サテライトリーグAグループ 大宮アルディージャ 1 - 0 FC東京(観戦18試合目)

Lasakongawa2005-05-15

日時:2005年5月15日 14:00キックオフ
会場:熊谷スポーツ文化公園陸上競技場
観衆:815人
主審:八木、副審:東、高野、第4審判:小松
得点:横山(50分)


昨日は市原、今日は熊谷。コンビナートに行った翌日はディープ埼玉(失礼)までプチ遠征である。
なんとなーく電車で旅してみたい気分が続いていたので、以下のような曲がりくねったルートで熊谷に向かう。
葛西→西船橋東西線)、西船橋→亀戸(総武線)、亀戸→曳船東武亀戸線)、曳船→大師前(東武伊勢崎線西新井経由大師線)、そして西新井大師前で必勝の願掛けwをしてから西新井に戻る。そこから再び伊勢崎線で羽生、そして秩父線で熊谷と下車1回・乗り換え5回の長旅でやっとディープ埼玉にたどり着いた。
会場の熊谷陸上競技場は、熊谷市郊外の住宅と畑の中に作られたスポーツ文化公園内にある。熊谷駅から大塚行きに乗り、15分ほどで最寄バス停である「陸上競技場前」に着いた(料金200円なり)。写真のとおり、「前」というよりむしろ「裏」という位置にあった。
この熊谷スポーツ文化公園は、陸上競技場・補助競技場・ラグビー場(2面)・ドーム競技場(人工芝)・多目的広場、などなどがある馬鹿でかいスポーツコンプレックスである。「スポーツ文化公園」行きのバスもあるが、そっちのバス停は陸上競技場とは反対側にあるらしい。ちょうと、競技場の隣の芝生広場では、カブスカウトの集まり(カブラリー)が行われていて、制服を着た少年少女と大人たちが一杯いた。そういえば、私も昔はカブスカウトだった(遠い目・・・)。
試合会場は、各地に無意味に乱立している無味乾燥な国体仕様の陸上競技場だった。「ちいさな瑞穂」という印象をもった。驚いたことに、サテライトなのにスタジアムの売店が営業している(西ケ丘なみだ)。ありがたや、とばかりに寒くて飲めなかった昨日の分までさっそく生ビール注入。売店のお姉ちゃんは商売ッ気があって、ビールを頼むと「おつまみはいかがですか」と勧めてくるので、甘言に乗って唐揚やらソーセージやら買い込んでしまった。


無料配布されたメンバー表(ありがとー)を片手にメーン中央上方に陣取る。
芝はあちこち茶色の部分が見える。


大宮のスタメン。

  横山   大沢

橋本 石亀 島田 鈴木将

三上 平岡 片岡 田中輝

    安藤智

サブは田中賢(GK)、辻田(DF)、高橋郁(MF、ユース?)、吉田和(MF、ユース)、柿沼(FW、ユース)。


東京のスタメン。

  ダニーロ 小林
     馬場
尾亦         藤田
  鈴木健  池上
 前田  増嶋  迫井
     塩田

控えは、遠藤大志三浦文丈、そして常盤・中野・樋口のユース組。
なんとなんと・・・いくら怪我人ばかりといっても、3バックですかあ?(一瞬、頭がクラッとなった。スタンドからも「大丈夫かー」と声が飛んでいた)。
藤田が右に入る4バックでも良かったような気がするが、なにか意図があるのだろうか?(まさか、ナビスコで使う気じゃ・・・???!!)。それとも、ワールドユース対策で増嶋の調教用に3バックにしたのだろうか?
まあ、3でも4でも守りの連携が保てれば問題はないのだが。
ボランチはルーキー鈴木健と強化指定の池上という新品コンビである。鈴木健が上がり目で攻撃をサポート、池上がアンカーという役割分担だった。

  • 5分、前田→ダニーロ→小林と経由して左WB尾亦がクロスを入れるが、GKが直接キャッチ。
  • 6分、藤田がオーバーラップしてクロス、右CKを獲得。馬場のCKに合わせた迫井のヘッドはバーの上。
  • 8分、突如、雨が降り始める。スタンド前列のみなさんが屋根の下に待避。雨は10分ほどで収まる。
  • 16分、大宮左SB・三上のクロスがそのままバーを直撃。
  • 17分、尾亦スローイン鈴木健が戻して尾亦が低いクロスを入れていくが、馬場があと一歩のところで合わせられない。
  • 18分、パスインターセプトからダニーロが持ち込んで横パス、これを受けた馬場がミドルを打っていくがクリアされる。
  • 19分、鈴木健がボール処理をもたついたところを横山が奪ってエリア内に持ち込むが、シュート打てず。
  • 20分、ダニーロのバックパスが大宮へのナイスパスになる。この流れから右MF鈴木将が鋭いクロスを入れるが塩田がキャッチ。そのゴールキックから小林が抜け出してキーパーと一対一になるが、大事に行きすぎてシュート打てず。
  • 22分、藤田のクロスを池上が落とし、馬場がシュート。大宮DFがブロック。
  • 25分、ダニーロ→池上→藤田と渡り、藤田が中に切れ込んでシュート。安藤智がキャッチ。

