第86回天皇杯 5回戦 清水エスパルス 3 - 2 FC東京(観戦110試合目)

日時:2006年12月9日(土)13:00キックオフ
会場:岡山県陸上競技場 桃太郎スタジアム
観衆:3955人
主審:穴沢、副審:青木、小椋、第4審:池田
得点:高木純(清水、5分)、増嶋(東京、8分)、梶山(東京、38分)、藤本(清水、89分)、チョ(清水、111分)
警告:今野(東京、43分)
退場:なし

雨模様の12月の朝。寒い。早朝の羽田空港は、全国各所に飛び立つ物好きなJサポがちらほら見える。岡山行きの飛行機には、当然ながら青赤とオレンジ。オレンジさんは関東在住なのかな。それに加えて、なぜか川崎。「なぜピーカブーがいるのだ?」と一瞬目が点になったが、彼らは丸亀で試合なので、岡山経由でも所用時間は大して変わらないのかもしれない。


飛行機の中で、各スポーツ紙を熟読?。茂庭結婚・・・・はおいといて(先越されたw)、「浦和、阿部獲り」とか(あいかわらずいけ好かないことするなあ。酒井がいるじゃない)、「鞠、今野獲り」なんつー記事も。やめとけ、今ちゃん。あそこへ行ったってダジャレしか覚えられないぞ。それはともかく、東京の補強ポイントの一つとして、ボランチが上げられるんですね。頭数は足りてるんだけど、オリンピック予選で伊野波と梶山が日の丸先生に拉致される。控えが宮沢、浅利だけじゃきついんでもう一人必要なんだよね(池上はまだ未知数だし)。そんなこと考えてたら、「東京、阿部にオファー」なんて記事も。青赤の阿部勇樹?なんか想像できない。赤いユニも似合うとは思えないし。やっぱり黄色が一番なのでは?


午前中は岡山城や後楽園近辺で時間つぶし。観光しているのは青赤ばっかしw。12時前に岡山駅で駅弁を買い、桃太郎まで歩く。今日はメイン・SAで観戦。


清水エスパルスのスターティングラインナップおよびサブスティテューション。

GK:21西部
DF:25市川、24平岡、4高木和、3山西
MF:14高木純、16枝村、7伊東、10藤本
FW:9矢島、18チョ
SUB:29山本海、11森岡、19和田、13兵働、28山本真、8平松、23岡崎
選手交代:矢島→平松(HT)、枝村→岡崎(50分、負傷交代)、山西→兵働(71分)
4-4-2フォーメーション。攻撃的MFの位置は、藤本が右で高木純が左。厄介な病気で離脱していた兵働がベンチに復帰。


FC東京のスターティングラインナップおよびサブスティテューション。

GK:22塩田
DF:25徳永、5増嶋、19伊野波、8藤山
MF:6今野、23梶山、18石川、13戸田、27栗澤
FW:9ルーカス
SUB:1土肥、7浅利、16宮沢、20川口、14馬場、11阿部、24赤嶺
選手交代:石川→川口(76分)、戸田→阿部(96分)、栗澤→馬場(延長後半開始時)
いつもの4-5-1。ジャーンの帰国に伴い、CBに増嶋。出場停止が明けたのにいつの間にか左膝を痛めていた馬場に代わって、リーグ最終戦に続き栗澤が先発。三浦は帯同していたがベンチ入りせず。怪我人・出場停止・中東送りなどでメンバーが足りず、ほとんど総動員状態。ユース組も明日のサハラがあるしねえ。


ゴル裏が「も〜もたろさん」歌って景気づけ(ヅラまで用意してたw)。小雨が降る中、試合開始。
最初の10分は落ち着かない展開。お互いにコンパクトな陣形でにプレスをかけあっているが、雨で濡れたピッチが滑り、感覚を掴みきれない選手たちにミスが目立つ。気合は空回り気味。そんな状況の中で、お互いに一発ずつ殴りあう。


まず5分、藤本が右サイドからほぼ真横にドリブルして中に入り、東京守備陣の注意を引きつけてから徳永とCBの間にパス。ダイアゴナルな動きで突っ込んできた高木純がフリーでパスを受けエリア内に侵入、シュートを放つ。これが塩田の手の先をかすめるような軌道で左ポストに当たりゴールイン。徳永がボールウォッチャーになっていて高木純のマークをはずしてしまっていた。


東京も反撃。8分、戸田が左サイドを突進し、CKゲット。 栗澤の左CKに増嶋が飛び込んでヘディングシュートが決まる。清水DFもなぜか増嶋に対するマークが甘くなっていた。


