2006年J1第7節 FC東京 3 - 1 ジュビロ磐田(観戦16試合目)

日時:2006年4月8日(土)16:00キックオフ
会場:味の素スタジアム
観衆:24214人
主審:吉田、副審:手塚、相葉、第4審:東城
得点:ルーカス(東京、22分)、村井(磐田、25分)、ルーカス(東京、42分)、栗澤(東京、67分)
警告:伊野波(東京、12分)、茶野(磐田、44分)、鈴木規(東京、49分)、鈴木秀(磐田、50分)、
   菊池(磐田、67分)、ササ(東京、68分)、徳永(東京、80分)
退場:なし

天気予報は終日晴れ。しかし、朝から曇り。出がけに洗濯を干していたら雨が降り出した。慌てて洗濯物を室内に移し、傘を差して部屋を出る。かなり雨足が強く、駅への途中にある深川桜祭りの出店も撤収中だった。最近、好天気予報が大外れになることが多いよな、気象庁大丈夫か、などと毒づきながら地下鉄に揺られて新宿に出ると、青空が広がっていた。どうやら前線が通過したらしい。


つーことで、一転してビール日和!になったのでバクスタでグビグビやってるうちにキックオフになった。


本日のお相手は磐田。我がチームと同様、あれこれと悩んでいるチームである。ただし、東京の悩みが上位を目指すための変革に根ざすのに対し、あちらは・・・山本さんが趣味で悩んでいるような気がする(いや、世代交代が難しいって、頭では分かっているんだけどね)。


東京のスターティングラインナップおよび選手交代

  ルーカス  ササ
      栗澤
  今野      梶山
      伊野波
 規郎 茂庭  増嶋 徳永
      土肥

SUB:塩田、藤山、浅利、宮沢、阿部、川口、赤嶺
選手交代:伊野波→宮沢(HT)、栗澤→浅利(83分)、ササ→赤嶺(89分)
ササがスタメンに復帰した。数字表記上のフォーメーションは変わらない。しかしシステムはどうだろう。ストリクト・マンマークを続けるのだろうか。それとも・・・


磐田のスターティングラインナップおよび選手交代

      カレン
  村井  名波  太田
    菊池 ファブリシオ
 森下 田中  茶野 鈴木秀
   俺たちのヨシカツ

SUB:松井、大井、服部、船谷、成岡、西野、前田
選手交代:カレン→前田(56分)、森下→船谷(60分)、村井→成岡(71分)
5チームで作る変則グループに入ったため、水曜にナビスコを戦った。それから中2日。中山も福西も西もケガで選手のやりくりがやや苦しいか(それもこれも緑が降格したからです。恨むなら連中を恨んでね)。ようやく前田が交代出場可能になった。
伝統の3バックを捨て、どっかのチームがこないだまでやってた4-5-1フォーメーションを敷いてきた。山本さんもあれこれいじるのが好きだねえ・・・。しかし、村井・太田というサイドアタッカーが高い位置に張るので結構怖いかな。ところで左SBの森下って板長じゃないよね。
そしてゴールの扉を開け放つは・・・じゃなくて固めるのは、そう、僕たちのヨシカツ君ですよ!選手紹介じゃ、バクスタあたりでも拍手する人多数w。みんな、よく分かってる。


試合前、磐田サポは「STEP2 一致団結→以心伝心」なる第三者には意味不明の横断幕を掲げる。STEP1はなんだったのか、STEP3は何になるのか、そもそもSTEPの数はいったいいくつなのか、最終ステップが「人間力」になるのか、気になるところである。


ウチのゴル裏には「ガーロ支持」なんてゲーフラもあったりして(勇気あるなあ)、監督の件はひとまず様子見ということになったらしい。先週の辞めろコールは、私にいわせりゃ「スレッガーさんかい? 早い、早いよ」ってなもんで、行動がエスカレートしなかったことに一安心である。


