J1第4節 FC東京 3 - 1 ヴィッセル神戸(今季観戦70試合目)

さあて、本日3試合目である。駒沢から三茶まで戻り、ちょっと時間つぶしをしてから世田谷線で下高井戸へ、そこからいつもの京王線飛田給


今日はSOCIOデーで選手のお出迎えあり。メインゲートは確認しなかったが、バック側は石川とルーカスが来ていた。風が涼しく、ビール購買意欲があきらかに下降していることを自覚する。


東京のメンバーは、GK土肥、DFが金沢-茂庭-ジャーン-加地、ボランチが今野と三浦、右MFが小林、左に馬場、ケリーがトップ下、ワントップは近藤。梶山が大熊の穴(U19代表合宿)で負傷したため、ナビスコの時はワントップを務めたケリーを下げ、代わりに近藤を抜擢した。サブは塩田、藤山、宮沢、前田、阿部。
神戸は2ndに入って大幅にメンバーが変わった。GK本田(From名古屋)、DFがホージェル-北本-河本-高木(From清水)、ボランチホルヴィ(新加入)と佐伯、右MFにパクカンジョ、左が小島、そしてエムボマ(from緑)と幡戸の2トップという4-4-2フォーメーションをとっている。サブはGK山本(from磐田)、坪内、平瀬(from鹿島)、和多田、そしてカズ。メンバー紹介のとき、神戸の選手の中でカズだけは大拍手で迎えられた。なんか、ジーンとくるなあ。
それにしても、藤本や土屋はどこへ行ったのだろう。


ジョージ柏原!の笛でキックオフ。
開始早々、東京が秒殺の先取点を上げる。高い位置でボールを奪った今野がそのままドリブルで左サイドを突進、ペナルティエリア横で中にクロス、これをファーサイドで待ち構えていたケリーがワンバウンドのあとヘッドで中へ折り返し、近藤が体を倒しながらシュートを放とうとしたところに北本が突っ込んでくる。これが柏原の逆鱗に触れ、PKとなる。北本は1枚目のイエローをゲット。このPKをケリーが難なく決め、開始2分で東京が先制する。


神戸もすかさず反撃に出る。ホルヴィの正確なフィードを攻撃の起点とし、サイドへ展開してパクや小島、あるいは開いた位置にいる播戸を使ったり、前線のエムボマをポストに使った展開から東京ゴールに迫る。そして13分、ホルヴィからのサイドチェンジを播戸が流し、それを右サイドにいたパクカンジョがゴール前にクロス、サイドに引きつけられていた東京DFの背後に入り込んだ播戸がフリーでヘディングし同点となる。


しかし21分、馬場のフィードに反応した近藤がフリーで裏へ抜け出しエリア内に侵入したところへ、北本が今度は後ろからタックルして倒してしまい再びPK。北本は2枚目のイエローで退場となった。このPKを再度ケリーが決めて東京がリードする。


神戸はパクカンジョを下げてDFラインに坪内を投入、播戸が右MFの位置に下がりエムボマのワントップとなる。40分にはFKからホージェルがヘディングシュートを放つがこれはバーを越える。東京はリードしたあとになぜかペースダウンし、攻撃が単調になったまま前半終了。


後半開始から、東京は調子がいまいちだった加地に代えて藤山を投入する。藤山は積極的な守備を行う。早くも49分に出足のよいインターセプトを見せ、そこから近藤にパス、近藤はDFと競り合いながらシュートを放つが得点ならず。51分には近藤が得たFKをジャーンが直接狙うふりをして壁の横を抜けるグラウンダーパスを出す。これを受けたケリーがクロスを上げるもGKキャッチ。55分過ぎには立て続けに3本のCKを得るもゴールを割ることができない。膠着した状況を打開すべく、57分、小林に代えて切り札阿部投入。馬場が右サイドに移る。


一方、神戸も手をこまねいている訳ではなく、むしろ押し気味に試合を進める。右サイドでは播戸と坪内が、左サイドでは小島とホージェルが組んで崩しにかかり、しばしばクロスを入れられる。前線では孤立気味ながらもエムボマが高さと個人技を生かしてゴールに迫る。これに対し、ジャーンが中心となってクロスを跳ね返し、エムボマに対しても複数で対応しシュートチャンスをつくらせない。播戸のドリブル突破に対しても金沢や茂庭が対応する。単純なクロスだけでは東京守備陣を崩せないとみるや、エムボマが中盤まで引いてきてフィードをヘッドで裏へ流し、これに播戸と小島(63分からは平瀬に交代)がスピードを生かして走り込むというパターンを使いだす。この攻撃にも東京守備陣が(やや手こずりつつも)守りきり、味方の反撃を待つ。


