FC東京 1 - 2 清水エスパルス(観戦61試合目)

なでしこジャパン(この言葉に違和感を持たなくなっている自分が怖い)も敗退し、オリンピックも録画観戦でよし、というわけで以後はJに集中。


晩夏の「世界の中心」味の素スタジアム。唯一の8月開催ホームゲームというわけで花火&浴衣&ビールDayと夏イベントの大判振る舞いである。4時半ごろにSOCIOゲートから入場、東すかをゲットしたあと、ビール一杯300円なのをいいことに早速飲み始める。清水を見るのは今季初めて、久方ぶりのサンバの響きが何か新鮮。


東京のスタメンは、GK土肥、DFが前田-ジャーン-藤山-金沢、ボランチが三浦・梶山、右MFに栗澤、左に馬場、トップ下ケリー、1トップがルーカス。サプライズは右SB前田の先発!。ローマとの試合でもいいプレイをしていたし、コインブラさんに酷使された加持が体調不良(発熱)とのことでの抜擢。オリンピック組不在、負傷者続出(戸田、浅利、規夫・・・)でどうなることやらと思ったが、若手の成長のおかげであまり弱そうに見えない。
清水はGK西部、3バックが森岡・斉藤・戸田、ボランチが伊藤テルと杉山、右WBが太田、左が市川!、アラウージョ・北嶋・久保山の実質3トップ。戸田がDFに下がり、市川は左WBでの出場。


前半は清水ペース。とくに右サイド太田のスピードに手を焼いており、これに森岡まで加わって東京左サイドが何度も崩されかかる。中央は北嶋が1トップ気味で、久保山とアラウージョが個人技を生かしてシャドーの位置から仕掛けてくる。が、東京も二人三人と果敢にタックルをかけ、最後はジャーン様がはじき返す。中盤では梶山がパスカットに冴えを見せ、三浦が果敢に攻め上がる。右サイドは栗澤がキープしている間に前田がオーバーラップし丁寧なクロスをあげる。前半35分頃、前田がライン際でグラウンダーのクロスをゴール前に送り、これにルーカスが合わせるが惜しくもポストを叩く。一方、左サイドは金沢が押し込まれ、馬場も不調でなかなかチャンスをつくれない。前半ロスタイムにホームバックスタンド側のコーナーフラッグが折れるという椿事があったが、フラッグをピッチの外に倒しておけという松村主審のナイスな判断で試合続行。前半はスコアレスのまま終了した。


ハーフタイムの花火を堪能し、後半開始。後半は一転して東京ペース。ルーカス・ケリーコンビでの中央突破、右サイドの栗澤・前田コンビを軸に攻勢にでる。しかし、52分に一瞬フリーにした隙をつかれ久保山にドライブのミドルシュートを決められてしまう。反撃を狙う東京は、今日はヘタレのユータに代えて阿部、三浦に代え宮沢を投入、いつものイケイケ攻撃を開始する。清水が4バックにフォーメーションを変更し守りを固めてきたこともあって、東京が圧倒的にゲームを支配する。とくに右サイドで、栗澤がタメをつくり前田のオーバーラップを引き出す、という形がはっきりしてくる。すると75分に前田が右サイドでフリーになって丁寧なクロスを上げ、これにファーサイド大外から飛び込んできた阿部がフリーでヘッド、同点とする。
東京はさらに攻勢を継続、直後にやはり前田のクロスから阿部がやや距離があるところからヘッド、惜しくもバーの上。しかし74分にカウンターから右サイドを突破してきた平松を、エンドライン近いところで梶山がファールでとめてしまう。そして与えたFKからマークがボケていた斉藤に頭で決められてしまい再びリードされる(原監督のコメントによればマーカーは前田だったそうだ)。東京は反撃を継続し、終盤にはゴール前でFKのチャンスを得るも宮沢のFKはキーパー正面、こぼれ球もシュートすることができず。その後はビックチャンスをつかめず、試合終了。2ndは連敗スタートとなった。


清水はノブリン政権になってやりたいことがはっきりしてきた感じ。きれいに中盤でつないで機をみてサイドチェンジ、という攻撃パターンはみていて美しかった。太田のスピードは脅威だっし、アラウージョの個人技はあいからわず。あとはFW陣、とくに北嶋を生かす形をつくれるかどうか。DF陣では斉藤の的確なカバーリングが光った。市川はまだ完全復調とはいかないようだ。
対する東京はやはりオリンピック組の不在が痛い。攻撃では石川がいれば、と思う場面が何度もあった。守りにしても、今野がいればボール奪取からの攻め上がりがもっとスピーディに行えるし、何度も手を焼かされた太田のスピードも茂庭がいれば対応が違ったはず。若手の底上げが顕著とはいえ、やはり代表にレギュラー半分が抜かれているのは痛すぎる。そのあたりが無自覚なコインブラさんや山本さんが恨めしい。


気になるのが、攻撃的な選手に足技に秀でる者ばかりを集めたスタメン。トリッキーなショートパスをつないでの中央突破に固執しすぎている気がする。決まれば気持ちいいのだけれど、きまったところをあまり見たことがない(個人的にはこの手のプレーはサイド攻撃を生かすための撒き餌だと思っている)。後半投入された阿部が泥臭いがいい働きをしていたことを考えると、一人は毛色の違う選手を混ぜたほうがアクセントができてよいのではないか。次節からはおそらく石川が復帰できるので、攻撃に変化をつけられるようになるだろうが。


収穫は前田が使えることがわかったこと。守備では危なっかしい場面もあったが、丁寧なアーリークロス(おそらく徳永よりも正確)は大きな武器。思い切りのいい攻めあがりが持ち味の加持、守備力と的確なフィードに加え最近は力強い突破も見せるようになっている徳永と、右SBのポジションはさらに激戦となった。総合力でみると徳永がひとつ抜けているという感じではあるが。それからフミタケは絶好調(ただし時間限定)、ケガしていた宮沢も正確なプレースキックが復活しているので、オリンピック組が戻ってくる次節東京ダービーで巻き返しを図ってほしい。