んでもって、選手入場。試合開始。

0分、東京:徳永の右クロス。ササがゴール前へ入っていくがボールが高すぎて合わず。
2分、東京:栗澤がドリブルで持ち上がり、ルックアップ。徳永がライン際を駆け上がり、梶山が中へ入っていく。栗澤は梶山へのパスを選択、受けた梶山がPA手前でキープ、右オープンスペースへパス。スピードとコースが悪く、オフサイドラインを見ていた徳永は追いつけず。
3分、東京:2トップのコンビネーション。ルーカスのワンタッチスルーパスにササが反応するがオフサイド
4分、東京:右スローインを受けたルーカスが反転してDFをかわしシュート。コースが空いていたが、シュートは右に逸れる。
9分、磐田:右から鈴木秀がアーリークロス、カレンが飛び込んでヘディングシュート、土肥がキャッチ。

立ち上がりから東京がリズムを掴む。梶山が起点となり、栗澤、徳永が絡んで右サイド中心にチャンスメイク。FWはササが中央に構え、ルーカスが左右のスペースに流れてボールを受ける。いろいろと論議の的になっていた守備のやり方だが、前節までやっていたストリクト・マンマークをやめた。ポジショニングの関係で伊野波が名波に付くことが多いが、どこまでも付いていくという訳ではなく、伊野波が攻撃参加する場面も目立つ。その時は今野か梶山のどちらかが下がり目のポジションを取ってスペースを埋める。トーチュウによると、どうやらガーロたんの指示は「マンマークしろ!」ではなく「マークに付いたときは厳しく行ってくれ!」というものだったらしい。監督とMF陣で話し合ってようやく誤解を解いたとか・・・・なんじゃあ、そりゃあ? 日本人を指導するのが初めての監督と、「ポゼッション」て言われたらほんとにポゼッションだけしているくそ真面目な選手たちだから仕方ないか。というわけで、いったんマークを掴んだらみだりに受け渡しせず厳しく付いていく、程度の「ブレイクのタイミングが早いゾーンディフェンス(湯浅風)」が本来の要求のようです。このやり方だと、MF陣、とくに今野が前目から厳しくチェックに行けるので早めに磐田の攻撃を潰せる。

10分、東京:梶山の右CK。ニアサイド、肉弾戦の中で増嶋がヘディングシュートを打っていくがゴール左。
12分、磐田:フリーキックのこぼれ球を田中マコがシュート、DFがブロック。
15分、東京:伊野波がボールを奪ってそのまま前進。左サイドに流れてキープ、オーバーラップしてきた規郎にパス。規郎が斜めに切り込んでエリアに入るかは入らないかのところで強引にシュートを試みるが鈴木秀に阻まれて打ち切れず。しかしこぼれ球を拾ったルーカスがPA右をえぐってマイナスの折り返し、これにササが飛び込むが強い浮き球をジャストミートできず、シュートは枠外。決定的。
23分、東京:右タッチライン際の競り合い、徳永が名波からボールを奪い、それを拾った栗澤がドリブルで持ち上がりながらルックアップ、そしてGKとDFの間に絶妙の浮き球パスを送る。これに反応したルーカスがダイレクトボレーでループシュート、川口がジャンプして手を伸ばすが届かず、ゴール左隅にゴールイン。

試合が中盤に差し掛かっても東京が主導権を握り続ける。右サイドは梶山を中心としたキープのおかげで徳永が高めのポジションを取ることができ、いいリズムで組み立てができる。一方、左サイドはバランスを取るためか規郎のポジションがやや下がり目で、かつ相対する鈴木秀をなかなか抜くことができず、苦しい状況。しかし、密着マークをやめた伊野波の上がりからチャンスをつくる。しかし、ボールは前に運べても最後の仕掛けでコンビネーションが確立できず、消化不良気味。いままでも最初の20分ぐらいはパスを繋げていて、その後グダグダになっただけにそろそろ心配が頭をもたげてきた。そこにルーカスの先制弾。このときのオイラの気持ちは、

クララが立った!てなもんですよ(激しく違う)。なんでも去年7月の清水戦@日本平以来のゴールだそうで、最近の師匠呼ばわりを吹き飛ばす技ありシュートだった。試合開始から動きが切れていただけに、なにか精神的なリフレッシュができたのかな?


