2007年JFL第5節 TDK SC 1 - 0 流通経済大学(観戦7試合目)

日時:2007年4月8日(日)13:00キックオフ
会場:仁賀保総合運動公園多目的広場
観衆:1256人
主審:吉田、副審:中野、斎藤、第4審:須田
得点:松田(TDK、50分)
警告:楠瀬(流経、35分)、千明(流経、89分)
退場:なし

ようやくネット接続ができるようになりました。
早速、観戦再開です。


普通、新潟に行ってサッカーと言ったらアルビなんだろうな。
なのに、なんで新潟在住になって最初に見る試合が@仁賀保なのだろう。
物好きにもほどがある。


自分自身にあきれつつ、新潟駅発の特急「いなほ」に乗って秋田を目指す。
天気は晴れ。すこし肌寒いけど、心地の良い日本海、初春の秋田。


TDKのスターティングラインナップおよびサブスティテューション。

     8富永 14松田	
  11成田     25松ヶ枝
     9富樫   6高林
 26池田 19岩瀬 4小川 2高橋
       17小野

GK:17小野
DF:2高橋、4小沢(c)、19岩瀬、26池田
MF:6高林、9富樫、25松ヶ枝、11成田
FW:8富永、14松田
SUB:1鈴木和、16阿部琢、18高安、10藤原、20横山、5加賀、13木村
選手交代:8富永→13木村(84分)、9富樫→20横山(84分)
フォーメーションは普通の4-4-2。ダブルボランチは、富樫が攻撃的、高林が守備的。
よーく見ると、富永とか、松田とか、どこかで見た選手がいますなあ。ベンチには横浜FCサイドアタッカーだった横山、そして駒大の阿部琢がいるじゃないですか。


流通経済大学のスターティングラインナップおよびサブスティテューション。

     25佐藤 9池田	
  7楠瀬       29細貝
    13千明   19儀間
 33保崎 32及川 3染谷 27石川
       21飯塚

GK:21飯塚
DF:27石川、3染谷、32及川、33保崎
MF:13千明、19儀間(c)、29細貝、7楠瀬
FW:9池田、25佐藤
SUB:31清水、34鈴鹿、24瀧原、35宇佐見、12田村、14金久保、26徐
選手交代:7楠瀬→12田村(53分)、29細貝→14金久保(59分)、25佐藤→26徐(71分)
関東リーグが始まったので、トップの試合ではベンチを温めているメンバーが主力となってJFLを戦う流経。何度も見た選手もいれば、初めての選手もいるなあ。
ボランチは千明さま(千秋違いだよw)が守備的、儀間が前目。


会場は千客万来。メインスタンドがぎっしり埋まり、観客数は約1200人。仁賀保ってこんなに人がいたのか(失礼)、じゃなくていいことじゃないですか。


立ち上がりはTDKのペース。
1分、TDKのCK。クリアボールを成田が拾ってクロス、セットプレーで上がっていたCB小川が頭で合わせてシュート、しかしGK正面。続く5分には細かく繋いでエリアまでボールを持ち込み、最後は富樫のポストプレーから松ヶ枝がフリーでシュート、決定的だったが流経GK飯塚が好セーブで弾き出す。
流経は試合の入り方が悪く、試合開始から飛ばしてくるTDKの勢いに押されてラインがズルズルと下がり、陣形が間延び。スカスカの中盤を使われてTDKに組み立てを許してしまった。流経の混乱をついて、TDKのFW富永や松田が余裕をもってボールを収め、2列目が素早いサポートを行ってリズム良くボールを回し、ゴール前に飛び込む選手にパスがでる。


この時間帯、流経はまったく中盤が作れず、長いボールを入れてFWを走らせるか、サイドで強引にドリブル勝負を掛けるか、そのどちらかしかない。それでも9分にオーバーラップした石川がアタッキングサードまで持ち込み、外を回った細貝がパスを受け強引にミドルシュート、10分には佐藤がエリア内を個人技で抜いていこうとするがシュートがジャストミートせず、と反撃を掛ける。
流経が落ち着いたのは10分すぎ。大平JFL監督が何度も「コンパクトに!」と指示を飛ばし、陣形の間延びが修正された。


