2006J2第20節 東京ヴェルディ 2 - 0 ベガルタ(観戦41試合目)

日時:2006年6月7日(水)19:00キックオフ
会場:国立競技場(工事中、ネーミングライツ募集中?)
観衆:5910人
主審:鍋島、副審:鈴木(亮)、恩氏、第4審:加藤(寛)
得点:斎藤(ベルデー、33分)、大野(ベルデー、75分、PK)
警告:金澤(ベルデー、12分)、ロペス(仙台、31分)、村上(仙台、72分)、高桑(仙台、74分)、ボルジェス(仙台、74分)
退場:木谷(仙台、70分)、小針(仙台、76分)

ミッドウィーク、少し肌寒い国立。春先から続く改修工事のまっただ中、この日もバックスタンド下層が全滅で1969シート組は上層席から観戦。私は、ベルデーの試合なんぞに高いチケットを買いたくないので仙台側自由席に潜入。平日ナイターということで時間ギリギリにくる勤め人が多く、チケットを買うのに時間を食った。売店に行くと長蛇の列、いざ買う段になったらほとんど売り切れ。どうやら準備した食材が少ないらしい。ベルデーホーム試合の動員数が伺えるセコさではあるが、ただでさえロクなもん出さないのにキックオフ前に売り切れってなによ? おい、売店、西が丘のおばちゃんの爪の垢でも煎じて飲め!(当ブログの読者はご存知であろうが、私は食い物に関して執念深いのである)


ベルデーのスターティングラインナップおよびサブスティティーション。

     飯尾  斎藤
   大野      久場
    根占    金澤
 石川竜 萩村  戸川 海本幸
       高木

SUB:水原、菅原、大橋、アナイウソン、森本
選手交代:飯尾→森本(64分)、久場→大橋(71分)、海本幸→菅原(83分)
サイドバックを急遽補強したベルデー、効果やいかに。ちなみに平本は出場停止、バジーリオはケガらしい。それにしても、FW斎藤将基(誰?)39番、MF久場32番、左SB石川竜44番、右SB海本幸43番ていう背番号のでかさは何よ?あなたたちは国士舘大学ですかあ?



仙台のスターティングラインナップおよびサブスティティーション。

     ボルジェス
  ロペス    チアゴネーヴィス
   熊林      梁
      千葉
 村上 白井  木谷 菅井
      高桑

SUB:小針、池田、中田、磯崎、萬代
選手交代:熊林→磯崎(66分)、梁→萬代(66分)、チアゴネーヴィス→池田(71分)
禁断のブラジル人3トップに注目。SB・サイドMF・同じくサイドに流れるFWがトライアングルを作ってサイドを崩し、そこからゴール前に繋いでブラジル人3人の即興的なパスワークでフィニッシュに持ち込む、というのがよく見るパターン。両SBとも攻め上がるので中盤の底に位置する千葉がDFラインまで下がってカバーリングを行う場面が多い。おかげで最初は3バックと勘違いした。


前半は打ち合い。ベルデーが持ち前のパスワークに加えて海本の暴力的なオーバーラップによって右サイドから攻め込めば、仙台もSBが積極的にオーバーラップを仕掛け、サイドを崩してチャンスボールを供給、ブラジルトリオのコンビネーションでフィニッシュに持ち込むという展開。どちらも決定機をつかむが、高木・高桑が好セーブを見せて得点を許さない。
やや膠着状態に陥ったかと思えた33分、ベルデーがカウンターで左サイドから攻め込み仙台のDFを引きつけたところで、ペナルティエリアを横切って右に振る。そこに入ってきた斎藤がフリーでシュートしベルデー先制。ここまで好守を見せた高桑だがこれはノーチャンスだった。


後半、ベルデーはダブルボランチを中心に激しくプレスをかけて中盤を制圧、SBも協力してサイド攻撃の芽を摘む。とくに球出し役や2列目からの飛び出しで大活躍していたロペスを完全に封じ込めた。仙台はロングボールに活路を見出そうとしたが、中央でクサビを受けるボルジェスを萩村・戸川が徹底マークで潰していた。
この手詰まり状況に対し、サンタナ監督の打った手は、萬代と磯崎の投入。磯崎の特徴はよくわからんが、高さのある萬代を入れて前線のターゲットを2枚に増やし、攻撃に幅を持たせようという意図は理解できた。投入早々、萬代がベルデーCBに競り勝つ場面があって期待感が高まってきた矢先、一瞬のエアポケット。スルーパスに抜け出した斎藤を木谷が倒し、赤紙。そしてPK献上。


