2010年J2第18節 栃木SC 0 - 1 東京ヴェルディ


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真夏のハシゴの二試合目は、バックスタンド工事中のグリスタで行われる栃木SCvs緑さんの一戦。


小山経由で宇都宮駅へ到着、すぐ西口のバス乗り場に行くと、シャトルバスがいない。今年から?、発着場が宇都宮駅東口に変わっていた。東口は再整備されて、きれいになっていた。餃子のオブジェはどこかしらん。

シャトルバスは無料。車両もただの路線バスから観光バスにグレードアップ。といっても、あっちこっちから手すきのバスをかき集めてきたらしく、車種はバラバラ。真新しいサルーンバスもあれば、使い込んだ感じのバスも来る。どれに乗れるかは運しだい。


17時半、グリスタ着。このころには、だいぶ涼しくなっていた。
この日は、地元の警備会社がおごってくれたビッグフラッグのお披露目で、フェアプレーフラッグのベアラーも制服でばっちり決めた警備員だった(自衛隊か警察だと思いました)。


栃木はマリノスからレンタルした水沼をいきなり先発起用。前線は長身の林とリカルド・ロボ
佐藤悠、米山、水沼というテクニックに優れる中盤で攻撃を組み立てようとしていた。


一方、ベルデーはカウンター狙い。自陣中ほどに最終ラインを設定し守備ブロックを形成。前から追わずに、相手がブロックの中に入ってきたらプレスをかけにいく。ボールを奪ったらFWへのロングボールもしくはサイドを経由した速攻をかける。


このやり方がはまり、ベルデーがチャンスを作る。栃木は両MF裏のスペースを付かれていた。また、DFラインのカウンター対応が拙い。センターバック二人がボールウォッチャーになる場面が多く、危険な場面が連続する。
xx分には飯尾のスルーパスで2列目から飛び出した菊岡にあっさり真ん中を割られ、武田との一対一を作られる(武田がファインセーブ)。
xx分には河野がロングボール一発で抜け出し、武田が前に飛び出してシュートブロック、こぼれ球に詰めた飯尾が無人のゴールを狙うが、シュートはわずかに右にそれた。


栃木はつなごうとする意識があだになっていた。序盤こそリカルド・ロボが前を向いて勝負できていたが、次第にFWにボールが入らなくなる。ベルデーが追ってこないため、ボランチの位置ではボールを持てるが、その先が固められていてパスコースがない。
前線のボールを引き出す動きも乏しく、攻撃が停滞してしまった。
水沼が精力的なフリーランニングを見せて状況を打開しようとしていたが、セットプレーのこぼれ球を強引に打ちに行こうとしたときにDFと交錯し足を痛めた模様で、しだいに試合に絡めなくなってしまった。


ハーフタイムに水沼が下がり、代わりに高木が入る。


栃木は後半頭から飛ばして点を取りにきた。両SBが積極的にオーバーラップをかけ、中盤もよく動いてセカンドボールを拾いまくり、完全にベルデーを押し込む。


しかし、ベルデーは土谷・富澤の両CBを中心に踏ん張る。柴崎らのMF陣も守備に奮闘するが、闘志出しすぎの人もいた。

菊岡がすでに一枚もらっているにも係わらず後方から勢いよくタックルをかけたり、富澤が判定に対してエキサイトしたりと、神経質なレフェリーだったら退場者が出てもおかしくない状況だったが、主審の藤田さんは落ち着いてゲームをコントロールしていた。ワールドカップ決勝のハワード・ウェブに学んだのかな?。
もっとも、栃木のサポーターは不満だったかもしれない。


ゲームが動いたのは71分。飯尾のミドルがバーにはじかれたところに平本が詰めてシュート、武田がいったんはブロックするが、こぼれたボールに平本自身が詰め、ベルデーが先制した。


xx分、栃木はカウンターからチャンス。中盤でボールを奪ってすばやく左サイドへ展開する。ベルデーがなぜか押し上げてきていて、かつラインがでこぼこで左サイドに大きなスペースがあった。そこを林がドリブルで持ち上がって、ゴールライン際までえぐって折り返す。ニアサイド、土肥の眼前に飛び込んだリカルド・ロボが点で合わせる強引なシュートを放つが、シュートはクロスバーに弾かれる。


この後、栃木は船山を投入する。船山は積極的にドリブルで仕掛け、期待感を抱かせたが、結局ベルデーが守りきった。
栃木はポゼッションで上回っていたが、パスで崩す、というところはまだまだ、といったところ。期待の水沼も負傷するまでは活発に動いていたが、チームにフィットしていたかというと、そういうところはまだまだに見えた。得点源であるリカルド・ロボが前線に張り付きっぱなしで、終始がっちりマークされてしまったのも痛かった。


栃木サポは試合内容にだいぶ不満だったようで、帰りのバスはかなりネガティブな雰囲気だった。しかし、去年見たとき(第x節)よりはよほどマシ。あのときは、守備組織、というかポジショニング・カバーリングは良かったのに、肝心のボールを止める・蹴るでミスを連発して自滅した(松田さんが試合後のコメントでさじを投げていた)。それに比べたら、ボランチを中心にボールを回すサッカーをしようとしているなんて、長足の進歩だと思うぞ。


この日も大宮泊。帰りの宇都宮線では緑色した人たちと呉越同舟だった。