序盤は、東京が主導権を握る。とくにディフェンダー陣の出足が良く、大宮の2トップに入るクサビのボールに素早くアプローチし、ことごとく迎撃に成功していた。DFとMFの連係も良好で、クリアボールが攻撃につながる。藤田・尾亦のWBを使ったサイド攻撃と、ダニーロ・馬場が仕掛ける中央突破のメリハリが効いていて、大宮を翻弄する。
大宮はフラットな中盤とDFラインとの距離が間延びしてプレスがかからず、その間のスペースをダニーロや馬場に使われていた。しかし、大宮DF個々のがんばりで、東京はなかなかクリーンなシュートが打てない。

  • 26分、大宮右SB田中がサイドチェンジ。左サイドでこれを受けたFW大沢が切り込んでシュートするがゴール左にそれる。
  • 30分、大宮のバックパスを奪ったダニーロがドリブルでエリア内に突進するが、大宮DFに囲まれてボールを奪われる。しかしこぼれ球を拾った鈴木健が思い切ってシュート。強シュートはクロスバーをかすめる。惜しい。
  • 31分、ダニーロ・馬場・鈴木健が短いパスを交換して突破を試みるが、大宮のプレスに引っ掛かりカウンターを招く。鈴木将が持ち込んで橋本にパス、そこで藤田に倒されて大宮のFKとなる。ゴール左寄り30mほどのところからのFKに島田が頭で合わせるが、シュートは浮いてバーの上。
  • 34分、尾亦クロス、クリアボールを拾った小林がミドルで狙うがキーパー正面。
  • 35分、安藤智のゴールキック→右MF鈴木将のクロス→ファーサイドの大沢がヘディングシュート。枠に行かない。
  • 38分、スルーパスに反応したダニーロが大宮CBの間をすり抜けシュートを放つが、左に外す。決定的。
  • 40分、鈴木健のクロスからダニーロがシュート、これも外れ。
  • 42分、カウンターで小林が右サイドを長駆ドリブル、ゴール前には馬場とダニーロが詰める。小林のクロスから馬場がヘッドで打つがキーパーがキャッチ。
  • 43分、東京のファウルから大宮の早いリスタート。この流れから大宮のCKになるが、このクリアから東京のカウンター。ダニーロがドリブルで大宮ゴールに迫るがシュートのタイミングを失する。後ろに戻して尾亦がミドルを狙うが枠に行かず。

先制できないでいるうちに、東京の運動量が徐々に落ち始め、大宮もチャンスが作れるようになっていく(よく見るパターンだよな・・・)。東京の選手の動き出しが乏しくなり、足元パスが増え始めたところを狙って、パスコースを切りプレスを掛け(特に池上の判断が遅れがちになるところを狙われる)、奪ったボールをサイドに展開して崩そうとする。
ただサテライトの悲しさかお互いにミスが多く、現実はミスパスを拾い合ってのカウンター合戦になってしまった。その中で両者ともに決定機をつかむが、決められず。ロスタイムなしで前半終了。


後半開始時の選手交代はなし。

  • 46分、大宮は左スローインから素早くサイドを変え、右MFの鈴木将が受けてシュートまで持ち込むが塩田がはじき出し、CKに逃げる。そのCKから東京のカウンターになり、ダニーロがキープして周りの上がりを引き出し、最後は馬場がクロスを入れる。ゴール前に2枚詰めていたが、クロスはクリアされる。
  • 49分、ダニーロがキープして左サイドに展開、尾亦のクロスからファーに入ってきた馬場がシュートするが、安藤智がキャッチ。
  • 50分、大宮の右サイドからの崩し。FW大沢が右からドリブルでカットインしてくる。その対応のために東京3バックが(大宮から見た)右サイドにスライドした瞬間、大沢が真ん中の島田にパス。そして島田が東京3バックの向かって左サイドに空いたスペースにスルーパスを送る。これに反応した横山が裏に抜け、塩田との一対一を制してゴールを決める。大宮先制。

この先制点、東京が3バックの守備に慣れていないところをまんまと突かれた形になった。スルーパスを入れられたスペースは4バックなら右SBがカバーリングすべき場所。3バックならWBの藤田が下がってケアするか、迫井があくまで横山に付いていくかしなければならなかったのだが、藤田はDFラインまで戻っていなかったし、迫井は意表を付かれたのか棒立ちのままだった。


先制点で大宮が勢いづく。右MF鈴木将がスピード豊かなドリブルで右サイドをかき回す。

  • 53分、鈴木将が右サイドからドリブルで切れ込んでシュートを放つが、塩田が右手一本ではじき出す。このCKから大宮右SB田中がヘディングシュートを打ってくるが(フリーだよ)、バーの上。
  • 58分、大宮のスローインを奪った藤田がそのままエリア内に持ち込むが大宮DFにボールを奪われ、そこからカウンターを食ってしまう。
  • 59分、ダニーロがドリブルシュートを打つもキーパーの正面。
  • 60分、パスインターセプトから馬場が攻め上がるがボールを持ちすぎて潰される。
  • 65分、東京の選手交代、鈴木健三浦文丈

