仁賀保総合運動公園多目的広場

所在地:秋田県にかほ市平沢字馬飼森30
電話番号:0184-37-3121
アクセス:JR羽越本線仁賀保駅より徒歩10分、秋田空港よりタクシー1時間10分
駐車場:普通車250台、バス6台

よりにもよってアクセスの悪いスタジアムばかり紹介する当ブログのスタジアムガイド。今回はTDK SCのホーム・仁賀保総合運動公園多目的広場。
秋田県のサッカーどころは県南の海沿い(といわれている)。なぜサッカーどころなのかというと、秋田にしては雪が少ないとか、まことしやかな説を聞いたことがあるが本当かどうかはわからない。雪が少ないのは本当で、TDK SCのホーム初戦は3月21日だった。ただし、雪に祟られたそうですが。いちおう「季節外れの雪」ってことにはなってるらしいです。


東北社会人チームの雄、今年開催される秋田国体での優勝を目標に、着々と強化を進めるTDKサッカー部の本拠地はTDKの工場があるにかほ市。俺には金浦とか象潟とか言ってくれたほうがよくわかるんだけど(なにせ秋田にいたのは十数年前だ)。
昨年の地域リーグ決勝大会を制し、本年度からのJFLに参入することになったTDK SCの本拠地が仁賀保総合運動公園多目的広場。通称「仁賀保スタジアム」なんだそうな。
ただし、秋田国体でTDK SC仁賀保でプレーすることはない。成年男子の会場は秋田市仁賀保を始めとする県南の会場は少年と女子の会場として使用される。

スタジアムはJR仁賀保駅から歩いて10分、国道7号線沿いにある。多目的広場」という名が示すとおり、夜間照明6本(だったよな?立派!)付きの芝生広場にメインスタンドを後付けしたもの(国体用?)。そのため、スタンドのアウェイ寄りに元々立っていた照明灯の回りに席をしつらえることが出来ず、切り欠きになっている。メイン中央とメインアウェイ寄りがこの切り欠きによって隔てられていて、アウェイ側はなんとなく「出島」のようにも見えるのであった。

芝生広場の縦はサッカーピッチがぴったり、横は一面半ぐらいの幅があって、試合用ピッチはメインスタンド寄りに設定されている。ピッチ状態は良好。国体の後にどうなるかはわからないが。
なお、バック側の角には用途不明のバックネットがあるのであった。野球でもやるんですんかね。でもマウンドはなかったよな。

スタンド中央部のみが西が丘のメイン中央部と同じ背もたれのない個席シート、残りはベンチシート。ピッチとの距離は西が丘より遠目だが、傾斜と高さがあるので、ピッチを俯瞰して観戦したい人にはむしろ見やすいぐらい。

ホーム側サイドスタンドは土手になっていて、芝生に寝そべっての観戦可能(土手の上には体育館あり)。気持ち良さそう。

一方、アウェイ側はピッチレベルでの観戦となる。バックも土手となっているが、入れるかどうかは確認しなかった(誰もいなかったし)。もっとも、上述のようにバック側からピッチまではかなり距離があり、観戦には不適。



ベンチの横に選手名の掲示板、バック側にささやかな広告看板、その後ろに45分計と得点板。
入場ゲートは国道7号側(アウェイ側)にある。トイレはその脇(キレイ)。ゲートの回りにはチケット売りやらグッズ売り場やら売店やらのテントが立ち並ぶ。売店は近くのホテルが出店を出していて、「名物」というふれ込みのカレー(まだ1回しか出していないそうですがw)や、ステーキ(美味)、おにぎり、焼き鳥、ホテルらしくスウィーツ類もある。お値段は400-500円と標準的。飲み物の自販機もあります。酒類を打ってないのが残念だが、車で来場する人が大半であろうことを考えれば納得。国道7号を隔てた反対側にローソンがある。ローソンにはTDK SCの試合告知ポスターが貼ってあります。国道沿いには店がいっぱいあるので、車で来る人は食料調達に困らない。周辺には役場や福祉センターもあって、仁賀保のいわば中心地らしい(ほんとか?)。


