全日本大学選手権決勝 早稲田大学 1 - 6 駒澤大学(観戦127試合目)

日時:2007年1月14日(日)14:00キックオフ
会場:国立競技場
観衆:10607人
主審:扇谷、副審:山口、相楽、第4審:青山
得点:巻(駒澤、7分)、巻(駒澤、33分)、小林(駒澤、46分)、兵藤(早稲田、51分)、
   オウンゴール(駒澤の得点、66分)、竹内(駒澤、79分)、竹内(駒澤、85分)   
警告:八角(駒澤、9分)、廣井(駒澤、58分)
退場:なし

今年のインカレ観戦は決勝1試合のみorz。早稲田vs駒大という俺的には萌えないカード。訳の分からん勢いを感じさせる関西勢もおらず、流麗なパスサッカーを見せる流経も敗退し、今年後半は間違いなく最強チームだった明大も消えた。カップ戦らしいアップセットがなく、トーナメントに強いサッカーをするチームが順当に勝ち上がってきた。


早稲田大学のスターティングラインナップおよびサブスティテューション。

GK:16伊藤拓
DF:12横山、4金守、13中川
MF:7鈴木修、2塗師、17松本、8山本脩、10兵藤
FW:9渡邊千、11松橋
SUB:21河野、5堀江、6金田、14首藤、15中島、18島村、19前田
選手交代:17松本→14首藤(68分)、2塗師→19前田(71分)、8山本脩→15中島(78分)
正GK時久が負傷で本大会には登録すらされておらず、代わりは伊藤拓。この伊藤拓が準決勝でPK2本を止めて決勝進出の立役者になったとのこと。ただし、その準決勝でDF山口貴弘が警告をうけ出場停止(主審が凍城、じゃなくて東城だったつーことでだいぶ荒れたらしいですな)。代わりは中川ですか。この大会では大量点を奪った試合が多い早稲田。決勝でも、前線の国見トリオに加え、両サイドにも攻撃的な選手を起用して攻め倒す気満々である。


駒澤大学のスターティングラインナップおよびサブスティテューション。

GK:1三栗
DF:13塚本、2阿部琢、5廣井、3筑城
MF:4菊池、18小林竜、6八角、15田谷
FW:9巻、10原
SUB:21山内、25伊藤、24鈴木寿、28椿原、30宮田、14竹内、12郄崎
選手交代:18小林竜→14竹内(72分)、10原→24鈴木寿(77分)、15田谷→30宮田(87分)
今シーズン苦しい試合が続いた駒澤。とにかく中盤が作れなくて、リーグ戦後期では開き直って堅守&放り込みに徹して勝負をかけるが一歩及ばず流経に優勝を明け渡した。インカレでもやり方は変わっていないようだが、個々の調子は上がっているようだ。
ちなみに、本日はアウェイ扱いなので白ユニです。別のチームみたい。


結果から言ってしまうと、見ての通り大差となった。原因として、サッカースタイルの相性がもろに出てしまう展開になったことがひとつ、決勝慣れした駒大が試合巧者だったのと反対に早稲田はベンチもピッチも「ウブ」だったこと、などが考えられる。才能の集中度では大学サッカー界屈指の早稲田だが、関東1部に戻ってきてまだ1年、やはり短期間で結果を出すってのは無理だったってこと。


まず、サッカースタイルの相違について。
早稲田のスタイルといっても、難しい。スタンドから見ていると、暗中模索としか形容できない時期もあった。力任せのサッカーで関東2部を勝ち上がってきた癖が抜けないのか、シーズン前半は連携もへったくれもない、各選手が個別の局面で個人勝負をかけているだけにしか見えない試合もあった。しかし、さすがに秋に入るとスタイルが確立されてくる。リーグ終盤に見た試合では、ボランチ塗師の運動量とボール奪取能力にものを言わせて中盤を制圧、相方ボランチ鈴木修人からの展開で、両ウィングバックを使った高速サイド攻撃・兵藤を中心にパスワークで崩していく形・シンプルにFWの個人能力を使う、などなそ選択肢が多彩になり、かつ流動性も出てきたので、見ていて面白いサッカーをするようになっていた。リーグ終盤の対流経戦では「守ってカウンター」に徹するという意外な側面も見せましたな(きわめていやらしい事が判明)。