ここからがややこしい。ベルデーが久場に代えて大橋投入。仙台は退場した木谷の補充でDF池田昇平(ひさしぶりだな)を入れる。そしてPKを大野が蹴るが高桑の読みがドンピシャリ。コースも甘かった。PKセーブで一気に仙台が勢いづくかと思えたが、なんと副審のアピールがあり、PKのやり直しが命じられる。どうやら、蹴るより先に高桑が動いたということらしい。そんなタイミングには見えなかったけど。
当然、仙台が抗議。ここで警告(村上)が出たりして一時混乱。これで動揺したか、再び大野が蹴ったPKがまたしても甘いコースで、今度も読みが当たった高桑がセーブ。ところが再び副審が旗を振り回し、高桑が先に動いたとアピール。仙台、今度こそ猛抗議。監督はもちろん、サブの選手も飛び出してくるし、詰め寄る高桑とボルジェスに警告が出されたりして大混乱。私はというと、「八百長ベルデー!」コールに大笑いしていたのだけれど(いや、八百長じゃなくて単にレフェリーの問題なのはわかってます、念のため)。
3度目、今度はさすがにキッカーが大橋に変わる。なんと、今度も高桑の読みが当たった。しかし、強いボールが高桑の手をかすめてゴールイン。このあと、なぜか仙台CB白井がいなくなったり(何かの拍子にケガしたらしい)、なぜか控えGK小針がロッカールームに下がっていったり(どさくさの中で退場させられたらしい)、混乱が続く。


しばらくして試合が再会されたが、両チームとも何かが切れてしまったのか、ピリッとしないまま時間がすぎた。


期せずして最大の見せ場となってしまったPKやり直し判定。私、3回とも、実は双眼鏡でじっと見てました。結論からいうと、タイミングは微妙です。スローでみないとはっきりしたことは言えません。もしかしたら、高桑が先に動いていたのかもしれません。蹴るまでキーパーが動いちゃいけないのはルール。副審はルールに乗っ取って判定しただけともいえる。だけどさ、ルールで大事なのは文面を字義通りに解釈することじゃなくて、どのように運用するかでしょ。年100試合も見ていると、何度もPKを見る。そして、2年に1回ぐらいはやり直しの場面を見る。これまでの経験から言わせてもらうと、今日の高桑のタイミングはこれまで問題なしとして「運用」されていた。運用基準を変更するのはいい。でも、基準を変えるならそれなりに周知するのが筋ってもんじゃないだろうか。特に、PKみたいな非常に微妙なケースの運用基準を変えるなら、しつこいぐらい徹底的に周知しなければならないと思う。プロ野球じゃ、ボークの判定基準を変えるときに審判団がキャンプ地まで行って指導して回るでしょ。マスコミも動員してファンにも徹底的に知らしめるでしょ。そのような手順を踏まず、杓子定規をコンクリートで固めたようなルール解釈で押し通すのは横暴だと思う。この日の主審は鍋島、問題のメインアウェイ側を担当していた副審は鈴木(亮)。この名前に注意すべし。なお、いつのまにか副審に転向していた恩氏さんは対角のバックホーム側にいたので無関係ですw。念のため。


で、なんだっけ。ベルデーの新戦力? いや、よかったんじゃないの。海本の突進力は相変わらずだし(クロスの精度があれだったが)、石川竜のクレバーなバランス感覚も光ってました。二人とも、J1のレギュラーを張ってもおかしくない力を持っているだけに、緑さんには過ぎるぐらいの財産かと。それから、CB二人もしっかり守っていたし、中盤も寄せが速くて球際も厳しくてよく頑張ってた。一時の不調は脱したと見ていいのかな。FWは平本もバジーリオもいないんで迫力不足でしたけど。シーズン1/3過ぎたぐらいで(20節やってやっと1/3って何?)首位と勝ち点10ぐらいですか。十分望みのある勝ち点差なので頑張ってください(棒読み)。でも、ベルデーの場合、突発性運動力激減症候群に陥ることが多いんで、油断は禁物ですけど。