関東大学リーグ第11節 国士舘大学 0 - 0 東京学芸大学(観戦39試合目)

日時:2006年5月28日(日)12:00キックオフ
会場:ひたちなか総合運動公園陸上競技場
観衆:100人程度
主審:不明
得点:なし
警告:渡邊一(学芸、14分)、瀬田(学芸、48分)、天野(国士、88分)
退場:なし

午前11時、勝田駅、雨。それも風を伴った大粒の雨がアスファルトを洗う。スーツをびしょぬれにしながら運営スタッフらしい学生さんたちが乗り込んでくる。勝田駅から競技場最寄りバス停である「市民球場入り口」までは10分弱(すいてたのよん)。料金は390円なり。245号から少し入った位置にあるバス停から、学生さんたちは直接裏道?をたどって競技場へ。私はコンビニにいくため交差点まで戻る。なんとマクドナルドが出来ているじゃないか! コンビニに行ったがなぜか腹が減っておらず、飲み物とガム程度を買ってから競技場へ(しっかり腹ごしらえしておかないから後で痛い目に・・・)。風が強く、傘をたたむ。どのみち、雨は小やみになっていた。


競技場に着くと、座席はびしゃびしゃ、ピッチは水浸し。穴ぼこは池と化し、一見状態が良さそうなところも冠水している。そして、メインから見て右から左へ吹く強風。この悪天候のため、旗の掲揚もメンバー表示版の掲示もなし。そして、霧。海のほうから霧が押し寄せてきて、バックスタンドのむこうの林がわずかにぼやーと見える程度。その向こうの運転研修所のビルも、海浜公園の観覧車も全く見えない。それどころか、バック寄りにいる選手の背番号がわかりにくい。ビデオ班の嘆き節が聞こえる。


国士舘大学のスターティングラインナップおよびサブスティティーション。

    35中村   36柏
       34伊東
   23半田     29斉藤
       37濱屋
 33小島 5佐藤直 24足助 2大島
        22山下

SUB:不明
選手交代:23半田→39天野(65分)、35中村→19菅原(73分)、37濱屋→11深澤(89分)
4-3-3フォーメーション。足助がCBに戻ってきて最終ラインが安定してきた感じ。


東京学芸大学のスターティングラインナップおよびサブスティティーション。

     43?  9志連
  6林         21酒井
    20瀬田  24渡邊一
 16高野 4坂本 3鈴木博 5黒田
       39山下

SUB:不明
選手交代:9志連→10山田将(82分)、43?→17栗原(82分)
攻守両面で組織が整っている。守備時は、FWからコースを限定し、フラットにならんだ中盤と最終ラインの作る網に絡めとるシステム。マーク・カバーリングとも手抜かりはなく、センターバック二人の強さもあいまって非常にソリッドなチーム。攻撃も組織的で、2トップ・両サイドMFに加えボランチ1枚とどちらかのSBが上がっていき、計6人で攻め4人が残る形。攻め上がった選手のスペースを埋める動きもよく訓練されてそつがなく、バランスが崩れない。ほぼオートマチックに枚数をかけた攻めを行うため、アタッキングサードまでボールを運ぶ場面は比較的多いが、ラストパス・ラストクロスの精度とフィニッシュそのものに精度を欠くため、深刻な得点力不足に悩んでいる。


ラムサール条約に登録申請してもいいぐらいのピッチ、加えて強風。サッカーというより水たまりでボール遊びをやっているのに近い。選手が走るとビチャビチャという音がスタンドまで聞こえ、ボールは滑るか水たまりで急停止するかのどちらか。おまけに浮き球は風で流される、ともうめちゃめちゃ。


