関東大学リーグ1部 第13節第1日 国士舘大学 1 - 2 中央大学(観戦72試合目)

日時:2006年9月9日(土)12:00キックオフ
会場:埼玉スタジアム第2グラウンド
観衆:開始時は150人ぐらいかな
主審:不明
得点:3杉森(国士舘、47分)、17河内(中央、48分)、11辻尾(中央、53分)
警告:12柏(31分)、
退場:1鈴木智(5分)*一発退場

この秋2回目の3連チャン。その第1試合。
関東大学リーグ1部、第13節の初日は埼スタ第2での開催。ここ、はっきり言って遠いんだよね。ただでさえ駅から遠いのに、第2グラウンドはこのうすらでかいスタジアムをぐるっと回った反対側にある。おまけに一般客の入り口はピッチをぐるっと回り込んだ反対側。この暑いのに、もう。ただし、ピッチは良好。客席数は少ないし傾斜も緩いが、屋根が付いているので日照りと雨の日はありがたい。


国士舘大学のスターティングラインナップおよびサブスティテューション。

    14菅原  12深澤
  16小島       7半田
    10柴崎  17齋藤雄
 13足助 3杉森 5佐藤直 29押野
      1鈴木智

SUB:不明
選手交代:7半田→22山下(5分)、14菅原→9金子(68分)、29押野→25天野(83分)


中央大学のスターティングラインナップおよびサブスティテューション。

       22小池
  11辻尾       8南木
    6渡邊康   7大瀧
       10田村
 2梅野 31新井  4園田 14杉山
       21小野

SUB:不明
選手交代:8南木→19石川(HT)、6渡邊康→17河内(HT)、7大瀧→24柴田(79分)


両チームとも前節は負け。
国士舘は攻守にわたって統一感が感じられず、養父頼みのゲームをしてしまった。そこからの脱却が課題だったが、なんと養父がベンチスタート。たしかにこれなら養父頼みからの脱却はできるよな。しっかし、外の人間からみると、何を意図して選手を起用しているのか良くわからないチームである。
中大のほうは攻守とも機能せず、とくに守りで相手FWのマークをあっさり外してしまう傾向があり3失点を喫している。まずは守備組織の整備が必要と見えた。今節は両サイドバックを変えて試合に臨む。


立ち上がりは両チームとも慎重だった。
しかし、試合開始から5分がすぎた頃、早くも事件が発生する。中大FW小池が縦パス一本でラインの裏に抜け出す。国士GK鈴木智が飛び出しペナルティエリアわずかに外でクリアを試みたが、スライディングをかけた足が小池にかかってしまう。レフェリーの判定は一発レッド。故意に引っかけたようには見えなかったので、ちょっとかわいそうな判定だった。国士舘は半田を下げて交代のGK山下を投入。ずんぐりむっくりだ(笑)。近距離のFKは壁に当たってスローイン。右スローインから南木がシュートするがゴール右。


とりあえずピンチを逃れた国士舘は柏を1トップ気味に据え、そのスピードを生かしてカウンターを狙うが、長いボールがうまく渡らずこの試みは不発に終わる。そのため、25分過ぎには1トップを小島に変えて今度はポストプレーからの展開を狙う。30分すぎ、菅原の左クロスに反応した小島がGKをはずしてシュートしゴールマウスを捉えたが、中大DFに惜しくもクリアされる。このように見せ場を作った小島だが、ポストプレー自体は機能しているようには見えなかった。このためか35分頃に小島は養父と交代。養父がFWかとおもったがボランチへ。菅原を1トップとした4-4-1フォーメーションで中盤をしっかり作って攻めていくやり方に落ち着いた。


数的優位に立った中大。スペースが出来た中盤および最終ラインから辻尾・8番の両サイドにフィード、そこからサイドアタック、という前節に出来なかった形が見え始める。特に右サイドでは、大滝も流れてきて分厚い攻撃を仕掛けていた。フィードを出しているのは中盤の底に入った田村と左SBの梅野。梅野の自陣深い位置から送り出す対角線サイドチェンジが有効だった。SBを入れ替えた理由は守りの強化ではなくてそのフィード力を買ったから、ということなのかもしれない。このようにサイド攻撃が機能しはじめた中大が試合の主導権を握るが、引いて守る国士舘をなかなか崩せず、前半はスコアが動かなかった。


