アテネ五輪 日本代表 2 - 3 イタリア代表

今日は弱いチームの方。


なにか、最後まで煮え切らないままの敗退だった。

  • なぜ4バックなのか。サイド攻撃を止めるには有効だという理屈は納得できるのだが、いまさらなぜほとんど使ったことの無い布陣をとるのか。どちらかのWBが下がって守る時間帯をつくればよいだけなのではないか。そのために、石川ではなく徳永だったのでは。だいたい強力なサイド攻撃を行うチームは多いのだから、なぜどこかで「テスト」しなかったのか。
  • なぜキャプテンに指名した那須をスタメン落ちさせたのか。中心選手としての活躍を期待していたのではなかったのか。
  • なぜ、点をもぎ取らなければならない場面で平山を起用しなかったのか。筑波大に進学した彼を「協会所属にして鍛えるしか無い」などとのたまい、近年続々と好選手を生み出している大学リーグを評価していないようにもとれる発言をしてまでこだわっていたのに。
  • なぜ、阿部を起用しているならパラグアイ戦でキッカーとして使わなかったのか。


なぜ、なぜ、なぜ。並び立てればきりがない。


結局、このチームは最後まで依りどころを持つことができなかった。
最後の最後まで、迷い続けた監督のために。
彼は「テスト」や「シミュレーション」を繰り返していたのではない。ただ、ずっと迷い続けていただけなのだ。一定の成功をおさめている、日本の育成システムが生み出した、少なくとも平均値では高い能力をもつ選手たちを好きなように(ほんと、やりたい放題だった)使えると言う、贅沢な立場に支えられて、ただ、迷い続けていた。この世には存在しない、誰もが納得できる回答を求めて。


リーダーというのは、いくら批判されようと自分の信念を貫かなければならないときが存在するのだろう。そして、それがチームの依りどころを形成していくのだろう。
ジーコが、たとえ疲れきっていようとケガしていようとスタメンを変更しないのが、その極端な例なのだけれど。一時期、なにが起きようと青木をリベロとして使い続けた頑固さはどこへいってしまったのだろう(この策自体は間違いだと思うが)。
これは、山本さんの個人資質(いい人すぎる)に起因するのか、それとも監督経験の不足、つまりクラブ監督としてのキャリアを積んでいないことが原因なのか、どうなのだろう。おなじくクラブ監督の経験がない指揮官を戴いた西村ジャパンのワールドユースと煮え切らない所が妙にダブるのだ(ということは最終戦はプレッシャーから解放されて勝つのかね)。一つ下の年代別代表を指揮する大熊さんが今までの日本ユースとは少しイメージの違うチームをつくっている。選手層の問題はあるにせよ、彼の監督経験がどのようにチーム作りに反映されているのか聞いてみたい気がする。


それにしても悔しい。終盤、イタリアがカテナチオで守りを固めた時でも、なんとか崩しかけるところまではいっていた。でも、解説で井原が言っていたようにサイドを崩せなかった。崩せる選手がいなかった。もし徳永が負傷せず交代枠が残っていたら。石川を投入できれば。やっぱり悔しい。なんだかんだ言ってもこのチームが好きだったから。


最後になるが、やはりイタリア選手との技術や戦術能力の差を感じた。決定機をしっかりものにする能力(それに引き換え松井・・・)、攻めの機会と見れば次々とダッシュしてパスコースを連続的につくっていく判断力、この差はまだまだ大きい。