一方、駒澤は中後タン卒業以来(いや、橋本早十中田洋介まで遡るかな)の課題だった中盤の機能性を改善すべく今シーズンは3-3-4?的な謎のフォーメーションを導入したが、まったく機能せず。中盤ダイヤモンドの4-4-2に戻してとりあえず守りを安定させるが肝心の中盤は機能せず、さらに原一樹も不調、巻弟の高さを頼りに目先の試合をしのぎ、模索を続ける日々。試行錯誤の中で勝ち点を落とす試合が多く、流経にリーグ優勝を許すことになった。リーグ終盤には開き直って、とにかく原と巻を最大限に使う戦術を採用したのだが、一歩およばなかったね。駒大のやり方とは、

  • アンカーの菊池+4バックでがっちり守りを固める。
  • 中盤に残るMF3人を並べ、とにかく走り回らせてボールを拾わせ、2トップへつなぐ。DFラインのカバーからサイド攻撃からとにかく酷使する。
  • そして、原巻2トップがとにかく勝負する。
  • シュートが打てなくてもとにかくセットプレーを取ってくる。そして塚本のFKか原のロングスローで肉弾アタック!

てなサッカーしてるんでんな。リーグ戦のときは「なにこれ?」って思ったが、考えて見ればノックアウト方式の大会に極めて適しているやり方である。

そして、早稲田のように「強固な中盤守備(つーか塗師のボール奪取)からの多彩な攻撃」を売りにしているチームにとって、相性最悪のサッカーである。なぜなら、駒大は中盤を使わないのだ。中盤でのパスによる組み立てはほとんどせず、素早く前線やサイドにフィードしてしまう。ボールは早稲田自慢?の塗師の頭上をむなしく飛び交うのみ。駒大の戦場は自分と相手の両ゴール前だけ。そして、駒大はゴール前の接近戦に無類の強さを発揮するチームである。この日、早稲田自慢の攻撃陣は駒大守備陣の前に封じ込まれた。そして、早稲田はCB山口が出場停止。巻の高さと強さに対抗できるDFがいなかったのだ。駒大の勝利は論理的帰結だった。こんな大差になるとは思わなかったけどね。


それでは前半。

3分、駒大:右サイドから塚本が長めのFKを蹴る。ファーで巻が頭で折り返し、それに菊池が飛び込んでヘディングシュート、惜しくもバーを越える。のっけからいつものパターン炸裂。
7分、駒大:同じく塚本がFKをゴール前に入れていく。早大DFがいったんクリアし、高く舞い上がったボールを巡って頭で競り合う展開に。このセカンドボール合戦に駒大が圧勝。頭でポーンポーンと繋がれてゴール前まで持ち込まれ、GK伊藤拓が飛び出してパンチングでクリアを試みる。ところがこれがネコパンチ。こぼれ球を狙ってゴール前に入ってきていた巻の真ん前にボールが落ち、間髪入れずに放たれた強シュートがネットに突き刺さる。駒大先制。

キックオフから駒大ペース。前線から猛烈なチェイスをかける。中盤でボールを奪ったら間髪いれず前線かサイドへフィード、ボールをもらったらとにかく勝負をかけてゴール前に持ち込むか、少なくともセットプレーを取ってくる。要するにいつもやってることをさらに徹底してきたってことだね。
早稲田のほうは慎重な立ち上がり。駒大のプレスがきついせいもあり、中盤で持たずに前線、とくに渡邊千にクサビを入れてくるが、ことごとく廣井に迎撃されてしまう。
そして双方が長いボールを蹴りあう落ち着かない展開の中、駒大の形で先制を許してしまった。

8分、早大:松本→松橋と繋いで右サイドを崩し、ゴール前にマイナスの折り返し。後方から飛び出してきた鈴木修がシュートするが駒大DFがブロック。セカンドボールを巡る競り合いで八角がファウルを犯し警告、ゴール正面30mで早大のFK。兵藤が直接狙うが枠を捉えられない。
11分、早大:ライン裏へ放り込み、反応した渡邊千が突進、ファウルを誘ってペナルティアークのところで早大のFK。鈴木修が低く速いキックで壁の間を抜き、ボールがゴール左へ。GK三栗の反応が遅れたがボールは惜しくもポストの外。
12分、駒大:右クロスを原がヘディングシュート、GKがパンチアウトしてCK。CKのクリアボールを拾った田谷がクロスを入れ、小林竜が合わせるがシュートはジャストミートせず、GKがキャッチ。
14分、早大:渡邊千が廣井のファウルを誘って早大のFK。左サイド25m付近から兵藤がゴール前に入れるがクリア。
22分、早大:兵藤が右サイドへ侵入、対応した筑城をかわしてクロス、中央に渡邊千と松橋?が飛び込む。タイミングが惜しくも合わず。
26分、早大:カウンター。山本脩からのフィードに松橋が反応、ラインの裏を突くがGK三栗が飛び出してクリア。

