。1年生GK林がスタメンを確保、安定した4バックとファーストボランチの武井、右にドリブラー西、左が大きな展開の出来る平木、トップには難波、というふうにスタメン・フォーメーションともほぼ固定されてきた。トップ下とFWの片割れをときどきいじってくるが、本日はFW高林、トップ下には糸数を起用。


試合開始から流経が猛攻をかける。速いパス回しで中大を振り回し中盤を制圧、30分頃まではほとんどハーフコートマッチの様相を呈した。

2分、流経:エリア左すぐ外でFKゲット。平木のFKはファーサイドへ、糸数が合わせようとするが打てず、右CK。再び平木が蹴り、二アで難波がヘディングシュートも枠に行かない。
5分、流経:エリア右サイド、パスを受けた高林が反転シュートするがわずかにポスト右。
9分、流経:左コーナー近くまで持ち込んだ平木がファウルで倒され、FK。これに難波が飛び込むもわずかに合わず。
12分、流経:長めの速いグラウンダーに反応して高林がラインの裏へ抜ける。そのままシュートを放つがキーパー正面。
13分、中大:クサビを受けた辻尾が前進、エリア右で粘ってCKゲット。そこから左右CK2連続もシュートまで持って行けず。
16分、流経:高林から左へ流れる難波へパス。難波はゴールライン際までえぐってからクロス。これは流れてDFがクリアするが中途半端。それを武井がミドルで狙う。強烈なシュートを放つもバーの上。
17分、中大:中大のFKをクリアし、流経のカウンター。それをカットして今度は中大のカウンター。ゴール前に長いボールを送るがGK林が飛び出してほとんどエリアを出そうなところでキャッチ。
18分、流経:難波がシュートを放つもボテボテ。GKが難なくキャッチ。
22分、流経:左CK。平木の蹴ったボールを武井が打っていくが外れ。
26分、流経:西がドリブルで持ち込んでクロス。難波がシュートするもゴール右。
28分、流経:速いパス回しで中大ディフェンスを翻弄、最後は西が抜け出してシュートを放つがDFが体を張ってブロック。これで得た右CKにセットプレーで上がってきた飯田が飛び込むがGKが先んじてキャッチ。

とにかく、流経のパス回しに中大守備陣が全くついて行けなかった。中大は決して集中力を欠いていたわけではないのだが、流経のテンポが速くて対応が後手後手に回ってしまった。たとえボールを奪っても流経の寄せが早く、クリアがどうしても中途半端になる。そしてセカンドボールを制圧されて波状攻撃を食らう、という悪循環。この時間帯、中大はカウンターさえままならなかった。
流経はとにかくボールホルダーへのサポートの動きが速くてポンポンとパスが繋がった。良かったのは、パスコースを作る動きのみならず、パスを迎えに行くように出し手の方へ近寄る動きが目に付いた。パスの出し手のほうへ素早く近づくことによってマークをはずしてパスを受けることができる。縦方向のパスの場合はどうしてもゴールを背にして受けることになるけれど、そこは出し手がパス&ムーブでワンツーを狙うか、他の選手が第3の動きで素早くサポートに入る、という動きが必ずあって、素晴らしく早いテンポでパスが繋がった。糸数が効いていたし、宮崎も中へ入っていって積極的に組み立てに参加する場面が目に付いた。しかし、流れの中で、あるいはセットプレーで多くのチャンスをつくるも決めきれず、次第にペースダウンするというよくあるパターンになってしまった。なまじ中大を押し込んでしまったせいで、ゴール前を固められてしまったせいもあるよね。


30分すぎからは流れが拮抗してきて、中盤でのボールの奪い合いになる。

30分、中大:流経CB鎌田のパスミスからカウンター。大瀧が遠目から打っていくが、これはキーパー林の正面。
34分、中大:辻尾が右サイドを前進、ボールキープ。その間にゴール前まで進出してきた右SB大根にクロスを送るが合わず。
37分、流経:平木のスルーパスに高林が反応するが、パスはDFがカット。
40分、流経:右CK。ショートコーナー阿部嵩にいったん預けて再び平木。中のマークをずらしてからクロスを送るが、ゴール前の競り合いでファウルがあったとして笛(流経のプレースキッカーは平木だが、右CKでは必ず阿部嵩がそばにいてショートコーナーのオプションを取れるようにしている)。
42分、中大:辻尾がスピードを生かして右サイドを一気に前進、流経DFを振り切ってエリア侵入。やや角度の無い位置からシュートするが浮いてしまう。

