2006年J1第6節 横浜F・マリノス 1 - 1 FC東京(観戦12試合目)

日時:2006年4月1日(土)15:02キックオフ
会場:日産スタジアム
観衆:20977人
主審:松村、副審:武田、平野、第4審:砂川
得点:田中隼(横浜FM、17分)、増嶋(東京、89分)
警告:鈴木規郎(東京、35分)、梶山(東京、42分)、マルケス横浜FM、85分)


鞠さんのラインナップ

   マルケス  大島
       清水
 ドゥトラ       田中隼
    マグロン 上野
   河合  栗原  松田
榎本達

SUB:榎本哲、那須、後藤、吉田、平野、ハーフナー、坂田
選手交代:清水→吉田(56分)、マルケス→坂田(86分)
久保も奥も中澤もいない鞠さん。


東京のラインナップ

  ルーカス  川口
      栗澤
   今野    梶山
      伊野波
 規郎 茂庭  増嶋 徳永
      土肥

SUB:塩田、藤山、前田、宮沢、浅利、阿部、赤嶺
選手交代:梶山→宮沢(ハーフタイム)、ルーカス→赤嶺(75分)、川口→阿部(83分)
登録上は4-4-2。実際は伊野波がマルケスマンマーク。茂庭が主に大島をケアし、増嶋が余る形。東京から見ると大島が左、マルケスが右に居ることが多いので、茂庭-増嶋-伊野波の3バックみたいに見える。3バックの前に今野・梶山がダブルボランチ然に並び、規郎・徳永が中盤までポジションを上げる、実質は変則の3-5-2。

追記:今野が清水をマンマークしていたが、そうは見えなかった。それだけ振り切られていたということかorz。


4月1日。好天気。深川の桜は満開。なんだか晴れやかな気分で、東西線-日比谷線-東急線-JR横浜線というルートで新横浜へ。これまた桜が満開の土手を歩いて横国改め日産スタジアムに着いたのは13時半ぐらい。行ってみて、驚いた。ビジター席が隔離されてるじゃないか!しかも隔離ゾーンが10mぐらい取ってあって、警備員は立ってるし、通路は無いしの完全隔離。シューマイ買えん・・・ビール売りのネーチャン(味スタから出張してきたそうです。緑vs柏は?)に話を聞いてみると、

  • 今週からこうなった。
  • きっかけは先週の試合で赤い人たちが何かしたから。
  • 向こうと行き来がしにくいのでめんどくさい。

つーことで、まったく要領を得ず。その場でネットしてみると(W-ZERO3買いました)、どうやら、赤い人たちがアウェイ寄りの「ホーム自由席」(ややこし)に貼ってあった鞠ダンマクの上から赤ダンマクを貼って一悶着あって、係員が数に押されて赤に迎合、鞠ダンマクはあえなく撤収、鞠サポ大激怒、ということでいきなりこういうことになったらしい。
「ホーム自由席」ではたとえアウェイ寄りでもビジターチームのグッズを身につけての観戦が出来ないそうです。問題の根本的解決になっとらん・・・
隔離エリアだけにアウェイサポを押し込めてもめ事を予防する戦略って、アウェイサポが少ないか、ホームサポが大半の席を占めてしまうか、どちらかのケースじゃないと機能しないと思われ。つまり赤い人たち相手だと・・・
5月にナビスコでもう一回赤い方々をお迎えするそうですが、こんなんで大丈夫かいな?
まあ、よそさまの事情だけど、それにしても、シューマイ買えんかった・・・(←結局、食いもんの恨みかい!)


んで、試合。
のっけから、鞠ちゃんが流れるようなパスワークで東京を圧倒、なんども決定機をつくり出す。ブラジルトライアングルを中心とした動きの連動性はさすがです。やばいなあ、と思ったのは大島へのクサビを迎撃できず、かつ落としを受けに来る清水をも捕まえきれなかったこと。本来、大島が落としたボールをケアすべき伊野波がマルケスにくっついてサイドへ流れているので、バイタルエリアがすっかすか。ここで潰せないと、マグロンがゴール前に進出してきてシュートを打たれてしまう。岡ちゃん、よく研究してるわ。
マルケスには、伊野波がストリクト・マンマークで付いていたが、それ故にひとたび抜かれると大ピンチに直結。パウリーニョとは役者が違ってましたな。
そんなこんなで大ピンチの連続。左サイドのブラジルトライアングルを中心に攻められっぱなし。マグロンのあれとか、マルケスのあれとか、清水のカウンターからのあれとか。
マグロンは前半だけでシュート4本(手元集計)。梶山がつききれなかったのが痛かった。