72分にはセットプレーのクリアボールに近藤が裏へ抜け出し、GKと一対一になるも決められず。ゴールやや右の遠い位置からの強烈FKはわずかにバーの上。しかし、次第に右サイドの馬場からチャンスをつくれるようになり、ついに81分にダメ押し点を得る。ケリーが右サイドのオープンスペースに出したボールに馬場がタッチラインぎりぎりで追いつき、応対したDFをかわしてマイナスのグラウンダークロスを入れる。これがDFに当たって少し方向が変わり?、ゴール正面にいたケリーの位置に向かうもスルー、ファーサイドで待ち構えていた阿部がやや戻りながらワントラップしてゴール左上に蹴り込む。直後には三浦に代え宮沢を投入、神戸を押し込みつつゲームを進める。2点をリードされた神戸は88分に播戸を下げ和多田を投入、パワープレーに打って出るが時すでに遅し。東京が2ndステージ2勝目を上げた。


結果は、凶悪サイト風に書けばケリー2得点(北本2アシスト)ってことになるのかな。どちらのPKも主審によってはとらないような気がするが、今日は柏原さんからプレゼントをもらえた(でもやはり接触プレーに対する判定が不安定だったような気がする)。それも果敢にチャレンジを続けた近藤のおかげだろう。常にラインの裏を狙い続け、ボールを受けたら迫力満点の重戦車ドリブルで突進する。ヴィエリのようだといったらほめすぎか(笑)。ポストプレーもルーカスほどではないが無難にこなしていたし、相手ボールになった時も労をおしまずチェイシングを掛けていた。これで後半のチャンスを決めていれば満点だったのだが。
小林はまだ慣れていない感じ。目の前の相手を抜けても、次のプレーの選択が遅く、結局有効な攻撃に結びつかないのは先週と同じだった。加地はやはり疲れが残っているのか、小林とのコンビネーションがまだ出来ていないのか、攻め上がりの判断にいつもの思い切りを欠いていたような気がする。対するに左の金沢は攻守にそつの無い出来だった。ジャーン様はいつものジャーン様だったし、茂庭もエムボマ、播戸に良く対応し、カバーリングにも大活躍だった。播戸と正対したシーンでチョイチョイと手招きして挑発したり、エムボマと競り合った直後には主審に対するアピール合戦をするなどいつものギャグもしっかり見せてくれた(笑)。終盤に入ってきた宮沢はあいかわらず大声援を受けていた。プレースキックの精度が回復しつつあり、今野・三浦とも好調な現在ではレギュラー奪回は厳しいががんばってほしい。そして阿部。あのスーパーサブっぷりはなんなのであろうか。ぜひ好調を維持してほしいような、運はナビスコに取っておいて欲しいような、複雑な気分である。
もっともチーム全体としては決して調子が良いとは思わない。10人になった神戸に対して妙に受けに回ってしまったし、攻撃に転じてもサイドチェンジが有効に使えず、どうしても単調になってしまう時間帯があった。負傷者続出で苦しいのは承知しているが、次々節以降は浦和・鹿島・名古屋・磐田・横浜と厳しい日程が続くことを考えると、ぜひ勝っておきたい次の柏戦に向けてコンビネーションを高めていってもらいたいものだ。


一方、神戸は負けはしたもののチームとしての出来は決して悪くなかったように思う。守りでは近藤にたびたび裏をとられていたが、攻撃では播戸が相変わらずの切れを見せ、エムボマのコンディションも悪くなさそう。もはや中盤のユーティリティープレーヤーになった小島も左サイドでそつのないプレーぶりを見せた。ホルヴィの正確なキックは大きな武器。ただしプレースキックからシュートに結びついたのは前半のホージェルのヘディング1回だけだったので、パターンの整備が必要だろう。あとはタイプの違う2トップの特徴をうまく引き出す攻撃パターンをつくれれば毎年恒例の降格(今年は入れ替え戦)争いからの脱出もかなうのではないだろうか。