J1第31節 FC東京 2 - 1 ジェフユナイテッド市原・千葉(観戦91試合目)

日時:2005年11月20日(日)14:00キックオフ
会場:味の素スタジアム
観衆:25933人
主審:山西
得点:梶山(東京、51分)、ハース(千葉、64分)、阿部吉朗(東京、84分)
警告:馬場(東京、58分)、阿部勇樹(千葉、77分)

そろそろ、冬の気候になってきた東京。昨日の高校選手権東京決勝(第1試合の途中から見られました)と同様、モコモコ君な格好で味スタを目指す。今日も午前中ごちゃごちゃと雑事があったため、試合開始30分前にスタジアム到着。既にだいぶ埋まっていたUブロック中央でなんとか席を確保し、ケンタッキーへつまみの調達。ところが、すでにチキンもビスケットも売り切れorz。おらーなあ、週に一度だけフライドチキン+ビールって不健康食をむさぼるのが楽しみなのに、なんだよー。サンダース爺のイケズー!かろうじて、ピリ辛ウィングとポテトをゲット、席に戻り、売り子のねーちゃんからビール購入。ようやく落ち着いたところでユルネバ開始。


東京のスタメン。

     ルーカス
  規郎  馬場  阿部吉
   今野    梶山
 藤山 茂庭 ジャーン 加地
      土肥

サブ:遠藤、浅利、三浦、栗澤、ササ
選手交代:馬場→栗澤(74分)、鈴木規郎→ササ(79分)

共に右足首のケガのため、出場が危ぶまれていた茂庭と加地の回復が間に合い、前節と同じスタメンを編成することができた。ベンチには前節、代表戦のため欠場したササが戻ってきた。


千葉のスタメン。

   ハース   巻
      水野
 山岸        坂本
   佐藤勇  阿部勇
  斎藤  中島  結城
      櫛野

サブ:岡本、水本、工藤、羽生、林
選手交代:水野→羽生(74分)、山岸→林(75分)、ハース→工藤(84分)
ストヤノフが累積警告のため出場停止。代わりのリベロに阿部を持ってくるのかと思ったら中島という意外な人選。羽生もベンチスタートで代わりに水野がトップ下に入る。神がかりセーブを連発してレギュラーGKを奪取したかに見えた立石が負傷とのことで、前半戦のレギュラーだった櫛野が久々の先発出場となった。


んで、ゲーム内容は、っと・・・
縦に速く人数をかけた攻撃を試みる千葉と、カウンターを狙う東京との真っ向勝負となった。
千葉の攻撃パターンは、早いタイミングでトップにクサビを当て、上がってくる味方への正確な落とし、落としを受けた選手がさらに前方へ走り込む味方に縦パス、という感じで2列目やサイドやDFライン!から次々に人がゴール前に飛び出してくる、というもの。引き気味でボールを受けるマリオ・ハースが実質的なゲームメーカーで、彼がタメを作り出し、攻撃にアクセントをつけている。このパターン、本来はカウンター調の攻撃だが、最近ではパス回しと選手の動きを連動させて能動的に相手を崩すパターンも身につけつつあり(アクションサッカー!)、ますます侮りがたい相手になってきている。
この日も、序盤は豊富な運動量に支えられた速い攻撃に加え、パス回しでマークのズレを誘ってゴール前でフリーの選手を作り出す場面もあって、決定的なシュートが前半で3本ほどあった。しかし、ナビスコ決勝・天皇杯・リーグ戦と過酷な連戦の疲れがしだいに効いてきたのか、時間がたつにつれ運動量が低下、それに比例して勢いを失っていく。千葉のような、運動量に支えられたサッカーというのは、選手のコンディションが良いときは素晴らしい切れ味を示すし見ていても爽快きわまりないのだが、連戦で疲労が蓄積するととたんに質が低下する。対策としては、悪ければ悪いなりにしのいでワンチャンスを狙うゲームプランを採るか、ターンオーバー制を敷くかの2つが考えられるが、前者を遂行できるほど選手が成熟しておらず、後者を実行できるほどの財力はない、というのが千葉の現状ではないだろうか。オシム翁のもと(というより一貫した強化プランのもと)、ユースから次々と優秀な選手を輩出し、また有力な若手を獲得した。そして手に入れた玉を磨きに磨いてカップを獲り、リーグ戦でも優勝争いの末席にたどりつくまで来たが、これより上を目指すにはどうしても選手層の厚みを増すことと、ピンポイントでいいからトップレベルの選手を獲得する(あるいは育成して、かつチームにつなぎ止める)ことが必要になっている。しかし、それを行うにはやっぱりお金が・・・ということで、順調に来ているようにみえて現行路線では先が見えてきた、つまり実のところ閉塞状況に陥りつつあるのではないだろうか。
これを打開する切り札として期待されるのが、フクアリへのホーム移転による入場者の増加=収入増(満員にすれば単純計算で現在の2倍)ということになるのだが・・・はたして?(入場料収入が予算に占める割合なんて知らないけどね)。