中大は快足アタッカー陣を生かして縦に早い攻撃を指向するもなかなかシュートまで持っていけず。42分の辻尾のシュートが最大のチャンスだったが、前に出てきてコースを切るGK林が目に入って狙いすぎたのか、それとも力んでしまったのか、シュートは宇宙開発になってしまった。


続いて後半。第1試合で駒大が勝っているだけに、勝ち点3を奪って首位をキープしたい流経。当然前掛かりになってくる。ただし、前へ急ぐ意識が強いせいか中盤守備がおろそかになり、中大がカウンターを仕掛ける機会も増えてくる。

46分、中大:流経CB飯田とGK林の連携ミス。飯田が頭で戻したボールを、自分で取ろうと前に出てきた林がキャッチしきれず、ボールはタッチを割って右CK。これをニアで辻尾?が合わせるがシュートは林がはじき、今度は左CK。ゴール前中央に送られたボールを林がパンチングでクリア、これが中途半端になってエリアの中に落ちたところを右SB大根が強引に打っていくが宇宙開発。
47分、流経:中大の攻撃をカットしてカウンター。平木が持ち出して、左サイド自陣深くから大陸(斜め)横断サイドチェンジ。これを、ペナルティエリア右手前で難波が頭で落とす。これを拾った高林が寄って来た中大CBの間をするりと抜けてフリーでゴール正面へ。GKと一対一でシュートを放つがGK正面を突いてしまう。決定的。
49分、中大:右サイドを前進した南木がクロス。これは逆サイドに抜けるが今度はオーバーラップしてきた左SB梅野がクロス、中へ切れ込んできた南木がシュートを打っていくがサイドネット。
51分、流経:放り込まれたロングボールを中大DFがクリア。これが短く、難波が拾って糸数に繋ぎ、シュート。シュートはわずかに右ポストの外。決定的。
55分、流経:選手交代。高林→船山。

前半、流経は素晴らしいパス回しをみせたが、中大の守りを崩せなかった。中大がゴール前を固めていたせいもあるし、フィニッシュが雑だったのももちろんだが、最大の理由はパス回しのテンポが良すぎたことにあると思う。いや、うがちすぎかもしれないし、すごく酷なことを言ってるんだけど、流経のパス回しは速いけれど一本調子だった。あるんだよね、快調だけど一本調子な攻撃のため、相手が慣れてきてしまい、攻めあぐむっていうケースが(W杯予選のスペインなんか、その典型)。テンポが速いけど、変化がない。速いので肝心なところでボールタッチがぶれて、フィニッシュが決まらない。大事なのは緩急。流経に必要なのは、リズムの変化を演出できる選手だった。中野監督もその点は十分承知だったと見えて、高林に代えて船山投入。これで流経の攻撃に変化が出てきた。しかし・・・

57分、流経:入ったばかりの船山がタメてからスルーパス。オーバーラップした阿部嵩がパスを受け、そのままエリアに持ち込むが中大DFに潰される。
58分、中大:カウンターから辻尾が右サイドを攻め上がりクロス。中大は3枚がゴール前に走り込んでいてファーに一枚余っていたが、クロスが合わず。
59分、中大:カウンター。流経・武井を振り切った南木がクロス。中央に辻尾が飛び込むが流経DFがボールとの間に入り込んでクリア。
61分、流経:攻め込んでパス回し。エリア内で一瞬フリーになった船山がシュートを放つがバーの上。
62分、流経:ロングパス一発で糸数が抜け出し、フリーでシュートするも枠にいかない。
64分、流経:阿部嵩がエリア右外でサイドチェンジを受ける。フリーだったので中へ切れ込んでいける状況だったが、トラップミスでクロスに切り替え。しかし、クロスもジャストミートせずラインを割る。
65分、流経:西がエリア右サイドでドリブル、DFを引きつけてから近寄ってきた阿部嵩にパス。阿部はDFの間を抜いてゴール前に斜めのグラウンダーを入れる。誰かさわれば、というところだったが、誰も足が届かず。
70分、流経:西がサイドチェンジを受け、右サイドで起点を作る。サポートに来た味方とパスを回し、エリア内で最後は阿部嵩がシュートを放つがGKが体でブロック。跳ね返りに難波が詰めるがシュートを打ち上げてしまう。決定的。
72分、中大:選手交代。渡邊康→村田。翔キターーーーーーー!!!!
76分、流経:船山が左サイドからゴール前に低いボール。それに難波がDFと絡みながら飛び込むも打ち切れず。
78分、流経:右CK。平木のインスイングのボールに、鎌田が飛び込む。DFと絡み、かつピンボールみたいに速かったのでよくわからんが、鎌田が触ったボールがDFの足に変なふうに当たったように見えたがどんなもんでしょ?DFに当たってコースの変わったボールはゴール左へ。オウンゴールで流経先制。

