2010年J1第28節 清水エスパルス 1 - 2 FC東京


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週の始めごろから心配されていた台風の接近が、週末に至って現実となった。
予報によれば、東海から関東の南岸をなめるようなコースをとるらしい。
前日夜の台風情報では、ゲーム終了直後にもっとも風雨が強くなる。
清水13:00のキックオフに間に合わせるためには、遅くとも新潟7:44発の新幹線に乗らねばならない。中止情報が出るにしても家を出る時刻には間に合わないだろうと思い、見切り発車することにした。東海道線が遅れる可能性も考えて、始発のMaxとき300号で出発、東京から東海道線普通に乗り、熱海経由で清水着。移動途中に予定通り開催という情報がTL上で流れた。


行きは全く支障がなかったが、さすがに清水では風雨が強い。バスでスタジアムに着くとザンザン降り。自由席一階でまったりしている同志たちを尻目に二階に上がると、そこは冷たい風が吹きすさび、横殴りの雨が容赦なく体を叩く修羅場だった。


すげー、台風おもしれー!(子供w)


ちなみに、こんな中でも「のだめちゃん」はいつもの格好のまま。さすが、筋金入りは違う。


この寒いのにビールを流し込み、わくわくしながらスタメン発表を待つ。
そう、米本拓司復活の日である。良かったな、ヨネ、お天気も大興奮してるぞ(違)。


東京は、スタメンに梶山・米本のダブルボランチが復活。それ以外のスタメンは前節と同じである。ベンチにはヨンドクと前俊が入っている。徳永、リカルジーニョが出場停止なので、控えメンバーが若干苦しいな。


清水はいつもの4-3-3でスタート。平岡が出場停止で代わりのCBに廣井が入った。怪我の岡崎はベンチスタートである。


暴風雨の中、午後1時キックオフ。こんな天気でもピッチに水が浮いてこないのはさすが日本平。ただし、やはりピッチはスリッピーで選手たちはボールコントロールに苦しんでいた。おまけに風向きが読めない強風。どちらかといえば、清水のほうが気象条件に苦しんでいるように見えた。


東京はサイドアタック中心。梶山・米本を起点に長いサイドチェンジを駆使する。石川の突破が効いていた。平山にもまあまあボールがおさまっていたので、清水の陣形が下がり気味。ヨンセンにボールが入ってもサポートが少ない。おまけに米本が広範囲に動き回ってプレッシャーをかけるので、清水は中盤をつくることができない。ボールコントロールにもミスが多かった。小野を起点にしたカウンターは怖かったが(ワンタッチでいいボール出すよな、ホント)、とにかくシンプルにゴールに迫る東京が押す。


ポンチョは着ていたが横殴りの雨で足元がビチョビチョ(用意のいい人は長靴を履いていた)。冷たい雨が靴下まで浸しきったころ、先制点キタ―。


32分、清水陣内でのボール奪取から得たCK。石川がファーへ蹴ったボールに、プルバックで岩下のマークを外した平山がドンピシャヘッド。これがポスト際に決まった。


この後は、清水が目を覚ます。東京は耐える時間帯が続いたが、権田がビッグセーブを見せて無失点で前半を乗り切った。


ハーフタイム、一階の通路でビールを流しこみつつ、ツイッターを見たら東海道線・熱海-東京間運転見合わせの情報が流れていた。ま、いいや、帰れなかったら熱海に泊まろう、と頭の中で豪遊プランを立てつつ?、再び二階席に戻る。
風雨がやや弱まっていた(静岡県清水周辺への台風最接近は午前10時頃だったらしい)。


ハーフタイムのメンバー交代はなし。


後半、清水は立て直してきた。ラインを押し上げて選手間の距離が近くなると、パスが回りだす。東京は耐える時間帯が続くが、米本の起動ディフェンスと羽生のカバーリングで中盤を持ちこたえ、最終ラインもバランスを保ってしのぐ。


清水は56分、ヨンセン→永井へ交代。前を向いて仕掛けられる選手を投入してきた。


しかし、ゲームを動かしたのは東京。
65分、右サイドからボールを持ち込み、ディフェンスを引き付けてから中央の梶山を経由して左サイドの平山へ。完全にフリーになっていた平山がグラウンダーのクロスを流し込む。岩下が反応するがクリアミス、こぼれ球を大黒が詰めて貴重な追加点を奪った。
岩下は結局2失点に絡んじまったな。


直後の66分、清水は小野をあきらめ(腰を何度も押さえていたな)、負傷が伝えられていた岡崎投入。永井と2トップを組ませ、本田拓のポジションを下げて3バック気味にし、両SBのポジションを上げて中盤を厚くしてきた。