この後は東京ペース。前からの守備で清水のパスコースを限定し、ここぞのタイミングでボールを奪い、奪った勢いのまま攻撃をかけ続けた。これぞ東京流攻撃サッカー(実はショートカウンターなんだけど)というプレーが、今シーズン1,2を争うような内容で実現していた。果敢なタックルで球際を制しただけでなく、狙いすましたインターセプトで鮮やかにボールを奪う場面も多かった。
清水が攻めて来るわりに単調で、ボールの奪い所が絞りやすかったせいもある。2トップのチョジェジンと矢島が前線に張り付いたまま。チョを増島が、矢島を伊野波がしっかりとマークし、制圧とまでは行かなかったが自由なポストワークを許さなかった。ここで清水のリズムが狂う。清水がパスをつないで崩そうとしても、東京守備陣の戻りが速くスペースを消してしまうため、いったんボールを下げざるを得ない。もう一度つくりなうそうと前線に入れるクサビを狙って東京がインターセプト、そのまま速攻に移行、という感じ。


とにかく、試合の主導権を握った東京が圧倒的に攻める展開が続く。ところが、いつものように(苦笑)決まんないんだな、これが。
12分には、石川→徳永と渡ってクロス、中央で待ちかまえた戸田がシュートするがお約束どおりGK正面。跳ね返りに詰めたルーカスのシュートもGKがセーブ。15分には梶山がミドルで狙うがGKが押さえる。18分、栗澤が、自身が倒されて得たFKを蹴って、今野が頭で合わせるがGK正面。


清水の反撃は散発的。20分には梶山のミスからボールを奪われカウンターになるが、チョジェジンのシュートはDFがブロック。梶山は積極的な攻め上がりを見せたが、濡れたピッチで足元がおぼつかず、珍しくミスが目立つ。27分にはゴール前混戦のこぼれ球を淳吾タンがシュートするが塩田がキャッチ。


28分、戸田がロングボールに抜け出してシュートを放つがこれもGK正面。左CKになり、栗澤のキックから増嶋がヘッドするがゴールをそれる。34分には、左サイドのパスカットから栗澤がじわりと持ち込み、右サイドへ出して石川がミドル、しかしGK正面。
圧倒的にゲームを支配しながら、チャンスを決めきれなかった東京だが、38分にようやく勝ち越し。ルーカスが倒され、右サイド25m地点でFKを得ると、栗澤が直接狙う。FKは惜しくもバーを叩いたが、跳ね返りを拾った梶山がちょいと中へ持ち込んでからゴール右に叩き込んだ。


その後は、ボールポゼッションが清水に移ったが、東京はしっかり守ってハーフタイムに持ち込んだ。


ハーフタイムにコーヒーを買ってスタンドに戻ったらなんとあきこさんを発見(というか見つかったというか)。なんとお姉様、いても立ってもいられずに来たらしい。帰りは寝台列車だとか。この人も特攻系だね。


後半。やはり清水は修正してきた。矢島を下げて、平松投入。前線に突っ立ってるだけだった矢島と違い、平松が前線で動き回り東京の守備をかく乱。チョジェジンもサイドに流れてボールを引き出すプレーが目立ち始める。そして空いた中央のスペースに2列目とボランチが飛び出してくる。これで形勢は逆転。清水はボールの動きも人の動きも活発になり、東京はその動きに追随できず、後手を踏む場面が増え始める。後列からの飛び出し役を担う枝村が後半開始4分で左足(膝?)を押さえて倒れ、そのまま担架で退場(ロッカールーム直行だったのでかなり心配)。平松がボランチに下がり、FWに岡崎が投入された。岡崎は伊野波にピッタリと付かれて消された形になったが、ボランチに下がった平松の動きが良く、これに藤本や高木純がからみ、さらにSBがオーバーラップし、チャンスをつくる。
対する東京はカウンター攻撃が主体。栗澤のパスから右サイドの裏を突き、ロングボールに戸田が走る。


54分には繋ぎから山西がオーバーラップしシュート(GKキャッチ)。58分、(清水から見て)エリア右角すぐ外で得たFKを藤本が直接狙うが塩田が横っ飛びで弾き出し、こぼれ球からのシュートにも反応するスーパーセーブを見せる(すげえ)。
61分、東京のカウンター。今野が左サイドの戸田へフィードを送ると、戸田が持ち込んでクロス、これに栗澤が藤田俊哉ばりの飛び出しで飛び込むがタイミングがずれてミートしきれず、GKに弾かれる。こぼれ球に石川が詰めるが届かない。続く64分、ロングボールに抜け出したルーカスが飛び出したGKをかわして無人のゴールに叩き込むが、なぜかオフサイドを取られノーゴール。清水の選手はアピールさえしていなかったのに。さらに69分、戸田がオフサイドギリギリ(つーかオフサイドじゃん、あれ)で飛び出してクロス、これに栗澤が飛び込むがわずかにタイミングが間に合わず、触っただけ。


71分に清水は山西を下げ、兵働を投入。兵働が攻撃的MFに入り、高木純が左SBに下がる。
東京も76分、石川から川口にチェンジ。個人的には代えるなら戸田だろうとおもったが、とにかくフレッシュな快足選手を入れてカウンター狙い。