話がそれた。とにかく、いつものジェフアタック(ただしアップグレードヴァージョン)によってチャンスを作り出し、枠を捉えたシュートが3本ほどあったが(ハースのあれとか、誰かに当たって山なりになったあれとか、巻のフリー&一対一のあれとか)、ことごとく我らが土肥神がストップ。ここで決めきれなかったことが、千葉にとっての痛恨事となった。


一方、東京は千葉の速い攻撃を全く恐れることなく、今野・梶山のボランチコンビを中心に果敢に高い位置でのボール奪取を試み、そこからのカウンターを狙う。前掛かりになったことが災いして逆にカウンターを浴びる場面もあったが(3対5なんて状況があったような・・・・汗)、ここはDFラインの頑張りと土肥の好守によってしのぐ。そして千葉のマンマーク守備をものともせず、仕掛けていく。
ちなみに、本日のマンマークは、リベロとして中島が一枚余り、ルーカスに結城、規郎に坂本隊長、ウチの阿部に斎藤、馬場にあっちの阿部、梶山に勇人、加地に山岸、今野に水野、といった感じだったが、いつものような地獄までくっついていくというまでハードではなく、また場面によっては受け渡しもしていた。そして、なんと言っても全般にマークが緩かったような気がする。
このため、ルーカスがポストプレイをやり切ることができ、かつそのボールを受けた馬場や梶山がルックアップしてパスを出せるだけのスペースがあり、そこからサイドの裏を狙ったパスが出せた(かなり意識的に狙っていたようだ)。そして、規郎と阿部、特に規郎が左サイドを疾走しクロスを上げるが、いつものようにorz中の選手と合わない。前半に10本のシュート(手元集計)を放ちながら枠内は阿部の1本だけ、13本のクロスを放ちながら味方に合ったのは加地の2本のみ、ガンガンとクロスを入れた規郎は成功ゼロ、なぜかマークをはずしてスルスルとオーバーラップできる藤山もフィニッシュに結びつくようなチャンスを作ることができず、規郎が独走して絶好のカウンター機会、梶山や阿部、それに馬場も絡んで数的優位を作ったにもかかわらずゴール前で横パスを繋いでしまいシュートを打てずにゴール裏に叱られる(笑)など、攻めていたにもかかわらず決定機の数では千葉に劣ったまま、前半を終えた。


後半、東京は加速する。といっても、腐っても鯛ならぬ疲れてもジェフな攻撃の前にフリーでシュートを打たれてしまう場面もあったのだが(汗)、なぜか枠を外してくれる。このあたり、土肥神のオーラが千葉の選手を緊張させたのかもしれない。
そして、51分、ガンガンに走り回ってプレスを掛け、セカンドボールを拾いまくっていたボランチコンビが得点を上げる。千葉のスローインをカットし、ルーカスが裏へ流す。そこへ電光石火の勢いで飛び出してきた今野が、斎藤との競り合いに勝ってマイナスの折り返しを入れると、こちらも電光石火のスピードで走り込んできた梶山が決めて先制した。ダブルボランチが二人ともエリアに侵入しての得点・・・これって、ひょっとしてすごくない?