この時間帯、ようやく早大のパスが繋がり始める。兵藤と鈴木修を中心にボールが回り、いいリズムで両サイドや前線へ展開出来るかと思えたが・・・駒大がラインを下げずにプレスをかけ続けたため、早大はなかなかペースを掴めない。ならばと、駒大DFラインの裏へ長いボールを送り松橋・渡邊千を走らせるが、GK三栗が判断良く飛び出してクリア、決定的な場面を作らせない。それでも渡邊千の突進や、松橋のスピードを生かしてチャンスメイクを試みるが、数少ない機会を決められず。鈴木修のFKは惜しかったな。


あとですねえ、早稲田の応援部が少々迷惑。自分たちのエリアで騒ぐなら勝手にしてくれだが、何を勘違いしているのかバック中央からこっちはデフォルトで俺らの陣地とばかりに通路を走り回ってトラメガで「バモバモ〜」と観客を煽る(誰も乗らない)。あのねえ、早稲田の人ばかりじゃないの。試合自体を楽しみに来てる人が多いんだよ。そんなとこで学生服の汗臭い兄ちゃんががなったって反感買うだけよ(「かえれ〜」って言ってる人もいましたなw)。どうしても煽りたいなら、せめてチアを派遣しろ。


やや早大に流れが傾きかけたが、駒大が堅い守備でそれを食い止める。そして25分すぎから、再び駒大のリズムになる。

27分、駒大:左サイドで田谷がドリブルで仕掛け、ファウルを誘ってFK。塚本のキックに菊池が飛び込むがボールが高く、頭が届かず。
31分、駒大:原一樹がラインの裏へ抜け出しGKと一対一になるが、金守が必死に追いすがり足を伸ばす。これが功を奏し、原のシュートがしっかりヒットせず、GKが押さえる。
33分、駒大:原の左ロングスローをGKがパンチアウト、左CK。塚本の蹴ったボールがゴールエリアの前縁をかすめるように曲がり落ちる。GK伊藤拓が飛び出すが決断がやや遅く、伸ばした指先にはすでに巻の頭が・・・ヘディングシュートが決まって駒大2点目。
39分、早大:松橋がスピードを生かして突破を試みる。筑城を振り切ってエリアに侵入、シュートを放つがわずかに右ポスト外。
42分、駒大:中盤の底で菊池がボールを奪い、その勢いのままドリブルで持ち上がってクロス。GKが飛び出してクリアするが中途半端、しかしDFがカバーして事無きをえる。

駒大は相変わらずのサッカー。奪ったボールを素早くサイドのスペースに送り、田谷と小林竜、あるいは原が左右に流れてドリブルで仕掛け、できるだけボールを前に持ち出す。ラストパス/ラストクロスに繋がらなくとも、ファウルをもらって塚本のフリーキック、タッチに蹴りだされれば原のロングスローでゴール前の肉弾戦に持ち込む(ああ、なんか同じことを書いてますな)。2点目は、やはりGKの飛び出しが遅れ気味だったように見えた。とにかく、駒大が自分の形に持ち込んで2点リードで前半を終える。願ったりかなったりですなあ。


そしてですね、ハーフタイムには本日のメーンエベント!全世界46億のチア萌えが待ってたぞ!!青山学院大学チアリーディング部「REESES」の登場である!!!
キター、チアたんキター!!!!
いや、レベル高かったです。ダンスの切れ味とか全員のシンクロした動きが、そこらのチアとは明らかに違う感じで。なんていうんですが、あの人間タワーみたいなのも高かったし。チラシには「全国7位(規定は1位)」なんて書いてありました(規定ってなんだろう)。萌え〜なんて言ってるのが申し訳なくなるぐらいでした。