ここで三浦文丈登場。見るからに試運転という感じの慎重なプレーぶりだったが、判断の的確さやプレーの正確さは別格で、東京の中盤が落ち着いてくる。

  • 68分、尾亦がファウルを受け、FKゲット。左コーナー付近から馬場がニアに入れていくがクリアされる(今日はニアばかりだ)。
  • 70分、大宮は石亀に代わって柿沼投入。大宮の中盤は左から鈴木将、島田、橋本、柿沼という布陣になる。
  • 75分、池上が島田に倒されFKゲット(島田が警告)。ゴール正面30mのFKをダニーロが狙う。グラウンダーが人垣の間をすり抜けていくがキーパーがキャッチ。
  • 76分、島田がファーサイドアーリークロスを入れ、これに右から柿沼が飛び込むがヘディングシュートはゴール右に外れる。
  • 78分、大宮のカウンターになり鈴木将が独走する。しかし増嶋が追いすがり足音を聞かせたのが功を奏したのか?、鈴木将がボール扱いをもたつき、シュートは塩田がはじき出す。
  • 80分、東京は前田から中野に交代。中野がボランチに入り、池上が3バックの左に下がる。
  • 81分、ダニーロのシュートはキーパー正面。
  • 82分、迫井がヘディングをかぶって鈴木将が抜け出すが池上がファウルで止める(警告)。大宮から見てエリア左角付近からのFKはクリア。
  • 84分、大宮は鈴木将から高橋にスイッチ。
  • ロスタイムは3分、ダニーロが続けざまにシュートを放つ。2本目は小林のクロスをトラップミスするも、反転してシュートまで持って行くがキーパーに阻止される。

大宮のカウンターを浴びつつも東京が攻める。両翼にボールを展開し、クロスを放り込む。トップと同じで単調かつ強引な放り込みなので、ほとんどが跳ね返される。しかし、真ん中ではダニーロがその個人能力を発揮、ドリブルやワンツーで突破して積極的にシュートを打っていく。ダニーロは後半だけで6本のシュートを放ち、中には弱くて大して脅威にならないものも混じっていたが、とにかくその全てが枠を捉えていた。しかし、大宮のキーパー安藤智が今日は当たりで、至近距離で放ったシュートもあったのだがことごとく阻止される。小林が消極的なプレーに終始し、馬場は軽いプレーでボールを失ってばかりという中にあって、ダニーロが一人奮闘していた。


とにかく、得点を奪えずに試合終了。選手たちが言葉少なに引き上げていく中で、遠藤が残って練習を始める。そしてダニーロは一人ベンチに座りこんでピッチを眺めていた(反省中)。
サテライトの試合にもかかわらず、太鼓を叩いてコールを送っていた大宮サポが、東京にもエールを送ってくれた。鈴木将をくださ〜い。


サテライトの試合を結果のみで語るのは愚の骨頂だけれども、やはり敗戦続きは精神的にきつい。
もっとも、文丈の試運転は無事に終わったし、藤田が90分フルに動けたのは非常に大きな収穫なのだが。


以下、東京の採点。

塩田 6.5:いつもと変わらぬ堅実なプレーを披露した。ナビスコは頼んだよ。
迫井 5.5:3バックに不慣れな部分がもろに出た。声はよく出ていたんだが。
増嶋 6.0:3バックの中央で奮闘し、大宮のカウンターを止めていた。ワールドユースがんばってね〜。
前田 5.5:大宮の右MF鈴木将を止められず。
池上 5.5:まだプレーの判断が遅い。基本的な守備能力はあるのでチームにフィットしてくれば使えるかも。
鈴木健 6.0:ボランチの位置から上がっていって攻撃に絡んだ。正確な左足を生かして前半は良いプレーを見せた。高卒ルーキーとしては及第点。
藤田 6.0:左膝をテーピングで固めながらも90分右サイドを駆けまわれたのは大収穫。クロスのコントロール自体はそこそこ良いので、あとは中に飛び込む選手たちとのコンビネーションを高めること。ナビスコは頼んだよ。
尾亦 5.5:左サイドからクロスを入れていったが、工夫が足りない。運動量もいまひとつ。
馬場 5.5:基本的にプレーが軽い。足元の技術に溺れすぎ。怪我人続出なのにトップで使われない意味を考えて欲しい。人手が足りないんだからさー。
ダニーロ 6.5:周囲とのコンビネーションがあいかわらずいまいち、というかリズムが基本的に合っていないのだが、サテライトのレベルでは別格の実力を発揮した。あとはシュートが決まれば・・・
小林 5.0:終始消極的。シュート打てよ。
三浦 6.0:慎重なプレーだったが、判断の的確さはやはり別格。お願い、はやく戻ってきて。
中野 ー :出場時間が短く、ボールに絡む場面も少なかったので採点せず。無難にプレーしていた印象。


帰りはJRで帰京。快速を使うと上野までは1時間だった。