ここからは清水の猛攻。ゴール近いところでのワンタッチプレーが怖い。東京はブロックを下げて、とにかく耐える展開。


77分、清水は、枝村→大前へ交代。直後の78分、太田の上げたクロスがファーに抜け、リトリートしながら対応した北斗が被って大前にボールが渡る。大前はカバーに来た森重をかわしてシュート。これが権田の股間を抜いて清水が一点を返した。
ここまで、北斗は判断良く中に絞って守っていただけに、ここでクリアできなかったのは惜しいな。クロスを上げさせちゃったむっくんもね。


東京は中盤の足が止まってきていたのだが、ベンチの層の薄さゆえか、選手交代は遅れていた。


それでも、82分に羽生→松下、83分に大黒→重松と立て続けに交代。
重松がカウンターからFKをゲット、自ら蹴りに行く。40m近い距離から放たれた無回転シュートをキーパー西部がファンブルゴールマウスでボールが弾んだが、ノーゴールの判定(こらー)。


清水の猛攻が続くが、岡崎の突撃を今野が阻止していたので大丈夫だと自分に言い聞かせた矢先、永井のループがバーに当たってもうワーキャーw。


ロスタイムは5分。そんなにあったっけ?
と思う暇もなく、平山が傷んでヨングン投入。そのままFWの位置に入れられて戸惑うヨングンに萌え・・・ていると、クロスに藤本が飛び込み、決定的な至近距離ボレー。しかし、シュートはバーを越えた。


そして試合終了。



勝った。
声が枯れた。大熊さんも声が枯れたようだ。


前半の大黒の決定的な飛び出しがオフサイド、後半の重松のFKがノーゴール、と不利な判定を乗り越えての勝利は大きい。柏原主審のときに勝ったのって久しぶりのような気がする。


権田のガッツポーズがもうたまらんね。



そして、修羅場を越えても爽やかなナオは、ヨネちゃんの頭をくりくりするのであった。


この試合のMVPは・・・やっぱり米本だな。競り合いでの強さに加え、ディレイのかけ方が実に効果的だった。あれで後は相当助かったはず。
しばらく北斗のところが最終ラインの穴になっていたが、この試合では米本がファーストディフェンス、北斗がスペースを埋める、という役割分担でうまく行っていた。
あれだけ広い範囲にわたってプレッシャーをかけ続けられる力はやはり異次元だ。長期離脱のあと、復帰初戦でフルタイムの大活躍。やっぱり、すごい選手だったんだ。


もっとも、これでめでたしめでたし、とはいかない。神戸が勝っちゃったし(ガンバ使えない・・・)、梶山が警告をもらって次節出場停止。おまけにヨングンもアジア大会に召集されたので、戻ってくるのは最終節になるかも。


ディフェンスラインでは、今野・森重が出場停止リーチ状態(おまけに森重は累積7枚なので今度食らったら2試合出場停止)で、今後も後のほうのやりくりが苦しくなりそう。他にも、平山・松下・重松・鈴木達が警告3枚になっている。残り試合は控えも含めて総力戦ですな。草民も平出さんも奮起せよ。それから前俊は1点取れ。


でも、この日のパフォーマンスが出せれば、どんな相手だって勝てるさ。


帰りには雨・風ともだいぶおさまっていた。
熱海までは東海道線がダイヤ通りに動いていたが、JR東海得意の在来線手抜き運行に引っ掛かり、興津(清水の隣だよ・・・)、三島と2度の乗り換えを強いられて、熱海に着いたのは17:25。


熱海-東京間の東海道線はまだ止まっていたので、ダイヤ通りに動いている新幹線の指定席を買って改札を通ろうとしたらピンポーン・・・東海道新幹線JR東海なので、ウィークエンドパスが使えないという罠orz。
結局、乗車券を買わなくてはならなくなり、都合4000円オーバーの余計な出費を強いられた。
バタバタの後、乗ったのは「こだま666号」。
666・・・JR東海スジ屋にはホラー映画のファンがいるのかも知れないな。


東京には定刻の18:47着。ちょっと時間があったので、ここから乗り鉄実施。
メトロに乗って、稲荷町田原町で下車。


銀座線全駅下車完了。上野でラーメン食って、新潟行きの新幹線に乗り込んだ。


普通車指定席を買って、濡れた足を引きずって(さすがに疲れが出たのよ)指定された席へ向かう。見慣れない席番だなあと思っていたら、なんとグリーン車を指定されていた!!!!


どうやら、車両繰りの都合で、Maxとき341号が通常の12両から8両へ減編成になった。席が減ったので、後から普通車指定席を買った人の一部は空いているグリーン車にご案内、ということになったらしい(ラッキー)。


まあ、こういう緑ならオッケーですよw。JR東日本の粋なはからい?に感謝しつつ、勝利の美酒を満喫しながら王様気分での帰還となったのであった。わははははは。