この後は両チームとも高い位置でプレスの掛け合い。ひとつのミスで攻守が入れ替わり、ハーフカウンターを応酬しあう展開。
16分、中盤の奪い合いを制したTDKが速攻、松ヶ枝がドリブルでエリア内に持ち込み、外側を上がってきた成田にパス、成田がエリア内深くからゴール前を横断するようなクロスを入れるが飯塚が押さえる。
17分、流経も池田がボールを奪って右サイドへ展開、細貝がクロスを入れるが合わず。
20分、流経・儀間が中央で勝負をかけ、ディフェンスを一枚かわして右へ展開、オーバーラップした石川のクロスからゴールエリア内で混戦になるがシュートを打てずCK(CKはクリア)。
21分、TDKは右ロングスローから富永がヘディングシュート(おまえらは駒大か?)、しかしGK飯塚ががっちりキャッチ。
23分、千明さま(はあと←千秋違い)のクサビを受けた池田がターンしようとするがトラップミス、しかしミスが期せずしてポストプレーとなり、儀間がシュートを打つがやや弱くGKがキャッチ。
26分には、ロングボールに反応したFW佐藤がDFを背負いながらもうまく体を入れ替え、一瞬フリーになってシュートを放つが別のDFが足を出してブロックする。


緊迫したせめぎ合いの中、一人浮いていたのは流経のCB・及川。局面で、というか自分の前に相手とボールが来たときは頑張るのだが、ポジショニングが不安定、というより浮遊状態。染谷(ハイボール迎撃係=富永のお守り)が競ったボールに対するカバーが遅れ気味、ゴール前に入ってくる相手へのマークもルーズ、DFラインの押し上げについて行けず一人遅れ気味、といった状態で、大平監督には再三の指導を受け、中野さんには怒鳴られ、DFリーダーだった染谷にも絞められる始末。まあ、彼にとっては受難の日でしたな。失点に直結しなかったのは不幸中の幸いだった。


時間が経つにつれ、ポゼッションでは次第に流経が優位に立つ。TDKはFWにボールが収まらなくなり、2列目のサポートも遅れ気味で(というより、まずFWがキープするのが前提になってるのでしょうね)、立ち上がりの時間帯に見せた組織的アタックが見られなくなる。
ただし、TDKは守りでは集中力を保っていた。34分、流経FW佐藤の右クロスに池田が飛び込むが、そのシュートはDFがブロック。37分、千明のサイドチェンジから細貝が右サイドを突破、クロスに佐藤が合わせるがシュートはまたもDFがカット。44分には右CKからクリアを拾って波状攻撃、最後は千明が左足でカーブをかけてゴール隅を狙うが、シュートは惜しくも枠の外。
こんな感じで流経がチャンスを決めきれないうちに前半が終わった。


先制点はTDK。後半立ち上がり、50分の出来事だった。
流経の中途半端な繋ぎをカットしたTDKが速攻をかける。左SB池田のアーリークロスに対し、一気に3枚がゴール中央に飛び込む。この動きに気を取られた流経DF陣(松田のマーカーはたぶん左SBの保崎)は、ファー側へプルアウェイする松田のマークをはずしてしまう。一瞬フリーになった松田が胸トラップで落としてシュート、これがゴールに突き刺さりTDKが先制した。


先制された流経は、前日も出場していたらしい楠瀬を下げ、田村を投入(53分)。
流れは引き続きTDKで、57分には流経陣内のスローインから富永がクロス、松田が再び保崎に競り勝ってヘディングシュートを放つが飯塚が好セーブ。58分、流経DFラインとGKの間に絶妙のフィード、GK飯塚が前に出られず、裏を取った松田が一対一のシュートチャンスを迎えるがトラップをミスして打てず。


流れを変えたい流経は59分に細貝→金久保。交代のあと数分間は金久保を中心にいい感じでパスが回り、ポゼッションで優位に立つが隙を見せないTDKのDF陣に阻まれてシュートまで持ち込めない。


この後は、次第にリスクを承知で前がかりになる流経、逆手をとってカウンターを狙うTDK、という展開。流経は焦りがあるのか繋ぎのミスからカウンターを食らう場面が多発。しかし絶体絶命の決定機にGK飯塚がファインセーブを連発。逆に決めきれないTDKがミスからピンチを招くシーンが出てきて、試合がドタバタしてくる。


63分、TDKが流経のパスをカットし、高い位置から速攻。松田のポストから富樫が抜け出してシュートするがフカす。
65分、サイドチェンジからTDKの右SB高橋がオーバーラップ、ニアへの早いクロスに松田が飛び込むがシュートはジャストミートせず。
67分、クサビを受けた流経FW佐藤がターンしてドリブルで突っ掛けたあと、後列から上がってきた田村にパス。田村のミドルが枠を捉えるがGK小野が横っ飛びセーブ。
69分、染谷のクリアが富永に当たってしまい(でっかいからなあw)、自陣エリア手前で速攻を食らう。松田がドフリーかつ至近距離でシュートを放つが飯塚が超人的な反応でブロック。こぼれ球も染谷が必死のカバーリングで打たせず。