しかし、先制点のあと、しばらくすると東京にも疲れが出てきて、千葉の動きも相変わらずピリッとせず、試合はまったりムードへ。こんなときこそ怖いなあ、機を見るのに敏な奴が一人いたら危ない場面をつくられるなあ、と思っていたら案の定、早いリスタートからマークの乱れを突かれ、最後はハースに蹴りこまれてあっさり同点(このシュート、近い距離の強シュートなんだけど土肥は触っているんだよね。すごい・・・)。


だが、諦めない東京は栗澤とササを投入、気合いを入れ直したダブルボランチを中心にガンガンと攻める。梶山が積極的にミドルを放ち、ゴール前では怪しげな切り返しでDFを混乱させてゴールを狙う。今野はボールを奪ってそのまま持ち込んでいくプレーが、いつも以上の迫力を見せ始める。マンマーク役の水野なんぞは全く問題ではなく、動きがいまいちの(ケガしていたようだ)馬場をほっぽりだしてカバーリングに来た阿部勇樹もその勢いの前に翻弄される(どうだ、肉弾戦ならウチの6番のほうが上だぞ。わっはっは)。
そして阿部の決勝弾。なんと言うんでしょうか、やっぱりストライカーだね(直前の栗ちゃんが頭で阿部に渡したパスは・・・アシストなのかな?)。


その後は、しっかりボールを保持して時間を使い、試合終了。今季4回目の対戦でようやく千葉から白星をあげ、事実上、引導をわたした。かくして、優勝戦線かく乱シリーズ第3弾もめでたくミッション・コンプリート。これで勝ち点が42となり、入れ替え戦に回る可能性も消滅して残留が決定した。


順位は相変わらず10位。7位の磐田から、広島、鞠、東京の4チームが優勝の可能性も降格の可能性もない。中だるみフォー!
なんて、たるんでいる場合ではなく、さらにリーグを盛り上げ、ついでにもう少し順位を上げてちゃっかり賞金をゲットしたいものだ。で、次なる生け贄を求める前にリーグの現状はというと・・・


まず、気になる降格戦線ですが、神戸が降格決定、ご愁傷様。
緑は天敵の赤軍にまたもや惨敗し、おまけに平本と林を退場で失った。次節は誰がCBやるんでしょ?ただし、柏もおつきあいして負けたため、まだ自動降格を回避できる可能性は残っている。両者の直接対決は今度の土曜日。柏も明神・小林亮が負傷退場、おまけにクレーベル赤紙をもらい、とどめに玉田が骨折で今季絶望、と泣きっ面に蜂状態に陥っているため、この2チームの争いはまだまだわからない。
その柏を下した清水は勝ち点を35まで伸ばし17位緑に9ポイント差をつけたため、得失点差を考えると自動降格はほぼ回避できた。
大宮は神戸に引導を渡して勝ち点37、名古屋は勝ち点を38まで伸ばし、安全圏まであと一歩。11位大分、12位新潟は、セーフと言ってもいいだろう。


一方、優勝戦線はというと、なんとG大阪が鴨川の一撃でペースを乱され、名古屋に敗北。この鴨川という人は昨年、順天堂大のエースFWだった人で、1試合4得点を2回!もなしとげてめでたく関東大学リーグの得点王となった。しかし、その4得点を上げた相手がいずれも下位チームだったことがマイナスとなったのか、得点王なのにベストイレブンに入れなかったというかわいそうな人である(ウンチクウザイというなかれ。こういう話を年に20回ぐらいして煙たがられるのが大学リーグファンの特権というものである)。去年、シュートはうまいなあ、でも波が大きすぎるし、上位校のDFには競り勝てないし、プロに行って大丈夫かね?と思っていたら、前節も今節もすばらしく力強いプレーでゴールをゲットしているじゃないですか。いやー、お見それしました。
その他、鹿島がまた引き分け(大岩がまた半袖手袋w)。セレッソが勝利して2位に上がり、赤軍も緑を虐殺して優勝の可能性を残した。数字上は6位ふろん太まで可能性が残っているが、実際に優勝に絡むのは4位浦和までと見て良い(なんとなく、奴らをアシストしているような気がする・・・)。


つーわけで、次節は新潟を下して安心している彼らをちょっとあわてさせ、土曜は優勝の可能性が消滅しているであろう川崎をホームでやっつけ、そして最終節、勝てば優勝の可能性を残した桜を散らせるのだ(いくら地球温暖化といっても、やっぱり季節はずれは良くない)。おお、なんとすばらしい悪役ぶりではないか。いい人東京は返上だ!わっはっは。そして賞金をゲットして・・・・その資金で味スタの売店をなんとかしてちょうだい。


こんな感じで、なんだかんだあったけど楽しいシーズン終盤の日曜日となったのだが、心残りがただ一つ。アジパンダを見逃した・・・