さて、見るもん見たし、帰るか・・・じゃなくって、後半ですか。

46分、駒大:左サイドを田谷が突破、フリーで折り返す。原が中央に入って早大DFを引きつけ、猛烈な勢いでファーに飛び込んだ小林竜がダイビングヘッド、ゴール!駒大3点目。
51分、早大:左スローインを素早いリスタート。全く動きを止めずに走っていた兵藤にボールが渡り、完全にフリーでエリア左に侵入、GK三栗と一対一。角度のないところから放ったシュートが逆サイドネットに決まって早大が1点を返す。
58分、早大:ライン裏へ放り込み、早大FWと駒大DFが並走しながらの競り合い。廣井が処理を誤ってこぼれたボールに松橋が反応、フリーで抜け出しかけるが廣井がファウルで止める(廣井は警告)。ペナルティアーク付近でのFKを鈴木修が直接狙うがボールはわずかに枠をそれる。

はい、来ました。おそらく気合いを入れ直してきただろう早大冷や水を引っ掛ける、駒大名物開戦劈頭奇襲攻撃。リメンバー・パールハーバー!(意味不明)。こいつは痛かったですね。あまりにも痛すぎる失点だった。すぐ後に兵藤が意地で一点返しただけにね(これは素早いリスタートといい、シュートといい、見事だった)。58分のプレーは、松橋が抜け出せば一点ものだったのだが、廣井が警告覚悟のファウルで止める。この辺、決勝慣れしている感じ。

61分、駒大:長めのFK。いつものように巻が頭で落とし、詰めた田谷が倒れこみながらボレーであわせる。決定的だったがボールを浮かせてしまい、バーの上。
63分、駒大:原のロングスローからゴール前の混戦。その中に飛び込んだ小林竜が至近距離からシュートを放つが宇宙開発。決定的。
66分、駒大:田谷が左サイドでドリブル、ファウルをもらってFK。塚本のFKがファーサイドへ曲がり落ちていく。一番外側に菊池が入り込むが、早大DFがその鼻先でクリアしたかのようにみえた。ところがゴールにそのまま蹴りこんでしまい、オウンゴール。駒大が4点目。

前半はラインを高めに保ち、コンパクトな陣形で前線からの強烈プレスをかましていた駒大。後半立ち上がりも同じやり方をしていたが、さすがに60分ごろから方針を変えた。今度は引き気味で自陣をがっちりと固めてきた。早大が中盤でボールを回しても慌てない。スペースを埋めペナルティエリアに入らせない守り方をする。攻めあぐねる早大。駒大のほうはこれまでのように素早く前線あるいはサイドにボールを出すやり方を徹底、原・田谷・小林竜の走力を生かしてボールを前に運ぶ。そして奪ったセットプレーから4点目。あんたら、はまりすぎだよ。


以後のプレーは、勝敗という観点で見れば急速に意味を失っていく。この状況を逆転するには、お調子もののサポーターがスタジアム一体となった応援を展開し、お調子ものの選手にアドレナリンを過剰なまでに注ぎ込んでやるしか方法はなかっただろう。そう、いつぞやの味スタのように(あくまでサポーター目線の意見でつ)。しかし、この日の早稲田はそこまで根拠のない確信をもっていなかった。そして、状況を読めない応援部によって十分に不快感を味わされていた観客が一体となって早稲田を応援することもなかった(頼むから周り見て行動してくださいよ、まったく)。

68分、早大:選手交代。松本→首藤。
71分、早大:選手交代。塗師→前田。次々と攻撃的な選手を投入する。
72分、駒大:右MFの交代。小林竜(お疲れさん)→竹内。
73分、早大:首藤のロングフィードに松橋が反応、右裏へ抜けクロス。これに後方から出てきた山本脩が合わせるが、シュートをDFがブロック、跳ね返りを拾って兵藤→山本脩とつなぎ、今度は鈴木修が長めのシュートで狙っていく。これがDFに当たって左CK。そのクリアで右CK、ここから中川がヘディングシュートを放つがゴール右に外れる。
77分、駒大:選手交代。原→鈴木寿。鈴木が左MFに入り、田谷が右MF、竹内がFWへ。
78分、早大:選手交代。山本脩→中島。
79分、駒大:長めのフリーキックをラインの裏へ放り込む。早大オフサイドトラップをかけるがラインが凸凹。ラインとの駆け引きで裏をとった巻が頭で折り返し、ゴール正面にフリーで入り込んだ竹内が決めて5点目。すでに早稲田の集中力が切れていた印象あり。
80分、駒大:エリア右へ放り込み、田谷が走りこむ。GK伊藤が飛び出すがキャッチしきれず。ボールはそのままゴールラインを割るかにみえたがなぜかライン上で停止。こぼれ球にしっかり詰めていた竹内が角度のない位置だったが正確なコントロールで逆サイドネットに決め、なんと6点目。