71分、流経はFW佐藤に代えて徐を投入、パワープレーを始める。さらにドタバタ劇の様相が濃くなる。
72分、保崎のミドルはバーの上。75分、儀間のドリブルシュートはGK正面。


76分、TDKは富永がキープして池田のオーバーラップを引き出す。エリアまで侵入した池田が思い切ってシュートを放つが、飯塚がパンチングで弾き出す。77分、松田がDFを引きずりながらシュートを打つが誰かがブロック。跳ね返りを左MF成田が狙うが押し込めず。左CKからまたも成田が打つが外れ。


79分、右サイド30mのFKに徐が飛び込むが打ち切れず。
82分には流経がこの試合最大のチャンスを迎える。金久保がDFにまとわりつかれながらもエリア左を個人技で突破して、ゴールラインぎりぎりの位置から折り返し。ファーに飛び込んだ徐がマークに付かれながらも頭一つ抜け出してヘディングシュート。GK小野は金久保への対応で引きずり出されていて、シュートは無人のゴールに入るかに見えた。しかし、GK小野が電光石火の動きでゴールマウスに舞い戻り、がっちりキャッチ。頭を抱える徐。


直後の83分、TDKが松田、富樫と立て続けにシュートを放つがいずれも流経GK飯塚が阻止。39分にはTDKの放り込みからゴール前の混戦。その中で流経DFがハンドを犯したかに見えたが、主審は反則をとらなかった。
86分、流経は徐の落としに田村が飛び込むがトラップミスでシュート打てず。


試合終盤はTDKがしっかり時間稼ぎをして、(ささやかだが)満員の観衆の前でホーム初勝利を飾った。


どうしても最後が詰められなかった流経に対し、危なっかしくも押さえるべきところをしっかり押さえたTDK、という構図の一戦だった。社会人の経験、ここにあり、ということか。


流経は、連携不足や試合の入り方のまずさが直接の敗因なのだろう。前半・後半ともに立ち上がりで集中しきれずピンチを招く。そして肝心なところでミスをして(トップチームならパスが繋がっただろう、崩しただろう、と思える場面が何度もあった)チャンスを逃す。認めてちょうだいね、若さ故の過ちを。個々のテクニックでは優位にたっていたのだから、生かし方を考えましょう。
印象に残った選手は千明。小柄なんだけど、球際に強いし、展開力はあるしで、いいボランチ。それと、GK飯塚は神だった。彼が当たっていなければ、3点ぐらいは取られていただろう。染谷はミスもあったが、よく富永を押さえたというべきか。池田はいい形でボールを持てなかった。相方のFW佐藤はポストプレーで奮闘していたが、レフェリーとの相性が悪くて微妙なファウルを取られる場面が多かった。


TDKのほうは、さすがに経験を積んでいるというべきか、決めるべきところを決めて(いや、決めきれない場面もあったけどw)、守るべきところを守った、ということに尽きる。とくに守備の集中力が最後まで保たれたのか勝因でしょうね(いや、危なっかしい場面もあったのだがw)。
こちらで印象に残ったのはキャプテンにしてDFリーダーの小川。彼の統率するDFラインは最後まで崩れなかった。それに、やはりゴールを決めた松田。ひねくれた東京サポにして温い流経ファンであるおいらの目の前でゴールを決めるとは。せいぜい、秋田ライフを楽しんでくれたまえ(なんもないけどな←十数年前住んでいたのでね)。あと、電柱はやはり電柱だった富永(役には立っていたけど)。
課題としては、やはり立ち上がりにみせたような組織的なアタックを繰り出せる時間帯を増やすことでしょうか。


スタンドの雰囲気は良かったです。皆さん、試合に集中して見ているし、明らかにサッカーを知ってるという反応を示す人が多かった(とくにオジサン、というかジーサンたち)。仁賀保を始めとする県南の海沿いは、秋田のサッカーどころなんですね(スズケンもこの辺の出身だし)。中には「初めてなんだけど自由席ってどこに座ってもいいのかい?」なんて言ってるおばあちゃんもいて、それはそれで微笑ましかったです。とにかく、「じっくり」地元チームを応援するっていう雰囲気があって、それをこのまま維持していけば、身の丈サイズの、サッカーを楽しめる環境ができあがるのではないかと思えた。
とにかく、もう一回来てみたい、と思わせる雰囲気がありました。


ただ一つ問題が・・・試合終了は15時、帰りの「いなほ」は17時過ぎ。2時間もどこで時間を潰せっちゅーねん!(なにもないのよー)