観戦記のほうにも書いたが、会場の雰囲気はいい。この小さな街で、観衆1200人。メインはいっぱい。地域の人が、自分たちの出来る範囲で、暖かく地元チームを見守っている雰囲気があった。殺伐とした環境で闘志をたぎらせるのもいいが、こんな牧歌的な雰囲気に出会うとほっとする。
背後には鳥海山が美しい姿を見せ、ピッチの向こうに見える山の稜線沿いに風力発電の風車が回る。風光明媚な土地にある、こじんまりとした好スタジアムなのだった。


ただし、遠来者にとっての問題はアクセス。車で来る人はまあいいです。国道7号沿いにくれば看板は出てるし、旗もテントも目立つのですぐわかる。ただし7号線って休日は割と渋滞にぶつかったような覚えがあるので、その点だけ注意が必要かも。
飛行機で来る人は空港からタクシーもしくはレンタカーになる。秋田空港は市街地から離れていて、秋田駅までバスで50分近くかかるのでちょっと面倒。


東京の人は始発の上越新幹線に乗れば、新潟駅発8:33の特急「いなほ1号」に乗れます。新潟から仁賀保まで3時間かかるけどね。仁賀保に着くのは11時半。仁賀保駅は駅員がおらず、土地のじいさんに切符販売を委託している駅。窓口の営業時間は夕方5時ぐらいまで。改札口がない(じいさんのいるときは降りる人の切符のみ回収)ので、間違ってもスイカなんぞで乗らないように(車内検札でひっかかるとは思いますが)。駅前は地元の人用の店が何軒があるだけだけど、ちょっと歩けば海に出る。散策して試合開始まで時間を潰すのもよい。駅のすぐ近くには清酒「飛良泉」(おいらの好きな酒だ)の醸造元があるが、休日は閉まっているので買いたい人は地元の酒屋を捜すといいでしょう。
スタジアムに行くには踏切を渡る必要がある。駅を出たら左折して、300mもあるけば踏切に出る。踏切を渡ると、左右どちらに行ってもスタジアムに行き着くが、左側の少し細い道を選んで、市役所の裏手にでるほうが早く着く。基本的に、南へ(線路から離れる方向へ)動けば間違わない。スタジアムまで歩いて10分。看板や幟が出ていたり、人が集まっていたりするのですぐわかる。


問題は帰り。秋田方面に戻る人は仁賀保発15:31の「いなほ5号」が使えるが、新潟方向へ行く人は17:18の「いなほ14号」まで2時間待たなければならない。ここで2時間の時間潰しをするのは至難の業。歩くのが好きな人は1kmほど離れたショッピングセンターまで国道沿いをてくてくするのもいいが、スーパーとホームセンターとドラッグストアだけなのですぐ飽きる。ローソンで立ち読みするのもなんだし。駅の待合室が割と立派で、暖房も入っているしテレビも見られるし自販機もあるので、ここでゆっくり本でも読みながら(あるいはブログの更新でもしつつ)時を過ごすのが一番いいかもしれない。なお、仁賀保から乗る場合、「いなほ」の自由席はガラガラなので、指定席購入の必要性はありません(笑)。
新潟方面へは、実は「いなほ14号」が最終の特急である(東京行き新幹線に接続可)。あとは、どこまで行けるかは不明だが普通列車を乗り継ぐか、さもなければ夜行列車に乗るしかない。


このように、遠来の人にはアクセスの厳しい仁賀保だが、非常に気持ちのいい環境なので、気候のいい時期には一度行ってみる価値ありかと。
ただし、秋が深まると、なにしろ東北なので、かなり辛い体験になるだろう。TDKのホーム最終戦は11月25日。君は生き延びることができるか?