2011年 J2 プレビュー 栃木SC編


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北関東三兄弟の末弟・栃木SCは、今年で松田体制3年目。1年目の'09シーズンは松田スタイルの浸透以前に、個々の技術が低くてミスのオンパレードみたいな試合をしていたような印象が強い。2年目の昨シーズンは、選手たちの技量も向上し、いわゆる「コレクティブなサッカー」というのが形になった。そしてリカルド・ロボというストライカーを得て、J2中位にステップアップ。そして、J加入3年目の今シーズン、昨季の戦力に上積みを加え、とうとうJ1昇格を口にし始めた。


退団した選手は8名。主なところでは、CBの一角を担っていた余(レンタル終了)
と、米山・佐藤悠介両ベテランがチームを離れている(佐藤悠介は引退)。


補強は、まず余の抜けたCBに水戸から大和田を獲得。さらに柏から若い渡部をレンタル。右SBには浦和から西澤を完全移籍で加えた(昨季途中に草津にレンタルされ、レギュラー格)。ボランチには鹿島から鈴木修人を、サイドハーフに新潟から河原を、それぞれレンタルで獲得。河原は2度目の栃木レンタルになる。そして前線にはロボの相方としてトリポジ。なんというか、見目麗しいお方ですな。さらに、昨シーズン後半から加入したパウリーニョと水沼のレンタル延長にも成功(パウリーニョはレンタルのままですよね?)。

前線から最終ラインまでまんべんなく期待の持てる新戦力を加えた。J1昇格と言いだすのもわかりますな。

1月20日時点での選手数は26名。外国籍選手が4名(チェ クンシクがアジア枠)。日本人のうち、社会人出身が1名(入江が作新学院大卒業後、ジェフリザーブズを経て栃木入り)。大卒が13名(高体連出身が10名、Jユース出身が3名)、高体連出身が6名、Jユース出身が2名(水沼と西澤)という内訳。


予想ラインナップはこうなる。

GK:正GKは柴崎と武田の争いとみる。

DF:センターバックが大久保と大和田(あるいは渡部)。SBは右が西澤、左に入江か。守備ラインのユーティリティー赤井がバックアップ。

MFボランチパウリーニョを軸に、落合もしくは本橋が相方になるかな。レンタルした鈴木修人は展開力のある選手なだけに、レギュラーに割ってはいると脅威。攻撃的MFは河原が軸。新潟ではなかなかトップの試合に出られなかったが、サテキングというか、J2大王というか、カテゴリーを一つ落とすと無双な選手である。もう一人の攻撃的MFは水沼もしくは高木。水沼はユース代表召集の可能性がありますね。

FW:昨季16ゴールと大活躍のリカルド・ロボがファーストチョイス。その相棒に昨年コンビを組んでいた崔根植もしくは新加入のトリポジスーパーサブにスピードのある船山。


J2レベルでは充実のラインナップになりました。松田スタイルが浸透した選手が多く残っているのでチームのベースはできている。レンタル選手を残留させ、さらに上積みを加えた。


ウィークポイントは、米山と佐藤悠介の持っていた経験を失ったことだろうか。昨シーズン、チームが低迷したとき、この二人がボランチでコンビを組んでチームを支えていた。跡継ぎとなるのは、キャプテンの落合、高木、入江といった中堅クラスだろう。彼らが苦しいときにチームを踏ん張ばり、トリポジがそのマスクにふさわしい活躍をみせれば?、昇格戦線に食い込んでくると思う。


個人的には最も怖い相手の一つ。餃子をたくさん喰ってスタミナ付けて試合に臨みましょう(結局、食い物になるのよね)。