試合が動いたのは後半。
後半開始直後の47分、国士舘の右CK。柏のボールを杉森が頭で合わせ、10人の国士舘が先制した。この場面、杉森をマークしていた中大の選手があっさり体を入れ替えられてしまっており、前節に引き続きゴール前での弱さ、集中力の無さが出てしまった。


しかし、その直後の48分、中大・辻尾がスピードを生かして左サイドを駆け上がる。裏をとられた形の国士舘DF陣が必死で帰陣するが人を捕まえきれず、辻尾のクロスをファーで河内(後半頭から出場)が合わせて中大があっさり同点に追いついた。動揺する国士舘。押せ押せの中大。続く53分、右SB杉山がオーバーラップからクロスを入れる。このとき、国士舘守備陣はボールサイドに引きつけられ、中央が数的不利になっていた。その結果、飛び込んできた辻尾をマークしきれず、ヘディングシュートを決められて中大に勝ち越しを許した。


この後、中大が数的優位を生かしてゲームを落ち着かせるかな、と思ったが甘かった。調子の悪いチームによくあるように、リードを奪って気持ちが守りに入ってしまったのか、安全第一というより消極的なプレーが目立ち始め、しまいには国士舘に完全に主導権を奪われてしまう。68分、国士舘は菅原にかえて長身の金子を入れ、反撃に出る。


これに対して、DFに脆さをかかえる中大は田村を最終ラインに下げ、スイーパーとしてプレーさせるという非常手段に出た。田村を下げることによってDFラインの補強はできるが、中盤の守りが手薄になる危険性があり、これは非常に損得勘定の難しい判断だった。
案の定、明らかに守備力の落ちた中大の中盤を国士舘がいいように使う。養父、柏、柴崎あたり繰り広げるコンビネーションに金子の体を張ったポストプレーが加わり、猛攻。
80分頃には柏の右CKから金子がヘディングシュートを放ち、ゴールライン上でDFがクリアするというあわやの場面。右SBに攻撃力のある天野をいれて攻め続ける国士舘に対し、中大は青色吐息ながら必死の守り。
ロスタイムには柏がエリア内ゴール正面でシュートを放つがDFにあたり、こぼれ球の攻防で国士9番と中大田村が交錯。田村が頭から流血するというアクシデント。しかし応急処置を施した田村がピッチに戻り、残り時間をしのぎきった中大が勝利した。


逆転で勝ち点3を手にした中大。数的優位に恵まれたとはいえ、サイド攻撃が機能しはじめたことは大きいのでは。左SBに入った梅野が再三いいフィードを出していたのが印象に残った。最終ラインに局面を変えられる選手がいると中盤がだいぶ楽になるので、サイド攻撃を機能させるための方向性が見えてきたのではないだろうか(つまり某青赤チームはやっぱり金沢が・・・)。ただし守備、特に最終ラインの不安定さは相変わらず。CBがときどきエアポケットにはまっているように見え、危なっかしくて仕方がない。田村を最終ラインに下げるという非常手段でしのいだが、いつも使える手じゃない。当分の間、好不調の波がありそうだ。


国士舘のほうは、開始早々のGK退場というアクシデントにかかわらずよくやったといえるのでは。養父頼みの攻撃を改善するために養父をスタメンからはずすという荒療治に出て(ほんとかw)どうなることかと思ったが、一人少なくなり試合の中で試行錯誤しながらもそれなりに機能する攻撃のかたちが出てきたように見えた。中大が守りに入ったせいもあるが、後半に見せた養父や柴崎と柏がいい形で絡んだ攻撃は可能性を感じさせた。あとは試合運びですか。先制点の直後に隙を見せちゃったことが悔やまれる。