つーわけで、前半はハチャメチャ。コイントスで風上をとった国士舘がその利を生かして攻め込もうとするが、元々パワープレー指向ではなく、一年坊主中心の攻撃陣がちょこまか動いてかき回していくチーム。パスを繋ぐどころか、ピッチコンディションの悪さからミスが続発、そこからボールを奪われて攻め込まれ、ミスに乗じて奪い返して押し返し、またミスで奪われ、と悪い意味で攻守がめまぐるしく入れ替わる。学芸の右SB黒田はボールが足に付かず、危なっかしいことこの上なかった。
どちらが優位かといえば、風下のため学芸のクリアが伸びないので(笑)、国士が敵陣内でプレーする機会が多かった。しかし、柏や伊東の単騎ドリブル勝負に終始し、学芸DFにむなしく潰されるのみ。形を作る、という意味では組織力のある学芸に分があったが、やはり決定機をつくるまでに至らず。前半はドタバタに終止した。


ハーフタイムの間に完全に雨があがり、風も穏やか、霧も次第に晴れてくる。ピッチの水たまりも、徐々に姿を消し始める。


後半は、国士舘が最初から飛ばしてくる。キックオフ直後、半田がドリブルで持ち込み、柏に繋いでクロス、これに中村が合わせるがシュートは惜しくもゴール左に外れ、というチャンス。学芸も50分に左コーナーから志連のシュートがGKの手をはじいてネットを揺らすが、ゴール前の密集でファウルがあった???とされてノーゴール判定。
膠着状態の前半とは違い、相変わらずミスが目立つものの攻め合いとなる。一時は国士舘が積極的にドリブルで仕掛け、リズムに乗りかけたかに見えた。前半はスリートップだけが勝負していたが、後半はMF陣も仕掛けていくようになったのだ。学芸はいつものようにラインを押し上げるが、中盤のスクリーンが効いていないため、DFが国士のドリブラーに並走する形で対処せざるを得なくなり、ひとつ間違いがあるとピンチを招きかねなかった。国士FW柏が何度も右サイドをえぐり、クロスを入れていく。しかし、そこはリーグ最小失点を誇る学芸DF陣、落ち着いて対処し国士舘に有効なシュートを打たせなかった(国士舘の枠内シュートなし)。


逆に、学芸のほうがカウンター気味の攻撃から徐々に主導権を握りだす。35分には一気にFW2枚を交代、勝負にでる。このとき、第4審の掲げる表示板の準備が遅れた。大学リーグの表示板は、プラスチックの小片をペタペタ貼付けるタイプ。例えば"0”を表示するためには6枚を貼付けねばならない。2枚・計4名分の番号を貼付けなければならない第4審は必死。もたもたする第4審に焦れた学芸のスタッフも手伝って、2分ほどかかってようやく交代の運びとなった。


国士舘も前節決勝点をあげたFW菅原を投入、勝ち点3を狙って攻め合うが、お互いの守備陣が踏ん張り、またゴール前での精度を欠いたこともあってスコアレスドローに終わった。


大量の一年生を投入、それなりに結果を出してごく一部で多いに話題をさらった国士舘、流経・駒澤に次ぐ20得点を上げたが同時に16失点(下から数えて5番目)と、予想どおりというべきか若さ故の勢いと脆さの両方が出て前期は4勝3分4敗の第5位。これより上に行くためには上級生の奮起が必要かと。前節は途中出場、下級生とはひと味ちがうツボを押さえたプレーぶりを披露し、決勝点をアシストした養父とか養父とか養父とかどうしたんでしょうね。


学芸のほうは11試合でわずか7得点ながら驚異の5失点、つまりリーグ最小得点最少失点、拙攻堅守?サッカーを貫き3勝6分2敗で6位。とにかく、守備組織の充実ぶりとセンターバックの堅さは素晴らしい。攻撃のほうも非常に組織的だし、右MF酒井のような突破力のあるアタッカーもいるのだがフィニッシュに精度がない。この試合もシュート12本で枠をとらえたのはわずか2本、それも相手GKに脅威を与えるものではなかった。FW陣の誰かが悟りでも開かない限り、後期も我慢の戦いが続きそうだ。