東京のほうは、ゴール前までボールを運べるものの、2トップが完全にマークされて立ち往生、しかたなく回すパスをかっさらわれてカウンターを食らう、という場面が目立った。
せっかく栗澤のところにボールが収まって、なんとかキープして味方の攻め上がりを待っても、そのころには鞠さんががっちりと守備ブロックを形成している。問題は、もうみんな耳タコだろうけど、そこでまったく動きが無くなってしまうこと。みんな、突っ立ってパスを待ってるだけなの。そんじゃだめでしょ。ミーアキャットじゃないんだからさ(プレーリードッグでしたっけ?)。せめてイナバウアーぐらいしてみい。笑いがとれっから。
ボールを引き出す動きをするのは信男さんだけ。いくら信男さんが好調だからって一人じゃねえ。



つーわけで、中央から崩せる気がまったくしません。チャンスになるのは規郎・徳永がサイドを破った場合のみ。しかも徳永はドゥトラの対応に追われてあまりオーバーラップできず。東京のシュートは、川口が1本、規郎が2本の計3本のみ。


これではまずいと、さすがにハーフタイムから手を打ってきた。
梶山OUT→宮沢IN。
これはうまい手だと思った。機能していなかった梶山を下げ、今野を右に持ってきてマグロンをマークさせる。宮沢にはサイドや前線へのボール供給役になってもらって、攻撃のてこ入れを。
甘かった。
前半から規郎の裏を何度も田中隼に突かれていたが(茂庭が対応)、左から崩されて右へ振られ、そこに飛び込んだ田中がゴール。そこしかないコースに決められた。


そのあと、東京は選手交代でもたついたように見えた。みんな、ブーブー言って、「ガーロは選手も替えられないのか!」なんていうおバカちゃんもいたけれど、それなりに理由があると思う。
まず、60分すぎ、阿部と赤嶺を準備したときから、突然ルーカスの動きがよくなって(いったいどうしたの?)、リズムを掴める予感がしてきたこと。ここでいったん様子を見たんでしょう。
先制点を奪われた後、赤嶺がタッチラインまで出てきていったん下がり、しばらく第4審のところでもめていたのは、明らかに交代用紙の記載ミス。最初は「栗澤→赤嶺」って交代だったのよ(ボードに27番って表示されてた)。これみて、「ええっ!!!!」って思ったんだけど、さすがに間違いで、結局「ルーカス→赤嶺」。たしかにベンチワークのミスではあるが、交代を躊躇していたわけではない。だから、脊髄反射はやめましょう。

追記:試合後コメントを見るとやっぱり迷っていたようです。思いこみスマン


その赤嶺はなかなかチャンスに絡めなかったが、鞠さんが次第に守りに入ってきたので東京が前に出られる機会が増え始める。どうやら、30分すぎから伊野波がマルケス密着マークをやめたようで(J SPORTS見て確認するか)、後方のケアを伊野波に任せて今野や徳永が前に出られるようになってきた。
特に、マルケスが下がってからは伊野波も積極的に前へ出てきたよね。


そしてロスタイム、右サイドで得たFKを栗澤が早いリスタート。これが効いた。鞠守備陣がマークを確認し終わらないうちに送られたボールを今野が落とし、それを増嶋が押し込んで同点。みんな狂喜乱舞。私も、頭の片隅で「たかが同点ごときでここまで喜んでいいのかなあ・・・」と思いつつも、やっぱりため込んだものが一気に出てきて大声を上げてしまった。