一方、磐田は深刻。そもそも、選手の特徴とフォーメーションが合ってない。カレンはスピードを生かしてスペースへ抜けるプレーが持ち味で、1トップには向いてない。名波もやや後方からゲームメイクをさせてこそ真価を発揮するタイプで、FW的な動きも求められる4-2-3-1のトップ下には不適。両SBとも本職ではないため(森下はよくわからんが)タイミングの良いオーバーラップでサイドMFを支援することができず、サイドアタックは村井・太田の単騎突撃になりがち、とここまでいいところがなかった。それに、水曜のナビスコから中2日で疲れが残っているのか、全体に運動量が少なめでチェックが甘い。このため、ルーカス・ササがボールを収めることができ、栗澤・梶山も中盤でタメをつくることができていた。ルーカスへのラストパスを出した栗澤を、ボールを収めてからパスを出すまでの数秒間(5秒近くあったのではないか)、全くのフリーにしてしまったことが、このときの磐田を象徴していた。


ここまで、攻め上がった徳永の背後に村井を走らせるプレーぐらいしか見せ場のなかった磐田。しかし、失点直後、さすがに気合いが入ったのか、いかにも磐田というプレーで同点に追いつく。

25分、磐田:東京のファウルで得た自陣ハーフウェイ付近のFKを早いリスタート、これを受けた茶野がドリブルで持ち上がり、センターサークルを越えたあたりで右タッチライン際を前進する太田へパスを送る。右サイド深いところで太田が起点を作り、素早くサポートに来た鈴木秀が戻しを受けると攻め上がってきたファブリシオに横パス。ファブリシオPAのやや外側でキープ、コースを見つけてPA右に入り込んだ名波へパス。名波がこれをヒールで流し、パス&ゴーでエリアに入ってきたファブリシオが間髪入れず折り返す。これが対応した茂庭の股を抜けてしまい、ゴールエリア付近で村井が増嶋と競り合いながらもシュート、土肥がいったん体に当て、浮いたボールを手で掻き出そうとするが空振り、こぼれたボールを村井が自分で押し込んで磐田同点。増嶋がクリアしようと必死で足を伸ばしたが、間に合わなかった。
28分、東京:栗澤のパスを受けた規郎が、この日初めて左タッチライン際深くに侵入、クロスを送る。中央、ササがDFと激しく競り合いながらも強さを発揮してヘディングシュートを放つが、ゴール左に外れ。
33分、東京:徳永が裏のスペースへボールを送り、ルーカスがオフサイドラインをかいくぐって右サイドへ深く侵入、マイナスの折り返し。DFを振り切ったササが速い浮き球をダイレクトで合わせるがヨシカツの正面。決定的。

同点に追いつかれたあと、東京は反撃を試みるがいつもどおりというべきか、この時間帯はペースダウンしてしまい、攻撃は散発的。梶山もちょっと気が抜けたようなプレーが目立つ。そんな中、ルーカスの献身的な動きや今野・伊野波のファイト溢れるプレーは変わらない。


そして前半の終盤、東京にチャンスが訪れる。

41分、磐田:名波のFK。ゴール前で増嶋がカレンと激しく競り合いクリア。このときカレンの足が増嶋の顔に入ってしまい、まっすうはしばし倒れる。ゴルラァ、カレン、布さんに言いつけるぞ!
42分、東京:DFラインでのボール回し。左へ回して右に戻して、増嶋からハーフウェイ付近まで前進した伊野波へパス。伊野波が前線のルーカスへ強く鋭いグラウンダーを送る。上手く体を入れ替えてSB森下を置き去りにしたルーカスが右サイドへ侵入、ゴール中央へ折り返し。茶野がダイビングヘッドでクリアを試みるが空振り、ゴール真正面に入り込んだササがワントラップ、シュート。しかしこれは飛び込まず待っていたヨシカツの正面、跳ね返りをササがもう一回シュート、これもヨシカツがセーブ、ササがさらにその跳ね返りに執念で足を伸ばすが、これはポスト右。ただしGKかDFに当たったため右CK。梶山の右CKが蹴られた瞬間、ルーカスが素早くニアへ動いて一瞬田中マコのマークが甘くなったところをダイレクトボレーで打つ。これが川口の手を弾いてゴール右サイドネットを揺らす。東京勝ち越し。

クララが二度立った!!!
先制しながらもすぐ同点に追いつかれ、そのあとはグダグダ気味。しかも絶好機をものにできず。そんな中での追加点は大きかった。ルーカスが師匠返上の大当たりである。ルーカスが目覚めた一昨年6月のG大阪戦を思い出してしまった(ついでにあの名古屋戦も)。いい気分のまま、後半を迎える。


ぼちぼちと続く。