ここから10分ほどの間、全体に押し上げて反撃を試みる清水に対し、東京は栗澤を起点としたカウンターを試みる。78分、川口が走り、中央へクロス。ルーカスがスルーしてボールはファーに飛び込んだ戸田の足元へ入るが、足元へ入りすぎて戸田がのんびりトラップorzしてから打ったシュートはGKに弾かれる(外れてもいいからダイレクトで打てよ〜)。81分、栗澤の裏へのパスに川口が抜け出し、清水DFに対し体一つ抜け出して中へ切り込みながらエリアに侵入、GK西部との一対一に持ち込んでシュートを打つがサイドネット(ぐあああああああああ!)。


いくつも決定機がありながら決めきれなかった東京。清水の攻勢を粘り強く跳ね返していたが、80分すぎからは全体がずるずると引いてしまい、セカンドボールは拾えないし、ルーカスか栗澤へ向けてクリアしてもサポートがなくボールを保持しきれない。結果として清水の波状攻撃を息も絶え絶えになりながらなんとかしのぐという展開。
84分にはチョジェジンのポストから兵働がクロス、東京のマーキングは完全にずれていたがクロスが高くファーに抜ける。86分にはマークが甘くなった瞬間にゴール正面でチョジェジンが反転シュート、バー直撃。そして89分、ロスタイム入り直前だったと思う、(清水からみて)エリア右すぐ外でFK献上。兵働のFKを塩田がいったんクリアするがボールは藤本の正面へ。藤本がダイレクトで打ったシュートはジャストミートせずショートバウンドするがこれが幸い、ゴール前の密集を飛び越えたボールがゴールイン。同点に追いつかれた。


延長戦は、同じように清水が攻めて、東京はそれをなんとかしのぎつつ散発的な攻撃を繰り出すという展開に終始した。延長前半途中から戸田を諦めて阿部、延長後半から栗澤に代えて馬場を投入したが、活躍の機会はなかった。清水が無理責めをやめてバランス良く守っていたためつけいる隙がなく、東京はもう運動量が落ちていて、それをこじ開けるのに十分な厚みのある攻めを繰り出せなかった。そして延長後半5分、藤本のFKを今野がクリアするが短く、チョジェジンの前にボールが落ちる。そしてシュート。清水勝ち越し。同点に追いつく力は残っていなかった。


そして敗戦。いくつもあった決定機をものにできなかったのが全てだった。不運もあった。メイン側の線審は、いったいオフサイドルールを分かっているのか疑問を持つほどに怪しい判定を繰り返した。ただ、ルーカスのゴールは取り消されたが、オフサイドを取られずに得た決定機もあった。しかし戸田は決定機をものに出来ず、川口は相手にとって怖い存在になりきれず、阿部にチャンスボールを送り込む選手はいなかった。同点に追いつかれてから反撃するのは、今のメンバーでは、このチームの力では無理だった。パワフルな突進と左足の一発で状況を変えてしまう規郎、なんだかんだといわれつつパワープレーではやっぱり役に立つ平山はこの場にいなかった。伊野波・増嶋のセンターバックは、特に増嶋は最後までチョジェジンに自由を与えなかった。だけど持ちこたえられなかった。失点シーンそのものは不運としかいいようのないものではあったけど、それ以前に清水にチャンスを与えすぎた。


このチームは、ここが限界だったんだよね。ここから先に進むには、幸運の助けが必要だった。それは、決定機を決められないうちに、雨に流され清水に移った。そう思ってる。


悔しいね。
文丈が淡々と(泣いていたそうだが)ピッチを去り、移籍報道が出た今野は悔しそうにうつむきながら足早にフィールドを後にし、雨の中、増嶋は泣きながらロッカールームに消えた。泣くなよ、せめて唇をかみしめながら帰れよ。もうお前は吉本に追われる立場なんだぜ。


雨の中、いろんな、とりとめのないことを考えながら岡山駅まで歩く。冷えて右足が痛い。膝に加えてカカトまで痛くなってくる。ほうほうの呈で岡山駅までたどり着き、駅地下のモールで一時間ほど時間を潰してから空港行きのバスに乗る。駅前のNHKでは入れ替え戦祭りになっていたようだが気付かなかった。


岡山空港に着き、飛行機乗るのも今年は最後だから散財しようと思って土産物屋にいったら、どこかで見たようなガタイのいい人たちが数名いる。誰だろう、と10秒ほど考えて気がついた。
あれは土肥藤山じゃねえか!
それで、俺の横をすたすた歩いていくのは浅利じゃねえか!
ちょっとドキドキしてw、落ち着こうとトイレに行ったら、中からルーカスが出てくるじゃねえか!
あれか、俺はほんのちょっとのタイミングを逃して、ルーカスと連れ○ョンしそこなったのか!!!!
男同士が連帯感を高める、これ以上ないチャンスを俺は逃したのか!
なんたる決定力不足だ!!!


結局、選手に劣らずサポも決定力不足だってことでオチが付き、ネタチームのシーズンは終わったのだった・・・・