ナビスコカップ準々決勝第2戦 ジェフ千葉 3 - 2 セレッソ大阪(観戦42試合目)
日時:2006年6月7日(木)19:00キックオフ 会場:フクダ電子アリーナ 観衆:6231人 主審:吉田 得点:山岸(千葉、12分)、ハース(千葉、23分、27分)、柿本(C大阪、39分)、古橋(C大阪、71分) 警告:坂本(千葉、66分) 退場:なし
第1戦は千葉が5-2で勝利。圧倒的優位で迎えた第2戦。
ジェフ千葉のスターティングラインナップおよびサブスティチューション
ハース 羽生 クルプニコビッチ 山岸 佐藤勇 水野 坂本 水本 阿部 ストヤノフ 櫛野
SUB:立石、藤田、中島、工藤、楽山、要田、青木
選手交代:ハース→楽山(67分)、クルプニコビッチ→中島(67分)、羽生→工藤(76分)
いつものようにマンマークシステムなのでフォーメーション表記が難しい。DF登録は二人なので機械的に書くと2-7-1!。もちろんこんな数字表記にたいした意味はない。セレッソの3トップに対し、水本・阿部・坂本がマンマークで対処し、ストヤノフが余るのでこうなる。マーキングは、水本が柿本、阿部が古橋、坂本が森島寛、水野がゼ カルロス、山岸が藤本、佐藤勇がピンゴ、というのが基本。
セレッソ大阪のスターティングラインナップおよびサブスティチューション
柿本 古橋 森島寛(小さい方) ピンゴ ゼ カルロス 藤本 下村 柳本 クアドロス 前田 多田
SUB:吉田、山崎、河村、山田、宮原、徳重、森島康(でかいほう)
選手交代:柳本→山崎(HT)、森島寛→山田(62分)、ビンゴ→宮原(76分)
こっちは3-4-3。ピンゴが上がり目なので中盤を菱型に書いてみたぞ。西澤が出場停止なのは痛い。
4点差をつけて勝たなければ準決勝ラウンドに進めないセレッソ。当然、開始から飛ばしていかなければならないのだが、案の定というべきか主導権をとったのはジェフ。いつものように選手が次々と湧いて出て、あっというまにゴール前まで攻め込むサッカー。セレッソの方は、後方からの飛び出しやワンツーによる突破、サイドチェンジによる揺さぶりに全く対応できず、混乱している間にあっさり山岸に先制された。これで気落ちしたのか、守りに集中力を欠く。そしてハースの単独ドリブルから2点目、セットプレー時のマークが甘くまたもハースに頭で押し込まれて3点目と、開始30分でジェフの勝ち抜けがガチになってしまった。
それでも、前半のうちに1点返したセレッソ(柿本がクロスに飛び込む)。後半は4バックに変更、意地を見せようと捨て身の攻撃にでる。左サイドのゼ カルロスを中心に枚数をかけた攻めを見せ、古橋のシュートがDFに当たってコースが変わりゴールイン、2点目。その後も攻め続けるが、ゴール前での工夫を欠き、なかなかフィニッシュに持ち込めないうちにボールを奪い返され、ジェフのカウンターを招く。カウンターから雨あられとシュートを打ちまくったジェフ、打ちも打ったり27本。ところが、惜しくも枠を外したり、枠に飛べば多田の好守に阻まれ、と結局は追加点なし(後半だけで決定的な場面が7,8回あったような)。虐殺試合に持ち込みそこなったジェフだが、それでも難なく準々決勝を突破した。
今シーズン、千葉を見るのは5回目。いつも思うのだが、本当に強くなった。阿部など少数の例外をのぞけば、いずれも素質的には普通の選手。毎年、主力が誰か出て行くし、即戦力の補強にも限界があるしで決して層が厚いわけじゃない。交代で出てくるのはいつも工藤、中島、楽山(たまに要田)だし、DFだってスタメンに加えて結城と斎藤という屈強とはとてもいえないメンツだけ。それが、有能な監督のもとで4年間トレーニングを積むとかくも優れたチームに化ける。チーム戦術もさることながら、パスの精度やトラップの正確さなど、個人技の点でもセレッソを上回ってるんだよね。基本をきっちり積み上げると、こういう結果になるのか。
それとマンマークって決して古くさい戦術じゃないと感じた。マーク対象に付いていくので陣形が乱れるっていうけど、マンマークからボールを奪った選手がそのまま攻撃に参加すれば、相手から見て思わぬところから選手が飛び出してくるっていうことを意味する。もちろん、相手に走り負けないことが大前提であり、攻守の切り替え時には自分のマーカーを放り出して攻撃参加する決断も要求されるので、決して簡単ではないけれど。マンマークで一見、相手に主導権を渡しているように見えて、実は自分たちの攻撃を流動的なものにするための道具として利用するとは。イビチャ・オシム、やはり食えない爺さんだ。