船山を入れたことでリズムに変化を付けられるようになった流経が攻め込む。ますます前掛かりになったため、けっこう中大のカウンターにさらされながらも(武井一人じゃ止められませんて)、そこはDFの頑張り(鎌田はけっこうミスしてたぞ)と林の好セーブに助けられ、攻め続けた。しかし、決定機をつくれどフィニッシュが・・・船山も、糸数も、接触的な攻め上がりを見せた阿部嵩も、決められない。そして難波・・・orz。
なお、中大のカウンターは上に書いたより多かったです。メモしきれませんでした。中大ファンのみなさん、ごめんなさい。

79分、中大:選手交代。南木→森山。
86分、中大:森山が約40mをドリブル突破、シュートを放つがDFがブロック。
89分、流経:右スローインから難波を経由して船山がドリブルでエリア侵入、シュートするもバーの上。決定的。
ロスタイム、流経:難波がカウンター。中大が既にパワープレーに入っていたため、がら空きのスペースを前進、大きく飛び出してきたGKをかわしてロングシュートも決まらず。

交代で入った森山が恐ろしく切れた動きで反撃の先兵となった。とにかく、右で左で勝負しまくり。運動量が落ちてきた流経守備陣は森山を全く止められない。呼応して、両ボランチのみならず両サイドバックまで攻め上がってサイドを攻略、そこから雨あられとクロスを入れてくる。ええ、中大のチャンスは上に書いたより遙かに多かったです。しかし、あまりに波状攻撃が続くので全くメモできませんでした(ピッチから視線を離せない)。中大ファンの皆様、ごめんなさい。とにかく、終盤は中大が完全に主導権を握り、というか開き直って猛攻を仕掛けた。サイドをえぐり、ゴール前の密集にクロスを叩きこんでシュートも放っていたが、流経守備陣が体を張って止め、逆にがら空きの後方スペースを突いてカウンターを仕掛ける・・・・があいかわらず決められず。流経は守備固めに赤井を投入、なんとか逃げ切った。


いやー、決めるべき時に決めとかないと冷や汗かくって見本みたいな試合だった。流経、チームとしての機能性は素晴らしくなってるんだけどね。難波、高林、糸数という前の3人が3人ともNot his dayじゃどうしようもないよね。交代で入ってきた船山も調子を合わせるようにシュートを外してたし。君たち、ちょっと飲みに行った方がいいぞ。それからめでたく柏の強化指定になった鎌田ですが、この試合はミスが多くてカウンターの起点になっちゃった場面もあったような。気をつけましょうね。


中大ですが、前節6点も取られたチームには見えなかった。大敗して目が覚めたってのもあるだろうが、みんな集中していた。終盤の猛攻は迫力満点だったし。このチーム、快足アタッカーを両サイドに張らせてサイドをスピードで攻略するゲームプランだった。それはある程度成功したんだけど、縦に勝負するだけで変化がない。中盤での組み立てができてないんだよね。終盤の追撃が強く印象に残るけどそれは力攻めの結果であって、相手の守備組織を崩してシュートを打った場面はなかった。つまり攻め手がカウンターしかないんだ。それにカウンターでサイドを攻めても、ラストクロスの精度が低いためシュートに結びつかない。ワントップの小池とトップ下の田村がシュートを打つ場面がほとんど無かった。大瀧のように攻撃をオーガナイズできる選手がいるのだから、うまく使って欲しいんだけど。それから、村田ですが、出てきた直後に点を取られて力攻めの状態になり、彼本来のテクニックを生かしたプレーがあまり見られなかったのは残念。次がんばれ。


つーわけで、時差ボケでいどんだ夢の島ですが、俺にとっては欧州よりいい場所だよ。