後がない早大は次々と攻撃的な選手を投入するが、ペナルティエリアをがっちり固める駒大をどうしても崩せない。駒大はフレッシュな選手を入れて前線・中盤の運動量を維持、ロングボール主体の攻めで前がかりになった早大の後方を狙う。この狙いが見事に当たって追加点をゲット。スコアがなんと6−1。えーと、いったいこれは決勝なんでしょうか。駒大の皆さんやりすぎです。

87分、駒大:選手交代。田谷→宮田。ええええええ!? 宮田がFW、竹内が右MFヘ。
89分、駒大:竹内が右サイドを突破。すでに早大の守りは薄く、ゴール前はがら空き。竹内がゴール前に詰める宮田へプレゼントパス。決めればいいだけだったが、宮田は絶好機に固くなったのかシュートにややもたつき、GKが足一本でクリアする。

あとは終了のホイッスルをまったりと待つだけになったと思われたが、終盤に思わぬドラマが。勝利確実の展開になった駒大・秋田監督が去年の印出投入に続いて今年も粋な計らい。つまりこれまで出場機会の少なかった4年生を投入した。今年の「4年間よく頑張ったで賞」を受賞したのはなんと宮田潤!。近くにいた大学サッカー通らしい観客が「すげえ、都市伝説だよ!(爆)」とのたもうていたが、確かにそうかも(笑)。私も3年前に一度見たきりです。なんで覚えていたかというと、彼、東京U-18の出身なのよ。タイプとしてはスピード系頑張り屋かつ足元に少々問題あり系FW(だったかな?)。赤嶺、巻、原、今年になって郄粼らに押されてリーグ戦に出場する機会がなかった選手。それがファイナルのそのまた終盤で国立の芝を踏むとは。宮田は入るなりフルスピードで走り回りボールを追いかけ回す。ロスタイム入り直前?には絶好機が訪れるが、堅くなったのかシュートは決まらず。美味しいところをもっていけなかったのもまた苦労人らしいかも。
そして終了の笛。駒大のインカレ三連覇が決まった。


自信満々、やる気も満々だったが、自然体というか素のままで試合に挑んだ早稲田。自分たちのストロングポイントを最大化するゲームプランを徹底的に遂行した駒澤。
駒澤は立ち上がりから強烈なプレスをかけ続けた。統制されたプレッシングという感じはあまり受けなかったけど、とにかくファーストディフェンダーの寄せが早くて、ボールを持った選手がルックアップする時間も、周りが動いてパスコースをつくる時間も与えなかった。要するに、早稲田は自分の間合いでサッカーできなかったわけね。あのプレッシングをかわして中盤を組み立てられるのはいいときの流経ぐらいでしょう。
駒大のMVPを挙げるとすれば、中盤の3人、つまり田谷・八角・小林竜ですね。駒沢のシステムは5人で守って5人で攻める、古典的なやり方。普通にやったら陣形が間延びして前線と後方の間にポッカリとスペースが空いてしまう。この問題点、歪みと言ってもいいのだけれど、それを埋める工夫がなにかしら必要。そして駒大の回答は「運動量で埋める」だった(汗)。その結果が前線からの猛烈プレス。とくにこの3人にかかる負担は極めて大きかった。走り回ってプレスをかけ、こぼれ球を拾いまくる。流れのなかで後ろの5人の誰かが前に出てくれば、下がってスペースを埋める。マイボールになったら、すかさずスペースへ走ってボールをうけ、2トップに繋ぐ。この試合では、サイドのスペースを突進してファウルをもらうなりクロスを入れるなりというのが極めて重要なポイントとなっていただけに、3人のなかでもサイドを担当する田谷と小林竜の負担が大きなものとなっていた。この2人は負担にめげずに走り回った。とくに田谷は切れてましたね。


早稲田のほうは、まああれだ、何事もトントン拍子にはいかないってことよ(そんだけかい!)。


というわけで、インカレ決勝の観戦記はおしまい(ようやくだな)。これにて2006-2007年シーズンは終了となります。全125試合、よく見たね。本業の都合で今年も夢の130試合越えがならなかったのは残念だけど。


2007-2008年シーズンの開始は例年どおりちばぎんカップから。今年は2月18日、日立台での開催。それまでは、フットボールのない、平穏といえば平穏な週末を過ごすことになる。