そして、ロスタイム残り、鞠の猛攻をなんとかしのぎぎって、勝ち点1を拾った。


まあ、引き分けてよかったですよ。これで負けたらまた悪循環に陥りそうな気がしてたから。
栗澤の気の効いたプレーと(彼の機転に感謝しよう)、あの位置に詰めていた増嶋の執念。間が悪いっつーか、ミスが必ず失点に絡んでしまうまっすうだけど、とにかく一つ結果が出て良かったんじゃないだろうか。いや、今年の増嶋、進歩してるよ。今年の増嶋なら、心中してもいいって気がする。去年はまったくそんな気がしなかったけれどね。
あとは、規郎ですか、守りにしろ、攻めにしろ、試合ごとに進歩しているのを感じる。クロスの精度も上がってきたし、あとは駆け引きっつーか、ポジショニングとオフザボールの動きね。これは徳永にもいえるのだが、とにかくこの二つが悪すぎる。この二人へのサイドチェンジが通りにくいのは、ボールの精度もさることながらポジションを前に取りすぎるのよ。そのせいで、サイドチェンジのコースと相手守備ブロックの位置が重なってしまって、カットされるか、足元で受けてマーカーとよーいどん、ということになる。ちょっと下がり目の位置で加速しながら受けて一気に突破、つーわけにはいかんでしょうか。それには、対面との駆け引きをしつつ、細かにポジション修正をしなければいけないのだが。それと、サポートに来る中盤の選手とワンツーを使って裏へ出るプレーもやってくれないかね。ボランチが近くに寄ってきて、しかも裏にスペースがあるのに、立ち止まったままパス交換するのはやめてくれ。とにかく、いい体勢でボールを持てば、彼らを止められる選手はそうはいないのだから(単純な一対一ならドゥトラ・田中隼に勝っていた)、もちっと頭使ってくれや。
えー、あとは、栗澤は安定してました。ただ、チームに連動性が全くないのでえらく苦労してたけど。信男さんはさすがの働き。さすが、ジュビロ育ちは役に立つ。それからルーカス・・・・ああ、ルーカス・・・・どうしようかなあ・・・・いい人だし、一生懸命やってるのはわかるんだけど、なんでシュートが枠に飛ばんかね。今日に限っちゃ、完全に押さえられてボールキープすら満足にさせて貰えなかったし、ちょっと深刻。
それから、梶山はちょっと頭を冷やさせた方がよろしい。悪いときの梶山に逆戻りしとる。


チームの調子は一進一退です。京都みたいに中盤ユルユルのチーム相手ならパスを繋いで崩すサッカーができる。でも鞠さんみたいに強固な守りを誇るチームだと、中盤が全く機能せず、サイド突破しか可能性を感じない。タイトな中盤プレスをかいくぐって攻め上がれるほど、チームが成熟していない。


あと、ここ3試合ほど、伊野波が相手エースをマンマークする戦術を取り、ある程度結果を出してきたけれどその限界も明らかになった感じ。マンマーク自体は好き嫌いはあれど、「古くさい」と一言で片づけられるものではない。伊野波マンマーク戦術自体、敵キープレイヤーを封殺することによって最終ラインの守備を安定させ、規郎・徳永を前に出すための仕掛けで、狙いは攻撃の活性化なのだから。
ただ、今日みたいにチーム一丸となって流動的な攻撃を仕掛けてくる相手だと、どうしても空いたスペースを使われてしまう。さらに、そのスペースをケアするために中盤が下がってきてしまい、攻撃時の押し上げが効きにくくなる。前の3人だけじゃ、コンビネーションというものが全く無い前線では、今の東京は点が取れない。対応策としては、とりあえずサイドの片方を前目に置くしかないのかな。フォーメーションを右肩上がり(or左肩上がり)にして、かつボランチに宮沢を入れて、大きな展開が使えるようにする。今、最大の武器はなんだかんだ行っても規郎・徳永の突破なのだから、大いに使いましょう。
それにしても、連動性、連動性・・・時間掛かるなあ、きっと。


この辺は、今までイケイケサッカーで楽しくやっていたツケが回ってきた感じ。思えば、2004・2005年の東京は、とにかく前へ前へのイケイケでゴール前まで攻め込み、そこで発生したぐちゃぐちゃの中で今野が押し込む(笑)というあんまり頭使わないでいいサッカーをしていた。僕らは無邪気にそれを楽しみすぎた。
「ガーロ辞めろ」っていってた連中は、その辺を考えて欲しいね。
基本的なグループ戦術すら使えなくなってしまった選手たちにしたのは、誰かってことを。それを許容し、それどころかけしかけていたのは僕らだってことを(ああ、心が痛い)。


でも、私は悲観してないです。
すこしずつ、ほんのすこしずつだけれども前に進んでいるとは思うから。
まあ、3歩進んで2歩下がるの類ではあるけれど。


それに、ちょっと信じられないのだけれど、自分はこのグダグダを楽しんでいる。
だって興味をそそられるじゃない。試合毎に問題が山積みで、それになんとか対処しようとして、でも問題の解決が新たな問題を生んで、それに対してガーロも選手たちも僕らも、どうしようかと悩む。
ひねくれてるって言われればそれまでだけど、毎試合、これほど頭を使って東京の試合を見るのは初めてだ。
でもさ、たまには考え込むってのもいいことだよ!(最後はポジティブ)


で、明日は西が丘なんで、もう寝ます。
村田君と常盤君が出ますように。それと、三澤君のケガが治っていますように。