2回戦 青森山田 2 - 1 佐賀東(観戦113試合目)

お目当ては、ウチの新入社員。ゲーフラ出してた青赤な方も居ました。


小澤ですが、ポジションはFW。でも、ストライカーじゃなくて、前線のチャンスメーカー的な役割が持ち味。例えれば柳沢(メッシーナのあの人ね)のような。
DFラインの裏をつく動き、スペースに流れてボールを引き出す動き、いずれも質が高い。動きだけではなく、味方に出すパスも正確。前半20分までに青森山田がつくった3回の決定機、その全てに小澤が絡んでいた。

  • 10分すぎのプレー。右サイドからの短いパスをエリア右で受け、間髪入れずに上がってきた9番フランクへ落とし、シュート(DFがブロック)。
  • いったん攻撃が跳ね返され、クリアを拾って二次攻撃の場面。左サイドでボールを持った選手がクロスを上げようか、という時で一瞬守備陣の注意がボールホルダーに集中。その瞬間、ゴールエリア付近にいた小澤がさっと動いてDFラインとMF列の間にあった小さなスペースに移動、左クロスを引き出す。クロスを受けた小澤はまたも走り込んできたフランクに落とし、シュート(浮いてしまった)。
  • 小澤が右サイドに動いてボランチからのパスを引き出す。中央のフランクを経由して左サイドに流し、上がってきた選手がシュート(外れ)。

という具合で、スペースを見つける目と絶えず動き直す勤勉さがあり、なおかつ周囲がよく見え技術もあるのでポストプレーも的確、正確。インテリジェンスを感じさせるプレーヤーで、先が楽しみですね。


周囲の選手も、小澤からいいボールが来ると信じて動いている。それも、直接パスを受ける選手だけでなく、第二第三の動きもあり、かつみんなテクニックがあるので、エリアの中で短いワンタッチパスをつないでくずすことができる。ただ、この種の技が使えるチームにありがちな「手数(足数か)」の多さ、というのも目について、もう一つ早いタイミングでシュートを打っていれば、と思わせる場面もいくつかあった。


前半、青森山田が圧倒的に攻めたのだが、先制は佐賀東。絵に描いたようなカウンターだった。
おそらく、佐賀東は押し込まれるのを承知の上で、手ぐすね引いてカウンターを狙っていたのだろう。闇雲に突進するのではなく、どうやってスペースを有効に使うか(作るか)、考え抜かれたカウンターアタックだった。
20分、佐賀東DFがボールを奪い、センターサークル手前にいた8番にパス。この時点で8番の前には味方が3人。青森山田のDFも3人。3対3。青森山田の中盤は前掛かりになっていて8番フリー。こういう状況だった。
フリーで持った8番は当然ドリブルで持ち出し、センターラインを越える。前線の3人は、中央にいた16番がそのまま前進、左右の二人はそれぞれサイドのスペースに流れる。このため、青森のDFも大きく左右に開かざるを得ず、かといって中央のカバーリングも意識しなければならず(後方から佐賀8番が上がってくるので1対2の関係になりかねない)、難しい判断を迫られる。
そして、佐賀東8番がセンターサークルをすぎたあたりで向かって右サイドのスペースに絶妙のコースと速さでグラウンダーを送る。その右サイドをケアすべきDFは、中央のカバーかサイドのケアかでポジションが中途半端であり、対応が遅れる。
右に流れた佐賀東10番が、猛烈ダッシュでパスに追いつくとグラウンダーで早い折り返し。ニアサイドに突進した16番が、中央を守っていた青森山田DFをニアに引きつける。中央に抜けたボールに飛び込んだのは右サイドへのパスを出した8番!彼はパスを出したあと、追いすがる青森山田ボランチを振り切ってゴール前まで走り込んでいたのだ。そしてゴールに流しこんで佐賀東が先制する。


この後も、佐賀東は右サイドから崩してDFを引きつけ、最後に左に流れた8番にパスを送ってシュート、などカウンターから追加点を狙う。
青森山田も攻めるが、流れの中では決められない。しかし、31分にCKのこぼれ球を押し込んで同点にした。


後半早々、青森山田はトップ下的にプレーしていた9番フランクを下げて、長身の17番を投入、この選手をターゲットとしてボールを集めるが、結果的にははずれ。攻撃が単調になり、17番もそれほど競り合いに勝てず、落としたボールも佐賀東の集中守備の前に阻まれる。17番が1トップ気味になって(小澤は左サイドへ回る)守備の的が絞りやすくなったためかもしれない(弊害に気付いてか、途中から2トップに戻した)。


佐賀東のほうも、しだいに守りだけで手一杯になり、とにかく引いて守ってPK戦に逃げ込もうとする。青森山田のほうも、前半に見せたような攻めが影を潜め、手詰まりの状況。こりゃ、PK戦かな、とおもった矢先(後半37分)、アクシデント(だろうな、こりゃ)が起こる。
青森の右サイド8番にプレッシャーを掛けられた佐賀東16番(左SBに入ってたのかな)がボールをスクリーンしつつGKにバックパス。ところがこれが弱く、佐賀東16番を追い越してきた青森8番がこれをかっさらってゴールに流し込む。これが決勝点となった。


敗れたりとはいえ、佐賀東は好チームだった。選手権のレベルでみれば、能力的には平凡な選手ばかりだが、しっかり守ってカウンターというゲームプランが徹底されていた。そのカウンターも、よく練られたもので、青森山田に対して確実に脅威をあたえていた。なんでもPK戦にはかなり自信のあるチームだそうで、もう少しで思惑どおり、というところだったのだが、やはりこの種のチームが勝ち上がるには幸運が多めに必要、ということなのだろう。


逆に、勝った青森山田は、今後に不安が残る内容だった。決定力のなさはいわずもがなだが、攻める時間が多いことの弊害がでたのか、守りに回るととたんにバタバタして、中盤ではマークを掴みきれず、再三にわたって佐賀東のカウンターを許していた。DFのラインコントロールも破綻した場面があったし(放り込みに対し、2対4になっていた場面があった)。


明日の対戦は本日の第1試合に勝った多々良学園。今晩、しっかりミーティングする必要がありそうだ。


で、明日の観戦予定なんですが・・・三ツ沢にも心惹かれるのだが(でっかい森島見たい)、やはり小澤を追って臨海に出撃することにする。心理的に、千葉のほうが距離も近いし(途中まで定期が使えるので電車賃が浮くからだろ、なんて突っ込む輩には死が訪れるであろう)、amakuri姐さんからの頼まれ事もあるし、臨海のもう一つのカードも面白そうなので。


それは、国見vs大阪朝鮮


半島遺伝子丸出しフィジカルゴリゴリの大阪朝鮮と、これもまたフィジカル全開&超ノーリスクサッカーの国見が繰り広げるであろう、究極のガチンコバトル。
パスサッカー偏愛家には悪夢のような世界が繰り広げられるのかも知れないが、わたしゃいまからハアハアしてます。